はちゃめちゃ赤龍帝   作:...

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今更ですけども、オリジナル要素が強めです。


くらべっこ

 本来なら中級程度の魔術師たちの攻撃が、蛇の力によって上級位なら消し飛ばしかねない威力となって戦場を蹂躙していく。

そんな中、転生悪魔と人間である神父、そして中級程度の力しか持っていない筈の堕天使たちが、次々に魔術師たちを処理していた。

 

「な、何故だ!?聖魔剣や聖剣使いともかく、他の奴らは大した戦力じゃない筈だろ!?」

「コカビエルに至っては力が封印されてるはずじゃないのか!?」

「されているさ……全く動きにくい(・・・・・)とも」

 

 文句を言いつつレーザーを避け、弾丸を弾き、砲撃をいなす。

たった一本の堕ちた光の槍によって、悉くが潰されていた。

本人からすれば、極大の槍を大量に用意し、絨毯爆撃させる様な使い方をしたいが、その一本を作るだけで力尽きてしまう。

 

「まぁ、こういうやり方も懐かしくていいか」

 

 自然回復する力を計算し、尽きない様に徐々に槍の一本に力を集めていく。

最初は勿論中級程度だが、時間が経つにつれその威力は上がっていき、何れ使い慣れた最上の一本へなるだろう。

 力を封印されたと言っても、要するにタンクの上限が減らされただけ。

彼は元々戦争を生き抜いた、神の子を見張る者(グリゴリ)幹部。その卓越した技術(・・)が失われたわけではない。

 結果として、堕天使で翼があるのに飛翔せず地面を駆けるようにして次々に敵を屠るコカビエル。

それを、上空から二名の堕天使が共闘しながら見ていた。

 

「うわー、勉強になるようで全ッ然ならないっスねぇ」

「そうか?要するに力を凝縮し、微細に表面を高速振動させることで破砕力も増している。コカビエル様が言っていたが、使い方(・・・)が重要ということだ」

「ドーナシーク、修業のしすぎで壊れたっスか?めっちゃキモイッス」

「ふんっ腐っても幹部、目上を敬っているだけだ」

「ふーん……?」

 

 コカビエルは理由はどうあれ、自分たちが住んでいると知っていて、駒王町を破壊しようとした。

それはつまり、自分たちも殺されかけたということ。

 そんなこともあった上に、ミッテルトはアザゼルから直々に『同僚としてこき使っていい』と言われているため、取り合えず口調は気にしないようにしている。

だが、力こそ至上という思想を持ったドーナシークは、実力があるのだからと彼を認めているらしい。

 

「……そういう貴様こそ、随分力をつけていたのだな」

「あー、いやこれは半分ウチの力じゃないというか……うぅ」

「?」

 

 確かにミッテルト自身、彼女なりに鍛錬は続けていた。

それは堕天使なのに純粋で、堕天使だからこその理由でもあった。

だがこの力はそれだけではない。

 

(……胸が、アツいっス)

 

 胸元の赤い龍紋から『力』と共にナニカが疼いていた。

 毎日、ふとした時に脳裏に浮かんでしまうたった一人の男の子。

彼に置いていかれたくない、ただそれだけの為に鍛えた力。

 

 そんな想い(ココロ)が、彼女の芯を熱くし、力を与えていた。

 

 まぁ要するにそういうこと(乙女の理由)なのだが、ソレをこの修業馬鹿の脳筋野郎に説明する気にはどうしてもなれなかった。

その為、少し頬を赤く染めて言葉を濁したのだが、そういう機微に敏感なクソ野郎が近くに居た。

 

「へぇ~ほぉ~ふぅぅん??」

「……フリード、なんスかその顔は。なんか文句でもあるんスか!?」

「いんやぁべつにぃ~」

「うぐぐっ」

 

