異世界異聞録~生き残る努力をしたらチート化しました~ 作:閃狼姫
また長くなりそうなので分けました。すいません。ただうまくまとまらなかっただけですすいません。
チートらしいことしていないな~と思う今日この頃です。
一週間ぶりに家に戻ってきたら何故かスノードロップの管理をしている筈の雪華がいた。
「いつこっちに?」
「マスターがミッドチルダに向かわれた次の日ですね」
ありゃ?入れ違いになったのか。
「連絡くらいくれればいいのに・・・」
「すいません。スノードロップには転生した後のマスターへの連絡手段がなくて・・・クーリアさんやアリスさんと違って直接会ってデータを取らないと私たちからの連絡手段がないんです。これは今後の課題ですね~」
唇に指を当てながら小首をかしげる雪華。だけどさクーリアたちに連絡すればいいんじゃないの?そう思ったので言ってみると。
「あ、あは、あはははははは・・・」
笑ってごまかされた。気づかなかったんだな。時々抜けてるんだよな・・・雪華って。
「ところでクーリアたちは?」
来るように言っていたクーリアがいないから聞いてみる。多分、クーリアは雪華に合わせる事が目的だったと思うんだけど、それなら別にユーノに言伝を頼まなくたっていいわけだし、一体なんだったんだ?
「アリスさんはユイちゃんと一緒に買い物に行きました。クーリアさんはスノードロップに居ますよ?マスターに渡す前に最終調整を済ませるって」
「渡すって何を?」
「マスターのデウスマキナ“デモンベイン・グランレギウディア”の最終調整ですよ!」
へー・・・ん?待って?雪華さんや?今、デモンベインの名前おかしくなかった?
「なあ・・・今、レギウディアの前にグランってつけなかった?」
「え?ああ、マスターが旅立った後、クーリアさんとアリスさんが改造したんですよ。デモンベインを。それで名称にグランってつけたそうですよ?」
なんですと?!
「・・・マテ。俺が使ってた時だって結構、改造してたよな?」
「確かアリスさんが『使う人がいない赤の書の鬼戒神は必要ないよね?だったらデモンベインに組み込もう!』って・・・」
「そんな理由?!」
鬼戒神一体作るのに結構時間かけたんだよ?!それをあっさりバラして改造したの!?いや、クーリアなら出来るんだろうけど・・・
「なんか納得できないけど・・・いいや。俺もスノードロップに向かうわ」
「そういうと思ってすでに転送陣を発動させています!」
雪華がそういうのと同時に足元に大きな環状魔法陣が展開されていた。仕事早いわ。まあいいや。改造っていうなら悪くはなっていないだろう。・・・たぶん。どことなく不安な感じを覚えながら転送陣の光に飲まれるとそこはスノードロップのブリッジ。ただ、俺の記憶にあるブリッジとは何かが違う。何が違うって色々あるがまず確かなのは俺に背を向けて何か作業している者は前には絶対に居なかった。
声かけてみようか?
まあ、スノードロップに居る時点で敵とは思えないが・・・そう思っていると。
「あん?誰だよって、旦那?おー!よく来たな!待ちかねたぜ!」
・・・いや、本当に誰?
俺に気が付いたのか振り返ったのは肩にかかるくらいの赤い髪をもった小柄の少女で服装は白を基調とした半袖に黒のキュロットスカートを履いていた。もちろん、俺は合ったことがない。でも向こうの態度を見ると俺を知っているらしい。
「え~と、初めまして・・・だよな?俺はユウ・スクライア。ユウでいいぞ」
「自己紹介どうも。オレは烈華。雪姉の三番目の妹でこの船の操舵手を務めてる」
烈華と名乗った少女はニカッと笑って名乗った。操舵手って、この船は雪華一人で動かせてたはず・・・本当にクーリアたち何してたの!?っていうか妹ってなんだ!!訳が分からん!
