戦姫たちのヒーローアカデミア   作:文月 夏樹

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 昨日の今日で9人の方にお気に入り登録していただけました。
 ありがとうございます。
 
 また、岡本嵯峨野助さん
 感想ありがとうございます。

 お気に入り登録や感想をいただけるとは、思ってもいなかったので、とても励みになっています。

 前回は戦姫たちがヒロアカの世界に飛ぶまででしたので、今回から本格的ヒロアカ世界に介入していきます。
 このキャラはこんなキャラじゃないなどあるかもしれませんが、ご容赦ください。


異世界、到着! 

 ゲートを抜けた先は、いたって普通の公園であった。

 あまりに普通の光景に身構えていたことがバカらしくなってしまうほどだった。そして、今までの並行世界であったようにいきなりノイズに襲われることもなく、まさに平穏と言えるだろう。

 

 通信をつなげ、周囲の状況を本部に伝えた。また、本部からも三人の周囲にノイズの反応や正体不明の反応などが無いことを伝えられた。

 三人は周囲の安全が確保されていることが確認されたことで、ギアを解除し、普段の服に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 三人が出現した位置より、少し離れた場所にてとある(ヴィラン)がタイミングを見計らっていた。その敵は異形型の『個性』が原因で学校でいじめを受けており、どうにもならない異形の自分の姿や何もしていないのにまるで悪者のように扱ってくる周りに嫌気がさし、やけっぱちになっていた。

 しかし、いきなり大通りで暴れられるような度胸が中学生にあるわけもなく、結果このような人のほとんど来ない公園で通りかかった人を驚かしてやろうという、何とも小さな行動となったのだった。

 

 そして、ついに彼の第一の被害者(予定)が近づいてきた。近づいてきたのは男であった。その男は金髪のガリガリで見るからに弱っており、フラフラとおぼつかない足取りで歩いていた。

 敵の少年はその男の悲惨とも言える姿を見て、自分のしようとしていることに対して罪悪感を抱き始めていた。

 しかし、少年もここまで来てしまった以上引き下がれない。『個性』をより強く発現させることにより少年の体はさらに大きく、強靭なものに変化していく。

 体の変化を終えた少年の体はまさに化け物と言っていいほどに変わり果てていた。変化後の姿はSF映画に出てくる凶悪なエイリアンのようであった。

 化け物は茂みより飛び出し、通りかかった男の前に立ち塞がった。

 

「な、敵だと!?」

 

 突然の出来事に男は驚くも、男の体は今までに積み上げてきた経験をもとに無意識に構えをとらせていた。

 

 しかし、化け物となった少年にも咄嗟に戦闘態勢に入った男にも、予想していなかった乱入者が現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 時は戻り、響たちがシンフォギアを解除したころまで遡る。

 

「さて、まずはどうしましょう?翼さん。」

 

「ふむ、まずはこの世界の常識や大きな事件について近くの人に聞いてみる、というのが定石だろう。」

 

「ま、いーんじゃねぇの。」

 

「よーし。そうと決まれば早速人を探して聞き込みをして行きましょう!」

 

 響たちはこの世界に起きている異変について情報を集めるために行動を開始しようとしたところ、

 

[翼!響くん!クリスくん!聞こえるか!そこから北に100メートル先、未知のエネルギー反応を感知した。カルマノイズのようなその世界独特の存在の可能性もある、十分注意して向かってくれ。]

 

 風鳴弦十郎からの緊急通信が入ったのだった。

 

「「「了解!」」」

 

 響たちは、通信で伝えられた北100メートル地点へと急行した。

 

 そこで装者たちが見たのは、2メートル近い異形の怪物に襲われかけている男性の姿だった。

 

 その光景を見た瞬間、響は一瞬の躊躇もなく一直線に怪物へ向かって駆けだしていた。

 

 

 Balwisyall Nescell gungnir tron

 

 

