インフィニット・デスゲーム 作:ホラー
「どうしたの?」
楯無は一夏の様子に気付くが一夏は扉の方を見ていた。彼は扉の、それの向こう側に何かがいる事に気付いたのだ。恐れく、化物達だろう。
自分達の居場所を、血の臭いを嗅ぎ付けて、集まったのかもしれない。一夏はそう気付くが彼は楯無と一美を見る。彼女等は心配そうに見ているが一夏は溜め息を吐いた。
「……お前等、此処を離れるぞ」
「たぁっ! てぁっ!」
その頃、一彦は槍でレイスを相手にしていた。一彦を相手にしているレイスは無言であるが彼は武器で応戦し、躱し、反撃したりしていた。
一彦も槍で応戦しているが五分五分であった。そんな中、一彦はレイスの腹を槍で撲ろうと振り回す。レイスはそれを風のように消える事で躱した。
一彦は軽く笑うが彼は身を翻しながら槍を振り回し続けていた。それは、後ろを薙ぎ払うようにする為だった。刹那、槍の柄がある人物の脇腹を撲る。
その人物とはレイスだった。彼は一彦の、彼が無防備に背中を向けた所を攻撃しょうとしていた。しかし、それは一彦に詠まれていたのだった。
無理もない、レイスは一彦に対し、同じ事をしてしまったからだ。一夏の時もそうであるが彼は気配を消しながらも直ぐ近くにいたのだ。それは彼の行動でもあるが同じ手を喰らう筈もない。
相手は限られているが一彦はプレイヤーの一人かつ、敵の行動範囲を詠む事まで考えている。一夏がプレイヤーである事や、他の奴等が動くのを警戒している。
そんな彼は知識だけでなく、実力もあるのだ。即断力にも長けているのだ。彼はレイスの行動範囲かつ、彼の動きを詠んでいたのだ。彼は消える度に、近くに現れて攻撃してくる。
何度もすれば行動パターンも詠む事が出来るのだ。一彦はそれを彼には言わないがレイスは脇腹を撲られ後退るが脇腹を抑えながら一彦を見る。
彼は不敵な笑みを浮かべていた。自分を倒せる事が出来る、そう感じているからだ。レイスは彼を見て武器を持ってる手に力を入れるが不意にハントレスを見る。
彼女は斧を肩に掛けながら首を傾げていた。が、口は笑っているように両角を上げていた。力を貸してやろうか? そう教えていた。これにはレイスは微かに怒るが一彦を見る。
彼は笑い続けているが余裕さえも感じられる。レイスは侮辱された気分を感じるが彼は武器を軽く振った。刹那、大きな爆発音と共に床が崩れ落ちる。
「えっ?」
「!?」
一彦とレイスは床が崩れた事に驚くが彼等は床の下、つまり、下の階に落ちていった。ハントレスは驚くが二人は。
「つっ……!」
「……!!」
二人は下の階、天井の破片の上で軽く痛みを感じていた。一彦は槍を持っておらず、頭を抑える。レイスは武器を持っているが頭から血を流している。
何方も軽く怯んでいるが一彦は不意に視線を走らす。彼は軽く目を見開いた。そこには、視線の先には一人の青年がいた。その青年は一也だった。
彼はIS、ゾディアックを纏っているが胴体部分と両腕部分だけを展開していた。手にはグレネードランチャーを持っているがそれで天井を、否、自分達から見れば床を撃ったのだろう。
彼は自分達がいる事に気付いたのだがISを起動したのも、自分達の居場所を判明させる為であるのと同時に、ISが自分達が上の階にいる事を教えたからだろう。
一彦はそれに気付くが一也は眉を顰めていた。彼は一彦を見つけた事と、今までの御礼を返そうとしているのだった。それにブギーマンは青白い肌の顔面不細工の化物達を相手にしている。
何方が勝つかは向こうだろう。数で押す事も出来るがブギーマンは殿を務める意味で足止めしてくれている。一彦を倒すまで、持ちこたえてくれるのかは彼に懸かっている。
一也はそれに気付きながらも一彦を睨み続けていた。
「あれ? 君は……」
一彦は一也を見て首を傾げているが軽く笑っていた。が、その笑いは一也を苛立たせる意味にも近く、煽る意味にも近かった。彼は舌打ちすると、グレネードランチャーを彼に向ける。
刹那、一也の近くにある人物が風のように現れる。これには一也も目を見開くがその人物は手に持っている斧で彼の身体に斬った。その人物はハントレスだった。
彼女はレイスを助けるべく、一也を攻撃したのだ。一方でレイスはその場を動かなかったが視線を逸らさない為でもあった。
「っ!?』
これには一也も突然の事で驚くが一彦はそれをチャンスと思い、砲身を展開すると、砲口を彼等に向けた。同時に、砲弾が放たれ、同時に大きな破裂音が室内に響き渡り、周辺にも響き渡った。
「…………」
「っ!?」