「おや?マスター、こちらに来られたんですか?なら、ちょうど良かったです」
そんな時、タイミングよくブリッジに現れたのは色々知っていそうなクーリアだけでなく、その隣には青い作業着に黄色い髪を後頭部でアップにしゴーグルを首から下げている。背丈は烈華よりは若干大きいくらいの少し眠たげな眼をした少女がいた。
「・・・クーリア。その隣の子は?」
「ああ。マスターは初めて会いますね。この子は雷華。雪華さんを元に生まれた五人姉妹の末っ子です」
「初めましてなのです。主。雷華なのです。この船でメカニックをしているのです」
「メカニック?」
「はい。お師匠様は雷華のお師匠様なのです」
うん。よく分からない。いやメカニックとか確かに必要そうだけどさ。なんでそんな子がいるの?いや、分かったこともある。五人姉妹ということは雪華、烈華、雷華の他に後二名いるっていうことだね。
「クーリア?詳しい説明プリーズ」
「実はマスターが転生してしまった後、雪華さんとも話し合ったのですが、いくらスノードロップがワンマンオペレーション可能な船であっても人手があったほうが良いという事になりまして。雪華さんを作った私が彼女をベースに新たに作り上げたのが彼女たち“シスターズ”です」
どことなくドヤ顔している気がするが、なるほどそれは分かった。で?デモンベインを改良したのは?
「なるほど。雪華さんから聞いたのですね。なら格納庫へ行きましょう」
「なのです。折角生まれ変わった“彼”を主に見てほしかったのです」
「だな。オレはもうちょっとここでやらなきゃならない作業があるからよ。旦那、後で話そうぜ!」
烈華がそういい、クーリアと雷華に促されるように格納庫へ向かうことになった。そしてその道中、俺は気が付いてしまった。
「・・・もしかしなくてもスノードロップも弄った?」
通路が前に比べて広く、俺の記憶と道が違う。流石に十一年前の記憶と言えど設計したのは(一応)俺だ。忘れるわけはない。
「ええ。デモンベインを格納庫へ移す為には前のままではサイズが小さいので新たに作りました。おかげで工房の技術も上がったんですよ」
「主!主!雷華も手伝ったのです!」
えっへん!と胸を張る二人に俺は頭を抱えたくなった。本当にどこまでやったんだ?
「その辺の説明はまた後ほど。まずは格納庫へ向かいましょう」
「そうね・・・なんかどんなふうに改良されてるか不安になってきたよ」
「ご心配なさらず。マスターにふさわしい最高の一機に仕上がっていますので」
本当に大丈夫なんだろうか?
結論、大丈夫じゃなかった・・・・・・
「・・・・・・」
格納庫に着いた俺を待っていたのはデモンベインの面影が完全に消えた深淵の如く深い蒼色をした魔神。
「これが、マスターの為に生まれ変わった新たな鬼戒神。その名もデモンベイン・グランレギウディアです」
その外見は禍々しさと神々しさといった矛盾するものを併せ持ち、圧倒的な力を放っていた。そこにただ立っているだけなのにプレッシャーがすごい。
デウスマキナ
文字通り“物語を終わらせる機械仕掛けの神”というものを感じさせるには十分な姿。俺たちが最初に作ったレギウディアは元々が半壊していたデモンベインを深界で倒したり拾ったりした残骸パーツを使って修理した為、外見が変わっていたがこっちはもう修理ってレベルではなく本当に一から作ったという感じがする。きっと動力部とかも弄ったに違いない。特に背中に装備されている三対の翼。こんなものはつけていなかったし。
「・・・スペックは?」
聞きたくないが聞いとかないと後悔する。そんな予感がひしひしとする。
「まず動力には新型オルゴン・エクストラクターにグレートゼオライマーから鹵獲した次元連結システムを解析、完成させた物を組み込み、修理を後回しにしていた獅子の心臓は創星龍様の結晶化した心臓を使いアリスと一緒に再構築。獅子皇の心臓として完成、搭載しました。これで科学、魔術両サイドの動力を搭載し扱えるようになりました」
ほら!やっぱり!なんだよ!それ?!なんでそんな無茶な物搭載してんだよ!!
「さらにグランゾンの残骸から歪曲フィールド発生装置と重力制御装置…後者に関しては一部でしたが解析再生余裕でした。失礼しました。それを組み込みつつ黒の書からさらに使えそうな重力制御系システムをいくつか合わせて搭載しました。組んでみて分かったのですが次元連結システムと重力制御装置がうまくかみ合ってくれたおかげで予想以上のポテンシャルになりました」
・・・つまり空間歪曲フィールドも使えるし重力を操れるようになったということですね?
