勇者やってたけど人類に絶望したので寝返って皆殺しにしようと思う。   作:ゔりこんどりふぁ

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タイトルは特に意味がなかったり


人が人の為に出来ることは無い

「拠点がいる」

 

シリウスは呟く。確かにこのまま1人で各国を潰していけば問題ないが、傀儡国家の一つや二つあった方が便利である。

 

「となれば、あそこか」

 

シリウスが次に目指すのは、奴隷大国シュビッツ。悪虐非道の老王、ザウスが支配する最凶にして最悪の国。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シュビッツはザウスの居城を中心としている。名をヒトラ城、外見は正に要塞そのものであり、圧倒的な存在感を誇っている。そしてシュビッツ特徴であるこの城とは正反対に、民が住む家々はとても寂れている。

 

所々に罅が入り、蔦が巻きついてしまっている家もある。それと比例するように民の健康状態も悪い。最低限の食事しか与えられていない上に、悪質な労働環境での勤務。医者は城にしかおらず、病にかかれば不良品として見捨てられる。

 

ここまでされて民が反抗しないのには当然、理由がある。ザウスが強過ぎるのだ。習得者が少ない雷魔法を操り、嘗ては魔王討伐に参加し、一人が国家一つ分と言われる魔王の幹部、十二宮の魔人(ディアボリック)を二人打ち倒す快挙を成し遂げた。

 

「自らを虐げる悪魔を殺せば、容易く民衆の心を掴めるだろう」

 

太陽が頭上に輝く筈の時間帯、しかし街の雰囲気は日が落ちたように暗く、静かであった。シリウスはそれを気にもとめず城へと歩く。

 

「前のように正面からでは少し疲れる。直接乗り込むとしよう」

 

ナトカチス山で戦ったインフェルノドラゴン。その核を喰らったシリウスは、竜の力を身に宿し、竜人とも呼ぶべき存在になっていた。その権能により、手先や肘に鱗が生じており、超人的身体能力と全ての攻撃への耐性、そして古に失われた竜魔法の獲得へと至った。

 

それらを存分に使いヒトラ城の壁を、窓を、扉を、邪魔なものを全て壊して王の間へとたどり着く。

 

「ほう、3番目は余の所か。何故ここを選んだ?」

 

シリウスの襲撃に一切動じることなく、ザウスはそう言い放った。

 

「使いやすそうな国だった。俺の理想の為に死ね、悪王ザウス」

 

「ほざけ、若造が」

 

ザウスの怒りを表すようにシリウスの身に雷撃が奔る。

 

「相変わらず雷魔法(それ)しか取り柄がないな、貴様は」

 

しかしそれも、竜人へと至ったシリウスには届かない。

 

「叛逆者となった愚か者が。余の魔法を愚弄するか!!」

 

再び奔る雷撃、だが規模も威力も先程とは比べ物にならない一撃。それはシリウスの身体を焼き焦がし、絶命させた。

 

「身の程知らずが」

 

ザウスは忌々しげに吐き捨てる。

 

「あぁ、全くだ。大人しく従えば楽に死ねたというのに。戦う相手は選べと言われなかったか?」

 

ぞわりと、ザウスの全身に寒気が走る。心は拒絶する、アイツは死んだ生きているはずがないと。しかし身体はどうしようもないその事実を認め恐怖する。

 

「何故だ、死んだはずだろう?余の雷撃をもって、その生涯を終わらせたはずだ……何故、何故何故、何故だ!!!」

 

焼け焦げたシリウスの皮膚が剥がれ、地に落ちる。その姿は魔物が行う『脱皮』という行為と酷似していた。

 

「秘宝ディアブロ、俺が手に入れた宝の一つだ。それがもたらす恩恵、いや呪いは『死』という概念の操作、自らを不死の存在とし不死の存在に死を与える。さて、ザウスその顔はどうした?魔王討伐に見せたあの、年不相応で挑戦的な笑みを、もう一度俺に見せてくれ」

 

「黙れ!!!」

 

ザウスの全身全霊の雷撃がシリウスを襲う。

 

「失せろ」

 

たった一言、それだけでザウスの一撃は消え去る。

 

「有り得ん、こんなことはあってはならぬ……余が、王たる余が!!」

 

「冥土の土産だ。雷魔法とはこう使うものだ」

 

シリウスが手を前に突き出す。そして、掌には自らの3倍はある雷球が。

 

「だが、維持の難しい雷魔法を、貴様が扱いきれるかは知ったことではないが」

 

無慈悲に放たれたそれは、死の恐怖すら与えるまもなくザウスを飲み込んだ。

 

 

 

 




ザウスが死んだ後のシュビッツを次書きます

あと
シュビッツ→アウシュヴィッツ

ヒトラ城→ヒトラー

ザウス→ゼウス

以上、ネーミングの理由でした
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