花結いのきらめき・二人の勇者の章   作:水甲

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海side

 

造反神の前に立つ僕ら。あの姿は天の神を模しているのか

 

「僕が知ってる天の神とは違う感じだけど、真の姿で良いのか?」

 

「桔梗君の知り合いの神様と同じではないかもね。世界によっては姿が違うし、違う存在だったりもするかもね」

 

赤嶺の言う通りだとしたら、僕はいつかあの姿の天の神と戦うかもしれない。

それならいい練習台だな

 

「最初から全力で行くぞ‼」

 

「全部終わらせます‼」

 

それから僕らは全力で戦いに挑み、造反神に力を示すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗side

 

造反神との戦いは僕らの勝利で終わった。僕らは戦いに勝利し、ちょっとした祝勝会をしている中、ある異変に気がついた

 

「牡丹、お前……」

 

「花びらに……」

 

「どうやら帰るみたいだね」

 

もう帰還する時間になったか。牡丹は少し寂しそうにしていたけど……

 

「また会えますよね」

 

「あぁ未来で……」

 

「きっと乗り越えられるはずです。私たちは見届けていましたから……」

 

「パパたちの未来を……まだあっちにいる私のこと、お願いね」

 

「任せろ」

 

満足そうな笑顔で帰っていく牡丹たち。すると今度は姫野二人だった。

 

「私たちはまだね」

 

「はい、まだ戦いが終わってないですけど……」

 

「ちゃんと全て守って見せようね」

 

「はい」

 

姫野たちの戦いは終わってないけど、この二人ならきっといつか……

 

「力を貸せたら貸すよ」

 

「こうして会えたんだからね」

 

「期待してるわ」

 

「短い間でしたけど、ありがとうございました」

 

姫野二人はそう告げて消えていった。そして次は……

 

「私だね」

 

灯華だった。てっきり一緒に帰ると思ったんだけど……

 

「私にも宿った力……魔王と勇者がいつか力を合わせられる日を待っています」

 

「待っているんじゃなくって、作り上げていこう」

 

「はい」

 

「灯華さん、きっと実現できますよ。魔王じゃなくって勇者のあなたなら」

 

「……はい」

 

灯華は笑顔で帰還し、残った僕らも花びらになっていく

 

「海、頑張れよ」

 

「はい。まだ僕の戦いは終わってないですからね」

 

「僕も訪れる未来を乗り越えてみせる」

 

「またいつか会いましょう」

 

「あぁ」

 

お互い握手をすると赤嶺が海に近寄った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海side

 

「海君」

 

「赤嶺……お前の世界の僕は……」

 

「海君は世界を捨てて、仲間のために戦ったんだよ。全てを出し切って……魂ごと消えていった。今から言うことは忘れてしまうかもしれない」

 

赤嶺は泣いていた。友奈と友奈さんがそっと寄り添った。

 

「大丈夫だよ」

 

「きっと海くんならね」

 

「うん、海君は仲間たちの言葉を聞こうとしなかった。だからこそ、ああいう未来になった。だから……仲間の声を聞いて」

 

「仲間の声を……」

 

「きっと力を貸してくれるから……そうでしょう?」

 

そうだよな。カズマさんたちならきっと力を貸してくれる。間違った道を歩んでも……手を引いてくれるはずだよな

 

「またいつか……会えたらいいな」

 

「そうだね……もしかしたらそっちの私が迷惑をかけるかもしれない。それに他の世界の勇者たちにも迷惑をかけるかもしれないけど……私はちゃんとした理由があるから……」

 

「あぁ」

 

僕は赤嶺と握手を交わした。

 

「未来でも見せてね。海の全力を……そして救ってね……あの子達のことを……友奈を悲しませないでね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桔梗side

 

元の世界に戻ったのか。僕は学校の屋上にいた。

 

「戻ってこれたんだな」

 

夢かと思っていたけど、ポケットの中に一枚の写真が入っていた。これは最後にみんなで撮った写真……

 

「夢じゃない……海、いつかまたな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海side

 

ある日、屋敷で写真を見ていると、めぐみんが興味深そうにしていた。

 

「ウミ、その写絵は何ですか?」

 

「これか?これはある世界で撮った思い出の写真だよ」

 

「前に急にいなくなった時ですね。それにしてはユミとボタンが少し大きいですが………」

 

「まぁ、未来から助けてくれたんだよ」

 

「?」

 

めぐみんは何の事なのか分からないでいたけど、いつかちゃんと話そう。

 

そしてあの時、赤嶺に言われた言葉………忘れてしまったけど、何か大切な事だった。

 

「ちゃんと思い出さないとな」

 

じゃないといつか取り返しのつかないことが起きそうだな。

 

でも……

 

「何ですか?ウミ?」

 

僕には何だかんだ言って助けてくれる仲間がいる。だから大丈夫だよな

 




急ぎ足ですみません。海と桔梗はそれぞれの世界に戻りましたが、彼らのその後があの話に続きます。

桔梗は大切なものを取り戻すために

海は愛する人を助けるために

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