更識の名を継ぐこと、そして   作:葛城瑠璃

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タイトルをミスってしまったので再投稿です。


愛しい妹

車で移動して、10分ぐらいで病院に着いた。 いつもなら、着くのに20分ぐらいかかるのだが、道が余り混んでなかったお陰でいつもより早く着くことができた。 そのあとは受付を済ませて、母と妹がいる部屋に向かった。

 

 

 

 

部屋に着き、扉を開けて中に入ると、そこには妹を抱いた母がいた。

僕は駆け寄り、母の胸の中で寝ている妹をじ~っと見つめていた。 その間に父と母は退院予定日や家のこと話していたらしいが、妹を見つめることに集中していた僕には何も聞こえなかった。

僕が妹を見つめることをやめたのは、父がこれから名前を付ける、と言っていることを母から伝えられたので、僕は渋々妹を見つめることをやめて、ベットに座っている母の隣に座った。

父は一回咳払いをしてから、妹の名前を言った。 その名前を聞いた母と僕は、言葉が出なかった。

前回より名前のセンスがひどすぎたため、僕はどう言葉を返したらいいのかわからなかった。母は少し厳しい目になりながらも黙っていた。 父が言った名前候補は美雪だった。

名前にに雪が入っている理由が分からない、まだ美はいいとしても、雪はどこから出てきた!

妹が生まれた時は雪なんて降ってなかったし、今も寒いとはいえ、もう春が目の前に来ているというのにどうしてその名前になったのかが全く理解できなかった。

固まっている僕と母に父は何か問題でもあったのかと聞いてくるが、僕はあきれてしまい答える気にはならなかった。

だが今の一言で父は母の地雷を踏んでしまった。

「問題がない?、大有りに決まってるでしょ」

母は怖い笑みを浮かべながら、父に近づいていた。父はまだ地雷を踏んでしまったことに気づいておらず、何が問題なんだ?、と首をかしげていた。

そのあと母はさっき僕が心の中で思っていたことをはっきりと父に言い、 さらに、母自身が名前が気に入らなかったこと、その理由、さらには名前とは関係ないこと、つまり父との日常での不満まで言っていた。

僕は母の本気で怒った顔は生まれてきて初めて見た。とにかく母の

顔は笑っているのに鬼気迫る雰囲気が怖かった。

それを見て、僕は泣きそうになった。

母は僕が後ろで涙目で自分のことを見ていることに気づき、父に言うのをやめて、僕を抱きしめて怖がらせてごめんね、と謝ってくれて、僕が落ち着くまで抱きしめてくれた。

 

 

 

僕は母に抱きしめられて、落ち着きを取り戻し、もう大丈夫と母に伝え、母は僕から離れた。 そのあとは母と父、そして僕で妹の名前を考えることにした。

本当は父が考えて命名するはずなのだが、母がそれを良しとはしなったため、僕も一緒に考えることになった。

 

 

 

 

あれから数分経ったぐらいに僕は考えていたことがぽろっと口に出てしまった。

「......かたなはどうかなぁ」

父には聞こえなかったみたいだが、母には聞こえたらしくなんといったのか聞いてきた。 僕は必死にごまかそうとしたけど、母は引いてくれそうになかったので言うことにした。 「かたなって言葉が頭によぎったら、自然と口にでちゃっただけだよ...」

母はそれを聞いて、何かひらめいたらしく、ペンを手に取り、紙に何かを書き始めた。

 

 

 

 

母が紙との格闘を終えたのは書き始めてから数分後くらいだった、僕にとってはその数分がとても長く感じた。たぶん父も同じことを思っているかもしてない。

母は僕と父に名前を書いた紙を見せた。そこには漢字で刀奈と書いており、僕は読み方が分からずかたなな?、と呼んでしまったが、母が言うには、どうやら違う読み方みたいだ。

 

 

 

 

母はさっき僕が口に出したかたなという名前を使ってくれたらしい。 僕は自分が出した名前に決まるとは思っていなかったため、その時は本当に妹に気に入ってもらえるのかが心配になった。 そんなことを考えていたら、母がまた抱きしめてくれて、刀奈ちゃんも気に入ってくれると思うわよ、何より、優しいお兄ちゃんがつけてくれた名前なんだから、とまた慰めてくれた。

 

 

 

 

その後に何故この漢字にしたのかを母は僕と父に教えてくれた。

刀のように美しく、強くあって欲しいからこの漢字にしたと母は言っていた。

僕がかたなという名前が浮かんだのは、ただなんとなくかわいいかなぁと思ったからである。

実際そんな深い意味はなかった。 ともあれ、妹の名前は更識 刀奈に決まったのだ。 その後は面会時間が過ぎていることを看護師さんが教えてくれるまで、僕たち三人は喋った。

