いや、確かに余す所無く書こうと思うと詰め込み過ぎちゃうんだが、前半でこれとかもうね...
ここからは、字数が不安定になると思いますが、それでも見てくれたなら幸いです。
・・・何て、俺はマジで不真面目だから堅っ苦しいのはキャンセルだ。
そんじゃ、ホラいくどー。
イ・ウーなる組織の1人との遭遇より数日、その接触者「夾竹桃」が逮捕されたらしい。
これは表向きに公表された情報じゃあない。どうやら、各方面のお偉いさん方はイ・ウーの奴らをあまり知られたくないらしい。
どうりで関連情報を調べても何も出てこないわけだ。
まあいい、イ・ウーの構成員が捕まったことで俺も晴れてこのクソッタレな警戒任務ともおさらばって訳だ。
今、俺は羽田空港のロビーにてパンフレットを拝見している。
このところ休み無しの出動で流石に疲れた俺は思い切って連日休暇を申請したが、これが意外にもあっさり通ったんで、どうせなら誰の邪魔もされないとこにでも行くかということになり、インドア派の俺にしては珍しく旅行に出ることにした訳だ。
だが、かれこれどこに行くか迷走しまくった結果、かなり遅くになっちまった。
いい加減決めねぇといけないんだが...
「あぁーっ!!」
・・・おかしいな、この声は...
「アンタ、ここで何やってんのよ?」
げぇぇ!? 神崎!!! 何でここにいやがるっ!
・・・いや待てよ? そういやぁ、神崎が近々ロンドンの武偵局に帰るとか諜報科で話していたのを聞いたような...
まさかそれが今日なのか? 何だ、そういう事か。なら、巻き添えの心配は無いじゃねえか。
「何って... 休暇だ、休暇。」
「ふーん、休暇ねぇ...」
「言っとくが、正式に教務科に通った休暇だからな。」
中途半端なことを言っては、どんないちゃもんつけられるか分かったもんじゃない。
これでこいつも納得する筈だろうし、さっさと行き先を決めねぇと...
「そう、なら丁度いいわね。」
おっとぉ? 何か、雲行きが怪しくなってきやがったぞ?
生前からの経験が、この流れは明らかにマズいと告げている。間違いない!
「アンタ、アタシの護衛につきなさいよ。」
そらキタ! だが、それこそ予想通り!
「・・・悪いが、さっきも言ったように休暇中なんでな。今回ばかりは、この休暇中は何の依頼も受けないのは決定事項だ。」
どうだ我ながら完璧な返しだろ? 威圧感を出しながら疲労感をにじませ、相手から手を引かせるようにする、生前に俺が編み出した人心操作術の1つだ。
さすがのこいつでも...
「ふーん、大人しくついて来るのと今ここで"風穴地獄"にされるの、どっちがいい?」
・・・・・・ありえんだろ? 真っ向から脅迫してきやがって、こいつが武偵じゃなきゃ正気を疑うぜ...
いや、それはどうなんだ? 武偵じゃなくともおかしくないか? いかんな、感覚がおかしくなってきてるようだ。
「・・・分かった、分かった。やりますよ、お嬢様。」
「最初からそう言いなさいよね! ほら、もうすぐロンドン行きが出るから早く来なさい!」
理解したぞ、こいつは典型的な自分中心型の性格をしているな? 俺が1番苦手な奴だ。
つーか、この展開は予想外だったから防弾仕様の普段着は家に置いたままなんだぞ、何かあったらどうすりゃいいんだ、あぁったく腕を引っ張るんじゃない!
結局、ロンドン行きのジェットに緊急動員という名目で乗ることになっちまった。
てか神崎の奴、普通に高額便に乗るとはますますお嬢様だな...
そろそろこの便も離陸か? やれやれ、こいつは長旅になりそうだな。
【今すぐ、離陸を中止するんだ!】
「ん?」
何だ? 後ろの方が騒がしいな。
「はぁ... 分かりました、機長に掛け合ってきます。」
「よろしくお願いします。」
ありゃあ、遠山じゃねえか。
どういうことだ? 神崎は何も言ってなかったが...