 響が口ずさんだ歌こそ、シンフォギアを起動させるために必要なトリガー、聖詠である。

 聖詠を歌い終えた響を包むように起動したガングニールのエネルギーはギアとして再構築されていった。

 響の持つガングニールは展開されると白とオレンジを基調としたボディスーツとなり、前腕部には半円柱状の装甲が生成される。そして、腕部と脚部にはそれぞれパワージャッキ内蔵されている。

 変身を終えた響は脚部のパワージャッキを展開し、地面を強く打ちつけることにより、さらに加速し、

 

 

 『最短でまっすぐに、一直線に』

 

 

 そんな思いとともに響は一条の流星となった。

 

 

 

 

 

 

「来るなら来い!私が相手になろう。」

 

 ガリガリの男性は目の前の敵に対して、啖呵を切る。そのガリガリの体から出ているとは思えないような威圧感に、ただの中学生でしかない敵は呑まれて動けなくなっていた。

 

 それもそうだろう。ガリガリなため気づく者はいないが、彼こそがヒーローたちの頂点に立ち、平和の象徴とまで言われる男、オールマイトなのだから。

 

 そして、数多くの敵と戦い続けてきたオールマイトだからこそ気づくことができた敵の戦意のなさ、憤りや悲しみに。

 

 そんな敵に対して攻撃するべきなのか、そんな思いが脳裏をよぎった。

 

 

ドゴン!!

何かが地面を強く打ちつける音が響いた。

 

 音につられて、音の方向に顔を向けたときにはオレンジ色の流星が地を駆けた後だった。

 

ズドン!!

再び重い音が公園に響く。

 

 流星の速さにようやく首が追いつき、オールマイトは音の正体に気づいた。

 それは、不思議なコスチュームを身につけた15,6歳の少女であった。少女は先ほどまで敵がいた場所におり、その構えは八極拳の鉄山靠のようであった。いや、そうだったのだろう。その圧倒的な威力で敵を弾き飛ばしたのだと、オールマイトは悟った。

 少女はこちらを見るなり、声をかけてきた。

 

「早く逃げてください。あの怪物は私が引き受けます。」

 

 少女の言葉に理解が追いつかない。今の逃げろとは誰に向けたものだ?私だ。ヒーローである私に何故?そんな言葉が頭の中を駆けめぐっていた。

 

 そのために少女の次の行動への対処が遅れた。

 

ガキン!ズドン!!

 

 少女の脚部からパワージャッキが展開され、地面に叩きつけられた。オールマイトは理解した。先ほどの音の原因は彼女だと、そしてこのままではあの敵は少女によって殺されてしまうということを。

 

 その瞬間オールマイトは彼女の後を追い、駆けだした。先ほどまでよろよろと足取りがおぼつかなかったとは思えないような躍動感に溢れる機関車のような走りであった。

 

(今日の制限時間はすでに使い切った。今全力で走るのですら限界だ。)

 

 走り出して数秒、すでにオールマイトの体力は底をつき始めていた。

 

 ヒーローの頂点とま言われた男がどうしてこうなっているのかというと、それは数年前に遡ることになる。

 

 数年前、オールマイトはとある敵との戦いの中で大怪我を負った。呼吸器は半壊し、胃は全摘出された。それ以来オールマイトの体は徐々に衰えていったのである。

 しかし、それでもオールマイトは諦めなかった。体に残された僅かな力を集約し、一日に三時間だけ、かつてのような力を取り戻すことに成功したのである。

 

 だが、オールマイトも自覚しているように、今日使える分はすべて使い切ってしまっている。

 

 オールマイトは自身の限界を悟り、不甲斐無さを自嘲する。

 

 

 

(・・・限界?限界だと?情けない・・・情けない!!皆を諭していながら己が実践しないなんて。)

 

 

 オールマイトの瞳に、脚に、身体全てに力がみなぎっていく。

 

 

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの。限界を乗り越えていくもの。Plus Ultra(プルス ウルトラ)!!」

 

オールマイトはさらに加速していく、過去の限界を置き去りにするかのように。

 




 いかがでしたでしょうか。

 この後の話についてはまだ構想段階の部分も多いため、少し遅くなるかもしれません。
 頑張って書きあげますので、お待ちください。
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