漸く、東京での話もアトワズカ...
今まで上手くできてたのか謎だが... ま、まあ? 次からが本番だし?(震え声)
では早速、オイヨイヨ!!!
「結局、狼探しは打ち切りになっちまったな。」
「・・・ああ。」
「まあ、レキのことの奴でもあれだけ巨体なのに、それが見つからないとなればもうここにはいない結論になるよな。」
現在、俺(J・マックス)と柴田,でんごろうの3人は校舎裏にて暇を持て余していた。
自由履修の車輌科の講義が早くに終わったんで、俺達は何をするかという話になったんだが...
外は生憎の雨、任務に関してもめぼしいものは無し、最近は珍しく緊急案件も無い。
狼捜索も打ち切られたし、マジで今はやる事が無い状態だ。
ここにいるのも、何となくって感じでやって来たもんだからなぁ...
「・・・どうするよ?」
「俺は、どうだかな。」
「うーん、なら装備科に戻ることにする。依頼が来てるかも知れないからな。」
「そうか... んじゃ、俺も適当に依頼の確認してきますか... また後でな、ジェイ。」
「また、後で。」
「おう、分かった。」
さて、どうしたもんか...
【うおおおぉぉぉぉぉぉ!!】
ん?(限りなく身の危険を感じる気配)
「どぉりゃあぁぁぁっ!!」
「ぐっほぉあっ!?」
うおおお...!? 何だ、何だおい?? 何が起こった? めっちゃ痛いんだが、背中の辺りが。誰かが頭から突っ込んで来やがった。てか、本当誰だ!?
「お前かぁ、J・マックス!」
「ぐっ、何で俺の名を... 全く見たことねぇ... 女!? おい! 何時までも馬乗りになってないで離れろや!」
「全く... あまりここでは目立ち過ぎないでほしいわね、姉さん?」
「うぐっ、妹の言うこととあっては仕方ないか...」
「やれやれ、・・・って妹?」
思わず俺は声がした後ろの方に目を向けた。
それというのも、俺はその声に聞き覚えがあったからだ。
「久しいな、と言っても数日前のことだが。」
「また会ったわね、死にぞこないさん。ここでは、ジェイ先輩と言った方がいいかしら?」
「なっ、ジャンヌ・ダルクに夾竹桃... つーことは、こいつは捕まったもう1人の方の水蜜桃!?」
「ジャンヌでいいぞ。ここで話すのも何だ、場所を移そう。」
「あ、ああ、分かった... 後、お前その呼び方は理子に色々と弄られるからヤメロォ!」
まさか、こいつ等まで来ていやがったとはな...
ここへ来た表向きの理由に関してはそれぞれ違ったが、いずれも司法取引をしてはいるらしい。
理子もそうだが、こうも堂々と目の前に出て来られると警戒せずにはいられない。
4人中3人には命を狙われたようなもんだからな!?
それから、夾竹桃と水蜜桃は本名の鈴木 蜜子・桃子で通っているらしいんでそう呼んでくれとのことだ。
後、ジャンヌの奴が妙に馴れ馴れしい。
んで、俺等は場所を移し空き教室の1つに入っている。
さっきから座ってる俺を水蜜桃がジロジロ見ながら周りを回ってるのがすげぇ鬱陶しいんだが...
「で? ジャンヌよぉ、一体何の話があるってんだ?」
「警告だ。お前はもう伊・Uに深く関わってしまった。だから、心構えはしておいた方がいい。何時何処で目を光らせているか分からんぞ。」
「なっ、馬鹿言っちゃいけねぇぜジャンヌ・ダルクさんよぉ。俺は、お前らと理子の所為で強引に舞台上へ引っ張り出されたようなもんだぞ。それが、何だってそこまでの大事になるってんだ!」
「全てが思惑通り、だとしたらどうだ?」
「んなっ... はぁ?」
「前に言ったと思うが、私はお前の情報をある人物から教えられ、その人物の助言によりお前を誘い出した。」
「・・・それが何だってんだよ。」
「実を言うと、その人物が最初から全てに関わっていた節がある。」
あ... ああ?
「現に、お前は我々との戦いで生き長らえ、その度に強くなっている。」
何処の戦闘民族理論だ、そりゃあ...
・・・ってそうじゃねぇ!
「いやいや、待て待て! 話が全然見えねぇぞ... 第一に、お前の言ってるそいつは誰なんだよ!」
「それを知るには、伊・Uのことを知らなければならない。ま、どの道後戻りは出来ないから聞こうが聞くまいが結果は変わらんがな。」
「・・・・・・分かった。」
誰でも確実に分かる。これは明らかに、踏み込んじゃいけねぇ領域に突っ込んでいってる...