「おい、遠山。」
「ん? ジェイ! お前、何でここに...」
「まあ、何だ... 経緯を話すと色々面倒なんだが、神崎に護衛としてついてくるように依頼(物理的)されてな。お前こそ、何でここにいる? 神崎は、お前のことは一言も言ってなかったぞ。」
「当然だ、俺はこの飛行機を止めに...」
・・・おっと、機体が揺れた。どうやら、動き出したみたいだな。ん? 遠山の様子がおかしいぞ。
「な、何で...」
「申し訳ございません、規則で離陸は中止できないとのことで...」
さっきのCAが戻ってきた。話の内容から予想するに、遠山はこの便の離陸を中止させようとしていた様だ。
「しかたない、こうなったら直接何とかするしか無い。」
「どういうことだ、この便に何か問題があるのか?」
「いいか、この便には武偵殺しが...」
「アンタ! ここで何やってんのよ!?」
遠山が何か言いかけた所で、声を聞きつけたのか部屋から神崎が出て来た。
お互い、顔を合わせるや何か言いたげな表情になっていたのが一目で分かった。
「・・・少し機内を見て回ってくる、後は頼んだぞ遠山。」
俺としても、神崎の相手は少々難しいところだったんで正直助かった。
神崎の方は遠山に任せ、俺は機内の巡回をすることにした。
1階があったのか。さっきの客室は2階にあったわけだな。
本当、金持ちの乗る物は無駄に充実してるな。
それにしても、さっき遠山の奴、"武偵殺し"がどうとか言ってやがったような...
まさか、この機内に?
もし、本当に武偵殺しなら、狙いは神崎ということになるが... 無差別犯行じゃなかったのか?
「うおっ!!!」
≪お客様にお知らせします。当機は、雷雲を回避して飛行しています。雷はしばらく続くと思いますが...≫
「雷か... 久々に間近で見たぜ。」
天候は荒れ模様だな。出る前までは、そうでもなかった筈なんだが。しばらくは続くみたいだな。
・・・何も起こらなければ良いんだが...
「! 今の音は!?」
銃声、確かに聞こえた! かなり近い、この1階から鳴った筈だ。
≪Attention please、デヤガリマス。コノ便ハ只今、ハイジャックサレマシタ、デアリヤガリマス...≫
「こ、こいつは...」
この特徴的音声... 本当に"武偵殺し"なのか!?
なんてこった、万全の体勢じゃないってのに...
確か、1階のバーだったか? この奥だったな。
・・・奥に誰かいる気配はあるな、万が一の時に持ってきた武装とデザートイーグルはあるが、さてどうしたもんか...
「ジェイ!」
「遠山、神崎か!」
さっきの放送を聞いてきたであろうあいつ等が上から降りて来たみたいだな。
「・・・この先に誰かいるようだ、現状俺は前に出られない。悪いが、お前らに任せる。」
「安心しなさい、武偵殺しはすぐに逮捕してやるわ! 行くわよ、キンジ!」
「おう。」
そう言って、合図と共に突入していった。俺も、傍から中の様子を見やる。
だが、そこで見たのは...
「ふふっ、今回もまんまと引っかかてくれましたね。」
あの時、遠山と話していたCAじゃないか。だが、明らかに様子がおかしい。
なるほど、こいつが主犯だな。
しかし、次の瞬間に俺たちは衝撃を受けることになった。
「なっ、お前は!」
「! あいつ...!」
変装を脱ぎ捨て、現れたのは... 峰 理子だと!? 何であいつがここにいる...
「お前が、武偵殺しだったのか!?」
「そうでーす☆」
馬鹿な、あいつが武偵殺し... 内部に敵はいた、ってのか?
「お前は... 一体何者なんだ?」
「・・・峰・理子・リュパンⅣ世... 理子は、リュパン一族の曾孫。」
リュパン... すげぇ名の知れた大怪盗じゃねえか。その子孫だと? そんなことがありえるのか?
いや、元の方での基準で考えても意味は無い... この世界でなら、ありえることなんだろう。
「兄さんを... 殺したのか?」
「アハッ! キー君のお兄さんはぁ、理子の"恋人"なんだよ?」
「!!!」
「落ち着きなさい、キンジ! アイツの挑発よ!」
「これが落ち着いていられるかっ!」
マズい流れだ... 何とかしたい所だが決め手が無い。クソッ、なんとも歯痒いな。
しかし、これまでの話の中で理子の奴の目的が見えてきたぞ。
リュパン一族において、歴代リュパンの名声と存在はあまりにも大き過ぎる。
あいつは、比較対象であるそいつ等よりも自分が優れていることを示したいようだ。
だが何故、その対象が神崎なんだ... あいつの言っていた"オルメス"、確かフランス語だったか? その意は... "ホームズ"。
神崎がホームズに連なる存在なのか? リュパンの子孫がいるなら、そうだとしてもおかしくは無いが...
「しっかり役目を果たせよ、キンジ?」
始まったか...! 正直に言って、実力的に見れば双方共に五分といったとこか?
