時系列とか関係ないような話も出てくるので、本編とはまた違った感じで見てくれればいいと思います。
あ、そうだ。(唐突)
ここでは一部キャラ崩壊がすんごい(意味深)とこがあるので、見る時はそこに気をつけてくれよなぁ、頼むよぉ。
File.α 男達の戦場
真夏へと本格的に突入した東京、某所公園の一角―――
「うおおぉぉぉ... 何て熱量だ...! これは、太陽が刻一刻とこの地球近づいている証拠だぜ...!!」
「そんなことより、今後の予定はどうするんだ?」
「決まってんだろ。今年も俺たちの大金を賭けた戦い、コミケ"夏の陣"の開幕だ。(迫真)」
「やはりか、そうだろうと思ったぜ...」
いつもの3人、タイヤベンチでたむろしていた時、柴田が口走ったことに俺はもう呆れてそれ以上何も言えなかった。
今年も、あの東京で最大級の戦場に行くのか... 全くこいつも懲りねぇな。
というのも、これにはこの時期に武偵校に入って来る、ある依頼が関係している。
"コミケ代理買い取り"である。内容は至極単純、依頼者の代わりにコミケに赴き目的の物を買って来る、言うなれば"規模のデカいお使い"だ。
勿論、これだけの為に結構な額を出してくる依頼人もいるから、その本気度が窺えるだろう。
理由としてはそれだけじゃなく、諸事情で行きたくても行けなかったりする奴なんかもいる。
だが、分かる人なら分かると思うが、あそこは生半可な気持ちで踏み入っていいとこじゃない。
この依頼は内容によって綿密な計画が必要で、それを怠れば絶対に完遂することは不可能だ。
なのにこれを受けようと思うのは... 言っちゃあ何だが羽振りがいいからだ。
何かと入り用な武偵にとっては、1~2人分こなせば結構な額になる。
これだけの為に、買い回りを極める奴がいる位だ。
「死ぬ程面倒だが... 少し懐が厳しいんだよなぁ...」
「だろぉ? ならやるしかねぇぜ。」
「あそこは見ているだけで飽きないからな。やらない理由はねぇな。」
まあ、最近は色々あって収入が欲しかったところでもあるし、やってやるかねぇ。
「お、お前ら揃いも揃ってなぁにやってんだぁ?」
「ん? おお! 剛やんに金の字じゃねえか!!」
流れで話をしていた途中に、武藤とそれに続く遠山が来た。相変わらず、遠山のテンションは低い。
「実はだな...」
「何だ、お前らもやるつもりなのか?」
「つうことは何か? お前らも?」
「応よ! 不知火は予定があって駄目だったが、遠山に頼んだら
・・・俺は察してしまったよ。あいつ等の内で何があったかは知らねぇが、遠山は決して快く受けたわけではない。
現コミケの参加比率は未だ女性が多くを占めるのに、自殺物の黒歴史を作りに行く依頼を受ける筈無い。
ま、そんなのどうでもいいがな!!(いつもの)
「ならこれから周回計画立てと洒落込もうと思うが、どうだ?」
「いいねぇ、それじゃ有難くご一緒させていただくぜ!」
そんな感じのやり取りをしたのが、夏休み前の2週間前辺り。
「さあ来たぞ... "I☆KU☆SA"が始まるっ!!!」
「いや、おかしいだろ。これから死地に行くって時に、テンション高過ぎだろ...」
「ふっ、実は今回は依頼とは別に俺個人の狙い目もあるんだよな。」
「は? お前がか? 珍しいこともあるもんだな...」
「永らく新作の情報も出なかった『ドレッドノート刑事』の続編が出る、って情報をキャッチしたからな。」
夏休みに突入した俺らは、「ビッグサイト」こと東京国際展示場を前にして開戦の時を待っている。
駅からも続々と人がなだれ込んできて、開始前から熱気は最高潮。
人間は... 娯楽を追い求めるあまり、変なところで真の力を発揮するように進化したのだろうか...?
「よう、お前ら! 今日は、お宝コンプできるように頑張ろうぜ?」
「そういうお前な! 戦果の確認でまた会おう。」
時間だ。一瞬、辺りが静寂に包まれる。この瞬間の時が止まったように...