 地上で魔術師たちを片手間に倒しながら、にやにやと気持ち悪い嗤顔(エガオ)を向けてきているフリードに怒気を向ける。

勿論向けられた本人は知らん顔して、何なら口笛拭きながら銃剣を景気よくぶっ放していた。

 そんなフリードを気にしたのは、堕天使だけではない。

禁手でもある聖魔剣を振り回している木場が、少し息を荒くしながら話しかけた。

 

「……貴方は、随分と余裕そうですね」

「そういう悪魔クンはお疲れみたいだなァ~?なっさけねぇ~」

「っまだこの禁手に慣れてないだけです」

「へェ~あっそ」

 

 木場の中にあるエクスカリバーに対する憎しみは、完全に消えたわけではない。

ただ、そのために命を捨てるような戦いを臨まなくなった。

それは成長と呼んでいい事実であり、同時に悔しいかな、今の木場ではフリードに勝てないと認めてしまう結果にもなっていた。

 

「疲れたんなら戻って休んでていいぜ?後は俺っち達が片付けといてやるからさァ!」

「冗談。本来この街は僕の主であるリアス・グレモリー様が守護する土地だ。

……それに、キミみたいな奴に任せて、後で何を請求されるか分かったもんじゃないからねっ!」

「ハハハ、よぉく分かってんじゃねぇか!オラオラ、俺より()った数が負けてたら騎士の名折れだぜぇ!!」

 

 騎士である木場と聖剣の力で神速で動くフリード。

超高速機動の二人と卓越したコカビエルが地上を蹂躙していく。

空中ではたった二人の堕天使だけで攻防が成り立っていた。

 

「どうやら魔術師たちは楽に片付きそうですね」

「チッ使えん奴らだ」

「まぁ卓越した指揮者が居るわけでなく、事前に用意した作戦擬きで攻撃を連射していただけなら、この程度でしょうね」

「……随分と戦況が視えるようになったのだな、アスタロトの坊主」

「まぁ色々ありまして」

 

 ディオドラが偽の笑顔を張り付けて話す相手、シャルバ・ベルゼブブ。

彼から発せられる殺気は本物で、思わず冷や汗が出てしまう。

実力で言えばシャルバが上なのは当たり前だ。

 

「で、俺の前に立ってどうするつもりだ?」

「あー、出来れば()りたくないんですが、どうです?帰ってもらえません?」

「ハッ可笑しなことを言う。こと戦場に立っておいて、随分と温いことを抜かすじゃないか。ベルゼブブの名を奪った家系とは思えん軟弱さだな」

「……アレはあの野郎がおかしいだけだっつの」

 

 アジュカ・ベルゼブブ、親族であり血縁でもあるあの男は、正真正銘の化物だとディオドラは知っている。

アスタロト家から出た異端児であり、超越者(バケモノ)

そんな奴と比べられるなんて、正直言ってやめて欲しいものだ。

 

「はぁ……ご主人さま(クソ野郎)、何時まで下らない問答を続けるおつもりで?」

「あー、あのクソガキが来るまで続けようかなぁと」

「ダメに決まっているでしょう。それと、前々からおっしゃってましたが、イッセー様をその様に呼称するのはおやめください。張ったおしたくなりますから」

 

 一人口八丁でサボろうと企んでいたディオドラの本心を見抜いた従者、リヴァリアが苦言を告げた。

ついでに思いっきり罵倒しているが、当の本人は涼しい顔をしてディオドラの一歩半後ろに控えている。

 

「……従者すら碌に下していないのか?」

「だぁからぁ~!色々(・・)とあったつってんだろ……ハァ、癒しが欲しい」

「全く。良いから()りますよ、サポートお願いしますね」

 

 遂にはディオドラの背後から前へ移動したリヴァリアを見て、シャルバは心底呆れたとため息をついた。

リヴァリアはただの転生悪魔であり、神器の気配はない。

一見すれば普通のメイドにも拘らず、ベルゼブブの血を引く自分に正面から挑むなど、自殺行為でしかない。

 

「全く、堕ちるところまで堕ちたものだ……がっ!?」

 

