機動戦士ガンダムSeeD~Another SeeD Story~ 作:Pledge
閑話みたいな感じの回です。
ちょっと時間軸がおかしいかもしれませんが、多少のことはスルーでお願いします。
酷いときはツッコミをお願いします。
【ヘリオポリス】崩壊の報を聞いた、レオハルトやシーゲル、パトリック三人の話し合いの数時間後には、【ヘリオポリス】が崩壊したことを知った議員からクルーゼを召喚して査問会を開くよう強く迫る者がすでに現れていた。
連合の新型機動兵器、通称【G兵器】を四機奪ったことは大きい。だが、中立国のコロニーを破壊したことはそれ以上だ。
作戦の目的は連合の新型機動兵器の奪取、及び新造艦の破壊。新型機動兵器五機のうち、四機の奪取には成功。だが、残りの一機の新造艦破壊は失敗。それに続けて、【ヘリオポリス】を破壊させるほどの甚大なダメージを与えてしまった。
新型機動兵器を奪った功績が霞んでしまうほどの失態である。
この一件で、シーゲルは【ヘリオポリス】を管理していた【オーブ】政府と電話会談が続いている。本来なら会うべきなのだろうが、【プラント】内部からは『中立と謳いながら、連合に与した国家』として、シーゲル暗殺を危惧する声が噴出した。
対して、【オーブ】も【プラント】への反感が高まったことにより、【プラント】側との直接会談を拒否している状況である。
そしてパトリックは、変化する連合と【プラント】情勢を踏まえ、軍備増強の指揮に追われている。
現在、クルーゼは帰還中なのだが、帰還するまで四日ほどある。だが、クルーゼ隊であるゼルマンを艦長するガモフは引き続き敵新造艦を追跡し、撃破に向かうことになっている。
そしてレオハルトはというと、設計局にこもっていた。クルーゼから本国に暗号文で送られてきた、奪取した連合の新型機動兵器のデータ。これにより、レオハルトが進めていたユピテルの開発が一気に進んだ。
クルーゼの帰還を翌日に控えたある日、ついにユピテルが完成した。
光の無い宇宙の中、宇宙に溶け込むような一機のMS。漆黒の機体に銀と赤のラインが入った、新型MS。レオハルトが設計・構想し、開発に踏み切ったMSである。
一時は開発に行き詰っていたが、連合の機動兵器のデータを元にようやく完成までこぎつけた。そのため、設計局の人間たちはすでに三日は寝ていない状況だ。
今日はようやく完成したユピテルを実際に動かしてみようというわけだ。実際に動かしてみないと分からないこともある。そのため、レオハルトは【FAITH】としての権限を行使しナスカ級を一隻借りると、一番近くにあるデブリベルトへとやって来ていた。
「これより、ZGMF‐212X ユピテルの性能評価実験を行います。リベラント隊長、よろしいですか?」
「ああ」
「了解。性能評価実験、開始」
技術者のその言葉を合図に、ユピテルのモノアイが紅い光を放つ。レオハルトがフットペダルを踏み込んだ瞬間、技術者たちはその姿を見失った。
「なっ!?」
機械が自動でユピテルを捜索すると、ユピテルはデブリ群の間をぬうように高速で移動していく。過去の戦闘で撃沈した艦やMS・MAなどの残骸が多数浮遊している宙域にも、レオハルトは恐れることはない。
「リベラント隊長!危険です!」
「限界を出さなければ、意味が無いだろ」
「ですが……!」
技術者の制止の声も聞かず、レオハルトはさらにスピードを上げるべく動いた。フットペダルをさらに強く踏み込み操縦桿を倒すと、ユピテルはレオハルトの命令に従いさらにスピードを上げる。
「何て速さだ……!シグーの三倍は軽く出ている……!」
「リベラント隊長!スピードを落として下さい!身体が壊れてしまいます!」
凄まじいスピードによって起きた強烈なGによって、レオハルトはシートへと強く押し付けられる。レオハルトが操縦桿を手前に引き戻し機体に急制動を掛けて反転させると、さらなるGがレオハルトを襲う。
「ぐうぅ……!!」
「リベラント隊長!!」
