花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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『一番いいのは、他の奴らに戦ってもらうとかじゃないのか』

 

これって走馬灯なのかな?少し前にカズマさんに教えてもらった必勝法が頭のなかに思い浮かんできた。

 

『それが一番なのだろうけど、何というかあいつとは僕自身が決着をつけないといけないから……』

 

『あ~お前ってめんどくさいやつだな。それじゃアレだ。よく漫画とかである戦いの中で成長すればいいんじゃないのか』

 

『戦いの中で………それもいいかもしれないですね』

 

『おい、間に………』

 

戦いの中でこいつより成長するか……そんな漫画みたいなこと起きるかどうか分からないけど、案外出来るかもしれないな。

 

僕は腹を抑えながら、立ち上がった。

 

「………そのキズでまだ戦うのか?」

 

「当たり前だ!!」

 

僕は白月を取り出し、ウミに切りかかった。ウミは鉄甲で斬撃を防ごうとした瞬間、斬撃の方向を咄嗟に変え、ウミの腹部を切った。

 

「………フェイントか」

 

ウミは自分のキズに触れ、嬉しそうにしていた。何だ?切られたっていうのに……

 

「まだ僕を倒せるまでは行かないな!!」

 

ウミが放ってきた拳の連打を僕は白月で受けきっていく、威力は強いけど何でか受けきれる。これって、本当に戦いの中で成長とか?まさかな……

 

「ふふ」

 

「何がおかしい?」

 

ウミは笑みを浮かべている。一体どうしたんだ?さっきから様子がおかしい気がするし……

 

「大きなダメージを受けながら、諦めずに立ち上がり、戦い方も変えてきた………それでいい」

 

「………なんとなくだけどお前、まさか」

 

「だが次はどうする?」

 

ウミは大きく拳を構えた。一撃で決めるつもりなのか?こいつがやろうとしていることがだんだん分かってきた。それなら答えてやらないとな。

 

「こっちで白月しか上手く使えなかったけど、今の状態なら……切り札発動『大天狗』」

 

黒い翼に白く長い太刀、これが若葉さんの最強の切り札……結構身体への負担が大きいな。だからこそ、一撃で決めないとな

 

「くたばれ!!海!!」

 

「これで終わらせる!!」

 

僕らは同時に駆け出し、ほぼ同時に攻撃を仕掛けようとしたが、傷の痛みのせいで一瞬出遅れてしまった。

 

「パパぁぁぁぁぁぁーーーー!!」

 

やられそうになった瞬間、友海の声が聞こえ、ウミがそれに気を取られていた。

 

「ハアアアアアアアアアアア!!」

 

その隙を突き、ウミの身体を切りつけ、ウミはそのまま地面に倒れ込んだ。

 

「はぁ、はぁ、悪い……隙をついたりして……」

 

「いや、これでいい」

 

ウミの身体が見る見るうちに崩れていく。こいつの目的ってもしかして……

 

「パパ、大丈夫?」

 

「怪我ひどいみたいね。ちょっと失礼」

 

友海を連れてきた姫野さんがポケットから剣型のアクセサリーを取り出し、僕の身体に刺した瞬間、体中のキズが一瞬の内に治ってしまった。

 

「これって……」

 

「まぁ神様の力ってやつよ。それでそこのバーテックス、貴方のキズは……」

 

「いや、治さなくていい。僕はこのまま消えるさ」

 

「ウミ、お前は僕がいた世界とは違う世界から来たんだよな」

 

「あぁ」

 

「パパ、あのね。このパパは……」

 

友海が何かを言いかけるが、僕はそれを止めた。僕もこいつの目的に気がついている。

 

「自分が守れなかった未来を、僕に託すってことか?」

 

「………そうだ。僕はお前がいずれたどる未来………大切な人を……大切な子を守れず、死んだんだ………」

 

「………そのために僕を鍛えるようにしていたのか?」

 

「あぁ、キキョウやチカゲもな。いずれたどるかもしれない未来から逃れられるように心と身体を鍛えるように……造反神もそれをわかった上で僕らを作り上げたし、この世界の神樹もだ」

 

これからさきの未来を回避するために……一体どんな未来が起きるっていうんだ?

 

「教えてくれ。これから先のことを……」

 

「………悪いが言えないな。だが……いずれお前は……………」

 

ウミは何か言いかけるが、そのまま消滅してしまった。僕らのバーテックスの目的がわかったけど、いずれたどり着く未来って……

 




海のたどる未来は、この素晴らしい勇者に祝福をのあの戦いです。

次回で温泉編は終わります
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