戦姫たちのヒーローアカデミア   作:文月 夏樹

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 さて。今回は説明回になっていますので、すでに原作をご存知の方には退屈かもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。

 


事情説明と異変

 

 響がオールマイトと少年の青春劇について行けず呆然としているころ、響に置いて行かれた翼とクリスはシンフォギアを身に纏い、響が飛び出した方向に向かっていた。

 二人が響のいると思われる場所向かっていると、激しい衝突音が2度響いた。

 

「くっ、立花はすでに戦闘しているようだな。急ぐぞ、雪音!」

 

 翼は一人で戦闘していると思われる響を心配し、さらに加速していく。

 

「ちょっ、待てよ先輩。あたしはあんたらみたいな体力バカじゃねえんだよ!」

 

 クリスはさらに加速していく翼について行くのに、必死なようだ。

 こればかりは、装者それぞれの特性の違いによるものが大きいので仕方ないのだろう。翼は剣と機動力による白兵戦を、クリスは銃火器による広域制圧を得意としている。そのため、翼とクリスとの距離は徐々に開き始めていた。

 

「ちっ、やっぱり先輩のほうが速ぇ。」

 

 クリスは悔しそうに呟くが、けしてクリスが遅いわけではない。二人とも常人では考えられないほどのスピードで森の中を駆け抜けているのである。

 

 森の中を駆け抜け続けた二人は先の開けた場所に立つ響の姿を捉えたのだった。そして、響の隣に立つ大男の存在にも。

 

 翼とクリスは大男の存在に警戒しながらも、響との合流を優先した。

 

「無事か、立花!」

 

 

 

 

 

 

 オールマイトは非常に困惑していた。敵の少年を家に帰し、立花少女への事情聴取へ移ろうとしたところ、少女と似た格好をした二人の少女がオールマイトへの警戒心をあらわにしながら現れたのである。

 警戒されていることに、内心落ち込みながらも少女たちへ声をかけた。

 

「あ~、少女たちよ。少しお話しを聴きたいのだが、よろしいかね?」

 

 そんなオールマイトの言葉に最初に反応したのは、先ほど自己紹介を行っていた響であった。

 

「はい!何でも聴いてください!」

 

 響の言葉に二人は驚きの反応を示す。

 

「はぁ?いきなり何言ってやがんだこのバカ!無用心にも程ってもんがあんぞ!」

 

 クリスは響の言葉に呆れと怒りの混じったような強い言葉で苦言をこぼす。しかし、それは心配を素直に表すことができない故の不器用さからくるものであった。

 

「雪音の言うとおりだ、立花。我々はこの世界に来て間もないのだ。誰が味方で、誰が敵かすらわからない状況で動くのは危険過ぎる。」

 

 翼は周囲の状況が不透明な現状で不用意に動くことの危険性について説く。生来の真面目さと三人の中で最年長であるからこその責任感故だろう。

 

 だが、その程度で止まる響ではない。

 

「大丈夫です!オールマイトさんは良い人です。」

 

 自信満々に答える響に、またいつものが始まったと二人は諦めとともにため息をこぼすのであった。

 

 三人の中で、意見がまとまった(押し通した?)の察したオールマイトは再び問いかけた。

 

「いろいろと聴きたいことがあるのだが、まずはそうだな。君たちは何者かな?」

 

 たった少しの時間で、少女たちの核心にせまるところはさすが年長者というべきだろう。亀の甲より年の功である。

 しかし、オールマイトの質問はある種の賭けでもあった。この質問の答えしだいでは彼女たちは敵側に回ることになるのだ。立花少女だけでも厳しい状況なのに、さらに二人の少女を相手にしなければいけない可能性にオールマイトはひっそりと冷や汗をかいていた。

 

 そんなオールマイトの不安の斜め上を行く答えが返ってくるとは、さすがの彼も予想できなかった。

 