技術者の言葉に、レオハルトは咄嗟に操縦桿を引き戻しフットペダルから足を離した。今までレオハルトを襲っていたGが嘘のように消えると、機体が停止する。
「リベラント隊長、お身体に異常は?」
「……特に無いが、何か問題が出たか?」
「いえ、無いなら結構です」
レオハルトはスピードの実験を終えると、今度は武装の実験に移る。レオハルトが装備されている武装の一つ一つを確認しているのを見ながら、技術者たちは驚きを隠せないでいた。
「リベラント隊長の身体はどうなっているんだ……」
「これほどのスピードを出せば、Gも相当なはず。コーディネイターとはいえ、吐血してもおかしくないぞ」
「だが、そんなリベラント隊長だからこそ、ユピテルの性能を最大限に引き出すことが出来ている」
そう言いながら、技術者たちはモニターの向こうで縦横無尽に動くユピテルを見る。事前に設置された的に向けて、レオハルトは銃口を向けると精確に的を射抜いていく。
「確かにな。だが、あれほどの性能だ。緑どころか、赤でも扱えんかもしれん」
「性能を落としても、難しいかもしれない。性能を落とせば、確実に採算が合わないだろう」
「それは仕方ないだろう。リベラント隊長もそれは承知されている。ユピテルは、リベラント隊長の専用機としてロールアウトになるな」
レオハルトやユピテルについての話をしている間に、レオハルトのユピテルへの性能評価実験は終了を迎えていた。
「お疲れ様です、リベラント隊長。良いデータが取れました」
「どうだ、ユピテルは」
「予想以上の出来と言えます。ですが、やはりリベラント隊長の専用機となりそうです」
「この性能を考えると、それも仕方ないか。資料をまとめておいてくれ。本国に戻り次第、上に報告する」
「了解です」
ユピテルがナスカ級に着艦し格納庫に固定されると、ナスカ級は本国へと進路を取った。本国に戻れば、技術者たちは今回のデータを元にユピテルをレオハルト専用機としてロールアウトするため、詰めの最終調整に移る。
そしてレオハルトの頭の中にあるのは、明日に迫ったクルーゼの査問会である。最悪の場合、隊長の任を解かれることにもなりかねない。だが、正直なところレオハルトはそこまで心配をしているというわけでもない。
「(査問会、どうなることか。だが、どう転んだとしても、恐らくはあの人が……)」
最悪の場合になっても、いざとなれば『あの人』が何か手を打つだろうと。そして何より、クルーゼお得意のよく回る口で何とか切り抜けるのではないかと思っている。
なので、レオハルトの頭の中からすぐにクルーゼのことは無くなり、ユピテルのことに切り替わるのだった。
本国に帰還すると、レオハルトは技術者たちによる報告書と、実際に乗ったレオハルトによって作成された報告書を手に、軍事の総責任者でもあるパトリックの元に向かっていた。
「特務隊、レオハルト・リベラントです」
「入れ」
「失礼します」
中では相変わらず忙しそうにしているパトリックが座っていた。レオハルトは部屋に入って敬礼をすると、パトリックの正面まで歩いて行く。
「どうした」
「ユピテルの性能評価実験を行いましたので、報告書をお持ちしました」
「そういえば、申請が出ていたな。……うむ。性能が幾分か高過ぎるようだな」
「申し訳ありません」
「構わん。貴様のことだ。今のジン
「お見通しですか」
レオハルトがユピテル開発に踏み切ったのは、【ZAFT】の次世代主力機の開発という理由も含まれている。他にも、現在使用しているジン
それをパトリックは、レオハルトの実力を理解しているからこそ見透かしていた。
「……いいだろう。報告書の通り、ユピテルは現在の一機のみ。貴様の専用機としてロールアウトしろ。【FAITH】が、カスタム機というのも格好が付かんからな」
「ありがとうございます」
「どれくらいでロールアウト出来る?」
「設計局によれば、二~三日もあれば充分だと」
「ユピテルのロールアウトが完了次第、任務を命じるかもしれん。そのつもりでいろ」
「はっ!」