とは言え、戦力的にはこちらが有利の筈だ。
と、そう言ってる内にあいつの懐に入った!
「峰・理子・リュパンⅣ世!」
「お前を逮捕する...!」
「ふふふっ、アッハハハ!!」
な、何だ!? あいつの髪の1本1本が生きてるかのように動き出したぞ! 超能力持ちか!?
「理子もアリアと同じ2つ名を持ってるけど... お前のそれは本物じゃないっ!!」
「っ!!」
「!? アリアァー!!」
なんてこった! 一気に形勢逆転かよ!! だからあいつ、あれだけ余裕面だったのか...!
だが、今の状態は非常にマズい...! しかたない、かくなる上は...
「アッハハ! 勝てる、勝てるよぉ!」
「くそっ!」
「走れぇ! 遠山ぁぁぁ!!」
咄嗟の声に反応した遠山は、神崎を抱え走りだす。それと同時に、俺はフラッシュグレネードを遠山の背後に投げ込んだ。
上手く理子の視界を遮り、追撃を阻止することに成功した。
「くっ! キーくぅん! この狭い機内で、どこに逃げるつもりー?」
その間に遠山は後退、残ったのは俺と2人だけだ。
「あーあ、やっぱお前を乗せたのは間違いだったかなぁ...」
「・・・何だと?」
「ふっ、まーだ自分が偶然居合わせたと思ってるわけ? それ位、すぐ分かると思ってたんだけど...」
「俺がこの便に乗ること自体、お前の筋書き通りだと?」
「ピンポーン! 最近ひっきりなしに事件が舞い込んできたのもぉ、この日に休暇を取ってあいつと会うことになったのもぉ、みーんなこの天才りこりんの計画だったのでぇーす☆」
・・・そうか、はなからこいつはこの為に前々から計画を進めていたわけだ。
俺は、既にこいつの手の上で動かされていたのか...
「だとしても理解できんな。[S]ランクでも超偵でもない俺に、目を付ける理由が何処にある?」
「それはジェイ、あんたに可能性があるからだよ... "伊・U"に来ない? そしたら今より断然強くなれる、あんたの全てを引き出してあげられるよ、ジェイ?」
イ・ウー...?
・・・・・・なるほど合点がいったぜ。俺に近づいたのも、スティンガードローンの件も、俺がイ・ウーなる組織に相応しいか試す為だったわけか。
「・・・。」
「さあ、どうする? J・マックス!!」
「・・・俺は、まだ死ぬわけにはいかねぇ... 殺されかけた奴の言う通りに従うつもりはない。」
「そっかぁ... ま、どっちにしろ黙らせるつもりだったけどっ!!」
「うおぉっ!!!」
結局同じじゃねえか、とんでもねぇ奴だ! と、んなこと考えてる場合じゃねえ...
対超能力者戦闘術はSSRで一通り身につけているが、こいつは予想以上だ!
こんなことなら、詳しく学んでおくべきだった...
今は何とか耐えているが、このままじゃいずれ捌き切れなくなる。
遠山達が復帰するまで、何とか時間を稼がねば!
「無駄無駄! あんたの銃も、この狭い中じゃ役に立たない!」
「そうかもな。だが、やりようはある。」
あいつの言う通り、俺のマグナムの長射程もこの空間じゃ意味をなさない。
となれば、ここはやはりヒートナイフ... 狙うは、あのナイフを持った髪だ!
「ふっ!」
「!! 良い動きしてんじゃん、ならこっちも!」
くそっ! あいつ、素直に2丁拳銃に切り替えやがった。
拡張マガジンで弾数増やしてるとは言え、ハンドガンとじゃ比較にならん!
徐々に後退しながら、攻撃を避けつつ反撃してるが...
(マズいぞ、弾も残りわずかだ。どうする... ん?)
メール? 一体誰が... 遠山だと!?
[理子を誘い出してくれ 後は俺と姫様に任せろ]
あ、あいつ... この状況下で... なのか? 全く、何て奴だ...
「・・・・・・。」
「どうしたのさ? さっさと覚悟決めて出てきなよ!」
だが、俺には最初から道は1つしか無い。"信じる"ということしかなっ!!
「やってられっかよ!!!」
「!! 待ちやがれ!」
迫真の演技で勢い良く飛び出して、あいつがいるであろう先の客室に向かう。
理子の奴も追ってきてはいるが、流石に俺の瞬発力には追い着けていないようだ。
・・・確かこの角の先、3番目のとこだった筈!
