ちゃっちゃか吸血鬼君をムッコロして、やりたい放題展開に行きたいですな...
さて、その前に聖女セイバーとの決着をつけます。(自分がやるとは言ってない)
それでは、ご覧ください...
「まさか私を退けるとはな...」
何処とも知れぬ場所、そこに彼女はいた。
鎧姿に自身の背丈程あろうかという大剣、銀に輝く髪をなびかせ彼女は思案する。
「超能力者でないにも関わらず私と渡り合って見せたあの戦闘能力... 面白い。星伽の巫女とついでに連れて行くのもいいだろう。」
"
彼に接触したのは、知人から話を聞いた上でどんな奴か確かめる為、下準備の合間に誘い出したのだ。
「さて、情報は揃った。しかし、こんなことであの男が乗ってくるのか? ・・・まあ、当初の目的が果たせたならそれでいいか。」
決行の時は近い。辺りに冷気が漂い、なお一層奇妙な空気を作り出している。
全ての準備は終わった。彼女は剣を取り、暗闇の中へと消えていった。
「理子め... 中々の逸材を見つけたものだ。」
ああ、クソッ! 毒女とイカれビッチの次は氷の剣士ってか!? 次から次へと、よくもまあこんだけ出てくるもんだ!
もう腹一杯だ、十分だろう... こういう厄介事は遠山の担当じゃなかったのか?
何にしても奴は危険だ。警備の関係もある、何の対策もしないわけにはいかない。
つーわけで...
「頼んだ物は出来たか?」
「もちろん。潤沢な資金の下、すぐに仕上げてやった。しかし、今度はこんな大型剣とはな... 一体何があったよ? ほれ、新しいヒートナイフだ。」
先の戦闘で根元からポッキリ折れちまったヒートナイフの新品をでんごろうから受け取り、鞘に収まったかなり大きなブレードを持った。
見た目は、完全に強化サイボーグ用『アーマーブレイカー』そのものなのだが。
「まあ、な... 色々あんのさ。」
「ま、俺としては仕事をこなして報酬を得る、それだけでいいがな。あんまり無茶し過ぎるなよ?」
「お前に言われちゃお終いだってんだよ。まあ、それ位分かってらぁ、済まないな。」
本当、こいつはいい仕事をする。この出来は、正しく注文通りだ。
これで、用意は完了、後は奴が現れるかどうか... 出ないことに越したことはないが、果たして...?
・・・思った以上に事はスムーズに行っている。アドシアードの方は順調にいけばもうすぐ終わり。
このまま閉会式まで無事に...
「・・・ん? メール... 誰から...!!?」
思わず俺は周囲を見回す。何だこいつは...
(見られてないか? チッ! あの氷剣士だけでも面倒だってのに!)
はっきり言ってしまえば、この内容は俺に対する脅しだ。にわかには信じ難い、俺以外は誰も知らない筈だぞ。
だが、その時俺の脳裏に遠山の言ったあのことがよぎった。
≪魔剣は、必ず犯行前に何かしらの兆候があるらしい。脅迫メールとか...≫
魔剣? ありえん、あれは超偵を狙った犯行をしてきた奴だ。星伽会長が狙われるのはともかく、何故俺が...
魔剣は過去を見ることが出来るとでも言うのか? 嫌な予感がしやがるぜ... だが、魔剣ならそれを追ってるらしい神崎に協力を...
いや、これは誰にも知られちゃいけねぇことだ。危険すぎるが...
「行くっきゃねえか...」
周囲の目を避けるように、静かにメールで指定された場所に向かう。悪いな先生方、これも任務遂行の為だ...
「くそっ! 何処だ、何処に居るっ!?」
場面は変わり遠山、突如消えてしまった白雪を探して奔走していた。
情けない、彼女の気持ちを分かっていなかった自分が不甲斐ない。後悔の念が募る、そして焦る。
見事に思考の悪循環に陥っていた。
『遠山さん。』
「もしもし、レキか!? ・・・っ!!」
『・・・落ち着いてください。』
だが、レキの機転によりここでようやく我に返る。足元に放たれた1発は、彼を冷静にさせる切っ掛けを作った。
「・・・ああ。」
さあ、考えろ。あいつは何処に行った? 痕跡は無いか?
「レキ、そこから何か変わった処は見えないか? 何でもいい。」
『・・・・・・。地下倉庫の入り口にマックスさんが入って行くのが見えました。』
(ジェイ? 何でそんな処に... いや、長く考えてる時間は無い。)
「地下倉庫だな? 分かった!」
今は、僅かな手掛かりを頼りに行くしかない...!