レオハルトはパトリックの執務室を後にすると、これからどうするかと考える。今日の仕事はユピテルの性能評価実験のみ。つまりオフなのだが、特にすることもない。
これが昼間だったらまだ何か思いついたのだろうが、時間はすでに夕方。直に日も沈む時間である。
「(こういう時、つくづく俺は仕事人間ということを実感するな)」
「おや、リベラント君」
通路に立って思案していると、不意に名前を呼ばれレオハルトは振り返った。そこには、議員服から私服を来ているシーゲルが立っていた。
「クライン議長」
「どうかしたのかね?」
「いえ、これから何をしようかと思いまして」
「暇なのかね?……では、一緒に食事でもどうだね」
「食事、ですか?」
「……話したいこともある」
温和な笑みから一転。シーゲルの表情が真剣なものに変わる。シーゲルの『話したいこと』。その内容にレオハルトはすぐに思い至り、シーゲルの誘いに応じるのだった。
レオハルトはシーゲルの専用車に乗り込むと、車はシーゲル行きつけの高級レストランへと走り出した。
「今日は娘のラクスと食事なのだが。少々遅れると連絡があってな。一人でどうしようかと考えていたんだ」
「以前と同じですね」
「まったくだね。どうやら私は、待たされることが多いらしい」
レストランへは十分ほどで到着すると、レオハルトもシーゲルの護衛と同じように周囲に気を配りながらレストランの中に入る。
エレベーターで最上階の五十階に到着すると、シーゲルは慣れた様子で奥の個室へと入って行く。このレストランは有名な三ツ星レストランで、下の階ではリーズナブルな値段でフルコースを堪能できるが、上の階は完全予約制の完全に仕切られた個室で料理を楽しむことが出来る。
そのため、秘密の会話などで利用する人間も多い。
「お前たちは下がれ。エレベーター周りにいろ」
「了解しました」
シーゲルは護衛を部屋の近くから追い出すと、個室の扉を閉めた。
「ここなら、何を話しても問題無いだろう。以前と同じだ」
「……そうですね」
二人の間に流れる、何とも表現しがたい空気。険悪とまではいかないが、友好的とは言い難い。そんな微妙な空気が流れる中、料理が運ばれてくる。
「リベラント君、何を飲むかね?」
「ノンアルコールを」
「酒は嫌いかね?」
「いつ何があるか分からないので」
「ふふっ、そうだったな。私は赤を、彼にはノンアルコールの物を頼む」
ウェイターは頭を下げて退室すると、シーゲルはレオハルトへと視線を移す。
「何か?」
「……いや、思い出していただけだよ」
「……」
そう言われて、レオハルトもシーゲル同様、あの時のことを思い出していた。
一ヶ月前
一ヶ月前のあの日も、まったく同じ理由でシーゲルはレオハルトと同じレストランに居た。
「すまないね、リベラント君。MS開発で忙しいというのに」
「いえ、現在は開発に行き詰ってしまっている状況です。むしろ、誘って頂いて良かったかもしれません」
「そうだな。食事は良い息抜きになるだろう」
「はい」
この日、シーゲルはパトリックや両者の娘息子の四人で食事の約束をしていた。理由は、パトリックの息子であるアスランが
だが生憎、他の三人は事情により遅れてしまうことになり、そこで急きょシーゲルはレオハルトを誘ったのだ。
「そうだ。改めて、【FAITH】昇進、おめでとう」
「ありがとうございます」
「これから徐々に増やしていく予定だが、一番の適任者は君と言って差し支えないだろう。誰もが認める、【ZAFT】のエースだからな」
「光栄です、議長」
料理が運ばれてくると同時に、二人のグラスに飲み物が注がれる。シーゲルは赤、レオハルトはノンアルコール飲料水が注がれる。
「では、乾杯と行こうか」
「何に乾杯しますか?」
「そうだな……。【プラント】の勝利を願って」
「そうですね」
笑みを浮かべながらのシーゲルの言葉に、レオハルトも非常に分かりにくい笑みを浮かべた。二人はグラスを手にすると、軽くグラスをぶつけて同じ言葉を口にした。
「乾杯」
「乾杯」
