インフィニット・デスゲーム 作:ホラー
「うがぁぁ……!」
あれから三十分後、ジェイソンは今、一人の男性議員を殺していた。彼は議員の後頭部を鷲掴みにしながら何度も壁に叩き付けている。壁には血が付着しているが彼には関係ない。
彼は一夏の命で鏖殺をしているに過ぎず、悪人だろうが善人だろうが関係ない。鬱憤を晴らすだけに愉しんでいるに過ぎない。狂気とも言えるが彼の場合、驚喜としか感じられないだろう。
男の方はと言うと既に死にかけている。虫の息であるが死が迫っている。が、ジェイソンは何度も彼の顔を壁に叩き付けている。一桁、いや、二桁は行くぐらい叩き付けているだろう。
刹那、ジェイソンは何かを思うように彼を後ろへと投げ捨てた。彼は紙くずのように床に捨てられるが身体を動かす気配はない。それ以上に息していない。
彼は死んだのだ。死因は頭部を何度も叩き付けられた故に脳死してしまったのだ。軽い脳振動ではない、完全に死んでしまったのだ。
「キ、キ、キ、マ、マ、マ……」
ジェイソンは彼を見る。彼は俯せに倒れているが起き上がる気配はない、既に死んでいるからだろう。しかし、ジェイソンは腰に携えていた鉈を取り出すと、不意に軽く振る。
かなりストレスを発散出来たと感じていた。彼はこの男を殺すまで多くの人を殺した。十人先から数えていないが三十人近くは殺したのだ。
いずれも残忍な殺し方をしているが惨たらしい事に変わりは無い。それらを全てやったのはジェイソンであるが彼は気にもしないだろう。
最早、この建物内にいるのは、後一人しかいない。この国の最高指導者である彼だけだ。ソイツを殺せば任務は遂行。後は帰還するだけであるが証拠は多く残している。
警察がどんなに調べようが足は付かない自信はあった。ジェイソンはそう思いながら風のように消えた。自分が殺した男をそのまま放置して……。
その頃、此処は建物の最上階にある部屋。そこには金色に輝く物が幾つもある高級な家具が揃えられていた。何れも数百万は行くくらいの高価な物ばかり。一般人がお目にかかれるかどうかも判らない。
「いやぁぁぁ!!」
「どうしたどうした!? そんなにへばっては良い女じゃねぇぞ!?」
しかし、そこは部屋自体は赤を基準としているが高級感と言う意味で使われたのだろう。が、部屋の奥は寝室であった。近くにはベランダがあるが、ベッドには一人の小太りの中年男性がパンチ一丁で二十代ぐらいの女性に対して、強姦していた。
己の欲望を満たそうとしているが彼は権力を理由に聞く耳を持たない。権力を豪遊と勘違いしており、人を思いやる心は微塵も無い。
そんな彼に女性は泣きながら懇願していた。貞操を守りたいが故に抵抗している。こんな男の子は身籠りたくない。女性の我が儘かつ好きでもない男の物を受け止めたくないからであった。
しかし、男性の力は強く女性の抵抗は虚しいばかりであった。服は所々破れており、白く透き通った肌が顔を覗かせるように見えている。
「うへへ……!」
中年男性は厭らしい笑みを浮かべる。もうすぐ自分の物になる。そう思うと下半身がテントを張っている。欲望が彼を駆り立てていた。しかし、女性はもうすぐ犯される意味を知るや否、更に泣き叫ぶ。
誰か助けて、そう思っていた。が、応える者はいない。この建物内にいる者達は皆、ジェイソンにより殺された。警備員も、コックも、使従者も皆、帰らぬ人となっている。
生き残っているのは彼等しかいない。つまり、応える者がいないのは事実であり、まだ知らないのも事実だ。しかし、女性の裸体を見ようとする彼は何かを思っていた。
「俺達はもうすぐ、世界を牛耳る存在になる……!」
男はそう思っていた。理由は鳳鈴音をスパイに出した事である。彼女は一夏とは知り合いである事を知ったのだ。軍事関係の際であるが男はそれを利用したのだ。
彼女が否定しても両親を殺すと脅した。そうすれば彼女も無くなく言う事を聞くしか無いのと、実行を移す他ないだろう。しかし、幾ら待っても彼女は一夏と接触した気配はない。
それどころか、クラス代表対抗戦で彼を侮辱し、更には未知の機体に一蹴されたのだ。後者は兎も角、前者に怒りを隠しきれないでいる。その事で学園側から苦情が来たからだ。
男は鈴に対して怒りを覚える中、女性を犯すと言う貪欲もある。が、鈴が一夏を連れてくる事を望んでいた。恐喝紛いな事をしているが揉み消す事で闇に葬ろうとしていた。
「俺達は中国の為に世界のトップに立つ……! アメリカや中国がどう思うが関係ない……!」
男はそう言いながら女性の身体を拘束した、女に覆い被さるようにしていたが彼女の胸を鷲掴みにするや否や、揉む。
「つ! ……ううっ……!」
女性は目を見開くが強く目を閉じた。もうダメだと諦めていた。しかし、男は涎を垂らしていた。もうすぐだ……そう思っていた。
「う……っ」
