海SIDE
友海と牡丹、そして四葉さんと灯華さんが来て次の日、僕らは祭りの準備を続けていた。
この四人も祭りの準備を手伝ってくれている。最初は先輩が断ったのだが、これから先一緒に戦うのだから、自分たちも手伝ったほうがいいと言うのであった。
「……なぁ、海」
「どうしたんですか?桔梗さん」
「あの牡丹って子、何だか僕に対しておかしい気がするんだけど……」
「おかしいって?」
「何かこう……避けられてる感じが……」
こういう場合なんと言えばいいのか、正直に言ってしまえばいいのだけど、牡丹にそれはやめてほしいって言われてるし……友海曰く牡丹は物凄く父親に甘えたいらしいけど、物凄く遠慮がちらしいし……
「まぁ来たばかりですし、男がいるって言うだけでちょっとなれてなかったりするんじゃないんですか?」
「そういうものか?」
「そういうものです」
僕は桔梗さんと別れ、作業の続きをしようとしていると今度はそのっち(中)が声をかけてきた。
「カイく~ん、見てみてまつぼっくり~」
「そのっち、お前……いや突っ込んだら負けなんだろうけど……」
「えへへ~」
そのっちに対してまともに対応したら負けなんだろうな……
「所でカイくん」
「何だよ」
「さっきね。ひなたんに言ってきたんだ~なるべく勇者から離れないようにって」
「………どういう事?」
勇者から離れるなって、戦いになれば樹海での戦闘になるし、巫女は巫女で樹海に入ってくる必要がないから、勇者の側にいる必要はないのだけど……
「昨日の敵、狡猾だって話聞いたよね~」
上空からの攻撃、しかも毒ガスで僕らの動きを封じてきたし……まぁ友海たちのおかげでなんとかなったけど……
「神社の裏手は未開放地区なんだって、もしかしたら………」
何というかそのっちって色々と鋭いというか……仕方ない
「作業少しの間代わってもらえるか?」
「任せて~」
僕はそのっちと交代し、ひなたお姉ちゃんがいる境内に向かうのであった。
境内に行くとひなたお姉ちゃんと水都さんの二人が何かを話していた。どうやら今のところは無事みたいだけど……
すると突然端末からアラームが鳴り響き、神社の裏からバーテックスが現れた。
本当にそのっちの言うとおりになったのか。僕は勇者に変身し、飛び出した。
「「「ハアアアアア!!」」」
僕と同時に飛び出した若葉さんと歌野さんと一緒にお姉ちゃんたちを襲おうとしてきたバーテックスを撃退した。
「大丈夫か!ひなた」
「お待たせみーちゃん」
「二人共来るの早くないですか?」
「若葉ちゃん、海くん」
「うたのん」
「悪いがバーテックス。二人には手を出させない」
僕らは樹海へ行き、襲ってきたバーテックスと戦い始めた。僕は生太刀を取り出し、迫ってくる敵を切り裂いていくが……
「流石に三人だと数が多いですね」
「確かに……この人数だと……」
「若葉、何かナイスなアイディアない?」
「ナイスな……」
若葉さんが考え込んでいると突然襲ってきたバーテックスが蜂の巣になっていた。それと同時に他の皆も駆けつけてきた。
「とりあえず乱射してみました」
「みんな……」
「パパ、大丈夫?」
「友海、あぁ、大丈夫だ。それにみんなが来たんだから、負ける気はしないしな」
僕は白月と生太刀を構え、バーテックスへ向かっていくのであった。
桔梗SIDE
数は多くないけど、何でまたこいつらは襲ってきたんだ?もしかして昨日の巫女による浄化が関係してるのか。だとしたら美森も危ないかもしれないな。
僕は黒い影になりながら、敵を切り裂いていきながら念のため、美森のところへ行こうとした時、空から降ってきた何かに邪魔をされた。
「ちっ!」
「久しぶりだね。俺」
「キキョウか……今回巫女を狙ったのはお前の作戦か?」
「いや、俺は何もしてない。今回はこいつらが考えて行動したんだよ。知性がないように見えて凄いだろ」
キキョウの攻撃を受けながら、反撃を食らわせるが決定打にならない。本当に厄介だな……
「さぁさぁ、どうしたんだ?その程度じゃないだろ!!」
キキョウの連撃を僕は受け続けていくが、一撃一撃が重すぎてかなりきついな……
そう思った瞬間、炎をまとった矢がキキョウ目掛けて飛んできた。だが、キキョウは矢を弾くとそこに牡丹が駆けつけてきた。
「お……桔梗さん、大丈夫ですか?そいつは……」
「こいつは簡単に言えばバーテックス版の僕だ。しかも知性も人間とそう変わらない」
「話に聞いてましたが、本当に厄介な存在なんですね」
「ほう、新しく来た勇者か……だからか……」
キキョウは笑みを浮かべていた。そして狙いを僕ではなく牡丹に定めてきた。牡丹は避けようとするが、キキョウの動きが早く、首を掴まれてしまった。
「うくっ……」
「なるほどな。お前はそいつの……」
キキョウは牡丹を地面に叩きつけ、足で踏みつけた。
「かはっ」
「やめろ!!」
「やめてほしいだろうな。なにせこの娘はお前の娘なんだからな」
キキョウは倒れた牡丹を蹴った。今、こいつなんて言った?牡丹が僕の娘って……だからなのか?だからこそ、僕は……
僕は大鎌から槍へと変え、キキョウの右肩に突き刺した。
「怒ったか……そうだろうな!!」
「いい加減倒されろ!!キキョウ」