二人はそれぞれグラスに注がれたものをわずかに飲むと、料理に手を付ける。その料理は高級レストランに恥じぬ物で、レオハルトの食も進んでいた。
最初は他愛も無い話だったが、徐々に話は【プラント】と連合の戦争の話に変わって行く。
「これから戦争はさらに激しくなっていくだろう……。連合はその物量で攻めてくるはずだ。だが、コーディネイターをひいては【プラント】を護るためにも負けられんな」
「【プラント】を護る剣が、我々【ZAFT】です」
「犠牲を少なくするためにも、早期終戦を目指さなければな。【血のバレンタイン】の犠牲は、大き過ぎた……」
「……」
暗い表情でそう呟くと、シーゲルはグラスに残ったワインを口にした。レオハルトの表情は暗いものでは無く、むしろ険しいものだった。
レオハルトはグラスをテーブルに置くと、シーゲルへと視線を向ける。
「どうした?」
「議長、一つお聞きしたいことがあります」
「……聞こうか」
「【エイプリル・フール・クライシス】について、どうお考えですか」
レオハルトの真剣な表情にシーゲルはワインを注ぐ手を止め、居住まいを正す。そして向けられる、レオハルトの問い。
昨年、【プラント】は地球に対して核分裂を抑止する【ニュートロンジャマー】を投下した。当時、地球の主要エネルギー源は原子力発電。そのため、【ニュートロンジャマー】によって核分裂を抑止された原子力は処理が面倒な厄介物に成り下がった。
地球規模で巻き起こった、重大なエネルギー不足。これによって、地球各地で餓死者・凍死者が続出。エネルギー問題が解消されるまでの死者は、数億人とも言われている。
「どういう意味かな」
「言葉通りの意味です。対戦国・中立国問わず投下されたNジャマーによって、エネルギー不足解消までに地球では数億人規模の死者が出ました」
「……君も承知しているだろう。あれは……」
「【血のバレンタイン】の報復。無論、承知しています。核を撃ち込まれた【プラント】に、国民感情を沈めるためにも報復をするしかなかった。ですが、あの作戦によって【血のバレンタイン】の数倍の死者が出ました」
「……」
【ユニウスセブン】に撃ち込まれた核攻撃によって、民間人数十万の死者が出た。だが、【プラント】の敢行した【エイプリル・フール・クライシス】では、その何倍の死者が出ている。
正直、この件での死者数はあやふやなのだ。そもそも、そんなものに興味の無い【プラント】が調査などするはずも無かった。そのため、レオハルトは各国のメインコンピュータにハッキングを仕掛けて調べたが、正確な数字は分からなかった。
ヘタをすれば、桁が一つ違うかもしれない。各国はすぐに新エネルギーを開発しエネルギー不足を解消したが、【エイプリル・フール・クライシス】の被害は大きい。
「では、あの決断は間違いだったと言うのかね?」
「中立国に撃ち込む必要は無かったと考えます。対戦国のみに限定するべきだった。戦争とは関係の無い、民間人にも多数の死者を出してしまった。……これでは、核を撃ち込んだ奴らと同じですよ」
「……」
「議長の一言が、数億もの人間を死なせてしまった。……重いですよ。私たち前線に立つ者よりも」
「……君は、私にどうしろと言うんだね」
シーゲルは肺にあるすべての酸素を吐き出したような、深い溜め息を吐く。シーゲル自身、このことは感じていた。今でも、あの決断は間違いだったのでは?と考えてしまうこともある。
だが、自分は【プラント】の議長。【プラント】のためだと割り切ることにし、その考えを頭の中から排除した。
「……逃げることを止めて頂きたいだけです。命を奪った罪からは逃げられませんよ、議長。あなたの決断によって失われた命を背負って、【プラント】のために尽力して頂きたい」
「そうだな……。逃げることは、私が命を奪った者たちへの非礼だな……。ナチュラルもコーディネイターも、同じ人間。尊い命。君の言うとおりだな」
シーゲルはテーブルに肘を付くと、両手で顔を覆う。その様子を、レオハルトも黙って見つめる。その時、個室の扉が小さくノックされる。
