戦姫たちのヒーローアカデミア   作:文月 夏樹

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 早速三名の方からお気に入り登録していただけてとても浮かれている文月夏樹です。

 こんな拙作ですが、読んで期待してくれている方がいることがとても励みになっています。

 
 浮かれた勢いで第二話である戦姫たちのプロローグができたので、そのまま投稿します。

 まだ本編までは行けてませんが、よろしければお読みください。


事件の始まり side戦姫

この世界には特異災害(ノイズ)と呼ばれるものが存在する。

 

 ノイズの存在は遙か昔より知られていたが、一般まで認知が広がったのは比較的最近と言えるだろう。

 何故なら、ノイズは災害というだけあり、いつ・どこで発生するのかわからず、発生頻度もそこまで高くはないため、多くの人はノイズと遭遇せずに人生を終えることが多かった。

 

 そのため、ノイズに遭遇する確率は一生涯で強盗にあう確率よりも低いといわれていた。しかし、そんなごく稀と言える確率を引きノイズと出会ってしまった場合、ほぼ100%の確率で命を落とすことになる。

 その原因はノイズの持つ二つの力によるものである。一つ目は、『位相差障壁』と呼ばれる力で、自身の存在の位相をずらすことによりそこにいるのにいない、といった逆透明人間のようになるものである。そのため、ノイズは障害物を無視して直進することができ、またこちらからの攻撃を受けず一方的に攻撃ができるのである。

 二つ目は、『炭素変換』である。この能力こそがノイズと出会った場合にほぼ100%命を落とす原因と言われる。この能力の説明としては至って簡単なもので、ノイズと接触した人間をノイズもろとも炭素に変換する能力である。

 このようにノイズはとても恐るべき力を持った災害なのだ。

 

 しかし、人間とは呑気なものでこのように危険なノイズすらも、対岸の火事のように自分の身に起きるわけがないと高をくくっていた。

 

 

 だからこそ、その事件が起きたのはある種必然であったのだろう。

 

 

 それは、日本を代表するアーティストユニットであるツヴァイウィングのライブで起こった。

 ライブ中に突如ノイズの襲撃にあったのである。

 ノイズの近くにいた観客はノイズとともに炭素となり、運良く免れた観客は我先にと出口に押し寄せた。それにより、転倒し多くの者に踏まれる者や人を押しのけようとし、乱闘を起こす者たちなどライブ会場は自らが生きるために他者を蹴落とす地獄となった。

 

 このライブでの事件が原因となり、ツヴァイウィングの片翼である天羽奏が命を落とした。だが、それはノイズにより炭素にされたわけでもなく、観客の暴動に巻き込まれたわけでもない。その死の原因を語るためには、とある武装について語らなければならない。

 

 その武装の名は『FG式回天特機装束』通称『シンフォギア』である。これは日本の研究者、櫻井了子の提唱した櫻井理論もとに聖遺物の欠片から作られるノイズに対する唯一の対抗策である。

 そして、ツヴァイウィングの風鳴翼と天羽奏はこのシンフォギアの使用者、すなわち装者である。いや、装者であった。というのが正しいだろう。シンフォギアは誰にでも使えるものではない。聖遺物ごとの特定振幅の波動、すなわち歌に合致しなければ使用することすらできないのだ。

 

 だが、使い手を選ぶ武器など不良品もいいところである。そのため、誰にでもシンフォギアを使用できるようにとのコンセプトで研究が行われていた。その研究の答えとして生み出されたのがLiNKERと呼ばれる薬物であった。そして、このLiNKERによって無理矢理適合したのがツヴァイウイングの片翼、天羽奏である。

