機動戦士ガンダムSeeD~Another SeeD Story~   作:Pledge

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お久し振りです、Pledgeです。
依然としてPCはぶっ壊れたままですので、あのPCは諦めました。そのうち、新しいのを買うことにします。
なので、デスクトップPCでチマチマと書いていたものを更新します。

久し振りに読む、という方もいらっしゃる思いますので、ちょっと変更点を述べておきます。
前話で登場したオリキャラの主人公への呼び方を修正しました。
名前がレオハルトなのに、レオンっておかしくね?ということに気付きました。

ご指摘がないだけでそう思った方もいらっしゃると思います。まぁいっか、と流すことは出来ませんでしたので修正しました。

それと、今回はラウsideです。口調が変かもしれませんがご勘弁を。

残りは後書きで。


Mission - 6 グリマルディ戦線 前編

C.E70年6月2日。ハルング隊・クルーゼ隊を始めとした増援部隊は、ローレンツ・クレーターに完成した基地に到着。

 

エンデュミオン・クレーター攻略のための攻撃部隊と合流し、正午と同時に進攻を開始。対する地球連合軍も、徹底抗戦の構えを見せていた。連合軍は主戦力となる第3艦隊を始め、第4・7艦隊が防衛戦力として結集していた。

 

これに対して【ZAFT】もジンやジンHMなどの新型機を投入。ジンHMはレオハルトやクルーゼ以外にも、一部のパイロットにロールアウトしている。

 

そしてハルング隊旗艦デュッフェルの待機室では、レオハルトとレインがパイロットスーツを着て待機していた。

 

レオハルトの視線の先には新たに受領した漆黒のジンHMが鎮座している。【ハインライン設計局】が量産を目的に開発した試作機で、機体カラーの漆黒は宇宙空間でのステルス性を追求したものだった。

 

同時に、一般的なジンやジンHMよりエンジンやスラスター等に静音性を持たせたため、予想以上のステルス性を発揮。友軍機との連携が難しいことや、そのステルス性から単機での作戦行動が望ましいとされていたが、パイロットが居なかったため倉庫に収納されていた。

 

だが、レオハルトの実力に目を付けた【ハインライン設計局】が、レオハルトの戦闘データを元に再調整。その後、本人立ち会いの下、調整を行い完成。レオハルト専用機としてロールアウトした。

 

「いよいよ実戦ですね」

「そうだな」

「やっぱり、緊張しますね」

 

レオハルトがレインへと視線を向けると、微かに手が震えていた。初めて戦場に出ることへの恐怖、死への恐怖、人の命を奪うことへの恐怖。様々な恐怖が入り混じった感情が、震えという形で表れている。

 

レオハルトは自機へと視線を戻すと、自分の初実戦を思い出す。レオハルトの時は、まだ今のようにナチュラルとの緊張状態はそれほど無く、レオハルトが初出撃したのも今回のように大きな戦闘ではない。

 

周辺に出没する海賊の鎮圧が初だった。大規模な戦闘では無かったとはいえ、命のやり取りをする場所というのは同じ。だが、レオハルトには不思議と恐怖心は無かった。あるのは、戦闘への高揚感。むしろ、そんな感情を覚えた自分に恐怖を覚えたほどだった。

 

「すぐに慣れる。……嫌でもな」

「はい……」

 

【ヤキン・ドゥーエ戦】や【世界樹攻防戦】に出撃したレオハルトの言葉は、レインの心に深く突き刺さった。

 

その時、艦内中に響き渡る警報。

 

「エンデュミオン・クレーター宙域に、連合軍艦隊を確認!各MSパイロットに発進命令!」

「行くぞ」

 

レオハルトは真横で浮いていたヘルメットを掴むと、格納庫へと続くエレベーターに乗り込む。続いてレインも乗り込んだ。

 

「……一つ聞いてもいいですか?」

「何だ」

「ハルには、恐怖心は無いのですか?」

「……言っただろ。慣れると」

 

レオハルトは到着と同時に床を蹴ると、自機へと向かって行く。レオハルトの背を見送り、レインも自分のMSへと向かって行く。

 

整備員に手を借りMSのコックピットに滑り込むと、レインはカタパルトへと移動していく漆黒のジンHMを見つめる。

 

「慣れる、か……。慣れたくないな、私は。それでも、慣れていくんだろうな、私も。人間は、慣れる生き物だから……」

「レオハルト・リベラント、出る」

「エルミーラ機、カタパルトへ」

 

