機動戦士ガンダムSeeD~Another SeeD Story~   作:Pledge

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私の小説は、一話の長さはそれほどでもないと思います。

最低でも4000文字は超えたいと思いますが、たまに長い時もあるかも知れません。
戦闘描写がヘタで申し訳ないです。

どんな感想が来るかと恐怖しています。


Mission - 1 紅髪のパイロット

この世界には2つの勢力が存在している。

 

主に地球を拠点とする、遺伝子操作を受けていないナチュラル。

 

対して、宇宙コロニー【プラント】を拠点とする遺伝子操作を受けたコーディネイター。

 

この両者は互いに憎み合う存在。

 

 ナチュラルは妬みや恐怖からかコーディネイターを恐れるようになり、コーディネイターは遺伝子操作を受けてより強い肉体になった優越心からナチュラルを見下すようになった。

 

そして、C.E70年2月11日。地球連合軍は、プラントに宣戦布告。

 

戦乱の火蓋が、切って落とされた。

 

 

 

 

 

 どこまでも続く漆黒の海。だが、漆黒の海の至る所で光が灯る。あれは戦いの光。人が人を撃つ、兵器を使った戦争の光。

 

 戦場から遠く離れた後方には、今回の戦闘の旗艦であるナスカ級高速戦闘艦デュッフェルがいる。

 

 旗艦デュッフェルの格納庫には、二機のMSが待機していた。通常、ナスカ級の搭載可能数は六機。だが、今は二機しかいない。

 

 他の四機はすでに出撃し、残った二機は状況を見て投入されるのだ。つまり、この二機は切り札ともいえる存在。

 

2機の機種は同じで、ZGMF-1017ジンと呼ばれるものである。

 

 C.E65年に開発されたYMF-01Bプロトジンを改良して正式量産化したのが、ジンである。急ピッチで増産されたため、今回の戦闘から主力機として正式配備されている。

 

 だが、この2機は一般的なジンとは違い、所々にカスタマイズされている。シルバーにカラーリングされたジンカスタムと、ダークグレーに装飾されたジンカスタム。

 

 二機のジンのコックピットには、赤いヘルメットとパイロットスーツに身を包んだ人影が見える。

 

 ダークグレーのジンのコックピットにいる人影は俯いた状態で、動くことは無い。

 

 これは、彼――暫定的に彼と表現――が出撃の前に必ず行う、精神集中のための儀式のようなものである。

 

「待機中の両名へ。状況変化。連合、右翼の第二次防衛ラインを間もなく突破。中央も第三次防衛ラインが危険域。両名に発進願う」

 

 精神集中していた時に聞こえる、艦橋にいるオペレータからの状況が伝えられる。

 

 右翼はまだいいが、中央に関しては第三次防衛ラインが突破されれば、最終防衛ラインが目の前。一点でも突破されれば、残りの戦線が危険にさらされる。一刻も早い救援が必要だろう。

 

「了解」

「了解」

 

2人のパイロットは同時に答えると、慣れた手つきでMSを起動させていく。

 

「クルーゼ機、カタパルトへ」

 

 オペレータの言葉で、シルバーのジンC(カスタム)が発進位置へと移動。発進体制に移る。

 

「私は右翼に行こう。中央は任せたぞ、レオ」

「わかった」

「ふっ…。ラウ・ル・クルーゼ、出るぞ!」

 

 状況が切迫している中央への派遣を任されたと言うのに、返ってきた答えは非常に落ち着いたものだった。

 

 シルバーのジンC(カスタム)のパイロット、ラウ・ル・クルーゼは友人のいつもと変わらない様子に思わず笑みが零れる。

 

 クルーゼに引き続き、クルーゼと短い会話を交わしたレオハルト・リベラントがカタパルトへと移動、発進体制に入る。

 

「レオハルト・リベラント、出る」

 

 クルーゼが出撃したのに続き、レオハルトも戦場へとその身を投げる。すでにクルーゼは右翼の救援に向かっており、小さく後ろ姿が見えるくらいだった。

 

 レオハルトは中央戦線へと視線をやると、フットペダルを強く踏み込み救援に向かった。

 

 レオハルトは右手に持つ[MMI-M8A3 76mm重突撃機銃]を動き回る敵MA、TS-MA2 メビウスの移動先を狙い引き金を引く。

 

 呆気なく撃破されたメビウスなど歯牙にもかけず、レオハルトは次なる敵へと向かう。

 

 続いて[MA-M3 重斬刀]を左手に持つと、正面から向かって来るメビウスに接近する。

 

 だが、メビウスから有線誘導式のミサイルが発射され、距離を取るレオハルトを執拗に追い続ける。

 

 レオハルトはミサイルを右手の重突撃機銃で撃ち落とす。ミサイルを撃ち落としたことで、周囲を煙が覆う。

 

 レオハルトの操るジンは煙から突然飛び出すと、油断していたメビウスを重斬刀で両断。

 

「レオ!」

 

 そう言ってサブモニターに映ったのは、同じ部隊に所属する仲間だった。彼はレオハルトと違い、着ているパイロットスーツは緑だった。

 

近くに寄って来たのは一機だけではなく、同じ部隊の二人が集まる。

 

「俺が突っ込む。周りは頼む」

「きっちり援護してやる!」

 

 レオハルトは仲間の言葉を聞くと、フットペダルを踏み込み敵のど真ん中に突っ込んで行く。同時に、二機のジンもその後に追従する。

 

正面からは、現在の連合軍主力MAMAW-01ミストラル四機が編隊を組んで接近してくる。

 

