二週間前ウォールマリアシガンシナ区
「何だよミカサの奴俺はお前の子供でも弟でもねぇっつうの」
一人の少年が住宅地の裏路地を苛立たしげに歩いてくる。
彼の名前はエレン・イェーガー、巨人を駆逐する調査兵団に入ることを目指し誰よりも強い正義感を持っていること以外はきわめて普通の少年だ。
そんな彼が苛立っているのには訳がある、それは自身の幼馴染であり家族であるミカサが原因だった
「だいたい俺が将来何しようと勝手じゃねーか!」
そう自分の夢である調査兵団に入ることを反対され口論となったのだ。巨人を倒し壁外を調査する、聞こえはいいが実際ところ人類と巨人の力の差は歴然であり巨人一体につき三人の兵士が必要とされている、それでも勝てるわけではない、いや負ける確率の方がはるかに高い。
そんなところに大切な家族が入りたがっているなどと知れば止めようとするのは当然なのだがエレンからしてみれば手のかかる子供のように思われていると考えてしまい不愉快にしか思えない。
不断なら自分と同じ考えを持つ親友アルミンと壁外の話をして気分リセットする所だが。
「あーもう!!こんな時に限ってアルミンは用事があるしチクショー!!」
一人で騒ぐエレン、こうなったら川までいって空でも眺めるかと考える
「?」
「…!!……!」
「………!」
(なんだ?)
誰かの話す声がする。いや会話ではない。
「ホント、何だよその汚ねぇ格好は!」
「ギャハハハハ!しかも髪もボサボサだし!」
これは罵声を浴びせているんだ。
(あいつら!!)
エレンは一直線に走り出す、よく見ればいつもアルミンを苛めている連中だ。
「おいオマエラ!!」
ブン殴ってやめさせてやる、そう思い声をかけると連中が此方に気づく
「おい見ろエレンだ!」 「ミカサはいるか!?」
「いや一人だ!やっちまえ!」
しかしやはりと言うべきか、エレンはアッと言う間に倒され意識を失う、
「へっ、ザマァみろ!ミカサがいなけりゃお前なんてこんなもんなんだよ!」
「ねぇ…」
「「「?」」」
倒れているエレンを踏みつけたか笑う少年達、そこでさっきまでおとなしくしていた少女が口を開く
ザシュ、ザシュ、ゴクンッ
少年達の内の一人が妙な音に気付き、音が聞こえた方を振り向いて見る。そこには
「私と遊んでくれる?」
バラバラにされて黒い塊に呑み込まれている友人達の姿があった。
「ウ、ウワァァァァー!」
悲鳴をあげる少年、
「ねぇどうなの、遊んでくれないの?」
近づいてくる少女
「くんな!!近づくな化け物ォォォ!!!」
すると少女は目を細め
「遊んでくれないならいらない」
無慈悲に宣言した
「イッテテ、畜生」
「平気?」
目を覚ましたエレンに声がかけられる。
「ああこんなもん大したこと…そうだ!!あいつらは!」
「大丈夫だよ、いなくなったから」
あたりを見回すと三人組の姿がない
「クソアイツらッ!ってそうだ、お前は怪我はないか?」
「うん…平気」
見た所少女に怪我はない、暴力は振るわれていないようだ。
「そうか、次みつけたらあいつらブン殴っとくからな。」
「うん、ねぇそれより」
「?」
「私と遊んでくれる?」
少女はエレンに問いかける
「ああ、いいぞ俺も暇だったし。」
「ホント!!」
一気に明るくなる少女
「大袈裟だなぁ。そうだ俺はエレンて言うんだ。お前は?」
エレンは少女に尋ねる
「私はね、エヴリンて言うの」