レオハルトの出撃に引き続き、レインにカタパルトへの移動命令が来る。レインはカタパルトへ移動すると、脚部をカタパルトに固定。レインは静かに深呼吸すると、操縦桿を強く握り締める。

 

「エルミーラ機、発進良し」

「レイン・エルミーラ、出撃します」

 

レイン専用にカスタムされたジンが宇宙へと発進すると、すでに最前線では戦闘の砲火が見えた。レインはペダルを強く踏み込むと、最前線へと向かって行くのだった。命をやり取りをする、戦場へと。

 

 

 

クルーゼ side

 

受領したばかりのジンHMを駆り、私は戦場をひた走る。この機体は良い。ジンとは違い、私の要求に応える性能を持っている。

 

部下からの報告によると、レオは左翼で戦っているらしい。彼も私同様、その力を遺憾なく発揮していることだろう。

 

「!?」

 

突然の砲撃に機体を操作して回避すると、砲撃してきたのは正面に布陣している艦隊。情報によると、彼らは第3艦隊のようだな。

 

「丁度良い。この機体の限界を知るための、実験台になってもらおう」

 

部隊指揮はマルピーギの副長に任せてきている。心置きなく戦えるというものだ!

 

私は各部スラスターを噴かせ敵部隊に向かうと、レーダーが敵機を捉える。向かって来るのはメビウスで編成された部隊。正面と左右から。3機編成の9機か。

 

私は操縦桿を手前に引き戻しスラスターを停止させると、〔JDP‐MMX22 試製27mm機甲突撃銃〕を構え左の部隊へと向かって行く。

 

私が向かって来るのを見て、左から接近してくる部隊が一斉にリニアガンを発射してくる。機体を回転させながら左に回避しつつ、突撃銃の引き金を絞る。

 

3機のメビウスは散開して回避すると、先程右から近付いてきていたメビウス部隊が背後から接近。バルカンやリニアガンを撃ちながら接近してくる。それに引き続き、正面から来ていた敵部隊も合流。9対1の状況、普通に考えれば不利と言えるだろう。

 

だが、私は違う。私は、私の目的を果たすまでは死ねんのだ!!

 

私は操縦桿を奥に押し出すと同時にペダルを踏み込み、全スラスターを全開。猛スピードで移動しながら、私は〔MA-M3 重斬刀〕を左手で引き抜く。

 

四方から放たれる砲火をすり抜け、メビウスを下から斬り上げ返す刀でさらに1機を撃墜。素早くその場から離れると同時に、メビウスは爆散。

 

次なる敵に狙いを定め、仮面の下で自然と目が細くなる。再び浴びせられる集中砲火。だがこの機体、ジンHMは私の指示に応えてくれる。負けはしないだろうが、ジンだったら腕の一本は失うだろう。だが、この機体ならばそんな心配は無用だ。

 

私は逸る高揚感を抑えるように操縦桿を握り直すと、残る敵の掃討に向かう。

 

「死ねぇーっ!!宇宙(そら)の化け物めーっ!!」

 

通信機越しに聞こえてくる連合軍パイロットの叫び。【ブルーコスモス】ということか。しかし、皮肉なものだな。私に討たれるというのも!

 

私は一瞬だけスピードを上げ敵との距離を詰めると、零距離で突撃銃を突き付けると人差し指に力を込める。瞬間、吐き出される鉛の弾。メビウスに風穴を開けると、突撃銃の銃口を背後に向け発砲。

 

見るまでもない。撃墜を確認するまでもない。機体が爆発する音。それだけで充分だ。あっという間に4機の友軍を撃墜され、耳をすませば奴らの恐怖の声が聞こえてくるようだ。

 

残りは5機。動きで分かる。4機を撃墜されたことで、残った5機の士気が落ちたのが分かる。愚かな。戦う意思を失くした者に、戦場で命は無いぞ。

 

残った5機をすぐに撃墜すると、艦の撃沈に取り掛かる。近くにいたドレイク級に攻撃を仕掛けるが、相手は鈍重な獲物。私の攻撃に為す術があるはずもない。だが、私は手を抜くようなことはしない。

 

「獅子は兎を狩るためにも、全力を尽くすものなのだから」

 

友軍は私についてくることは出来ないようだ。まあ、致し方あるまい。この程度の敵、一人で墜とせなくてはレオに笑われてしまうだろう。

 

第3艦隊から間断なく向けられる砲撃の嵐。嵐のような攻撃を潜り抜け、私はドレイク級に取りついた。ドレイク級の横を移動しながら、突撃銃の引き金を引き続ける。艦後部に銃撃が着弾した際、一際大きく爆発。どうやら、弾薬庫だったようだな。まあ、運が無かったということだ。

 

続いて、私の瞳が新たな獲物を捉える。第3艦隊の旗艦であろう、アガメムノン級戦艦。現在、連合の最大級の戦艦だろう。だが、私の獲物であることには変わりない。獲物は逃さんよ!