 完全に油断したその瞬間、リヴァリアの魔力の一撃がシャルバの顔面へ放たれた。

反射的に防いだが、瞬間的な防御を貫いて(・・・)彼へ僅かだが通った。

 

 そう、公式戦で大した活躍もしていない筈の、本当に只の転生悪魔(三下)が、ベルゼブブという最上級悪魔のシャルバへダメージを与えることに成功していた。

 

「キッサマァ!!」

「ぶんぶん五月蠅いハエですね……幾らか訂正しますが、この主人()は私の真の主ではありません」

「お前本ッッ当に!酷いな!!」

 

 シャルバが放った、龍神の加護が乗った魔力の砲弾。

それを、半分未満の魔力が乗った一撃で弾き、逸らしながらシャルバへ告げた。

 

「馬鹿な、何だお前!?」

「ですが……屑は屑なりに(仮にも王として)、最近は頑張っているんですよ?」

「……帰っていいか?」

「ダメです。貴方のサポートが無いと、私倒されますよ?」

「チッ」

 

 ここで見捨てると、絶対呪縛(首輪)が反応して痛い目見るだけだと分かっているディオドラは、舌打ちしながらサポート(・・・・)を続ける。

 ディオドラの観る(・・)力と、リヴァリアの視る(・・)力。

両者をリンクさせることで、格上であるはずの弱所を容易に見極める。

足りない力は赤い龍(クソガキ)の紋様が増加させる。

 

「まぁ勝てるとは思いませんけど、暫く僕らに釘付けになってもらいますよ」

「くっこんな、バカなことがっ」

私の主(お二人)をバカにするから、こういう事になっているんですよ……全く、脳みその古い頭でっかちは愚かですね」

「このっガバ!?」

 

 リヴァリアへ照準を向け砲撃を放つも、今度はディオドラが魔力砲に干渉(・・)し、暴発させた。

それを見て可笑しいことだと嗤い、挑発を繰り返すリヴァリア。

 

「隙だらけじゃないですか、何ですか古臭いだけじゃくて戦闘も疎か何ですか?常在戦場ってしってます?」

 

 『旧』魔王派、そう言われることが心底屈辱なシャルバは、リヴァリアの挑発にペースを乱されてしまう。

ディオドラはそんな彼女を見て、どうしてこの人が聖女だと呼ばれる程のシスターだったのかと、心底疑問に思うのだった。

 

 

 そんな状況を、ヴァーリは眺めていた。

片手にはあっという間に戦闘不能にし、気絶させた旧魔王派のクルゼレイ・アスモデウスを持っていた。

 

「まぁまぁ成長しているじゃないか。未だ足りないけど、やっぱり見所ある奴らだ」

《それはそうだろう、歴代の二天龍が関わる連中は、どれもこれも歴史に名を遺す程度の実力はあった》

「なるほど……で、その様は何だアザゼル?」

 

 白い鎧の少年が振り向くと、そこには片腕を失ったアザゼルの姿があった。

カテレアは倒したようだが、それでも腕一本やるほどかとヴァーリは少し気に入らない様子で名を呼んだ。

 

「自爆特攻されちゃぁな。それに中々強かったんだ、この位はな」

「へー」

「興味ないなら文句言うんじゃねぇよ」

「別にないわけじゃないさ。アンタの創る神器には興味ある……ただ、今は」

 

 ポイっとクルゼレイを放り棄てると、一番上空に位置し、戦場を俯瞰しているオーフィスへ視線が向いた。

 

「あっちの方の興味が強い」

「おいおい、幾らお前でも無茶だぞ」

「やってみなくちゃ分からないだろ?切り札(・・・)がどの程度通じるか、試してみたいんだよ」

 

 そう言うと、ヴァーリは自身の力のギアを上げた。

勿論、目標はウロボロス・オーフィス。彼女へ届かせるには、只の白龍皇では通じないだろう。

 

「言っておくが、覇龍は使うなよ。お前の魔力なら十分は持つだろうが」

「分かっている……そもそも、ヴァニシング・ドラゴンの本領だけでは相性が悪すぎるだろ」

 

