インフィニット・デスゲーム   作:ホラー

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第191話

「や、奴は何を……!?」

 

 楯無は白い仮面の大男が仲間であろう化物達を退かせた事に驚きを隠せない。一美は目を見開いているがジェイソンは彼の行動に驚きもせず、ジッと見ていた。

 一方の白い仮面の大男はジェイソンを見据え続けているが動く気配はない。まるで、獲物を逃がさず、誰かを求めている。だれかまでは判断出来た、獲物は彼しかいないのだ。

 か弱い少女達ではなく、自分と同じ体格かつ、の巨躯の男で仮面を着けている事。共通しているかもしれないが彼、白い大男はジェイソンに狙いを定めていた。

 ジェイソンはジッと見続けているがふと、肩越しで楯無と一美の二人を見る。彼女達は彼の視線に気付く。

 

「ど、どうしたのよ……?」

 

 楯無はジェイソンの視線に気付くが彼は何も言わない。まるで何かを訴えているが楯無はそれに気付くまで数秒は掛かった。逆にそれに気付くと目を見開く。

 

「まさか……っ」

 

 楯無は下唇を噛んだ。ジェイソンの目的を知ったのだ。彼は、あの白い仮面の大男と一対一の勝負をしょうとしている。勝てるかどうか以前に相手は、どのくらい強いのかも判らない。

 彼が勝てるかどうかも判らないが力も五分五分なのかもしれないのだ。楯無はジェイソンを莫迦にしている訳ではないが彼は本気である事に気づく。

 さっきから見ている事が何よりの証拠だった。自分達がいると邪魔になる、そう訴えているのだった。彼女はそれにも気付くと一美を見る。

 

「一美ちゃん……」

「お姉ちゃん?」

 

 楯無は一美に気付く。優しい表情を浮かべているが一美を刺激しないようにする為でもあった。彼女の言葉に一美は微かに驚くが楯無は彼女を見ながら屈むと、先を続ける。

 

「一美ちゃん……織斑君みたいに出来る?」

「えっ?」

「風のように消える事、が?」

「えっ……そ、それって」

「出来るわよね?」

「で、でも……」

 

 一美はジェイソンの方を見る。彼は一美を見ていた。これには一美は肩を震わせるが楯無を見る。彼女は優しい表情を浮かべたまま何も言わない。

 それは自分達だけでも逃げる事を意味していた。一美はそれに気付くが子供である彼女でも判る事だった。しかし、ジェイソンはさっきから見ているだけであり、何もして来ない。

 一美は楯無とジェイソンを交互に見るが楯無は彼女の方に手を置く。

 

「大丈夫よ……奴は」

 

 楯無はジェイソンの方を見る、一蹴んで険しい表情を浮かべる。ジェイソンは彼女の視線に気付くが何も言わない。元からでもあるが楯無は頷く。

 

「此処は癪かも知れないけど、頼むしかないのよ」

「でも……」

 

 一美は困惑するが楯無は彼女の方を見る。哀しい表情へと変え、頷く。

 

「お願い、奴に任せるしかない……それに私達は、織斑君と合流するのが先なのよ……」

「…………」

「大丈夫、奴なら」

「……うん」

 

 一美はゆっくりと頷く。刹那、一美は彼女を巻き込むように連れて行く意味で、風のように消えた。そしてそこにはジェイソンと白い仮面の大男しかいない。

 

「キ、キ、キ、マ、マ、マ……」

 

 ジェイソンは白い仮面の大男を見据える。彼はさっきから見ているが動く気配はない。楯無と一美が話をしている間、じっとしていたのだ。

 紳士とも言えるが邪魔だとも認識しているのだろう。白い仮面の大男にしか判らないが彼はくぐもった声を出す。

 

「我……トラッパー……我ガ主、ピンヘッドノ為……プレイヤー……皆殺シ二スル」

 

 白い仮面の大男、トラッパーはジェイソンに対して、そう言った。ジェイソンはトラッパーの発言に驚きはしないが手を鳴らす。戦え、そう訴えていた。

 トラッパーはジェイソンの行動に驚かないが彼は鉈らしき武器を軽く振る。

 

「「…………」」

 

 ジェイソンとトラッパーは互いの相手を見据える。何方も準備万端だった。何方が動かない限り、動かない。

 

「「……!」」

 

 しかし、動いたのは両方だった。彼等は足早で歩きながら迫る。が、トラッパーは鉈に近い武器を振り上げる。

 ジェイソンは何もしないがトラッパーは武器を振り下ろす。ジェイソンの脳天を斬ろうとした。が、ジェイソンはそれを、武器を持っているトラッパーの手首を掴む事で防いだ。

 トラッパーは手首を掴まれているがもう片方の手でジェイソンを殴ろうとし、彼の顔面目掛けてパンチを繰り出す。が、ジェイソンはそれを掌で包むように受け止めると、力を入れて両手を左右に広げる。それに釣られるようにトラッパーの両腕も左右に広げられるがジェイソンは彼の額に頭突きを喰らわす。