「"case D7"とは... 穏やかじゃねえなあ。それよりも...」
まったく、何てとこを指定しやがる... これはマジで死ぬかも分らんな。
武偵校でも指折りのデンジャーゾーンに来る羽目になるなんて、ここが墓場になるなら遺骨すら残りゃしねえぞ...
まあ、あの火薬庫内部じゃないだけまだマシだ。あそこじゃ、俺の火器全般がアウトだからな...
【来たか...】
「と、おいでなすったな?」
こいつが魔剣か... 姿は見えねぇが、かなりの手練れだな... だが、まずは聞かなきゃならない事がある。
「おい、こいつは一体どういう意味だ。まさか、過去を見たなんて言わないよな?」
俺は、送られてきたメールを見せつけながら魔剣と思しき奴に対しかまを掛けてみる。
[お前の過去の秘密を知っている 全てを知りたくば 我が剣の下に来られたし]
これがメールの本文だ。ご丁寧に、自らの存在を誇示してやがる。だが、注目すべきは最初の文。
これは、俺の生前を知っているとも捉えられる。その場合、こいつは何をしでかすか分からない。
だから、本当に"知っている"かどうかを確かめる必要があった。
【ある人物からの情報だ。私にそんな力は無い、精々お前を誘い出し、こうする位だ。」
「なっ、その声は遠山... ・・・って、うおぁっ!?」
歪な音声が突然知り合いの声に変ったかと思えば、次の瞬間には壁の方まで吹っ飛ばされていた。しかも...
「ぐっ、変声術... 何!? 氷だと!?」
動けねぇと思ったら、両手足が壁に張り付けられていた。それも、凍らされてだ!
「怯える必要は無い、殺しはしないからな。」
奴が近づいてきやがった、その姿があらわになる。お、女、だったのか... いや、それよりも...
「誰が脅えるかよ、唯々不条理な運命って奴が憎たらしいを通り越して笑えてくるだけだ。まさか、あの氷剣士だったとはな。それに、殺しはしないだと?」
「当然だろう? 星伽の巫女と共に、伊・Uに行くのだからな。」
イ・ウー... 理子達と同じ構成員だったのか、なるほどな...
「そういうことか... 何? 星伽会長だと? 近くにいるのか!?」
「ふっ、これから彼女を迎えに行く。お前はそれまで大人しくしていろ。」
そう言って、あいつは奥の方に消えていった... 何やってんだよ、遠山...!
・・・って、人のこと言ってる場合じゃねえ!
「ええい、クソッ! まだ掛かるか...!」
かれこれ30分位経ったのか? 今は、何とかこの厄介な氷をどうにかしようと奮闘している。
あいつは、手足を塞いで完全に捕らえたつもりでいたが...
「ナイフを取られなかったのはラッキーだったな。」
そう、俺は吹っ飛ばされる前から右手にヒートナイフを構えていたのだ。
もし、あの戦闘でこいつの機能を見せていたら、真っ先に奪われていたに違いない。
だが、現に取られてはいない。ナイフの放熱で右手回りの氷を徐々に溶かしていく。
「もう、少し...! シャオラァァァァァッ!」
漸く右手が解放された! すぐさま左手、両足の氷を砕く。
これ位、チタン合金ならどうってことは無いっ!
「だぁっ! やべぇな、凍傷になってるかもな... とにかく、増援が必要だ。1人,2人でどうこう出来る相手じゃない...」
「ほう、そう簡単に振り切れると思っているのか?」
「チッ! 戻ってきやがったのか! てか、会長を迎えに行ってたんじゃなかったのか?」
「少し不測の事態があってな、計画を変更したのさ。」
・・・・・・・・・
「・・・いや、不測の事態じゃなくてお前のミスじゃないのか?」
「・・・・・・。」
いや、だってそうだろ? 俺のナイフにしてもそうだし。
・・・あ、やばいなこれは... 無言で剣を構えたぞ、あいつ!
「私の計画に狂いは無いっ!」
「いや、現在進行形で狂ってんじゃねぇかぁ!!」
俺はアーマーブレイカーを引き抜く! 衝突、2つの刃がぶつかり合う。
さすがはカーボノックスで造ったブレード、チタンなんかの比じゃねえぜ!
とは言え、完全に耐え切れる保証は無い。
衝撃を受け流しつつ、凌ぐ、凌ぐ...! 凌ぐ!!!
クソッ! だが、やはり強い! それに、手足の感覚が無くなってきた。限界が近いな...
