機動戦士ガンダムSeeD~Another SeeD Story~ 作:Pledge
途中で、ん?と思う箇所があるかもしれませんがご容赦ください。
アスラン side
地球から帰還した俺を待っていたのは、驚愕の事実だった。
ラクスの手引きによって
俺は彼女の自宅にいたハロと共に、一つの目星をつけある場所に向かった。そこで俺は、そこにいたラクスから驚愕の事実を知らされる。
キラが生きている。
俺は言葉を失った。そして、すぐに否定する。生きているはずがない。あいつは、俺が……。
ラクスの言葉の一つ一つが、俺の心に突き刺さった。俺は、俺を
彼女はこれからどうする気だ。彼女たちは厳しい状況にある。だが、彼女は己の意思に従って行動している。
俺はどうだろうか。俺はどうなんだ。俺も見極めなければいけない。己の道を。
気になるのは、シーゲル前議長だ。父はシーゲル前議長の捜索に、直に帰国してくるリベラント隊長を当てると言っていた。
リベラント隊長は、甘くはない。あの人が俺の立場だったら、間違いなくラクスを撃っていただろう。あの人は、【プラント】のために動く。【プラント】の害悪を討つためなら、あの人は手段を選ばない。
もし見つけたら、躊躇いなく引き金を引く。そういう人だ。
だが、俺にそれを止める術はない。今は、“道”を探すために行動しよう。
俺は地球に降り、自分の目で確かめた。大爆発が起きたアラスカは、爆心地がクレーターとなり水が溜まっていた。
そして、俺とキラが死闘を繰り広げた場所。あの時、俺は心の底からキラを憎んだ。そして、心から殺したいと思った。ラクスからキラが生きていると知り、驚きつつも安心している俺がいた。
お前は敵なのか、キラ。お前は何を思い行動している。
何気なくオーブに向かうと、オーブ近海で戦闘が行われていた。侵攻しているのは地球軍だ。恐らく、パナマが墜ちたことで奴らはマスドライバーを失った。その代わりとして、オーブのマスドライバーを接収しようと考えたか。
その中に、俺は見つけてしまった。あいつを。
「……
どうやら地球軍も新型MSを投入しているらしく、敵は三機。さすがに手こずっているようだった。
どうしたらいい。援護?だが、俺は【ZAFT】だ。このまま見殺しにする?駄目だ。俺はあいつと話さなければいけない。
ならば、やはり援護か?だが、ヘタをすると面倒なことに……。
見殺しにしてしまえば、俺は自分自身を一生許すことが出来ないだろう。援護に入って、万が一にも俺の素性が割れても良いことにはならないだろう。
そんな時、リベラント隊長と交わした言葉が脳裏を横切る。
『リベラント隊長は、今まで迷われたことは無いのですか?』
『それは、命令にということか?』
『……そうです』
『そうだな……。有難いことに、今のところは無いな』
『では、迷ったときはどうされるのですか?』
『……正直、その時になってみないと分からない。だが、俺なら恐らく……』
迷いを振り切り、俺は戦闘に介入する決意を固める。
キラと敵機の間に割り込み、敵のビームをシールドで防ぎ〔MA-M20ルプス ビームライフル〕で攻撃を加える。
『最後は、自分の意思で決める。どうしたいか、どうなって欲しいかだ』
俺は、キラには死んで欲しくない!
俺の意思で、俺は動く!
アスラン side end
レオハルトはハインラインと共に、ようやく完成した機体を見上げていた。
レオハルトがカナードとの戦闘から帰還した翌日。レオハルトはハインラインからの連絡を受け、レオハルトの専用機である新型機Xの元に向かっていた。
その用事とはロールアウトを間近に控え、現在のOSでは武装とのリンクに突然エラーが出てしまったのだ。その結果、レオハルトはOSを見直すことになってしまったのだ。
結局、OSは一から作り直すことになり約一ヶ月も掛かってしまうことになってしまった。無論、その間には作り直したOSでテストを行い、また修正。それの繰り返しだった。
そして、ロールアウトを明日に控え、二人は感慨深げに機体を眺めていた。
「やれやれ。もっと早く完成するかと思ったが、予想以上にかかったな」
「ハインライン局長の助力があったから、この程度で済んだ。感謝している」
「構わんさ。強力な機体の開発に関われることは、技術者として喜びでもある」
レオハルトの感謝の言葉に、ハインラインは若干照れつつ答える。
その時、突然アラートが鳴り響く。突然のことに驚きつつも、ハインラインは受話器を手に取りアラートの意味を聞き始める。
そしてレオハルトは、バルドリッヒとの連絡用にも使用しているPCから、通信の呼び出し音が鳴る。通信を開くと、そこには焦った様子のバルドリッヒが映し出される。
「バル、このアラートは……」
「ダンナ!ザラのお坊ちゃんがやりやがったぞ!ザラ議長に逆らって、保安部に拘束された!」
「拘束!?」
「お坊ちゃんは保安部を蹴り倒して強引に突破。誰か知らねぇが、逃走を援護する奴らまで現れる始末だ!」
「クライン派か?」
「ああ、多分な!」
いつもよりも早口でやや捲し立てるように話すバルドリッヒ。
アスランはレオハルトが地球から帰還する以前に、パトリックから
その任務に従事するため、アスランは
だが、アスランが防衛要塞【ヤキン・ドゥーエ】に帰還した際、アスランは
さらに、パトリックに反抗し銃撃されアスランは右腕を負傷。
「ザラ議長は各関係部署に通達を出して、軍にスクランブルまで出した」
「……」
だが、アスランは保安部を蹴り倒すとクライン派の助力を得て逃亡。大勢の人間がアスランを追っている状況である。
「それじゃ、一応知らせたぜ」
「ああ」
バルドリッヒとの通信を終えてすぐ、再びレオハルトの元に通信が入る。
「リベラント!」
「ザラ議長閣下」
画面に映し出されたのはパトリック。眉間には皺が寄り、怒りのせいか表情はいつも以上に険しい。
「アスランが反逆した!追撃する!貴様の機体は出せるか!?」
「……申し訳ありませんが、まだ不可能です。総出で作業をしておりますが、今しばらく時間を必要とします!」
「ちいっ!連合も月に部隊を集結させて来ている!時間は無いのだ!完成を急げ!いいな、リベラント!?」
「はっ」
鼻息荒くパトリックは怒鳴る様にそう言い残し、画面から消える。レオハルトがふと視線を動かすと、ハインラインと目が合う。
「報告するか?」
「……さて、何のことかね。私は何も聞いとらんさ。では、私は失礼する」
「……すまない」
立ち去るハインラインにレオハルトは一言詫びると、ハインラインは何も言わずに出て行ってしまった。
「……」
正直な話、ロールアウトを明日に控えているとはいえ完成はしている。本来ならば出撃することも可能だった。
だが、あえてレオハルトは嘘を吐き出撃を拒んだ。その真意は、静かに機体を見上げるレオハルトの瞳に表れていた。
「(道を決めたということか。尊重はする。否定もしない。だが……)お前は俺の敵だ、アスラン」
レオハルトがそう呟いた時、機体の瞳が光ったような気がした。レオハルトは自嘲気味に笑みを浮かべると、睡眠をとるためその場を後にするのだった。