よう、お前ら。俺の名はJ・マックス、ってこりゃ前にも言ったよな。
今日は、2年になっての登校初日。事件はあったが、それ以降は特に何事も無く終わることができた。
今は、既に家に帰宅してくつろいでいる。
俺は住居が寮ではなく武偵校からそれ程遠くない一戸建て、中学期頃に色々やってたこともあり金銭に余裕があったから
他より安い物件だったしな。
・・・勿論、そこまでの大金があったのはそれだけの理由じゃない。
俺の両親は、小学4年頃にどちらも原因不明の病でこの世を去っている。引き取り手は居なかったが、前世の世渡り術を駆使して1人でも何とかやってこれた。
その結果が現在の俺な訳だが、記憶があっても実際にこの世界を経験し始めたのはアメリカから渡ってから。
一度くらいは、両親と話くらいしておきたかった、かもな... そう思っていた矢先のことだ。
「ん? 誰だ、こんな夜中に...」
玄関の呼び鈴が鳴った。誰か来たみたいだが、宅配の予定なんかは無かった筈... 一体誰だと思い、モニターに向かった。
「どちら様ですかい、っとなんだ遠山じゃねえか。」
「すまないジェイ、今だけお前のとこに匿ってくれないか?」
こいつは一体何を言い出してやがんだ?
「は? お前は寮があるのになんでわざわざ...」
「部屋を追い出された。あの転校してきた、アリアにだ。」
アリア... 確か神崎だったか? そうか、そいつが転校生なのか。
「で? そいつは何だって、男子寮の一室を占拠するまでに至ったよ?」
「・・・奴隷。」
「んぁ?」
「奴隷になれと言われた。要は、俺とパートナーを組めって話だ。」
奴隷って... それマジかと言いたくなるとんでも発言だな。どうも聞く限りじゃ、かなり厄介な性格をしているらしい。
お前も面倒な奴に目を付けられたな... 待てよ?
「神崎はお前とは初対面の筈なのに、なんでお前を指名してきた? あるとしたら"アレ"を知っていることぐらいだと思うが...」
「あー、その... だな...」
「見られたのか。」
どうやら、遠山はあの"力"を神崎に見られてしまったようだ。
「だが、何時だ? そうだとしてもつい最近だろ。」
「・・・お前、今朝の事件の事は知ってるだろ?」
「ああ、まあな。」
「あれの被害者、俺なんだよ...」
・・・お前だったのか... 遠山が話した経緯で大体は理解した。
神崎の助けで爆弾から逃れたはいいが、倉庫内に追い詰められた所、不慮の事故ではあったが"アレ"を発現して危機を脱した。
しかし、その際に神崎に思いっ切り見られてしまい今に至るというわけか。ただ、今は"見られただけ"らしいが。
しかも神崎の性格から推測するに、そう簡単に引きはしないだろうな。本当に不憫な奴だよお前は...
「たく... その様子じゃ飯もまだだろ。入れ、丁度今から飯だ。」
せめて知人位からは救いの手を出してやらないとな。そう思い立った俺は、家に遠山を招き入れた。
地味にこういう時、何でもできるっつうのは便利だとそう思う。
「感謝する...」
「・・・気にするな。借りもあるしな。」
遠山には何度か事務処理なんかの手伝いをしてもらったからな。これでチャラに出来るなら安いもんだぜ。
「それで、どうする。泊ってくのか?」
「いや、この後戻るよ。流石に、このままにはしておけないしな。それに、あそこは俺の部屋だぞ?」
「ああ... そうか... まあ、上手くやれ。」
この後に、遠山にまたしても災難が降りかかることになるのだが俺が知る筈も無い。
しかし、遠山の奴から聞いて俺も神崎について少しデータベースを漁ってみたが、まさかSランク武偵だとはな。欧州方面ではかなり有名な上に凄まじい実績、家柄も相まって正真正銘のエリートって感じだな。
けど、神崎はなんだってここに渡って来たんだろうか...
経歴からしても、理由らしきものは... あるとしたら彼女の親に関係することか。
・・・まあ、そこは俺が関わることじゃないだろう。さっさと片付けしたら、風呂入って寝よう。
何故か何もしてねぇのに、今日は疲れた。あ、明日のスケジュールも考えとかないとな。
それにしても... 遠山は今回の事件の主犯は模倣犯か何かだと言っていたが、果たして本当にそうだろうか?
情報から見た計画性の高さ、とてもじゃないが唯の模倣犯だとは思えない。
・・・深入りする気は無いが... 武偵殺し、か...
「ふむふむ、やっぱりジェイは"こっち側"に引き入れるべきかなぁ。よーし! 近々仕掛けちゃうぞー!」
この時は、既に自身も"物語"に巻き込まれてるなんて分かる筈も無かった。
知らなかったんだ... 俺の知らぬところで、あれ程に面倒なことが起ころうとしてたとは...
進行内容としては、ブラドまでは話に組み込んで行く感じで、後半色々巻き込んだカオス内容とかになるかも...
次回は、早速命の危機に!?