 

 

 

 

僕は病院を出る前に母の退院予定日を担当の看護師さんに聞いた。 看護師さんは予定では再来週の水曜日と言っていた。水曜日だとしたら母と妹が家に帰ってくるのはあと二週間後ぐらいというのが分かった。 あと二週間も母と妹に会えないのかと思うと少し寂しかった。

だって、面会時間は取れるのだが、父は部下の人に頼んでいたとはいえ、部下の人も仕事を全部はさばき切れていないらしく、少しずつではあるが仕事が溜まっていたのでこれ以上休みは取れなかった。

僕も一週間丸々稽古を休んでいたので、そろそろ再開しないと体がなまってしまうのもあるが、正直毎日の習慣になっていた稽古をやりたくて仕方がなかったのもある。

まぁ、父がいなければ僕一人では病院に行くことができないのだ。

屋敷から歩いていくにはかなり距離があるからだ。あとはまだ6歳だからということもあり、バスで来ていいと母に聞いたのだけど、まだ貴方には早いからやめときなさい、と言われてしまった。だからあと二週間は会いたい気持ちを我慢しなければならないと考えると、僕自身会いたいという欲望に耐えられるか、正直微妙だ。 だけど我慢を覚えることも大切と思い、母に心配をかけないように家で母と妹の帰りをおとなしく待つことにした。 僕は車の中こんなことを考えながら、屋敷に帰った。

 

 

 

 

それから一週間と五日後、予定日より二日間早く、母と刀奈はこの屋敷に帰ってくることになった。

その知らせが届いたのは、僕が朝稽古しているときだった。

聞いた瞬間は数秒間僕は思考停止してしまったが、我に戻るとメイドさんに喜びながら抱き着いていた。

メイドさんは抱きついたときは驚いていたが、すぐに落ち着きを取り戻し、僕の頭を撫でてくれた。

そこからは興奮が治まることはなく、学校でもずっと妹と母のことばかりを考えていた。

授業も耳に入らず、心ここにあらず状態だった。

 

 

 

 

...学校が終わり帰宅時間になると、僕はダッシュで靴箱へ向かい、上履きから靴に履き替え、家まで全速力で帰った。

 

 

 

 

学校から家まではいつも通り歩いて帰っていたなら、30分はかかっていたが、今日は僕が出せる限界の走りだったからか、10分以内に帰り着くことができた。

屋敷の中に入ると、玄関を通りかかったメイドさんが、今日は早いですね、...どうしたんですかその汗は?、と不思議がっていた。

なぜなら、今の季節が冬にもかかわらず、僕は顔を真っ赤にして尋常じゃないほどの汗をかいていたのだから。

メイドさんにタオルを持ってくるので待っててください、と言われたので、僕は玄関に座って待つことにした。

僕はメイドさんを待っている間も母と妹のことを考えていた。帰ってきてから何か個人的にしてあげることはできないのだろうか、プレゼントも買わないといけないよな。

そのあとは、タオルを持ってきてくれたメイドさんに、なぜあのような状態だったのか聞かれたので、説明し、部屋に戻って着替えた後に出かけることも伝えた。

 

 

 

 

どうしてこうなったのだろう.....

今僕は布仏さんと一緒に母と妹のプレゼントを買いにデパートに来ている。

どうしてこうなったのかと言うと...

出かける前に布仏さんが僕のことを探していると聞き、出かけるにはまだ時間があったため、僕は布仏さんの部屋に向かった。

部屋に向かう途中で布仏さんと会ったので、用件を聞いたら、一緒に母へのプレゼントを買いに行こうとのお誘いだった。

僕には断る理由はないのだが、個人的なものも買おうと思っていたので一緒に行くのは遠慮したかった。

だって、あまり人にみせられない物なんだよね...

断ろうとしたのだが、目の前で泣きそうな顔をされたら誰だって断れないよね。

結局断ることができず、こうやって布仏さんと一緒に買いに来ているのだ。

今回アレを買うのは諦めるしかないかなぁ。あまり人には見られたくないからなぁ。

そんなことを考えながら布仏さんと一緒に母と妹へのプレゼントを選んでいったのだ。

 




原作8巻まで買いました!
8巻の簪と刀奈は可愛かった!
あのしゅんとした顔は保護欲をそそられますね〜!
.....少し脱線してしまいましたが、次回は原作に追いつくために、急ぎ足で行きます。
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