賢者の石拾って、超能力が使えた件   作:MrM3

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4年間フォルダの奥底にあった小説どす。
作者もこの主人公はよく分からんとです。
過去の自分、何考えてた( ゚Д゚)




1話

私の名は花園 豪。

海鳴市に住む、私立聖祥大附属小学校3年生である。

名前に"豪"という漢字が使われているが、うちは金持ちではない。一般水準をちょっぴり上回った程度の家庭だ。

『月1で貰えるお小遣いが500円』と聞けば、ある程度の家計事情は解かって貰えるだろう。

 

さて……突然だが私は超能力者だ。

超能力者と言っても、体から電気がビリビリと出せるヤツではない。

物体を宙に浮かせたり、見なくてもカードの柄を言い当てるこのできる、あれだ。

 

何故超能力が使えるようになったのか、その謎に明確な答えは出せてはいない。

しかし、心あたりはある。

それは3日前に拾った、青色の石だ。

道端に落ちてたあの石を拾って以来、超能力が使えるようになったのだ。

疑うべきは青色の石、銘々”賢者の石”だろう。

 

後、『賢者の石を警察に届けたのか』という疑問にはNoと答えよう。

善人な人は届けるかもしれないが、私は心がそれほどまでに綺麗ではない。

ジュース販売機の下やおつり入れを『お金ないかなぁ?』と見て、確認してる人間だ。

そんな人がだ、道端に落ちたお金を警察に届けるだろうか。

答えはNOだ。当然と言える。

 

そんなお金ですら警察に届けない人間がだ。

超能力を使えるようになる不思議アイテムを警察に届けることなど、ありえない。

それに、超能力者になることが私の夢だったのだ。手放したくない。

 

私の夢が超能力者になることの理由は、ありとあらゆる事ができるからだ。

特に"物体浮遊""透し眼""物体テレポート"の3つは外せない。超重要な技だ。

どのような用途で使うかだが、そんな大したことじゃない。

 

例えるなら、そう……目の前に綺麗なお姉さんがいるとしよう。

茶髪でスレンダーで、頼れるお姉さん的な立場の人だ。

その人がミニスカートを穿いていて、運良く神風でスカートが靡いたとしよう……。

そして、見えそうで見えない絶対領域を形成したとしょう……。

 

―――もう少しだッ! イケッッ!!

という展開になった場合、"物体浮遊"の力があれば合法になる。

 

目の前に可愛い子がいたとしよう。"透し眼"を使って観てしまっても、合法になる。

"物体テレポート"を使用して、ギャルのパンティを自分のモノにするのも合法だ。

 

素晴らしい。

まさに称賛の言葉に尽きるだろう。

行きかう女性の下着を好き放題に出来るなんて、これほどに喜ばしいことはない。

 

あっ、やばい。

想像したら鼻血が出て来た。どうしょう。

 

「先生、鼻血が出たので保健室へ行きます」

 

「花園君……あなたは1日に何回鼻血出したら気が済むんですか」

 

先生はため息をつき、右手を額に乗せ『頭が痛いわ』的なポーズを取っている。

その間、教室からはクスクスという笑声が聞こえてきた。解せぬ。

 

「先生、今日はまだ4回しか鼻血を出てません。

というより、この鼻血の原因は今やってる保健の授業が原因です」

 

「何で包帯の巻き方を聞いて、鼻血が出るのよ……」

 

いや、だってエロいもん。

女性と包帯……色々と想像しちゃうでしょ?

あ、想像したら鼻血の勢いが増してしまった。

 

「あ、もう……早く保健室に行ってきなさい」

 

私が出す血の量を見て、先生は早く保健室に行かせた方が良いと判断したのだろう。

もっとも、私の体の心配より、床掃除が大変になるのを避けたいから、というのが本音だろうけど。

 

 

保健室へ行った……鼻血は止まらなかった。

いつもの事である。何故なら保健室の赤野先生は美人さんだからだ。

赤毛の髪をし、102・70・90のナイスバディを見せつけられたら、鼻血が止まる訳がない。

寧ろ、血がドボドボ出てくる。もはやテッィッシュで出来た防波堤など、結界寸前である。

 

「赤野先生……私より、あの子を診た方が良いんじゃ…」

 

「花園君はいつもの事だから、気にしないでいいわ。

それより、体育で膝を擦り剥いた、高町さんを診る方が先よ」

 