「はい。ついでに言えばオルゴン・エクストラクターのおかげでオルゴン・クラウドやオルゴナイト・マテリアライゼーションなどの技術も使えます」
「武装面は?」
予想はできる。でも外れることを願っておく。多分外れないけどね。
「お気づきの上で聞かれているんですよね?」
「うん」
クーリアが何言ってんだ?ここまでの説明で分かってんだろ?的な視線で俺を見ているが一応説明を頼む。
「グランゾンおよびグレートゼオライマーに一部デモンベインの武装も使えますが何か?」
知ってた。最初、俺もそれを目指してたし・・・諦めたけどさ。
「後は魔術も使えますね。アリスも搭乗するので赤の書に記述されている魔術は全て行使可能です」
そこまで聞いて俺は格納庫に佇む相棒を見上げる。
お前、何と戦うんだ?いや、割とマジで。もう兵器ってくくりじゃないよね?なんなのさ・・・俺、こいつと一緒に何と戦うんだよ?
「遠い目をされているところ申し訳ありませんが・・・今度はスノードロップの改良点についてお話します」
どことなく嬉々として話すクーリア。そういや此奴そういう説明大好きだったよね。そんな彼女には悪いが俺は相棒の過剰な戦力アップにどうしたもんかと悩んで悩んで悩んだ結果。
ま、やっちゃったもんはしょうがないね。反省はした。だからこれで悩むのはおしまい。もう終わったことは考えても仕方がない。うん。それに考え方によっては悪くない。むしろ好都合じゃないか?俺はもう慢心はしない。例えどんな奴が相手でも相棒が必要な場面になったらためらわず使おう。そう誓った。
「・・・以上でスノードロップ改めスノードロップ・リインカーネーションの説明を終わります」
どうやら説明が終わったらしい。なんかブラックホールバスターキャノンとか聞こえたけどもう気にしない。それにしてもリインカーネーションか。スノードロップの花言葉は希望。深界でゆっくり眠りたいという希望を持ってつけたんだけどそこに再生を意味するリインカーネーションを付けたのか。
「“再誕する希望”か・・・いい名前だ。大体分かった。で?今後の予定は?」
「それはマスター次第ですが・・・まずは水華、風華に会っていただきましょうか」
「お師匠様。雷華はここに残るです」
「ええ。お願いします」
「お任せなのです!」
そう胸を叩く雷華。そんな雷華の頭に手を乗せ。
「頼んだぜ。それと無理すんなよ?」
「あわわ・・・は、はいなのです!」
「・・・・・・では行きましょうか」
顔を赤くする雷華。それを見て癒された俺の腕を万力の如く力を掴みながらクーリアが引っ張っていく。
クーリアさん?なしてそんなに力を込めるんですか?いくら俺でも理不尽な暴力には反抗するよ?
「いいから早くいきましょう。このロリコン」
失礼な!誰がロリコンか!違うわ!俺の好みはな!・・・あれ?そういや俺って生前に恋愛とかしたっけ?
ふと気づき思い出そうとする。いや別に今じゃなくても良かったんだけど何でか気になった。
「!?!?!」
突如襲い掛かってくる背中に氷を入れられたような感覚。湧き上がってくる不快感。なんだ?なんでこんなに嫌な気持ちになる?ヤバい。思い出しちゃだめだ。それ以上ソレに触れるな!!
「マスター?」
「あ?・・・ああ、ごめん」
・・・よそう。なんでか分からないけど思い出しちゃいけない。自然と手が脇腹を抑える。そういえばアイツも言っていたな。
『あんな死に方でしたし・・・』
マジで生前の俺どんな死に方したんだよ・・・
気にはなるが確かめるすべはない。うん。世の中には知らない事の方が幸せなことがあるんだ。真実ばかり求めても仕方がない。
今は気にしなくてもいい。そう自分に言い聞かせて俺はクーリアと共に歩き出した。
そして気づかなかった。雷華が向かった先、デモンベイン・グランレギウディアの奥に十八メートル台の機体が三体あることに。
え~わかりにくいかもしれませんが一応デモンベイン・グランレギウディアの姿ですがLBXのディ・レギウディアをベースにグランゾン、グレートゼオライマーが混ざった姿をしています。作中でも触れているように全ての武装が使えるようになっています。
こ、これくらいやらないとチートらしくないと思ったのですがやりすぎでしょうか?
いや、振り返ってはいけない。前を向いて次の話を書きます。