はちゃめちゃ赤龍帝   作:...

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興味の対象は異常がいい

 兵藤一誠は自分の異常を正確に理解していた。

外を歩けば困った人に出会い、街に行けば何かしら巻き込まれ、あるいは巻き起こす。

そして大体その全てを殴り、蹴り、基本ぶっ飛ばすことで解決している。

それは今日この日も……。

 

「チッ」

 

 日頃通っているゲーセン。その近くでたむろっている不良グループを見つけた。

彼らとは度々喧嘩沙汰になっているが、その理由は大体下らない。

今日もやはり下らない事のようだ。不良がたむろっている理由は遊び屋会話の為とかではない。……ナンパのようだ。

 

(あー、いや別にいいか)

 

 囲まれている金髪のゴスロリ美少女……見かけ中学生くらいだろうか?

彼女は無関心のようだし、このまま放置しても問題はないだろう。

無理強いしようものなら周りの人が誰か呼ぶだろうし、そもそも自分がこれ見よがしに横を歩いていけば面倒事を起こすことは無いだろう。

まぁまた殴り合うというのもそれはそれで何時も通りと――。

 

「――グバァ!!?」

「………ハ?」

 

 彼らの傍を歩いて通り過ぎてゲーセンへと入ろうとしたその時、背後を何かが通り過ぎた。

みれば不良が転がっており、さっきのゴスロリ少女が腕を振るいきった状態で立っていた。

 

(殴り飛ばした……あんな華奢な子が、ガタイの良いあのバカを?)

 

 一誠の背筋を何かが通った。驚き?畏れ?

 

 

――全く、今代の―は―

 

 

 何かが聴こえた気がしたけども、それ以上に目の前の光景に、異常な光景に目を奪われていた。

自分と同じ異常が、目の前にいる。不思議な昂揚感に包まれ、ガラスに映る一誠は笑っていた。

 

「こ、のガキ!」

「全く、ウザイッすよ」

「ウバァ!?」

 

 面白いくらいに人が吹っ飛んでいく。

こんな光景を一誠は知っている。日頃そんなことは無いが、その気になれば一誠は同じことができる。

 

「アハハ、お前面白いな!!」

「な、子鬼!?」

「テメェまで、たくっなんだよ!?」

 

 不良たちが走り去っていく。ちゃんと気絶した奴も回収していく辺り、彼らの仲の良さがよく分かる。

伊達に何度も一緒に一誠にぶっ飛ばされているわけではないのだ。

 

「なぁなぁ!」

「ん?なにっすか?」

「オレ兵藤一誠、お前面白いな。名前なんて言うんだ?」

「面白い?いきなり何言ってんすか、このガキ……」

「ガキじゃねぇ、一誠だ一誠。言い難いならイッセーでもいいぜ!」

「ハァ?」

 

 ズイっと顔を近づけてくる少年、一誠に向け、一言。

 

「うざ」

 

 同時に掌が飛んでくる。さっき不良を吹っ飛ばしていたあの勢いは感じられない。

小学生だから手加減してくれているのだろうが、それでも小柄な一誠なら吹っ飛ばせるのは確実だ。

 

「っと」

「!?」

 

 無論、そんな程度なら一誠は受け止めてしまうのだが。

 

「やっぱすごいなぁ」

「アンタ……」

 

 少女は受け止めた一誠の左腕を見つめ、少し経ってニヤリと嗤った。

 

「いいよ、ウチも少し興味湧いたし。ウチはミッテルト」

「ミッテルト……長いからミッテな!」

「……まぁ好きに呼べばいいっすよ。で、なんのようっすか?」

「遊ぼうぜ!」

「……」

 

 さっきのナンパ達よりドストレートな誘い。勿論一誠にそんなつもりはないのは分かるのだが、今日はどうしてもナンパに付き合わなきゃいけないのか、と思わずミッテルトは笑みを溢した。

 

「まずはゲームだゲーム!」

「まず?」

「おう!ホントは力比べしてみてぇけど、喧嘩とかするとねぇちゃんが怒るからなぁ……アンタみたいな可愛い女の子と殴り合ったとか知られたら、とんでもなく痛いげんこつが飛んで来るんだ……」

「尻に敷かれてるっすねぇ」

「しかれ……?」

「あぁ分かんないっすか……そう言えば何歳なんっすか?」

「12!」

「まじっすか……12でコレ、アンタよく将来心配って言われないっすか?」

「なんでわかるんだ!?」

 

 やっぱりなぁと苦笑いを浮かべたミッテルト。

その日はゲームだけでなく、何故か体力勝負まがいな追いかけっこをしたり、休憩にアイスを食べたりと気付けば門限ギリギリまで遊びつくした。

 

「また明日な!」

「うーっす」

 

 走り去っていく一誠を見送ると、ミッテルトは自分の帰宅する方向へと身体を向けた。

 

「さーってどうするっすかねぇ。あのシスターの神器を戴くって算段だったけど……」

 

 一誠の左腕から感じた()に興味を持ったミッテルト。

欲張るのはさて吉とでるか凶と出るか。

 

「……まぁ暫くは遊びに付き合ってやるっすよ」

 

 何だかんだ楽しかったし、とミッテルトは機嫌よく帰っていった。

 

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