 オールマイトの質問に対し、翼が口を開く。

「私は風鳴翼と言います。こちらが雪音クリス、立花響です。我々はあなたたちから見て異世界と呼ばれる世界から来た者です。そして、国連直属機関S.O.N.G所属のエージェントです。」

 

 さすがのオールマイトも、異世界からの来訪者とは想像もしていなかった。

 しかも、未成年の少女たちが国連直属の組織のエージェントであるなど、オールマイトには信じられなかった。さらに、そんな存在がわざわざ異世界であるこちらに来る理由など、さっぱり見当もつかなかった。

 

「ふーむ。その顔を見る限り嘘では無いのだろう。しかし、君たちのような年若い少女がエージェント、それも国連のような公的組織に所属しているとは、そちらの世界にはヒーローはいないのかね?」

 

 オールマイトはその言葉の端々から少女たちへの心配をを滲ませていた。

 

 しかし、クリスに一蹴されてしまう。

 

「ヒーローとか何言ってやがんだ、おっさん。アニメじゃねぇんだぞ。」

 

「雪音の言うとおり、私たちの世界にヒーローなどはいません。あえて言うなら、防人たる私たち装者がそうであると言えます。」

 オールマイトの質問に対し、翼が極めて冷静に答える。

 

「そして、私たちをあまり侮らないでいただきたい。これでも、いくつも修羅場をくぐり抜けています。」

 

「そうか、それはすまなかった。しかし、君たちが戦うことに慣れていたとしても私が心配しない理由とはならないことも忘れないで欲しい。」

 

「ありがとうございます。それで話の続きですが、我々の世界には、ノイズと呼ばれる特異災害が存在します。それに対抗するためには、私たちが纏っているこのシンフォギアが必要なのです。」

 

「装備だけなら君たちが戦う必要はないだろう。他に理由があるのかな?」

 

「ええ、このシンフォギアは誰にでも扱えるものではないのです。このシンフォギアは使用者の歌をエネルギーとして起動します。ですが、その歌が適合しなければシンフォギアを起動することすらできません。」

 

 少女たちが戦わなければいけない理由は理解した。しかし、そのノイズと呼ばれる災害は少女たちを危険に晒さなければいけないほどのものなのか?そんな疑問をオールマイトは抱いた。

 

「何故、ノイズとやらには君たちしか対処できないのかい?災害というのなら、軍などでも対策を考えると思うのだが。」

 

 その疑問に対してクリスが答えた。

 

「ノイズは便宜上災害と言っているが、本来は人間を殺すためだけの兵器だ。」

 

「なんだと!?」

 

「そしてノイズには厄介な能力があって、そのために必要なのが、このシンフォギアだ。」

 

 オールマイトは少女たちの説明を聴き、何故少女たちが戦わなければいけないのか理解した。

 

「君たちが戦わなければいけない理由は理解した。ではどうして君たちがこの世界に来たのか、目的は何なのか教えて欲しい。」

 

 オールマイトの問いに答えたのは翼やクリスに台詞を取られていた響だった。

 

「私たちはこの世界で起きている異変を解決するために来ました。最近何か異変が起きてませんか?他の世界に行ったときは、その世界でノイズが出現したりしてたんですけど。」

 

 響の質問にオールマイトは最近出没するようになった厄介な敵のことを思い出していた。

 

「ふむ、異変かどうかは確証は持てんが、最近おかしな敵が出没しているのだ。」

 

 オールマイトの言葉に響たちは少し困惑していた。

 三人を代表するかのごとく響は手を挙げ、疑問を口にした。

 

「あの~。オールマイトさんって何者なんでしょうか?」

 

 そんな響の質問にオールマイトは改めて自己紹介をするのだった。

 




 これにて、戦姫側の説明が終わりです。
 
 次回はヒロアカ側の説明回です。そこで独自設定が入るので、そういうのが嫌いだという方は受け入れられないかもしれません。

 それではまた次回。
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