「チッ! 逃げ足の速い奴... ま、先にあいつを仕留めた後でいっか。」
だぁ! マジでヤバかったぜ、おい。今の状態の俺だけじゃ、確実に神崎もやられていたに違いない。
(上手くやってくれてるといいが...)
今は1階にて休んでいる。流石の俺でも、ここまでとなると疲れるもんだ。壁に寄り掛かって座り込んでいると...
「うおっ! 何だ!」
様子が変だ、急に機体が傾き始めたぞ! パイロットは? まさか、あいつに?
「! ジェイ、大丈夫か?」
「ああ、こっちは問題無い。そっちはやったのか?」
「残念ながら、不意を突かれて逃げられた。この先に向かった筈だ。」
「分かった、弾は心もとないが行けるぜ。」
「ああ、今度こそあの"子猫ちゃん"を捕まえてあげないとな。」
「・・・。」
いやぁ、まあ... と、とにかく! 急がねぇとな!
いやがった、あいつ... 壁にもたれ掛かって何を...
「それ以上は近づかない方がいいよ。」
!! よく見れば、あいつの周りにびっしり爆弾が張り巡らされてやがる...!
「今回は、ここまでにする。キンジも、伊・Uに来る気になったらいつでも来なよ。」
「次があると思ってるのかよ? それこそ、ここはクソ狭い密室だぞ。」
「私達のことあんまり舐めない方がいいよ? あ、それから伊・Uから素敵なプレゼントがあるから...」
と、あいつが話し終えた瞬間に周りの爆弾が起爆して壁が抜け...てぇ!!?
「また会おうね...」
なっ! 爆薬を最小限に調整してやがったか!! 窓からは、制服をパラシュートとして開いた理子が飛行機から離れていくのが見えた。マジか...
『さらに1名様、ご案内ー☆』
・・・・・・・・・は?
何だ? 今、物凄く嫌な音声が聞こえたんだが... そう考えたのもつかの間、俺の隣の壁がいきなり吹っ飛んだ!
ぬおぉぉぉ!! だがこれしき踏ん張ってぇ... あ、足元の布に右足取られて片方浮いちまった。
「ぬぁぁぁんでだあああああぁぁぁぁぁっ!?!?」
哀れ、身体を留めておくこともできず、無情にもその身は未だに下々を覆い隠す雲の上に放り出されてしまった。
しかも見えてしまった。遠くの合間から、こちらへと向かって来るイ・ウーからと思しき"置き土産"が...
「ミ、ミサイルだとっ!? 軍事レベルの戦力を持つってのか、奴らは!?」
その2つの鉄槍は、未だ乗客と遠山達を乗せた機体のエンジンを木端微塵に吹き飛ばした。
あいつ等、大丈夫なのか...?
て、俺もそんなことを考えてる場合じゃないぞ!
このまま行けば、俺はニュートン力学によって導き出された加速度で増速落下し、絶対に助かる可能性の無い絶望の海面キスをする羽目になっちまう!
畜生がっ!!! あのクソビッチ!!! パラシュートすら無ぇんだよ! どうすりゃいいってんだよ!
「クソッタレ! こいつが、本当の一か八かだっ!!」
もう、こうなりゃヤケだ! 俺は、持って来ていたバックパックからある物を取り出した。
それは、一見してみると何なのかさっぱり分からないが、何かが折り畳まれた物のようだ。
広げてみると、それは自身の身長位の長さにまでなり、形は例えるならサーフボードのように見えた。
これこそ、俺がでんごろうと共に開発した『スカイボード』の試作品!
ホバー移動をコンセプトとする1人乗りのこれは、ボードという携帯における欠点を特殊金属繊維を用いることで持ち運びを容易にした画期的な近未来装備だ!
まだホバー機構はできてないが、ボード自体は既に完成してると言っていい。
助かる方法は唯一つ! ボードに身を任せ、激突を回避するしかない!
本来ならそんなの無謀の極みだ、助かるわけがない。だがな...
「死ぬわけにはいかねぇんだあああぁぁぁぁぁ!!!」
俺の奴で本来のストーリーとか分かりにくいよなー、ってか全く分からないまである。
つくづく初見さんに優しくない俺。
まあ... その時は、アレだ... おう、自分で確かめるんだよ、あくしろよ...(丸投げ)
・スカイボード
ネタ的には、ラチェット&クランク5におけるものがそれ。
レースミッションにおいて、ホバーボードに飛行機能がついたって感じの乗り物。
飛行慣性が独特で、歴代レース系においては伝統だが慣れない内は本当に難しい。
ちなみに、自分はシリーズでも『2』のホバーバイクレースが断トツで鬼畜だと思っている。