インフィニット・デスゲーム   作:ホラー

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第174話

「ねぇ、今日のニュース観た?」

「観たわ……怖い」

「そうよね……子供が、私達と同じくらいの子供達が皆殺されたのよ……!」

「それに何時殺されたのかは判らないけど、殺しの手口は愚か、手掛かりは殺し方以外、何も無いみたい……」

「嘘……怖いよ……それ」

 

 あれから二時間後、此処は一年一組の教室。そこには女子生徒達がいるが皆、今朝のニュースで話題となっていた。それは恐ろしくも残忍な殺人事件。

 日本全土を震撼させ、通勤ラッシュ時や家でのんびりしている者達もそれで怯えている。同時に警察も多方面からの要請で他に手が回せなく、非番の警官達を総動員させるのも漸くとの状態であった。

 しかし、犠牲となった子供達は皆、小学生から中学生、高校生と言った年もバラバラで共通点が見えない者達ばかりだった。犯人は何故彼等を殺したのか? どうやって多方面の、他の県にいる子供達を殺せたのか等で警察内部は困惑している。

 同時にニュースは愚か、新聞も緊急速報と言う意味で号外を出している。新聞はそれらの事で一面となっているが今は下火になる気配もない。

 それ以上にどの学校も、本土全てにある学校は今、緊急休校していた。事件が起きたのと子供達の安否、マスコミに取材される事を恐れているからだ。

 教育委員会もこれを重く受け止めているが政府もその事で対応に追われていた。が、IS学園も例外ではないが彼女達を学園に登校させている。 

 理由は単独での行動を赦されないからだった。IS学園にはSP等が配置されているが学園に集中させている意味で集めている。同時に教師達は緊急の教員会議に参加しており、自習となっているのだ。その証拠に黒板には自習の字がデカデカと書かれている。

 無論、彼女等も事件の事を知って困惑しているのだ。生徒達は、周りは事件の事で恐怖している。

 

「…………」

 

 そんな中、一夏も教室に居るが自分の席に座っていた。周りを見渡しているが何れも事件の事で話題を出している。が、一夏は彼女等を観て溜息を漏らす。

 彼は事件の、否、それを引き起こした者を知っている。夢見一彦、彼だからだ。彼はプレイヤーの一人であるが恐らく、彼は命令したのだろう。

 自分が連れている殺人鬼、フレディに頼んで。彼は一彦がフレディを引き連れている事を知っている。否、あの殺し方はフレディしかいないのではなく直感でもある。

 同時に一彦が計画の事を教えたのと子供を殺したのは一彦自身がフレディを引き連れている事を教えているからだ。が、それ以上にあの少女のお陰でもあるのだ。

 楯無、彼女の右腕にある爪で斬られたような傷跡で全てを察知したからだ。一彦が引き連れている殺人鬼はフレディ、決定的な証拠かつ、楯無の傷がそれを教えてくれたからだ。

 一夏はそれに気づきながらも楯無に訊ねなかったのには理由があるがそれは一彦に教える以外、誰にも言っていない。一夏は何時の間にか思考を走らせているが彼は気にもしないだろう。

 そんな中、彼に近づく者達がいた。一夏は気配を感じ、其方の方を見る。そこには彼女等がいた。簪と本音である。二人は困惑しているが微かに怯えていた。

 彼女等もニュースを観たからだろうが彼女等は一夏に近づいたのも彼から話を聞く為か、不安を隠せず彼に甘えているのかは彼女等にしか判らない。

 後者の方が強いが一夏は彼女等を見て訊ねた。

 

「どうか……したのか?」

「うん……ちょっと……ね」

「オリム〜〜」

 

 簪と本音は一夏を見てそう答えた。が、恐怖している事に変わりは無い。が、簪は先を続ける。

 

「織斑さん……今朝のニュース……」

「ああ、知ってる……それがどうした?」

「ううん……織斑さんはどう……思うの?」

「何がだ?」

 

 簪の言葉に一夏は眉を顰める。それを見た簪は微かに震えるが彼を怒らせたのではないのかと思ったのだ。しかし、彼は別にその事を気にもしていないが自然とその表情を浮かべてしまったのだ。

 簪から見れば怒っていると誤解されている。しかし、そんな彼女に本音が助け舟を出す意味で割って入る。

 

「オリムーーオリムーーはどう思うの〜?」

「……今朝の奴か?」

「そうだよ〜〜あの事件は……う〜〜」

 

 本音は泣きそうになる。彼女もあのニュースで震えているが今はそれを話題に出せないでいた。何か厭な予感は愚か、出してはいけないと思ったのだ。

 明るい話題も出せないのと、話題を変える事も出来ないと彼女自身は気づいていた。が、会話が進まない、そう感じてしまっている。本音は何とか話題を出そうと探すが出来ないでいた。

 

「……話題を出すな」

 

 刹那、彼はそう呟いた。これには本音は愚か、簪も瞠目するが彼は舌打ちすると、目を逸らした。

 