 しかし、無理矢理適合したのだ反動が無いわけがない、LiNKERの使用には苦痛を伴い、その上持続時間も短いと欠点ばかりであった。

 ライブ事件の際にも天羽奏はシンフォギアを纏い、相棒である風鳴翼とともにノイズを殲滅していった。殲滅行動中、会場から逃げ遅れた少女を見つけ、ノイズの攻撃から少女を守り続けていたが、持続時間も限界となり、ギアの出力が大幅に低下してしまった。それにより、ギアの一部が破損し、後ろでかばっていた少女の胸にその破片が突き刺さってしまったのである。少女は胸から激しく出血しており、もう一刻の猶予もない状況であった。そして、天羽奏自身もギアの出力低下により劣勢を強いられていた。

 そんな追い詰められた状況の中、彼女は一つの決断を下した。シンフォギアにいくつか備わっている決戦機能の一つ『絶唱』の使用である。彼女の絶唱によりライブ会場内のノイズは一体残らず殲滅されたが、その代償である莫大なバックファイアにより天羽奏はその若き命を散らすのであった。

 

 

 ライブ事件から数年の後、天羽奏が命を懸けて守った少女、立花響がその身に宿した聖遺物の力を覚醒させ、装者として目覚めたことをきっかけとして、世界を巻き込む様々な事件が起きていく。その事件についてはしかる後に、語ることにしよう。

 

 

 様々な事件を解決してきた少女たちは、束の間の平穏を享受していた。

 

 

 しかし、束の間の平穏とは脆くも崩れさるものである。

 

 彼女たちの活動の拠点としているS.O.N.Gの前身たる特異災害対策機動部二課がかねてより保有していた完全聖遺物である『ギャラルホルン』が再び起動したのである。

 このギャラルホルンは並行世界同士をつなぐ性質があり、以前にも少女たちは並行世界に赴き、異変の解決をしてきたのである。

 

 ギャラルホルンの再起動により、緊急召集がかけられ少女たちは司令部に集結したのであった。そこで、今回つながった世界について忠告を受ける。それは、今回つながった世界の反応が今まで観測されてきたどの世界とも類似せず、並行世界というよりもある種異世界とも言える世界であると言うことである。そのため、より一層の警戒も持って任務にあたる必要があるというものであった。

 

 

 つながった世界についての説明と忠告を受け、少女たちは今回世界を渡る者を相談し始めた。その結果、三人の装者が今回の異世界に赴くこととなった。風鳴翼、立花響、雪音クリスの三人である。

 その選出理由としては今回の並行世界が異世界と呼べるほど違うためにLiNKERがなければ安定してギアを纏えない他の三人では、不測の事態に対応できない可能性があること。戦い方のバランスや連携の習熟度などの関係である。

 

 そのような様々な理由から選出された三人は早速出発せんと、ギャラルホルンの安置された部屋に来ていた。

 

 ギアを纏い、いつでも出発できる状態となった少女たちに残る者たちが声をかけていく。

 

「さて、何度も言うが無理だけはするなよ、三人とも。」

 S.O.N.Gの司令官である風鳴弦十郎からは心配の声を、

 

「こちらからもできうる限りの支援はしますので、頑張ってください。」

 風鳴翼のマネージャーであり、S.O.N.Gのエージェントである緒川慎次からは激励を、

 

「翼、さっさと終わらせて、早く帰ってきなさい。そしたら次のライブの打ち合わせをしましょう。」

「クリス先輩ならちょちょいのちょいデスよ。」

「響さんはいつも通り、まっすぐに一直線に行けば大丈夫。」

 そして、残る装者三人からそれぞれに向けて言葉が送られる。

 

「ああ、楽しみにしてるぞ、マリア。」

「あたりめーだっての。」

「ありがとう、調ちゃん。」

 それぞれに言葉を返し、ギャラルホルンの生み出すゲートをくぐっていった。

 

 

 つながった世界は様々な『個性』を持ちしヒーローたちが人のために戦い続けている世界だ。

 さて、彼女たちは向かった世界で何をなすのであろうか。

 




 はい、以上で戦姫側のプロローグも終わり、いよいヒーロー側の世界に介入を開始していきます。

 この小説を読んでいる方は、どちらの作品もよく知っている方が多いと思いますが、まだの方はぜひ見てください。両作品ともとても素晴らしい作品なのでおすすめです。
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