開始の合図を皮切りに、彼らは一斉に動き出す。
『「合戦じゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!」』
「こいつを2つ、新刊3冊で...」
「ありがとうございました!」
「・・・次だ。」
とは言え、流石に2回目ともなれば如何に効率的な回り方をするかが分かってくる。
人目の死角を通りつつ、邪魔にならない速い移動法。
目的の物がある程度同じ依頼を選ぶことで、回る量を減らし数人分もこなす。
何より、回るブースの時間帯管理。これが正確かどうかで、回る早さが断然違ってくる。
しかし、今年はブースの位置が少し変わったからか、予想よりも早くに今日のノルマは達成出来た。
「ふぅ、こんなもんか。」
「えぇ~? こっちのからはぁ、何にも買ってくれないのぉー?」
・・・聞き間違いだろうか? めちゃめちゃ、身近に居る奴の声にそっくりだ。
だが、騙されるなよJ・マックス。変声術の例にもれず、こいつも別人の可能性は高い。
「1人でこんなことに来るなんて珍しいよねぇ? ひょっとして、オタクデートっすか!?」
「んな訳あるか! ボケッ!! 依頼であいつ等と来ただけだ! あと、俺にデートするような相手は居ねぇ!!!」
「あっ...(察し) ご愁傷様です。」
「大きなお世話だっ!!!」
ついつい口が出てしまった... ああ、こいつは間違いなく峰 理子だ。
だが、俺が最も驚愕したのが理子のいたブース全体だ。出してる同人誌の前に、堂々と夾竹桃もとい鈴木 桃子が座っていたのだ。
しかも、出してる表紙に『クリスチーネ桃子』なるネームがあることから、これを書いたのが紛れもなく鈴木・妹であることが分かる。
あ、ありえん...(MIZUTI) 戦闘組織に属していた毒女が、よりにもよってこんなものを!?
よくよくそれを見てみれば、内容は女同士、所謂"百合"物なのだが...
その登場人物達が、明らかに見覚えのある奴らに激似な容姿をしている。
うぅむ、間違いない。こいつ等、絶対にあいつ等だよな? 偶然なのか? いや、マジで描いたのか??
「全く、騒がしいわね。」
「すいませんねぇ、お宅のキャバ嬢が随分と面白いことを言ってきたもんで...(静かなる怒り)」
「そう... 用が無いなら、さっさと戻ったらどうかしら?」
「ああ、そうするさ。ただ、1つ聞きたい。」
「何かしら? これに関しては、司法取引の条件として提示しただけの話だけど?」
「いや、そういう訳じゃ無いが... それもかなり気になる話じゃあるが...」
確かに気にはなる。むしろ、それを条件に出すのか? そんなに大事なのか? ・・・っと疑問を挙げたらキリが無くなるが...
それよりも今物凄く気になってしょうがないのが、理子と同じくブースに立っている客寄せであろうジャンヌのことだ。
「・・・ん? どうした、何を見ている?」
いや、お前の着ているコスがだな... どっかの王のそれまんまじゃねえか。ご丁寧に、1本角(比喩)までつけやがって...
大体お前、魔剣じゃねえか。魔剣と聖剣じゃ名前的に真逆だろ、アレか? 光と闇を併せ持つハイブリッド聖騎士か何かか?
つーか、ジャンヌ・ダルクでいけばよかったじゃねえか。オルタ的な奴で、昨今の人気にあやかれるし。
色々、ツッコミどころ満載だが、第1に思うのは...
「お前... それでいいのか?(BRNTさん)」
「?? 何か問題があるか? 覚えたフリもかなり好評だったぞ? こんな感じに、エクスッ!!!...」
「だぁー! 待て待てっ!! 止めろ馬鹿っ!!!」
おい、阿保か!? 唯でさえ、色々、アレなんだよ!! 描写的にはアレだが、分かる奴には格好のネタなんだよ!!!(メメタァ!)
いや、この1文もすげぇネタだけど!!!(メメタァ!!)
ご先祖様を大事にしろよ...
「彼女達には伊・U時代から手伝ってもらってるから。」
「・・・何だってぇ?」
伊・U時代から? どんだけだよ、衝撃の事実だわマジで。別の方向でも普通じゃ無かったわ。
理子にしてもそうだし、水蜜桃は性格からしてもうおかしい。
あ? そう考えると、まともと言えるのはジャンヌなのでは? いや、あの王のコスを着てる時点で彼女も同類か...(偏見)
てか、俺は一体何をやってんだ... 完全にキャラを見失ってんだが?
「・・・・・・もう戻るわ...」
「そう、気が向いたら見に来なさい。」
「それを俺に言うのかぁ? ・・・分かったよ。」
「まったねぇ!!」
「ではな。再び交える時は、マスターとしてだな。」
「お前、最後までそれで行くのか?」
結局、買うもの買ったらすぐに退散したが... 何だろうか、物凄い精神疲労が感じられる。
「よう、柴田よ。お目当てのモンは手に入ったか?」
「・・・・・・。」
夕方頃、会場から離れた広場にて成果を確認しあう為に集まっていた俺らは、お互い喉を潤しながら座りほうけていた。
会場から帰って来た俺達の姿は、さながら帰還兵のような雰囲気を出していただろう。
取り敢えず、今回のノルマは全員達していたのが幸いと言うべきか...
・・・ただ、今回1番意気込んで任務に望んでいた柴田は狙っていた新作を手に入れられなかったようだ。
そのサークルは、今日のみ参加の限定的な奴だったようで、今日を逃してしまったことで入手の目途は断たれてしまったのだ。
本人も、絶対に手にする感じでいたにも関わらず駄目だったことが相当堪えたらしく、その姿は言うなら正しく"どんより"である。
しかたのない奴だ...
