Infinite Stratos~二人の男性操縦者~ 作:春水
よろしくお願い致します
Infinite Stratos……通称ISは今から10年ほど前に日本の『篠ノ之 束』が作り出したマルチフォームスーツである
開発当初は注目されなかったが、日本への2341発以上のミサイルを無傷ですべて破壊し、それを拘束しようとした自衛隊の戦闘機を圧倒的な力により殲滅、その後姿を消した事件……『白騎士事件』が起きた
その結果、IS本来の目的である宇宙進出はなりを潜め、従来の兵器を凌駕する圧倒的な性能が世界中に知れ渡ることとなり、兵器として軍事転用が始まり、各国の抑止力の要が既存の兵器からISに移っていった
しかしISには欠点があった、それは『女性しかISを起動できない』ことである
開発者の篠ノ之束にも、原因不明であるがISは女性にしか動かせず、それが原因でこの世界は女尊男卑の世の中になってしまった。
しかし女尊男卑などという思想に囚われず、世界中に事業を展開している大財閥……『九鬼財閥』では九鬼財閥の社長の次男の『九鬼春臣』の専属従者の一人である『シュテル・スタークス』が自身の主のために働いていた
―シュテルside―
「春様はそろそろ鍛錬が終わるころでしょうか…」
私が九鬼財閥に就職し、従者部隊に配属、春様に専属として選ばれてからというもの、毎日が楽しくて仕方ありません
春様の従者はあと二人いてそれぞれ序列5位と9位ですが私が一番春様のそばにいるでしょう
まぁ私の序列は4位ですし当然ですね
「さて、タオルと着替えを持って春様の処へ向かいましょうか」
「では本日の鍛錬はこれで終了です。私が本気を出していないとはいえ、ここまで出来れば十分でしょう」
「すまんなヒューム。紋の護衛は大丈夫か?」
「今の時間はクラウディオが付いておりますので問題ないかと」
「そうかならば良い」
どうやら丁度終わったところのようですね
序列0位のヒューム・ヘルシング様に鍛錬をつけてもらうなど私の実力では無理ですね
私の専用機を使えばそこそこは戦えるでしょうが―――とりあえずは春様の元へ
「春様、お疲れ様です」
「ありがとうシュテル、我が鍛錬をしている間、何か変わったことはなかったか?」
「いえ、これと言って特には」
そうか、と春様が仰ったあと、これからの予定について話を始めます
「このあと、10分の休憩をはさみ午前10時丁度から九鬼の兵器部門の視察となっています」
春様は鍛錬場を出て通路を歩きながら私の話をお聞き下さります
本当にお忙しい方です
「!兄上ー!」
「おぉ!紋!」
向こうから走ってくるのは九鬼家の末娘にして人材集めの天才『九鬼紋白』様です
とても可愛らしい方です
専属従者の大和君もいますね。お部屋に戻られるところでしょうか
「兄上はこれからどちらへ?」
「我は兵器部門の視察だ。ISが出てきてからはあまり業績が上がっておらんからな」
「うーん、やはりIS産業に手を出してみては?幸い我が九鬼にも専用機持ちが三人ほどおりますし」
「うむ、考えてはいるのだがな……む?」
春様が何かに気が付かれたようです
これは…休憩室から聴こえてくるTVの音でしょうか
『臨時ニュースです!本日先ほど、男性がISを起動したとの情報が入ってきました!繰り返します!本日先ほ――』
……はっ!突然のニュースで思考が止まっていました
というか、え?男性がISを起動?女性にしか起動出来ない筈では?え?え?
混乱していた私をよそに春様は笑っていました
「…面白いな。シュテル、倉持技研に連絡して量産型IS『打鉄』を何機か貸すよう伝えろ。父上や兄上がこんな面白いものを見逃すはずがないからな」
その言葉を聞き、私は少し冷静さを取り戻します
すぐに春様に返事をし倉持技研に連絡をとりに移動を開始しました
―シュテルsideout―
―春臣side―
我が話しかける前は混乱しているようだったが、声をかければすぐに元に戻れるのは流石だな
これがディアーチェだったならばより混乱してしまうかもしれん
レヴィであったなら――――考えるのを止めておこう、悲しい未来しか見えん
「兄上、なぜ倉持にISを?」
目の前にいる可愛い可愛い我が妹、紋白が尋ねる
「決まっているだろう?父上や兄上が男性が起動出来るかどうかを試さない筈がないからだ。もちろん自分たちだけでなく従者部隊の男性全員を試すだろうな。そうなれば、一機では時間がかかりすぎる。最近女性従者が増えてきたとはいえ、従者部隊1000人中、男性は約700人いるからな」
なるほどー、と目をキラキラさせている紋を見ていると
「倉持技研へ連絡を完了しました。すぐに3機持ってくるそうです。それと春様が仰った通り、帝様と英雄様もすぐにお戻りになられるそうです」
やはりなとシュテルに礼を告げながら思う
父上がこういったものが大好きなのは昔から変わらんし、兄上も気になるものは片っ端から調べるタイプだからな
それに、我自身も気になるしな
万が一誰か動かせたらIS学園に入学してもらいデータを集めさせよう
そうすれば秘密裏に進めていたIS関連事業もうまく行くかもしれん
―春臣sideout―
そんなことを思いながら春臣は大広間に向かうのだった
まさか自分がとは思いもせずに……
どうでしたでしょうか