「ひっ!」
その頃、その大きな破裂音に驚いている者達がいた。一夏達である。彼等は廃工場内の通路内に居た。一夏を先頭に、楯無は一美と手を繋ぎながら歩いていたが破裂音に怯んでいた。
一夏は眉を顰めているが怯んでおらず、楯無と一美だけが怯んでいた。一夏は辺りを見るが何所から破裂音が響いたのかを探っているのだ。
同時に辺りを警戒していた。あの化物達は何処かにいる。最悪、邂逅すれば殺されかねない。ジェイソンは今、トラッパーを相手にしていたが復活して間もない為にトラッパーを何とか倒したが自分も倒れた為にまた、戦闘不能に近い意味で行動出来ない。
今は自分でどうにかしなければならない状況だった。一夏はそれに気付き舌打ちするが彼に訊ねる者がいた。楯無だ。
「織斑君……」
楯無が一夏に訊ねる。彼女の言葉に一夏は眉を顰めながら彼女を見る。楯無は怯えていた、困惑していた。この状況をどうするのか? どうして何時までも此処に居るのかを疑問に思っていた。
逃げる方が良いのと、今の状況では自分達は不利である事に気づいていた。楯無はそれを一夏に言いたかったが彼は無言だった。彼女は自分に対して、逃げるよう言ってる。
それはゲームから逃げる意味にも近いかたらだ。それは一夏から見れば屈辱的かつ、愚かな行為でもあるからだ。一夏はそれを納得しておらず、拒む方を選ぶ。
彼は楯無を見続けているが彼女は一夏を心配しているからだった。一美は怯えながら見ているが更に破裂音が響く。
「きゃっ!」
「うわっ!」
楯無と一美は声を上げるが一夏は辺りを見渡し続けている。それだけでなく、破裂音は何度も響いていた。それ以上に何かが破壊される音が幾つも聴こえる。
まるで何かが起こっている。それも、何者達かが闘っている、一夏はそう気付いたのだ。彼は音の元を捜そうと歩き出そうとした。刹那、奥から何かを漕ぐような音が聴こえた。一夏は眉を顰めるが楯無と一美はその音に気付き軽く驚く。
しかし、何かを漕ぐ音は一夏達に近づくように大きくなっていく。一夏達は奥を見ていたが何かが姿を現した。一夏は眉を顰めるが楯無と一美は愕然とした。
それは人形だった。その人形は三輪車を漕いでいるが前の車輪が大きく、後ろの二つの車輪は小さかったのだ。が、その人形は異形その者だった。
白い肌に大きく見開いた黒い目に赤い眼球。黒いスーツを着ているが紅い蝶ネクタイを着けている。が、不気味とも言える者だった。その人形は一夏達を見ているが口を開く。
「やあ……そして死ね!」
人形はそう言った後、高笑いした。これには一夏は兎も角、楯無と一美は更に驚くが人形高笑いし続けていた。まるで獲物を見つけたような笑いだった。
一夏達は人形達を見て驚いているが奥から足音が聴こえ、それに気付く。それも大きくなっていく意味で近づいてくる。
一夏は警戒するが、楯無は一美を後ろに隠しながら警戒する。刹那、その何かは人形の直ぐ近くまで来る意味で姿を見せた。
「きゃぁぁぁ!」
一美は声を上げた、同時に泣き始める。楯無は身体を震わせているが一夏は何も言わずそれを睨んでいた。それは人であるが化物だった。全身、紅いコートを着ているが血が付いていた。右手には剣があるが刃しかない。
が、それ以上に顔が異常だった。髪はあるが豚の顔だった。血が着いている豚の顔をしていた。少女達から見れば恐怖でしかないが一夏は舌打ちした。
あれも殺人鬼なのか? と。もしもそうならばあれを相手にしなければならない。彼はそう気付いたのだった。が、一夏の前にある人物が現れた。
「……お前は……!?」
一夏はその人物を見て驚く。楯無と一美はその人物を見て驚くが楯無は警戒し、一美は泣きじゃくる。人形は何も感じていないが豚の顔をした化物も何も動じていなかった。
が、その人物は一夏が良く知っていた者だった。全身が黒い作業着であり、ライト付きのガスマスクを着けていた。手には鶴嘴を持っているが一夏はその人物を見て微かに辺りを見渡していた。
まさか……。一夏の脳裏に忌まわしい過去が蘇る。しかし、それは直ぐに掻き消される意味で思い出せなくなった。そして、一夏はそのガスマスクの者を見て口を開いた。
「ハリー・ウォーデン……!」
一夏は彼を、ハリー・ウォーデンと呼んだ。彼は一夏がジェイソンと共に最初に倒したプレイヤーが引き連れていた殺人鬼だった。
そして、一夏は知らないだろうが彼は、主催者により、一夏が引き連れているジェイソンに続き、もう一体引き連れる意味で蘇った殺人鬼であり、一夏の二人めの殺人鬼でもあった。