「おい、柴田。」
「何だよ... !!? お、前... それは、『ドレッドノート刑事 MAXIMUM 03』!! な、何で...」
「さぁな、偶々だ。こいつをやるから、とっとと戻れ。」
「あ、ありがとううううぅぅぅぅ!!! ジェイ、お前は本当にいい奴だ! この恩は一生忘れん!!」
全く気のいい奴だ...
本当は、件のブースにて動きが早かったこともあり、あいつが行く頃には既に完売している可能性があると考慮していたからだ。
予想通りの展開に内心呆れつつ、気変わりの早さに更に呆れていた。(2乗計算)
「どうだった、遠山。この、糞みたいな地獄の戦場は?」
「・・・2度とやりたくは無い...」
そりゃそうだろうな。今回の遠山は、見事"あの状態"にならずに会場から帰還した。
唯でさえ人口密度がヤバいあそこから、無傷(精神は除く)で戻ってこれたのは称賛に値する。
そういう意味では、こいつも成長してんだな。(ベクトル違い)
「ともあれ、今日の目的は達した。明日に備えて、早く休もうぜ。」
「そうだな... よし、今日は解散だ。」
若干1人を除き、御通夜状態を垂れ流しにするのもあれなんで、早々に解散にしてその日は帰宅することにした。
これが、後2日である。いくら高額報酬とは言え、ああ... 何とも...
帰り際の1本道、暗闇を『カカオブラック』片手に歩いて帰る。辺りに人影は見られない。
・・・前にも同じ場面があったな... デジャブか?
だが、今の俺は研ぎ澄まされた感覚で気配を察知できるし、戦う術もある、あの時とは違う。
「同じ結末にはしねぇぜ...」
「そうだといいわね。」
「うぉっ!? ・・・夾竹桃?」
・・・と思っていたんだが、近くにいた彼女に気づけんようじゃ駄目だよな...
何でいるんだよ... ヘタしたらあの時以上の恐怖になるかもしれねぇぞ...
元が恐るべき戦闘集団に所属する毒女なんだよ、包丁野郎とは別の怖さがあるわ...
「あいつ等はどうしたんだよ?」
「先に帰ったわ。明日も出るし。」
「あ、ああ。そうか...」
・・・・・・・・・・・・・・・
沈黙、はっきり言うと俺はこいつが"かなり"苦手だ。
単純に、分からないんだ。今この時も。何故こいつは俺に語り掛けてくる?
初めて会った時から、それは全く変わっていない。まあ、今日は衝撃の側面を見たが...
「・・・・・・。」
「・・・私はね、今までありとあらゆる毒を集めたのよ。」
「・・・あ?」
「この世で、私が知らない毒があることが許せなくてね。そんな時に、見つけたのよ。間宮の秘毒を...」
「間宮...」
(そう言えば、こいつを逮捕したのは間宮 あかりだったな。あいつがあそこにいた目的は、間宮だったのか...)
「彼女の妹の命を人質に間宮の秘毒を、ひいては間宮 あかりを伊・Uに引き入れようとしたわ。」
「惨いな... 身内の命が懸かるとなっては、そう簡単には見過ごせない。」
「そう... 本当に順調に行っていたのよ、その時まではね...」
・・・そうか、こいつは自らの欲望の為に手段を問わない奴だったのか。
だからこそ、他人の命すら平気で葬れる、ヘタをすれば俺はあの時本当に死んでいてもおかしくなかった。
「けど違ったのよ...」
「
「間宮の秘毒と思っていたもの『鷹捲』は"毒では無かった"。」
なるほど... 未知の物を追い続けた末、それが自身の作り出した幻想だったことを知ったのか。
よくある話だ。欲する物を思うがばかりにその幻を作り出す、必死で追い求めた果てに辿り着いた真実で打ちのめされる。
それを、こいつも知ったのだ。
「・・・何故、それを俺に話した?」
「さぁ? どうしてかしらね...」
ますます謎だ。特殊過ぎるこいつが、俺に興味を持っているのが不思議でしかたない。
考える、だが俺に女心というのは微塵も理解できない。というか、俺に限らずほとんどはそうだろう。
そんな俺を余所に、夾竹桃はさっきまで"俺が持っていた"カカオブラックを手に離れていく。
「おいっ! そいつは俺のだぞ!!」
「また明日、暇があれば来なさい。」
・・・本当に、不思議な奴だ。
未だ消えない苦みの余韻を噛みしめながら、呆然と彼女の背が消えて行くのを見ていた...
余談だが、彼女の年齢は生前の俺よりも1つ上だったようで、姉に至っては3つも上らしい...
人は見かけによらんと、思い知らされた。
24歳です。(迫真)
・ドレッドノート刑事
ネタは、セガからの3Dアクションゲー『ダイナマイト刑事』。
元が「ダイ・ハード」を参考にして開発された、ざっくり言うとプレイヤーとなる刑事達が人質救出の為にテロリスト達と銃器やらそこら辺に落ちてるものやら日用品やら、あらゆる物を使って戦うというもの。
ネタ要素もさることながら、システムもしっかり刑事要素があり難易度も高い。