 まずはレオハルトが敵の編隊を崩すため、重突撃機銃を掃射する。予想通り、レオハルトの精確な射撃で敵は編隊を崩す。

 

 それを待っていたと言わんばかりに、仲間のジンが左右へと逃れたミストラルを難なく撃墜。

 

 残った二機のミストラルも、レオハルトの振り下ろした重斬刀に貫かれ、重突撃機銃によって蜂の巣と化した。

 

「艦を墜とす。援護を」

「おう!」

「任せろ!」

 

 仲間のジンが艦の攻撃を引き付けるためにドレイク級宇宙護衛艦へと距離を詰める。当然、敵艦は迎撃行動に入る。

 

 75mmのバルカン砲塔システムとミサイルが二機を追うが、二人は巧みにジンを操縦し攻撃から逃れる。

 

「ナチュラルにやられるかよ!」

「やっちまえ、レオ!」

 

 レオハルトはフットペダルを限界ギリギリまで踏み込む。Gがレオハルトを襲うが、顔色一つ変えずにレオハルトはドレイク級に迫る。

 

 ドレイク級の艦橋の目の前まで来たところで、レオハルトは重突撃機銃の引き金を引いた。

 

 すぐに機体を反転させて離脱すると、レオハルトはドレイク級の撃沈を意味する爆発を横目で確認すると、さらに前線へと突っ込んで行く。

 

 先程までの劣勢から、今では完全な優位に立っている。この状況を見て、司令官は一気に攻勢に出ることを命令。

 

 レオハルトと同じように、右翼戦線ではクルーゼが先頭を切り敵部隊を次々と撃破していく。

 

 それから約二時間後。戦力の大部分を失った敵軍は、撤退という道を選択せざるを得ない状況になった。

 

 撤退していく敵を、レオハルトは静かな瞳で見送る。1人で追撃するのは愚の骨頂。そもそも、上からも追撃の命令は出ていないので、する理由も無い。

 

 というのも、あれは完全撤退ではない。再度の攻撃のための、一時的な撤退だ。レオハルトは機体を反転させると、旗艦へと帰投するのだった。

 

 レオハルトはデュッフェルの格納庫に機体を固定しコックピットから出ると、整備兵に後は任せ艦内へと戻っていく。

 

 レオハルトは酸素のある艦内へと足を踏み入れると、ヘルメットを脱いだ。ヘルメットを脱いで露わになったのは、肩ほどまである紅髪、ルビーの瞳をした青年だった。

 

青年はパイロットスーツを脱ぐと、手早く赤の軍服へと着替える。

 

 彼はレオハルト・リベラント。上から下まで紅の外見とその他の理由によって、ある意味有名な存在である。

 

床を蹴り無重力状態の更衣室を出てすぐ、レオハルトは声を掛けられた。

 

 声の聞こえた方へと視線を向けると、金髪に顔の上半分を仮面で隠しレオハルト同様に赤の軍服に身を包んだ男が立っていた。

 

「ラウか。どうした」

「さすがだと思ってね」

 

 この男の名はラウ・ル・クルーゼ。先程のシルバーのジンC(カスタム)のパイロットである。

 

2人は【ZAFT】建軍時からの付き合いで、互いに数少ない友人と言える。

 

 レオハルトはクルーゼから視線を外すと、食堂へと向かう。クルーゼは小さく笑みを浮かべると、その後を追った。

 

「崩壊寸前だった中央戦線を救うとはな。恐れ入るよ」

 

 レオハルトは自身にある権限内で兵の指揮を執り、連携して敵を駆逐していった。レオハルトのお陰で助かった命も少なくは無いだろう。

 

「これは、【ネビュラ勲章】も近いのではないか?」

「仲間の援護があったからだ」

 

 艦内食堂に着くと、レオハルトはプラスチックのトレイに載せられた食事を受け取り、席に着くと食べ始めた。

 

 クルーゼは苦笑を浮かべると、同様に食事を受け取りレオハルトの隣で食事に手を付ける。

 

「相変わらずだな、レオ。出世や勲章に興味は無いのか?」

「無いな。人に上に立つ器でも無いし、勲章にも興味は無い」

「君はそうだろうな。私は勲章なら欲しいのだがね」

 

クルーゼの言葉に、レオハルトの食事の手が止まる。

 

 クルーゼは内心では驚きながらも、その感情を表には出さない友人を見て、再び苦笑を浮かべた。

 

「意外かね?出世は気苦労が多そうだが、勲章ならマシだろう。むしろ、プラスかもしれん」

「……」

 

 レオハルトは止めていた手を動かし最後の一口を胃におさめると、ミネラルウォーターの入った紙コップを手にする。

 

「勲章を貰えば、箔が付くだろう?多少のゴリ押しは出来そうだとは思わないか?」

「なるほど」

 

レオハルトは紙コップに入っていたミネラルウォーターを飲み干すと、小さく呟く。

 

「そういうことなら、俺も勲章が欲しいな」

「……」

 

 先程までとはまったく逆のレオハルトの言葉に、クルーゼは思わず目を丸くしてレオハルトを凝視してしまう。

 

だが、次の瞬間にはクルーゼは小さく笑うと胸中で呟く。

 

「(…君は、本当に面白い)」

 

それから数時間後。

 

 デュッフェルに新たな命令が届き、乗艦しているレオハルトとクルーゼも移動することになるのだった。

 

デュッフェルの代わりに、新たな部隊が到着し指揮を執るとのことだった。

 

 後にこの戦闘は、ヤキン・ドゥーエ戦役と呼ばれる長い戦争の中で、最も多い激戦が行われた場所となる。

 

C.E70年2月11日のことだった。

 

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