『女の子なんですもの、怪我が残ったら大変』と診てる女の子にウインクしてる先生。

何やらぞんざいに扱われた気がするが……あの女の子の方が先に保健室に居たので、何も言えない。言えたとしても、赤野先生の美貌に免じて許すが。

 

「でも、あの……ティッシュがもう真っ赤に染まってます。

鼻血が止まらないようですし……けっこうマズイんじゃ…」

 

「確かに、このままじゃ……マズイはね」

 

意味深な表情を先生は浮かべている。

どうやら先生は心配してくれてるようだ。あぁ、感動して涙が出るかもしれない。

もはや世界は自分を中心に回っているのではないか、という錯覚すら覚える。

 

「花園君……床は汚さないでちょうだいね」

 

「世界は敵だった……」

 

人生、上手くいかないものである。

まさか、先生が心配していたのは床だったとは。

 

「私の存在は床以下だったのか」

 

「ふふふ、そんなわけないじゃない。

冗談よ、冗談。氷を渡すから、いつものように処置してね」

 

下げて上げるとは……ツンデレ要素がはんぱない。

一歩間違えれば、赤野先生に私の心が奪われるところだった。寧ろ奪って欲しいのだが、

生憎、赤野先生は彼氏持ちらしい。先約がいるのでは、私の心は奪われ損になってしまう。

彼氏から赤野先生を奪い取るという選択肢もなくはないが、先生が悲しむので止めておこう。

今は、先生から受取った氷で鼻を冷やす方が先決である。

鼻の下をつまんで圧迫。それから氷で冷やせば完了。あとは10分この状態を続ければいいだけ。

 

「はい、これで傷の方は大丈夫よ。

担任の先生に報告しに行くから、高町さんは私と一緒に来てね」

 

「はい、ありがとうございます」

 

私が鼻血の治療をしてる間に、あちらの治療は終わったらしい。

体操服を着た茶髪の女の子、名前は高町さんだったはずだ。胸元に『たかまち』と書いてあるので間違いないだろう。

彼女の膝には、カーゼと包帯が巻かれている。たかが掠り傷にしては、大げさな気がするが、傷を残さない為の処置なのだろう。赤野先生の優しさがうかがえる。

 

「花園君、直に戻るからそのまま安静にね」

 

「ふぁい(はい)」

 

鼻を摘んでいる為、間抜けな声が出てしまった。

先生はクスクスと笑い、高町さんもつられて笑っている。

見せ物ではないので早く行ってください、という気持で一杯だ。

 

―――ガラガラ。

 

どうやら、私の思いは通じたらしい。

赤野先生と高町さんは、保健室を出て行った。

これで恥じらいからは逃れれた。しかし、今度はもう1つの問題が発生した。

 

その問題とは鼻血である。

もう止まり掛けている鼻血だが、一滴の鼻血がタラタラと顔をつたって下降してきたのである。いつもなら指でふき取るか、ティッシュで拭くのだが、残念ながら両手は塞がってる。手を使っての処理はできない。

 

なので私は近くに置いてあるスコティの箱に念力をかけ、ティッシュを2・3枚抜き取り、それを自分の口元で撫でるよに動かす。

その様は、まるで高級レストランで食事を食べたダンディが、口元を拭くそれだ。絵になる風景になっていることだろう。

最後に、念力で丸めたティッシュをこれまた念力でシュート! 

丸めたティッシュは、綺麗な放物線を描き、見事にゴミ箱に入った。

まるでWBAの選手顔負けのシュートである。女の子がほってをかないぜ。

 

―――ガラガラ!

 

廊下を走る音が聞こえ、次ぎには保健室の扉が強く開かれた。

バンッ! と音を立てた先にいたのは……膝に包帯をし、体操着を着た女の子だった。

彼女は走ってきたのだろうか、はぁはぁと息を切らしながら、まじまじと私を見つめている。

膝の怪我そっちのけで、私に会いに来たということだろうか。

それとも、本当に"女の子がほっておかないぜモード"に突入したのかもしれない。

もしそうなら……私は……

 

「何て罪深い男なんだ……」

 

「え?」

 

いつの間にか私は、鼻を押さえるのを止め、普通に喋ってしまった。

それもそうだろう。私は鼻血なんかよりも、もっと大変なことをしてしまったのだから。

私は……彼女の心を…

 

「奪ってしまったのだから……」

 

「ッ!?」

 

彼女は動揺している。

瞳はゆらゆらと動き、現実の出来事に動揺しているのだ。

そんな彼女を見て、私は思う。申し訳ないことをしてしまったと。

 

 

 




なお、コメント返しは時間がないので難しいと思います。
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