「……そんな話題を出しても、現状は変わらない」

 

 彼は再びそう呟いた。が、一夏はある事に気づいていた。それは本音が言いたい事を察知したのだ。が、それはニュースに勝る物ではないのだ。

 それにそれ以上の話題は無いに等しく、無理な話でもあるのだ。一夏はそれに気づきながらも本音の言いたい事を止めたのは彼女の為にはならない。

 否、無駄な時間とも言える為、苦痛でしかないのだ。一夏はそれに気づくが矛盾している意味である事を簪に言った。

 

「それよりも簪……」

「えっ……な、何かな?」

 

 簪は一夏を見て困惑するが一夏は目を逸らしながら呟いた。

 

「あまり……気にするんじゃねぇ……」

「えっ?」

 

 彼の言葉に簪は目を見開いた。彼は自分を気に掛けるような事を言ったのだ。これには簪は驚かない方が凄いが彼女には無理な話だ。突然敵な事に目を見開いているが簪は困惑する。が、微かだが頬を紅くしてしまった。

 彼には助けられてばかりでもあるがそれが原因なのかもしれない。簪は自分が一夏に対して何かの感情を抱くがそれに気づいているが彼女はそれを言えないでいた。

 彼は従者、それだけは気づいているが立場を気にしている為、言えないでいる。

 

「……どうした?」

 

 一夏は簪の様子に気づくが簪は微かに頬を紅くしたまま俯くと、互いの一差し指をチョンチョンと当てていた。が、本音は簪の様子に気づく。

 

「(かんちゃん……!?)」

 

 本音は簪の様子に気づいた。が、それは簪が彼に対して、何かの感情を抱いている。それは恐らく……本音はそれに気づくがこの状況を喜べないでいるのだ。

 今朝のニュースの事もあるがこれは何れ言うまで黙っておこう、本音はそう思ったのだが簪は一夏に対して困惑している。一方で一夏は簪の様子に気づく。

 

「…………

 

 が、彼はふと、ある視線に気づく。

 それは窓側の席からだった。そこには、ある少女が座っていた。言わなくても箒である。彼女は自分を、否、簪を睨んでいた。泣いているようにも見えるが怒っているのだ。

 その視線は嫉妬とも言えた。彼女は簪に対して嫉妬しているのだ。それは何かまでは判らないが自分と話をしている簪に対して羨ましいのだろう。

 しかし、自分は箒と話す気はない。一緒にいる理由も無いが自分には人と関わる気は毛頭とは言えないが無いに等しいのだ。が、箒は一夏に気づくと微かに辛そうに目を逸らす。

 一夏の拒絶を恐れているからだ。同時に彼と話をしたい。そう思っていた。しかし、嫌われる事を恐れている為に言えないでいた。箒は自分の無力さに怒りを感じているがそれを吐き出せないでいた。

 

「……フン」

 

 一夏は箒を見た後、再び簪を見る。彼女は未だに恥ずかしそうに俯いているが何時までそうしているのかは彼には判らない。一夏は簪に呆れるが本音は簪を見て困惑しつつも微かに応援したい気持ちで一杯だった。その証拠に彼女は微かに頬を紅くしているのだ。

 

「………ハァ」

 

 そんな中、別の席では一人の少女が困惑していた。同時にある感情を沸き出させていた。それは恋でもあった。その相手は昨日、自分を助けてくれた者にだった。

 その人物との邂逅は試合の際でもあるが最初は考えていなかった。が、彼はある人物とは瓜二つであるが今は医務室にいる為、此処には居ない。

 ラウラもそうであるが今は彼と二人っきりである。

 

「……ッ」

 

 刹那、少女は顔を赤らめながら顔を覆い隠す。やはり彼を思い出してしまう。が、彼は男性操縦者でもあるがどうすれば良いのかも解らなかった。

 その所為でもあるが彼女は、シャルは彼に、二夏に対して恋に落ちたのだった。

 

「…………」

 

 が、シャルがそんな事を考えている事をつゆ知らずに一夏は表情を険しくしていた。

 簪や本音、箒を見ていない。彼はスマートフォンを手にしているが画面を睨んでいたのだ。それはさっき、メールが来たからだ。そのメールは紅かったのだ。

 一夏はそれに気づき眉を顰めていたがそのメールの内容を見たからだった。そのメールの内容には、こう書かれていた。

 

 

『件名、夢見一彦からの通達『今宵、否、今夜十二時、全てのプレイヤー達の殺し合いによる愉しいゲームを行なうから、後、強制参加だからね? 追伸、遅れないでね〜〜』と by主催者』

 

 一夏はそのメールを見て眉を顰めていた。が、彼は知らないだろうが一美も、一也も、そしてピンヘッドのプレイヤーも見ているのだ。そして全員、一彦のお願いにより集結するのを彼等は知らない。

 そして、誰かが死ぬ事も知らない……。

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