・・・まあ、俺の行動がどうであれ、理子に目をつけられた時点でこうなるのは決まっていたのだろうなぁ...(達観)
だが、今後起こるであろう不幸を見据えている故に、俺はただただ黙って話を聞くしかなかった。
「・・・こんなところか。」
「は、ははは...」
聞けば聞く程、伊・Uって奴らは怪物揃いだ。
こいつ等よりも強い奴らがいると聞いた時は、流石に耳を疑ったぞ。
俺の見解としては、とにかく超が付く戦闘に優れたイカれ集団、って感じだ。
教授って奴がトップらしいが、どうやらその教授が俺のことを知り、これまでの面子を差し向けるようにした張本人らしい。
・・・聞いてもさっぱり理解できなかった。やはり、教授って奴が1番おかしい、という結論には至った。
てな感じでここまで話を聞いてきた訳だが...
話し手であるジャンヌが、何とも形容し難い絵を出して話すもんだから全然集中出来なかった。
夾竹桃のフォローが無けりゃ、匙を投げてる所だったぞ...
「結局、教授って奴の意図が全然分かんねぇな... これじゃあ、俺が擬似的に伊・Uにいたみたいじゃねえか。」
「あの人の考えは私達にも分からないのよね。だから、今度のことにも意味がある筈だけど、生憎そこまでは答えが出ないわ。」
「全く、お節介が過ぎるってんだよ...」
戦闘集団なんかに身を案じられたら、本当に世も末だ。
10000m上空から落っこちて、毒にもがき苦しんで、文字通りの真剣勝負して、もう散々な目に遭って来た。
だが、これ以上は無い筈、そう高を括っていた。が...
「嘆いている暇は無いぞ。お前は既に狙われている。現No.2、今遠山達が関わっている、"無限罪のブラド"だ。」
「はっ!? 冗談だろ...?」
「冗談では無い。あの狼に襲われたのがいい証拠だ。」
「あれは、そいつの差し金だったのか...?」
超能力者と戦ったのも束の間、今度は組織のNo.2からのアプローチと来たもんだ。
教授は、よっぽど俺を死なせたいらしいなっ!?
「いや、ブラドに関しては教授は手を出していないと思う。おそらく、ブラドの独断だろうな。何が目的かは知らんが。」
「今度という今度は生き延びられる自信が無いんだが...?」
「そうかしら? 貴方の実力なら、ブラドにも対抗できると思うけど。」
「んなこと言われてもな... ぐあぁぁっ!?」
「我が妹の言うことにケチつけんじゃねえ!!」
「ぐおぉぉ... 分がった、分がっだ! 手を放ぜぇっ!!」
畜生、首が潰れるところだった... こいつ、シスコン姉貴かよ...
伊・Uにいた奴から言われたからといって、早々打ち倒せる相手じゃないのは明白だ。
何せ、俺がこれまで戦ってきた奴らより遥かに強いってことなんだからな。
「ま、まあ... その時になって呆気なく死なないように、備えてはおくさ...」
「待て、最後に1つ。お前にも教えておく事がある。」
「??」
「これは、遠山にも言った事だが... もし、ブラドと戦うとなった時、ただ闇雲にやり合っても奴には勝てん。」
「は? 対抗手段も無いんじゃ、勝つことなんて不可能じゃねえか。」
「慌てるな、奴も無敵じゃない。奴の体には、その昔にバチカンの聖騎士につけられた一生消えない紋様がある。全部で4つ、1つの場所は分からないが... 要はそこが弱点だ。」
そう言われて、何かが描かれた紙を渡された。ジャンヌ曰く、遠山に渡したのと同じブラドの全体像らしい。
・・・これは、何だ? 明らかに人間じゃねえじゃんか... そんな奴が敵と来れば、いよいよもって俺も未知の領域に仲間入りだな。笑えねぇぜ...
改めてそいつをまじまじと見る、確かに3つの目玉模様みたいなものが描かれていた。
しっかし、まあ...
これ等と、もう1つの弱点を同時に撃ち抜かなければいけないらしい。
文字にしてみれば至極簡単そうに思えるが、同時攻撃というだけでもキツいのに、何処にあるかも分からないもう1つのウィークポイントを探さなきゃなんねぇ。
今まで以上に無理難題を押し付けてくる奴だぜ、おい。攻略法はあるのか?
