賢者の石拾って、超能力が使えた件   作:MrM3

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4年前のワイは一体何考えてたんや( ゚Д゚)





4話

 

 

目の前には金髪の黒い魔法少女。

身長を見る限り、私と同じ位の年齢だと思われる。

服装はスクール水着+レオタード+マント、手には凶器の死神のような鎌。

色々と危険な人物である事は間違いないだろう。

 

後方には朱毛をした狼。

しかも、聞き間違いでなければ狼は喋れるようだ。

ガルルゥ、と開いたその口からは凶暴な牙が見える。

恐らく、嚙まれたら怪我では済まない……。

 

周りに助けを求めようにも、先程の公園と同じように誰もいない。

もう一度テレポートしようにも、今度やったら漏らすという確信がある。

走るなんて出来る訳もなく、ただただ腹痛に耐えながら立ち尽くすしかない状況。

 

―――詰んだ。

 

「早くジュエルシードを渡してください。

抵抗した場合、貴方を攻撃します」

 

少女は何か言っているが、私には少女の言ってる事など頭に入らない。

もはや絶望感が強すぎて、頭が真っ白になっているのだ。

ふと視線を少女へ向けると武器を此方に向けている姿が映った。

恐らく、『これからお前を社会的に抹殺してやんよ』とでも考えているのであろう。

 

もはや私が脱糞しなければこの場は収まらないとでも言うのか。

神はそうしないと許さないと、公衆トイレの有難みを身に刻めと言いたいのか……。

 

「くそ……ちくしょぅ……」

 

もはや私に残された事は懺悔と悔し涙を流すことであった。

 

 

 

 

 

私、フェイト・テスタロッサは困惑していた。

ジュエルシードを持っている少年が徒然泣き出したのだ。

歯を食いしばり、悔しそうに泣くその表情に、私は自分が罪深い事をしていると再認しいさせられる。

彼はジュエルシードを持っている点を除けば、ただの子供。

自分のように魔力がある訳でもなく、戦闘の経験すら無い子供が結界に閉じ込められ、

脅迫されている状況……泣いて当たり前だ。

 

やりすぎ、そう思った瞬間から自然と手に持っていたデバイス、バルディッシュを下していた。

 

『……フェイト…』

 

アルフからの念話に活気はない。

それもそのはずだ、使い魔と主は心で通じ合っている。

私の思っている事全てが伝わる訳では無いが、この悲しさは伝わっているようだ。

 

しかし、どんなに悲しくてもジュエルシードは回収しなければならない。

それは私の願いであり、母さんの願いだからだ。

母さんはある日を境に笑顔を向けなくなってしまった。

それもこれも、私が悪い子だからだ。

母さんの期待をどこかで裏切ってしまったから……でも、ジュエルシードを沢山集めれば、

母さんはきっと私を認めてくれるはずだ。

 

だから、ちゃんとしなければ。

 

『アルフ……ごめんなさい。

私がもっとしっかりしなきゃいけないのに……』

 

『良いんだよ! そんな事!

フェイトが優しい子だって、アタシが良く知ってるんだ。

こういう事はアタシに任せときなっ』

 

『でもっ』

 

『いいから!

それに、そんな顔じゃあこのガキが調子に乗るだけだよ。

アタシがビビらせるから、フェイトはバルディッシュを構えておきな』

 

『うん……ありがとう』

 

 

私はアルフに言われた通り、バルディッシュを構えなおす。

表情も真剣なものへと変え、彼に気取られないようにしなければならない。

私達が本気じゃないと思われたら、彼が反撃してくるかもしれない。

なら、アルフの言うお通りにした方が良い。

そうすれば、無駄な被害はでない。

 

「ほら、泣いたって何にも解決しないよ!

