暗殺教室の戦闘員 〜異世界からの侵略×超生物の出現~ 作:汐音 アイリ
現代文と古典、物化生地、地歴公民が一緒くたにされている形式なんて。
テストというのは、だいたいの学生にとって忌むべきものである。
もちろん、私にとっても。
「私が本気を出したらこんなの余裕だし」なんて言うつもりはないが、いつもは真剣に取り組んでいなかったのは事実だ。
テストで高い点数を維持することの意味など、特にない。強いていうなら、学校での地位が上昇するとか、内申が少し良くなるとか、そのくらい。
世の中の受験生にとっては重要なファクターかもしれないが、私にとってはどうでもいいことだった。
それに……クラス全員50位以内、なんて殺せんせーは言ったが、そんなのは不可能だ。
殺せんせーの教え方がいかに上手でも、そう簡単にトップを「エンドのE組」に渡すような理事長でもないだろうから。
直接理事長に会って話し、確信した。
初っ端から、いや最初だからこそ、何かしらの対策をしているはず。
そう考える根拠は理事長の性格、方針以外にも理由がある。
昨日、理事長室を出る前に呼び止められ、理事長に教わった内容。
それはE組ではまだ習っていない範囲で、今回のテスト範囲でもなかった。
だが疑問に思って本校舎の同学年の勉強内容をよく見ると、その、本来ならテスト範囲外の勉強をしていたのだ。
どういう理屈でもってテスト範囲の急な変更を行ったのかはわからないが、E組の圧倒的不利に変わりはない。
よほど暇で予習を進めていた人間がいれば別だが、E組にそんな人間は落とされないだろうし、今回のテスト範囲の詰め込みでいっぱいいっぱいだっただろう。
現状、私以外に50位以内に入れる見込みのある生徒はE組にいない。
それに、私はテスト範囲の変更をみんなに知らせたりはしなかった。
確信がなかったというのもあるし、何より時間が足りなかった。
◇◆◇
テストは全校生徒が本校舎で受ける決まりなので、E組だけアウェーでの戦いになる。
試験官の大野先生は、コツコツと教卓を叩いたり咳をしてみたりと露骨に集中を乱しにきていた。
理事長の指示……とは見えないので、大野先生は所詮小物だということだ。
それに……わかっていたことだが、この学校のテストはかなりレベルが高い。
一瞬手が止まりかけるも、すぐに問題に取り掛かる。
これは、クラスメイトも手が止まっているのでは……と心配したが、問題はないみたいだ。
カリカリと鉛筆の音がたくさん重なって聞こえる。
どうやら、途中までは順調のようだ。
そして、テストを3分の2ほど解き終わって、私の顔に思わず笑みが浮かんだ。
「こうきたか」という好敵手に向けるような感情だ。
本来ならテスト範囲ではなかった範囲の問題。
今までを完璧に解けていてもとれるのは70点くらいだが、このテストはそう甘くない。
その結果、どうなるか。
予想に違わず、テスト終了後のE組は不気味なほどに静かだった。
幸ちゃんは、学校のテストを馬鹿にしているつもりはありません。
ですが、この年頃特有の捻くれ思想や志望校を既に定めていることもあって、不要としているのです。