 

右足でフットペダルを踏み込むと、アガメムノン級に向かって行く。すると、アガメムノン級から一斉射が放たれる。

 

さすがにビームの数が多く、私は機体を急停止させると右へと移動する。回避した先で、コックピット内で鳴り響くアラート音。レーダーを確認すると、メビウスが接近中だった。

 

「ええい!邪魔をするな!」

 

私は突撃銃を向け発砲。発射された弾はメビウスを蜂の巣にして撃墜すると、再びアガメムノン級撃沈に集中する。

 

とはいえ、さてどうしたものかな。蝿のように周囲を飛び回るメビウスを撃墜しつつ、アガメムノン級戦艦撃沈の策を考える。考えたところで、やることは同じか。艦底部から攻める。

 

「さて、メインディッシュだ。宇宙の藻屑と化してもらおう」

 

今日一番の獲物を前に、自然と笑みが零れる。フットペダルを今までよりも強めに踏み込むと、当然今までよりも強いGが私を襲う。だが、それすらも今の私には高揚感を増すためのものでしかない。

 

「クックック!ハーハッハッハッハッ!!」

 

私の高揚感に比例するかのように、ジンHMがスピードを増したように感じる。無論、それは私の気のせいだろう。だが、不思議とそう思えてならんのだ。

 

そういえば、以前レオが言っていたな。戦闘中、気分が高揚することがあると。それが恐ろしいと。だが、麻薬のように甘美なものだと。なるほど、レオの言うとおりだ。この気分は、何物にも変えがたいものだ!

 

アガメムノン級戦艦から次々と浴びせられるビームの嵐を、バレルロールなどのアクロバティックな軌道で回避しながら進んで行く。今の私は、誰にも止められんよ!!

 

「敵MS、艦底部に移動!」

「底部バルカン起動させろ!迎撃!」

 

艦底部に回り込むと同時に、バルカンが旋回して私を捉えると迎撃してきた。無駄なことをするものではないな!

 

艦底部の数ヶ所に配置されていたバルカンを突撃銃で破壊すると、重斬刀を突き刺し艦後部へと移動。艦底部に巨大な裂け目を作ると、爆発音を背中に聞きながら艦正面へと回り込む。

 

「し、正面に敵MS!」

「何っ!?」

「沈みたまえ」

 

ブリッジに向けていた突撃銃を向けつつ、笑みを浮かべながら引き金を引いた。

 

「ククッ……」

 

機体を翻し移動していると、笑いが止まるのを抑えることが出来ない。最高の気分だよ、レオ!次なる敵を見つけるべく、私は周囲を見渡す。

 

「さて、次の獲物は……っ!」

 

瞬間、私の頭に何かが奔った。何だ、今のは…?初めての感覚だ。何かが来るのか?謎の感覚の正体について考えていると、アラートが鳴り響きレーダーが敵機を捉えた。

 

「……TS-MA2mod.00メビウス・ゼロ。ほぉ、連合の精鋭部隊所属のMAではないか。面白い」

 

私を次の獲物を決めると、メビウス以上の速度で近付いてくるメビウス・ゼロに立ち向かう。

 

「次の獲物は貴様だ。楽しませてもらおうか!」

「余裕じゃないの!【ZAFT】のパイロットさん!あんたのお陰で、第3艦隊は壊滅状態だよ!」

「(男か。年齢は20代後半と言ったところだな)案ずるな。すぐにそんな心配をする必要もなくなる!」

「言ってくれるじゃないの!!」

 

メビウス・ゼロの周囲に装備された4基の物体が分離すると、本体と同時に攻撃を仕掛けてくる。ほぉ!あれが噂の【ガンバレル】という奴か!前言を撤回しなければな。今日一番の獲物は、こいつのようだ!

 

間断なく浴びせられる銃撃を移動しながら避けつつ、隙を見ては突撃銃で【ガンバレル】を攻撃。だが、巧く回避すると、再び攻撃を仕掛けてくる。

 

あれだけの攻撃、一撃でも喰らって動きを止めれば終わりだな。だが、喰らわなければいいだけのこと!