早く出すモノを出しな!」

 

アルフが唸り声をあげながら、彼を威嚇している。

その声に反応し、ギョっと振り返った彼はアルフを見つめていた。

喋る狼に驚いたのか、それともアルフの威嚇が怖いのかは定かでないが、此方の傷つけたくないという気持ちは気取られていないようだ。

 

「出すモノ……だとっ」

 

「そうさ、さぁ早くしな! さもないと」

 

ガルルゥと歯を出して威嚇するアルフ。

それに恐怖し、後ずさる彼。

彼が一歩下がり、アルフが一歩近づき彼を次第に追い詰めていく。

 

そして、数歩後ずさった彼の背中は私の目の前に居た。

私は彼の頭に少し当たる程度にバルディッシュを押し当て、彼をさらに追い詰める。

彼は私の存在を思い出しのだろう、ビクッっと体を硬直させその場に止まった。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

「待たないね、早くだしな!」

 

「これ以上は……強引にでも奪います」

 

「ごごごご、強引っ!?

そんな……こんな、こんな状況で…………だ、出すのかっ」

 

彼は相当焦ったのだろう。

私がバルディシュを押し当てているにも関わらず、此方に振り向いた。

その際、私は反射的に彼の喉元にバルディッシュを強く押し当てていた。

あっ、と思い直ぐにバルディッシュを引いたが、彼は苦しかったのか、その場で膝を折って咳き込んでいた。

 

「ごほっ、なぁ頼む。

今ままでの私の非は認める、懺悔だってする!

だから頼むよ、見逃してくれ!!」

 

彼は頭を地面に擦り付けて、謝っていた。

謝っている内容は良く解らないが、土下座をしていた。

だが、彼の要求は到底此方が受け入れるモノでは無かった。

 

「……バインド。

言ったはずです、これ以上は強引にでも奪うと」

 

「あぁ……ぁ」

 

バインドによって、私の目の前で大の字に拘束された彼は、ガシガシっと拘束を解こうとするが、徒労に終わる。

それもそのはずだ、バインドが一般人に破れる事は絶対にない。

これでもう彼はごねることもできない、後はジュエルシードを回収するだけだ。

 

魔力の波長は、どうやら彼のズボンの後ろポケットのようだ。

私は彼の後ろに周り込み、ジュエルシードを奪うべく、ポケットに手を入れ―――

 

 

 

 

 

 

―ブゥィィリリイィッッ!!

 

 

 

 

 

 

「っ!?」

 

私は彼から発せられた音に対し、ジュエルシードを取らずに反射的に距離を取っていた。

何かわからないが、あの音に対してとても悍ましいモノを感じ取ってしまったからだ。

すぐに頭で状況を判断しようとするが、周に漂ってくる独特の異臭に『え?』と、

思考を中断される。

 

もしかして毒?…いやでもこれって……。

 

と、まさかという思いでアルフを見ると、彼女は涙目で鼻を前足で抑えていた。

 

「フェイトぉ……こいつ、漏らしやが―」

 

「テレポォォォォォトッ!!!」

 

「っ!!」

 

彼が叫んだ瞬間に発生した魔力のうねりに、『しまった!』と思い、バルディッシュで彼の意識をなくそうと振るうが、それは空振りに終わった。

無情にも彼の居た場所には魔力の残留である粒子と、独特の異臭が残るのみであった。

 

「魔力は無いはずなのに……まさか、ジュエルシードを使って?」

 

ありえない。

だが、それが先程起こった。

決して偶発的なモノではない。何故なら彼は転移する前、呪文を叫んだ節がある。

 

「私達の近くで、突然ジュエルシードの反応があったのは……彼が転移したもの?」

 

「ありえないけど、恐らくそうだろうね。

地球に転移して、そうそうラッキーだと思ったのに――フェイトッ!」

 

アルフの警戒した声の先を見ると、何かが此方に向かってくる様子が見えた。

管理局はありえない。この地は管理外惑星なので、到着が早すぎる。

この星に魔法文化が無い事を考えると……母さんが襲撃した次元航空船の生き残りの可能性が高い、つまり敵だ。

敵であるなら私のやる事は1つ。

 

「アルフ、戦闘準備」

 

「あいよ!」

 

私はバルディッシュを握り絞め、白い魔道師とその肩に乗る使い魔を見据えるのでした。

 

 

 

 






「出すもの……だと?」

これで国木先輩を思い出すなら結構染まってると思うお(´・ω・`)
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