インフィニット・デスゲーム   作:ホラー

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第188話

「何だ……貴様等は」

 

 一夏は自分達を囲んでいる異形の化物達を見て眉を顰める。一也も眉を顰めているが楯無は驚き、一美は怯えていた。一方で目や歯釘が剥き出しの化物は彼等を見たまま何も言わない。

 更には案山子の化物、巨大な鋏を持った少年の化物。青白い肌かつ全裸であり、顔面ブサイクの化物が彼等を取り囲んでいた。彼等は動く気配はない。

 一夏達が動けば、直ぐにでも動くのだろう。が、煽っていた。案山子の化物や全裸の化物は唸り声を上げ、少年の化物は鋏をシャキ、シャキと開けたり閉じたりしている。

 化物らしく、彼等に恐怖を与えている。自分達の得意分野で煽っている。

 

「……っ」

 

 効果はあった。一美は彼等を見て怯える。涙目になっているが少女から見れば恐怖でしかないのだった。楯無は驚いているが言葉を失っている。

 少女達から見ればだろうが青年達は違う。彼等は化物達を見て何も動じない。恐怖もない。汗を流す気配もない。一夏達や化物達は動かない。

 何方かが動かない限り、此の状況は続く。

 

「グギャァァァァ!!」

 

 突如、全身が青白い肌の全裸の化物が叫び声を上げながら一夏達目掛けて走る

 

「!!」

 

 一夏は楯無を突き飛ばす。彼女は尻餅を突くが一夏は武器を展開した。一丁のハンドガンであるが彼はその化物の眉間に向けて発砲した。刹那、化物は吹っ飛ばされ、仰向けに倒れる。

 同時に、一夏は足で楯無に触れ、更にはウィングスラスターを展開し、そこから黒い霧を噴射させる。これには化物達は驚くが目や歯釘が剥き出しの大男だけは違った。

 彼は霧を見ても動じないが他の化物達は霧に怯む中、一夏達は風のように消えた。そして、彼等はある場所へと向かったのだった。

 

 

 ここは廃工場内にある休憩室。そこには長年放置された椅子やテーブルは兎も角、洗面所、冷蔵庫、自動販売機、テレビ等が置かれているが全て放置された所為で使えなくなっていた。窓もある割れてたり、錆びたりしている。

 そんな場所に、ある者達が風のように姿を現す。一夏達だった。彼等は此の場所へと来たのだった。

 

「……いないな」

 

 一夏は辺りを見渡すが彼等がいない事に気付く。そんな彼に対し、一也は舌打ちし、一美は彼からは離れる。

 

「お、織斑君……?」

 

 尻餅を突いている楯無は驚きながら一夏を見る。彼は何も言わないがハンドガンを見ていた。一美は泣き続けているが一也は辺りを見渡している。

 

「お、織斑君……さっきの奴等……!?」

 

 楯無は立ち上がるが彼に詰め寄る。しかし、一夏は何も言わない。それどころか、視線をハンドガンから彼女の方へと向ける。冷ややかな目で見ているが楯無は目を見開く。

 彼女は奴等が何者かを一夏から訊きたかった。が、一夏も彼等が何者なのかは知らない。それを言わないのも知らないからだが楯無は一夏に訊ね続けている。

 

「ねえ織斑君! ねえってば!」

「…………」

「織斑君!!」

 

 楯無は一夏に詰め寄る。刹那、彼等の近くから、ある者達が風のように姿を現す。一夏達は気付くが一夏はハンドガンを構え、一也は身構える。楯無は驚くが一美は一夏の後ろに隠れる。

 彼等は同じ方を向いているがその者達は二体だけだった。

 

「……お前は……!」

 

 一夏は二体の内、一体の化物を見て眉を顰める。その者はチェーンソーを持っているが屈強な体つきの大男。私服はヨレヨレであるがエプロンを付けている。それ以上に顔には布を縫い合わせたような物を被っているのだ。

 

「えっ!?」

 

 楯無も驚いていた。彼女も良く知っているのだ。奴は、此の前現れたが一夏が倒したのだ。青年と共に。そして、その大男はレザーフェイスだった。彼は自分を引き連れた青年が倒された為に同時に消えた筈の殺人鬼だったのだ。

 彼が何故此処に居るのかは判らない。現世に留まっている理由さえも知らない。一夏は彼がいる事に不信感を抱くが。

 

「何故、いる……?」

 

 一夏はレザーフェイスらしき者に訊ねる。が、レザーは何も言わない。同時に彼の隣にはある化物がいた。顔が焼け爛れているようにも見える。服はヨレヨレであるが手に大きなハンマーを持っていた。

 何方も異常であるが化物に変わりはない。一夏と一也はそう気付くが彼等を相手にするつもりだった。一美は一夏の後ろに隠れたまま動かないのと、楯無は驚いている。

 

「ガァァァ!!」

「……!!」

 