 相手は無限を司る存在。

無限を半減することなど出来はしないし、仮にできたとしても容量(キャパ)が足りないだろう。

なら、どうするか。

 

「まぁみていろ――面白いものを見せてやる」

「……冷気?」

 

 白い鎧から漂う冷気。

そう、この白龍皇はつい最近まで冷凍封印されていた。

そして、それを解いたのは解析などを頑張ったアザゼルではなく――この少年自身だ。

 解いたというか、喰らった(・・・・)というのが正解だが。

 

「……お前、まさか」

「いくぞ、アルビオン」

《全く、これだから天才は……まぁ、何処までも付き合おう。禁手(バランス・ブレイク)!》

 

 スマートな白い鎧から発せられる冷気は、氷となって鎧へ定着していく。

光の反射で白銀にも見える氷は、何処かあの赤い少年の鎧の様に、刺々しい鎧へと変貌していく。

エネルギー翼も白銀の氷へと変貌し、先端が槍の様な刃が付いた氷の尾も現れた。

 

――《白銀龍(アブソリューション)の零鎧(・ディヴァイング・ギア)

 

 その変化は、余波でアザゼルが防いでも少し凍てついてしまう程に強烈だった。

なお、この禁手の変貌はある女性の前ではなるべく見せたくないらしい。

そんなことを少しでも溢せば、諸々知っているアザゼルが嗤うだろうから、彼をさっさと置いて超速飛翔し、突撃する。

 

「……さぁ、永遠の虚無へ叩き落してやろうっ!!」

畢竟無(エターナル・ゼロ)!》

「ん……貴方も、遊ぶ?」

 

 黒い龍神へ、白銀の龍が襲い掛かった。

 

 

 そんなこんな過激な戦場となっている学園を覆う結界の外でも、同様に激しい戦いが続いていた。

傍から見るとふざけているとしか思えない格好をした巨漢の攻撃を、槍を持った青年がいなしていく。

その余波だけで周辺被害は甚大であり、曹操が連れてきた魔術師が別に結界を張っていなければ、怪我人が出ていただろう。

 

「ハハハ!世界は広いな、全くバカげている!」

「にょぉぉぉおおおおお!!」

「全く、何をどうしたら神滅具と玩具の短杖(・・・・・)で渡り合えるんだァ!?」

 

 ミルたん曰く、魔法とのことだが絶対に違う。

玩具は確かに電池で光る機能はあるが、レーザーみたいな刃を出したりなんて絶対できないはずだ。

そもそも技名が『マジカル・ソード』と『ミルたん・ラッシュ』とか、ふざけているにも程がある。

しかし、現実として彼が防御で手一杯になってしまう程の猛攻なのだ。

 

「アンタ、どこかの英傑の血筋なのか?」

「ミルたんはえいけつじゃないにょ、魔法少女なにょ!」

「いや、魔力欠片も感じないんだ、が!」

 

 禁手を使えば勝るかもしれないが、しかし神器も使わない人間相手に奥の手を使うというのは、それ自体が負けのようなモノだとも感じていた。

バケモノ退治は人間が行うものであり、彼の禁手はそう言った存在に扱うべきだと。

 目の前の怪物はこれでも一応人間だと、ギリギリ曹操は判断していた。

勿論、結界に集中している魔術師は両方ともバカげた怪物だと断じたのは当たり前の一般論だろう。

 

「しかし殺気が無いな、それでは俺を倒せんぞ?」

「魔法少女ミルたんは、人殺しなんてしないにょ。ただ、イッセーくんの邪魔をさせないよう貴方は寝ててもらうにょ!『マァジカルゥゥ・スリィィィプゥゥゥ』!!!!」

 

 魔法、マジカル・スリープ。相手を寝かしつける(勿論物理)技である。

 

「いや、もはやそれは只の暴力だろう!?」

「ゥゥォォラァアアアアアア!!!」

 