「ふっ、やはりリュパンⅣ世が目をつけていただけのことはある。」
「・・・分からんな... 魔剣(デュランダル)、お前は... いや、イ・ウーは何の目的で俺を...」
「その名で呼ぶな。どいつもこいつも... 私はジャンヌ・ダルク、"30代目"ジャンヌ・ダルクだ。」
!! アーマーブレイカーが弾かれた! 折れてはいなかった様だが、かなり遠くまで飛ばされてしまった。
ここ1番の一振りが俺に襲い掛かる、どうやったってこの状態から刃を受け止めることなんて出来ない。
だから、俺はもう1つの策として背後に持っていた超磁石を手にし、それで剣を挟んで受け止めることにより無理矢理"白刃取り"の様な状態を作り出した。
「ジャンヌ、ダルク...」
「お前は我々のことを理解出来る筈だ、J・マックス。幼き頃から力を求め、社会を変えたいとは思わなかったか? 酷く理不尽な世の中を正しく作り直したいとは思わなかったか? 力があれば世界すら変えられるし、失うことも無い。伊・Uに来れば、それが手に入る。人を騙す術も、超能力さえもだ。」
! そうか... こいつの変装や変声術も、理子の...
「来い、J・マックス。お前は資格がある。その可能性、我々の力となれ。」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「実に見事な演説だな。それもお前の血筋故か?」
「意外だな... お前ならすぐに乗ってくると思っていた。自らの正義に従い戦っていたのではないのか?」
「そんな御大層な正義感で武偵になったわけじゃねえよ。いつ何時も、俺が戦うのは俺自身の為だ。」
・・・建前だな。自分で言ってて矛盾してるのはよく分かってる。今までそう思って生きてきた、それだけのことだ。
だから、『仲間を信じ、仲間を助けよ』っつう言葉が理解できなかった。
「そうか... まあ、無駄な足掻きだったな。」
だが、今ならそれを...
「ジェイ君!」
「くっ!!」
「星伽会長!?」
重圧がのしかかりもう無理だという時、現れたのは... 星伽会長だった。
暗器で牽制しながら、俺の側まで来た。
「分が悪いか... ここは退こう。」
状況を不利と見たのか、あいつは奥へ行ったようだ。
磁石は外されていた、あいつどんだけ力あるんだ... デカい剣振ってる時点ですげぇが。
「じっとしてて! 今、治すから...」
「ああ、済まない。会長の方こそ... 無事、なのか?」
「刀は取られちゃったけど、キンちゃんとアリアのおかげでなんとかね。」
「あいつ等が... そう、か...」
てことは、まだあいつ等は魔剣... いや、ジャンヌ・ダルクと戦っているのか...
「・・・行ってくれ、会長。俺はもう大丈夫だ。」
「で、でも...」
「魔剣はまだ余力を残している筈だ。それに、遠山にはあんたが付いてないと駄目だろ?」
「っ!! ・・・分かりました。必ずキンちゃん達を助けるから...!」
星伽会長は、そう言うと俺を残してジャンヌ・ダルクの後を追った。
残った俺は壁に寄り掛かり、身体全体を預ける。
「流石、に... 疲れた、ぜ...」
そのまま、俺はかなり深い眠りに入ってしまったようだ。
「・・・くん、ジェイ君!」
「おい、ジェイ!」
「・・・・・・んあ? 遠山、会長か...」
すっかり寝て落ちしてしまったみたいだ。余計な心配させちまったか?
「大丈夫、だ。それより、やったのか?」
「ああ、白雪のおかげで魔剣も無事に逮捕できた。」
「そ、そそそんな、わた、私のおかげだなんて... お、恐れ多いです!」
「おい、落ち着け!」
「そうか、やったか...」
何にせよ、ちゃんと解決したみたいでよかったぜ。
「それから、ありがとな。」
「ん? 何がだ?」
「直接的では無いにしろ、お前のおかげで白雪の下まで辿り着けたようなもんだしな。」
「ははっ、本当に俺は何もやっちゃいないがな。」
俺達は、友情を確かめ合うように握手を交わした。
その後は、アドシアードも問題無く閉会式を迎え、俺の行動に関しても不問という事になり、地獄のフルコースは回避された。
こうして、俺の長いようで短かった警備任務はようやく終わったのだった。
・カーボノックス
ラチェット&クランク2にて出てきた特殊金属。同作の最終型アーマーに使われている金属として扱われている。
その性能はダメージを90%カットする強力なものだが、2週目以降の敵の攻撃に対してはあまり効果は感じられない。特に、作中でも凶悪な攻撃力と数のイエティには数発も耐えられない。
後の作品にも名称が出てくることがあった。
・アーマーブレイカー
メタルギアライジングにおける武器、及び特殊条件で手に入る雷電のメインウェポンの1つ。
一部を除く装甲持ちの敵に対し、一定確率で斬撃可能にする攻撃を行える。火力も中々高いので使える場面はあると思うが、他にも色々手段が有る為そこまでこだわることにはなってない模様。自分は、普通にデザイン共にお気に入り。