「・・・まあ、参考にさせてもらう。」
「それから、これは個人的な頼みだが... もし彼女、理子が窮地にあったなら、助けてやってはくれないか?」
「随分いきなりな上に、身勝手じゃないか? お前や理子は、仮にも俺と敵対したんだぞ? それが、何の因果で敵だった俺にそんなことを頼む...」
「しいて言うなら、縁、と言う奴だろうな... 我が一族の双子の3代目ジャンヌ・ダルクと初代・リュパンは、当時のブラドとの戦闘の末に引き分けている。つまり、私にとってもブラドは因縁の相手ということだ。」
「・・・それは、血族の関わりからか? それとも、伊・Uの仲間としてか?」
いつも以上に鋭く尖った視線を向ける。これだけははっきりさせておきたい。
俺は仕事をする上で、命を張るのに納得のいく理由が無ければ動きはしない。
そして、彼女が出した答えは...
「"友"としてだ。」
一切迷い無く、そう言ってのけた。・・・あいつにも、友がいたとはな。
そうとなれば、俺も覚悟を決めるっきゃない。最悪、そうなればの話だがな。
去り際に、俺は背中越しに堂々と言ってやった。
「俺は高くつくぜ?」
すっかり時間が経ち、放課後の狙撃科練習棟。
時間の関係もあり、1人を除いてもう残っている生徒もいない。
誰もいないかの様に静かな空間で、響く銃声だけが存在を示唆していた。
「驚いたな... いや、確かにまた連絡すると言ってはいたが、本当に掛けてくるとは思ってなかったんだ。」
「・・・。」
俺は、その練習棟にて呼び出しを受けた人物の下へと来ていた。背にかなりの大型銃を持って。
『XM109 ペイロード』の独自多目的戦闘拡張カスタム、早い話が対物ライフルだ。
不殺生が常の武偵としては、RPG-7より使い勝手が良いんで所持している。
「んで、内容を聞いて無かったんだがどうして"コイツ"が必要だったんだ?」
何せ俺がこのペイロードを持って来たのは、電話口で狙撃銃を持ってくるように言われたからだ。
今の所、まともに使ってたのがこれしか無かったんでコイツを担いで来たのだ。
無言で構えていた体勢から立ち上がったレキは、ただこう言ったのだ。
「・・・風が、貴方を導こうとしています。」
出たぞ、レキの言う風の御告げが...
こいつ自身何を考えてるのかは全く分からないが、本人は"風"と呼ぶ何らかの声が聞こえていて、それに従って動いているのがほとんどのようだ。
俺自身、その御告げの凄さは身を以って知っている。
去年の終わり頃、誰にも行き先を伝えずバイクで襟裳岬に出かけた俺の下に、何の情報も無く教務科より頼まれた物を持って現れた時は鳥肌が立った。
何故分かったかと聞けば、"風が、導いてくれます"とのことだったんで、風って奴は神様か何か?(地味なフラグ) ・・・みたいなことを思った程だ。
まあ、結局何が言いたいかというと、この御告げに従って損は無いということだ。
「さてと...」
俺は、腰を落として奥にある的の1つを狙う。どうせ、ここに引っ張り出されたのも意味がある。
照準、そして撃つ! 重厚な発射音で吐き出された弾丸は、的から大きくそれた位置に着弾。
「チッ、鈍ったか? 最近めっきり使ってなかったとは言え、こいつはひでぇな...」
すぐさま修正に掛かる。・・・今度は命中。次、これも命中...
「よぉし、こんなもんか...」
一通り感覚は取り戻した。あの状態で戦闘になってたら、間違いなく命に関わるミスをしていたかもしれねぇな...
「済まないな、レキ。また、御告げに救われたようだ。この借りはいつか返す、じゃあな。」
「・・・。」
そう言って、俺は再びペイロードを担いで練習棟を後にしようとした。
・・・が、非常に珍しいことに、レキが俺に対し言葉を発してきた。
「貴方はここで死ぬべきでは無い...」
「・・・へっ、死んじまったら、借りも返せねぇしな。まだ、死ぬわけにはいかねぇさ...」
そう返して、今度こそ俺は帰路についた。
どうやら、俺にとっての運命の時はそう遠くはないように思える。
決戦を控え、俺は家にある"フル装備"の最終チェックをする為に急いで帰っていった。
「・・・・・・彼の行く先、貴方は何を見るのか...」
いつの間にか、練習棟には誰の姿も見えなくなっていた。
敵だったとしても礼儀を重んじるのは、当たり前だよなぁ?
ちなみに、柴田もでんごろうもジェイと同じく専科以外で他の学科もある程度こなせるオールマイティ。チームを組む際は、どのポジションにもつけるようになってます。
さて、予定では次で東京はラスト。そこからは、完全に未知のエリア♂です。
どんなものになるかは、直接たしかみてみろっ!!