刹那、女は気を失った。恐怖で失神してしまったのだ。
「あん? おい、おい!」
男は女性の頬を叩く。しかし、起きる気配はない。男は彼女を見て舌打ちした。
「ちっ! 肝っ玉の小せぇ女だな!? ……だが」
男は唇を舐め回すように舌を動かす。
「気を失った女をやるのも悪くねえな?」
男はそう言いながら女性の下半身に手を伸ばす。軽く動かそうとした。
「あん?」
が、一瞬だけ暗くなっている事に気づく。それは、誰かが後ろにいるからであった。それは影のようにも思えるが男は誰かが後ろにいる事に気付いたのだ。
これでは下半身の物が衰えてしまう。そう感じて、怒っていた。
「誰だ……ひっ!?」
刹那、男は目を見開いた。同時に恐怖を感じた。何故なら、振り返った先には一人の大男がいたからだ。手には鉈を持っているが血が着いている事にも気づいたのだ。
しかし、その大男はジェイソンであった。彼は最後の獲物である男を殺しに部屋へと来たのだ。気配がないのも風のように消えたからであるが男を無言で見ていた。
いや、内心、怒りを隠しきれないでいた。この男は性行為を使用としていたからだ。忌まわしき過去を思い出させる意味でも怒りを感じていた。
性行為は自分を見捨てた原因でもある。それを思い出させた男には惨たらしい最後が相応しい、そう思っていた。証拠に手に持っている鉈は震えている。手に力を入れているからだ。
「ひ、ヒイィ……!?」
男は後退る。が、女性に気づくと、彼女を盾にしながら怒る。
「お、おい! 起きろ! 俺を守れ!」
男は女性に叫んだ。それは見るに耐えられない光景であった。権力者が自分よりも権力が下の者に対して守れと言っている。それは男としては恥ずかしく、情けない。
それでも一番偉い事を自覚しているのと、自分が死んだら中国はおしまいだ……そう思っている。が、彼がいる時点で中国は崩壊する。出来るなら善の心を持つ者が中国の最高指導者になれば良い。
が、権力は人を変える為、無理に等しい。中国だけではない、全世界にいる者達も権力を手に入れれば変わるだろう。全てとは限らないがそう思えざるをならないだろう。
男は女性に対して守れと叫び続ける。が、女性は未だに失神しており、起きる気配はない。一方でジェイソンはそんな男に怒りを感じつつも彼の方へと歩み寄る。
「く、来るな!」
男は女性に助けを求めるのを諦めると、ベッドからおり、その場を離れようとした。
「っ!?」
しかし、それは無理であった。理由はジェイソンはベッドの近くにまで迫っていたからだ。それにこの部屋は寝室であるが行き止まりではない、逃げ道はベランダしか無いからだ。
男はそれに気づきながらもベランダの方へと逃げる。しかし、ジェイソンも彼の後を追い掛ける。
「ヒッ、ヒィィ……!」
男はパンツ一丁でベランダの方へと逃げた。が、そこは行き止まりであり、逃げ道は無い。風が気持ちいいが全身を撫でている。が、彼は鳥肌を立てている。
震えている事を意味していた。それは、ジェイソンと言う怪物に怯えているが故であった。
「な、なんだお前は!?」
男はジェイソンに問い掛ける。しかし、ジェイソンは無言で彼に近づく。
「や、止めろ……そ、それに俺は誰かを知っているのか!?」
男は自分の事を変えに教える。が、彼は何も言わずに近づく。
「お、おい! 警備員はいねぇのか!? おい!?」
男はベランダから警備兵を呼ぶ。しかし、反応はない、それもその筈、建物内にいる者達は彼と女性を除き、全て殺されたのだ。
「ま、まさか!?」
男は気づいた。自分以外、殺されたのだと、女性の存在を忘れているのは単にそれを含めていないからであった。が、ジェイソンは男の前に止まっている。
自分よりも小さいが彼の巨体が良く判る。男か彼を見て震え続けている。同時に失禁していた。股間が温かく感じるが恐怖の現れでもあった。
「や、止めてくれ……!」
男は手を合わせながら懇願する。死にたくない、と言う我が儘であった。が、彼のした事は赦される事ではない。天誅が下されるのだ。その執行人はジェイソンである。
彼は一夏の命で遂行しているに過ぎない。彼は鉈を振り上げる。
「ま、待ってくれ! ……か、金を出す! 幾らでも出すから……!」
男は更に懇願する。泣いているが酷い顔であった。しかし、ジェイソンは無言で、振り下ろした……。
そして鉈は男の頭に食い込んでいた……。
「キャァァァ!!!!」
そして数分後、女性は目覚めるが大きな悲鳴が響き渡った。しかし、ジェイソンはもういなくなった後であるが、建物内は女性を除いて皆、鏖殺された。
そして、中国政府はジェイソン一人により、壊滅的な打撃を受けたのであった……それは中国全土を震撼させるに相応しい、惨惨たる事件であった……。
次回、土曜日の投稿はお休み致します。次回は日曜日からの投稿となります。