「議長。ザラ委員長ら三人が到着されました」
「わかった……」
本来の約束相手であるパトリック、アスラン、ラクスの三人が到着したことを護衛から伝えられ、シーゲルは短く答えを返した。
レオハルトは布で口を拭いテーブル脇に置くと、静かに立ち上がった。
「では、私は失礼します」
「わざわざすまなかった……」
「……謝罪しなければいけないのは私です。申し訳ありません。処分は甘んじて受けます」
「聞いたのは私だけだ。……それに、間違ってはいない」
「……失礼します」
レオハルトが退室した後も、シーゲルは顔を覆ったままだった。レオハルトの言葉の一つ一つが、シーゲルの頭の中を堂々巡りしていた。
「罪、か……」
シーゲルが小さく呟いた瞬間、個室の扉が開きパトリックが入って来た。続いて、アスラン・ザラ。最後に、【プラント】の歌姫として絶大な人気と影響力を誇るラクス・クライン。
「どうした、シーゲル」
「どうかなさいましたか、お父様」
レオハルトはパトリックらが乗ったエレベーターとは別で下に降りたため、レオハルトがここにいたことは知らない。だが、テーブルに並んでいる物から、誰かが居たことは理解している。
「誰かいたようだな。誰だ?」
「……ちょっとな。痛いところを突かれてしまったよ」
「……」
シーゲルの様子からこれ以上聞くのはダメだと判断すると、パトリックらはウェイターが皿などを下げるのを横目に席に着いた。
「パトリック……」
「……」
「上に立つ人間というのは、辛いな……。人の命というものは、重いな……」
「……急にどうした、シーゲル」
「いや、何でも無い……」
二人が一ヶ月前のことを思い出していると、すでに二人の前には料理が出されグラスにも飲み物が注がれていた。
「改めて、礼を言いたい。ありがとう。君が言ってくれたお陰で、私は自らの責任を改めて自覚することが出来た」
「顔を上げてください。【FAITH】とはいえ、私が口を出すことではありませんでした。申し訳ありませんでした」
ウェイターが退室するのを見計らい、シーゲルはそう前置きすると頭を下げた。あれ以来、シーゲルはレオハルトに言われたことをずっと考えていた。自分は【プラント】を護らなければいけない。だからといって、すべての行為が正当化されるわけではない。
命を奪うことは、本来なら悪だ。戦争だからといって、悪が善に変わるわけではない。悪と自覚しての行動と、善と勘違いしての行動には大きな隔たりがある。
「……私が何かを知るのは、大抵は報告書に書かれている文字だ。時間が経つにつれ私自身、命の重さを忘れかけていたようだ。一人だろうが百人だろうが、尊い命が失われたことには変わりない」
「……」
「私が発した命令によって、多くの命が失われる。その命が失われたことによって、悲しむ者も生まれただろう。家族、友人、恋人。その者たちにとって、私は悪魔に見えるのだろうな」
「憎み憎まれる。それが戦争。ですが私は、護りたい者のためならば悪魔になります」
レオハルトの言葉にシーゲルは一瞬言葉を失うが、すぐに苦笑を浮かべた。
「……立派だな、君は。私もまだまだということだな」
「……私も、迷う時はあります。ですが、立ち止まるわけにはいきません。散った仲間のためにも」
「これからは私も、それだけの覚悟を持って動こう。いざという時には、誰かに恨まれるのも覚悟して、私は命令しよう」
そこからは終始穏やかに食事は進んだ。ラクスが到着するとレオハルトは帰ろうとしたのだが、シーゲルは恨まれるのを覚悟してレオハルトを強引に引き止めるのだった。
シーゲルはこの時、心のモヤモヤが一気に晴れるのを感じていた。
今回の話、正直言うと後半部分だけでよかったんですよね。
そろそろ完成させたいなって思って前半部分も書いちゃったんですよね。
しかも、最初書いてたらいつの間にか、初めてトールギスに乗ったゼクスみたいになっちゃいましたし。
W好きが出てしまったようです。
すぐに修正して、今になりました。
次こそ、原作を進めるはずです。