 トラッパーは怯むがジェイソンは彼の手を離すと、少し下がり、彼の右頬を殴る。トラッパーはジェイソンの攻撃を喰らうが武器を落としてしまう。それでもジェイソンはもう一度彼に対し、今度は左頬を殴る。

 刹那、大きな音が響いた。同時にジェイソンは驚いたかのように彼を見ていた。トラッパーは、彼の左頬にはジェイソンの拳が彼の頬を殴るようにあった。

 が、トラッパーはそれを受け止めていたのだ。そして、彼はジェイソンの方を見る。力強くであるがジェイソンの腕は押されるように後退する。

 刹那、トラッパーはジェイソンの方を見た。顔に力を入れてだった。これには彼の左頬を殴っていたジェイソンの腕は弾かれる。その直後、トラッパーは彼の顔を殴る。真正面を捉えていたがジェイソンは怯み、後退してしまう。

 それでも、トラッパーはジェイソンに手を伸ばし、胸倉を掴み、自分の方へと引き寄せながら彼に頭突きした。大きな音がした。トラッパーの頭突きがジェイソンの額を捉えていたからだ。

 ジェイソンは何を思っているのかは彼にしか判らないがトラッパーは彼の胸倉を放し、手で押した。ジェイソンは後退するが膝を突く。激痛に堪えられなかったのだ。

 無理もない、彼は復活して間もない為、上手く力を出せないでいた。万全だったらどうなっていたのかは判らないが押されていた。そんな彼をトラッパーは手を休める気配はない。彼はジェイソンの頭を片手で鷲掴みにすると、もう片方の手を拳に変え、彼の顔面を殴る。

 メキ、メキと何かの砕かれる音がしたがトラッパーは彼を放すとジェイソンは倒れそうになる。

 が、トラッパーは容赦なく、今度は足で彼の顔を蹴ると、そのままジェイソンを仰向けに倒そうとした。刹那、ジェイソンは風のように消えた。

 トラッパーは驚くが彼の足は地面を踏み付ける形となった。そして、ジェイソンは逃げた……訳じゃない、彼はトラッパーの直ぐ後ろに現れたのだ。そして、彼の背中を蹴る。

 彼の蹴りにトラッパーは俯せに倒れるが大きな音がした。しかし、ジェイソンは彼の足首を掴むと、そのまま一本背負いした。トラッパーは再び地面に直撃するが叩き付けられていた。

 それでも、ジェイソンは今度は彼を壁の方へと投げた。彼は壁に叩き付けられるが壁は彼を受け止められないのか破壊され、彼は壁の向こう側へと行ってしまった。

 隣は通路であるがトラッパーは地面に叩き付けられ、その後に、二、三回転がる。起き上がる気配はなかった。同時にジェイソンも何故か膝を突く。

 さっきのダメージは愚か、万全な状態ではなかった為、動くのもやっとだからだ。彼は膝を突いた後、そのまま俯せに倒れた。起き上がる気配はない。そして、そのまま放置される形でその場に倒れ続けていた。

 トラッパーも倒れ続けているが起き上がる気配はなかった。

 

 

「……此処は?」

 

 その頃、楯無と一美は後の事をジェイソンに任せ、何処かに居た。そこはさっきとは別の場所であったが更衣室だった。そこは男性か女性かも判らないが一美は楯無を連れて、此処に来たのだった。

 楯無は辺りを見渡すが一美はロッカー室にあるベンチに腰掛ける。錆び付いているのと埃が溜まっているが彼女はそれを気にしつつ座ったのだが彼女は俯いていた。

 

「一美ちゃん?」

 

 楯無は彼女の様子に気付き、心配そうに訊ねる。彼女は俯いているが怯えていた。さっきの化物と良い、この状況から早く逃げたかったのだ。

 しかし、そうなれば一夏を置いていく事になるのだ。それだけは出来ないのとどうすれば此処から脱出出来るかを考えていたのだ。

 

「……一美ちゃん」

 

 楯無は心配そうに見た後、彼女の前に立ち、その場で片膝を突こうとした。

 

「どうした?」

 

 刹那、近くから声が聞こえ、楯無は驚きながら、一美は目を見開きながら顔を上げる。二人は声がした方を見やるがそこには、彼が居た。

 

「お、織斑君……!?」

 

 そこに居たのは一夏だった。彼は眉を顰めながら二人を見ていたが腕を組んでいた。しかし、彼は男の手によって命からがら、生還したのだった。同時に楯無は彼の肩口を見て、驚きを隠せなかった。

 

 

 そしてその頃、別の場所では、一彦とフレディが化物相手に苦戦を強いられていたのだった。

 

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