 突如、レザーと焼け爛れた顔の化物が持ってる武器で彼等に襲いかかる。一夏達は風のように消えるがその場から逃げた訳ではない。彼等は直ぐに現れた。化物達とは少し離れた場所に現れた。

 

「……!」

 

 一夏は楯無を突き飛ばす。

 

「キャッ!」

 

 彼女は尻餅を突くが一夏は一美に言った。

 

「小娘、更識を」

「えっ?」

 

 一夏の言葉に一美は驚くが一夏は彼女を睨む。

 

「ひっ!」

 

 これには一美も怯えるが慌てて楯無の方へと駆け寄り、抱き着く。

 

「一……!」

 

 楯無は一美の行動に驚くが何かを言う前に一美は楯無を連れて、風のように消えた。そして、一夏は視線を彼等に向ける。一也はさtぅ木から彼等の方を見ているが彼等、化物達は一夏と一也を見ていた。何方も声を上げていないが武器を構えている。

 顔が焼け爛れている男はハンマーを、レザーはチェーンソーを軽く振っている。一夏はハンドガンを、一也はある武器を展開する。アサルトライフルだった、彼はそれを化物達に対し、向ける。

 一夏と一也、レザーと顔が焼け爛れている化物は自分達が持っている武器を放す気配はない、その場から逃げる気配もない。一触即発の状態でもあった。

 

「ガァァァ!」

 

 刹那、レザーはチェーンソーを振り回しながら一夏と一也に迫る。一夏と一也は彼の行動に気付くがお互いが持ってる武器を彼に向けると、引き金を引いた。

 ハンドガンの銃口からは一発、一発と銃弾が放たれ、アサルトライフルからは連続で銃弾が放たれる。それら全てはレザーの身体に、銃弾の雨を浴びせる。

 レザーも銃弾の雨に怯むがチェンソーを落とし、膝を突くと俯せに倒れた。その間に、顔が焼け爛れた男は足を引きずるように側面へと回り込んでいた。それも、一夏の方へと迫っていた。

 

「!?」

 

 一夏はその化物に気付くがハンドガンを化物の方へと向けた。引き金を引くが最悪な事に弾切れを起こす。

 

「っ!?」

 

 一夏はハンドガンに気付くが顔が焼け爛れた男は一夏に迫りながらハンマー振り上げる。一夏の脳天を割ろうとしていた。一夏はそれに気付くが彼は風のように消える。

 顔が焼け爛れている男のハンマーは空振りに終わるが一夏は彼の横に現れた。そして彼は顔が焼け爛れた男の脇腹に回し蹴りを喰らわす。化物は一夏の攻撃に身体を前のめりにするが一夏は再び風のように消えた。

 刹那、一也は顔が焼け爛れた男の方を見るや否や、アサルトライフルで彼に銃弾の雨を浴びせる。化物は怯むがアサルトライフルで銃弾の雨を浴びせ続けていた。

 が、銃口からは銃弾が出なくなる。一也は眉を顰めるが顔が焼け爛れた男は一也に気付くが銃弾の雨により怯んでいたが彼の前に一夏が姿を現す。

 そして、彼はその化物に対して、足蹴りした。化物は仰向けに叩き付けられるが起き上がる気配はなかった。

 

「「…………」」

 

 一夏と一也は彼を見下ろす。気を失っているか、死んでいるのかは判らない。同時にレザーも俯せに倒れているが起き上がる気配はない。

 彼等はそれに気付くが互いの相手を見る。何方も険しい表情を浮かべているが今は共闘している。何方も倒すべき敵である事は認識しているが今は耐えているのだった。

 

「……お」

 

 一也が一夏に何かを訊ねようとした時、一夏の後ろからある化物が現れた。一也は驚くが一夏は後ろに気付く、振りかえようとした。刹那、血飛沫が辺りに飛び散る。

 それは真っ赤かつ、鮮血。その血は、一夏の物だった。そして、出所は彼の左肩からだった。

 

「があっ……!」

 

 一夏は目を見開くが左の肩口から激痛を感じ、声を上げる。しかし、彼の肩口から血が勝手に出た訳ではない、その原因は、ある化物が彼の肩口に噛み付いているからだ。

 同時にその化物は青白いはだが特徴的かつ、全裸の化物だった。しかし、その化物の眉間には風穴はない。それは別の個体とも言えた。その化物は一夏の肩口に噛み付いているが彼の腹に……。

 刹那、化物は一夏の脇腹を手で抉り、切り裂く。同時に赤い血が辺りに飛び散るが一夏は声を上げた。

 

「あぁぁーーーーっ……!!!」

 

 一夏は声を上げるが彼に切られた脇腹から血が大量に飛び散るが、彼の腸が顔を覗かせるように見え隠れしていた。

 そして、化物は一夏の肩口を口で裂いた。刹那、一夏の肩口から血が噴き出るが人肉も見えていた。




 次回の投稿はお休み致します。次回は日曜日からの投稿となります。
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