 あんな戦闘を見聞きする羽目になるくらいなら、大人しく学園に回った方が良かった。

戦場が嫌だからと曹操に付いてきた魔術師は、後に疲労困憊になりながら語ったという。

 

 

 そして、そんな頑張ってくれてるミルたんのおかげで学園の結界の上に座って(・・・)居る少年がいた。

コンコンッと軽く左腕で結界をノックして強度を測っている彼の頭には、大きなたんこぶが出来ていた。

 

「痛ってぇ……ミルたんのぶっ飛ばし(飛行魔法)の衝突で壊れないって、かなり堅いなこれ?」

《神滅具と魔術……それに恐らくだが、オーフィスの加護のせいだな》

「だから、それ誰だよ?」

《……お前がフィーと呼んでいた少女だ。あんな強い少女が、只の娘なわけあるまい》

「マジか」

《相棒……お前は時折物凄い鈍感になるな?》

 

 何だか知らないが、フィーが凄い奴だったらしいと一誠は此処に来て初めて知った。

しかし、やることは変わらない。勝手に街から存在を消したフィーには文句があるのだ。

それに何より、友達に呼ばれたからには参上しなくてはいけないだろう。

 

「どうしたらいい?」

《……方法が一つだけある。この間、堕天使から抜き取った蛇があるだろ?》

「あぁ、アレかぁ」

 

 宝玉に入っていったあの蛇。腹を壊すことも無く、寧ろ調子がいいくらいだった。

何より、何だか暖かい感覚があったから、気にしていなかったが……アレがどうしたのだろうかと、一誠は首を傾げた。

 

《アレはオーフィスの力の一端だ。アレを取り込めば、この程度の結界など容易に破壊できるだろう》

「へー……取り込むってどうすんだよ」

《まぁこれは想像でしかないが……お前が頼めばいけるんじゃないか?》

 

 懐いているとしか形容できないあの様子から察するに、蛇はオーフィスの意思を幾らか受け継いでいるように思えた。

よって、一誠がちょっと使おうと思えば素直に従うだろう。

 

――だって、これも遊び(協力プレイ)なのだから。

 

「んじゃ、やってみっか!ドライグ!」

禁手(バランス・ブレイク)!》

 

 赤く刺々しい鎧を纏う瞬間、黒い蛇が尾を咥える()マークが宝玉に浮かんだ。

すると、赤い鎧に黒い紋様が追加され、何処か禍々しさが増す。神を取り込んだはずだが、これでは邪龍だろう。

 普通なら気味悪く思っても仕方がないが、一誠は何処かワクワクした(遊んでいるような)感じが沸き上がり、思わず口角が上がっていた。

 

紅黑龍(ウロボロス)の鎧(・ウェルシュギア)

「オォラァアアアアア!!!!」

無限の一撃(インフィニティ・インパクト)!!!》

 

 振り下ろされる拳、インパクトの一瞬だけに力が発揮された。

概念的な無限(無限の増加)を持ってして、疑似的な無限(無限の一部)の結界を突破する。

結界に大穴を空けた一誠の真下には、真っ黒なドレスを着た少女がいた。

 

「フィィィイイイ!!!!!」

「……! イッセー!」

 

 そのタイミングは、奇しくもヴァーリがオーフィスと衝突する瞬間だった。

一誠の声に反応し、上を向いたオーフィスに舌打ちしながら、ヴァーリ()拳を向ける。

 

「勝手に居無くなりやがって、心配させんなこの馬鹿やろぉおおおおおおお!!!!」

「オレを無視できると思うなよ、龍神!!!」

 

 お仕置き(赤龍帝)暴力(白龍皇)、紅白に挟まれたオーフィス()

上空で始まった拳と無限の力場の衝突は、余波となって学園に残っていた結界を消し飛ばし、街中に衝撃波となって伝派していく。

驚くよりも先に本能的な怖気が奔るその衝撃の中心で――

 

 

「フフッくらべっこ、はじめよっか」

 

 

 ――誰よりも純粋に、楽しそうに、只の少女(無限の龍神)は笑っていた。


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