 

私は大きく回り込むと、敵に向かって行く。メビウスと同じ装備であるリニアガンを最小限の動きで回避。さらに加速し、敵に突っ込んで行く。

 

「くそったれが!」

 

敵は分離していた【ガンバレル】を一度戻すと、バーニアを噴射し私から距離を取ろうとする。逃がしはせんよ!!

 

私も後を追いかけると、奴は私が先程沈めたアガメムノン級を盾にして回り込んだ。同様に私もアガメムノン級を回り込んで目に入ったのは、リニアガンを構えた敵の姿だった。

 

「ちいっ!!」

 

私は素早く操縦桿を引き戻し機体を急停止させると、上へと進路を取る。だがその瞬間、リニアガンが重突撃銃を貫いた。

 

「ちっ!まさか直撃を避けるとはね!良い反応じゃないの!!」

「貴様こそやるではないか!私に攻撃を喰らわせたのは、貴様で2人目だ!」

「それは光栄だね!!」

 

奴は再び【ガンバレル】を分離すると、遠距離の武器を失った私に猛追をかけて来る。私は撃墜されたMSやMAの残骸の間をすり抜け、奴の攻撃を回避していく。

 

「ちっ!ちょこまかと!!さっさと墜ちろって!」

「その言葉、そのままそっくり返そう!」

 

私は途中、戦艦の死角になっているところにジンの残骸を発見。フッ、神はまだ私を見捨ててはいないようだ。ジンが標準装備している重突撃銃を掴むと、わざと奴の視界に入る。

 

「そこか!!」

 

私に気付いた奴が、リニアガンで私を狙い撃ちしてくる。周囲には残骸が多いため、【ガンバレル】の展開は難しいはず。ならば、ここで沈めるとしよう!

 

瞬間、私は機体を急停止させると、後ろから追っていた奴の真上に取りつく。

 

「何っ!?」

「さらばだ!」

「くそったれ!!」

 

私は重斬刀を振り下ろすが、奴も私同様に機体に急制動をかけることで回避。だが、それは読んでいたさ!

 

私は機体を上下反転させた状態で重突撃銃を向け発砲。だが、奴は方向転換用の補助バーニアを使って直撃を避けた。私が放った銃撃は、【ガンバレル】の1基だけを破壊しただけ。この男……。

 

「貴様、やるな」

「あんたもな」

 

MSと互角に渡り合うほどの腕を持ったパイロットがいるとはな。思わず、互いに動きを止めてしまい、言葉を交わしてしまう。

 

「名を聞かせてもらいたい」

「ムウ・ラ・フラガだ。あんたは?」

「!? 貴様、フラガ家の者か!」

「【ZAFT】に知り合いはいないはずだが」

 

ということは、奴の!あの男の息子か!!そうか、あの時の子どもか!!

 

「ククッ……。ハハハハハハハッ!!」

「何だよ急に」

「そうか!貴様、あの男の息子か!!」

「親父を知っているのか!?」

 

ククッ……。面白い、実に面白い!あの時以来会っていなかった我々が、こうして戦場で対峙するとは。

 

「私はラウ・ル・クルーゼ!!フラガ家とは因縁がある男だ!!」

 

私は中断していた戦闘を再開するため、重突撃銃を向けて発砲する。奴もすぐに銃撃を回避すると、残骸の間をすり抜け私から距離を取る。

 

「お前、親父と何の関係がある!!」

「さてな!!ただ1つ言えることは、貴様とも浅からぬ因縁があるということだけだ!!」

「何を言っている!!」

「我々のこの出会いは、運命だということだ!!」

「男との運命なんてお断りだ!!」

「同感だな!!ならば、宿縁と言わせてもらおう!!」

 

奴は私の背後からの銃撃を避けつつ、奴は急反転するとリニアガンで反撃。【ガンバレル】を分離し、さらなる追撃をかけてくる。

 

「答えろ!!何でお前が!!」

「不毛だな!!答えを知りたければ、私を屈服させてみろ!!」

「上等だ、このヤロウ!!」

 

周囲では依然として【ZAFT】と連合の激しい戦闘が続く中、私たちだけが別の世界で戦っているかのような感覚に陥る。

 

ここは、私たちだけの戦いの世界!!

 

クルーゼ side end

 




前書きの続きです。

執筆は一応再開しますが、今までも早かったわけではありませんが更新速度は落ちます。
ですが、今回の話は前・後編にしましたので、後編も今月中には更新したいと思っています。

更新も遅く拙い文章ではありますが、多少なりとも楽しんで頂ければと思います。
これからもよろしくお願いします。
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