IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
この調子だと、多分あと一~二話だと思います。
戦い始めておよそ三十分ーー
春十「一夏、まだ見つからないのか!?」
一夏「まだだ!なかなか弱点が見えないんだ!」
しかし、一夏は未だドラゴーヤの弱点部位を見つけられずにいた。
一夏「ラウラ、AICはあとどれくらい保つ!?」
ラウラ「くっ、奴が抵抗するせいで負荷が掛かり過ぎている!このままでは直に使えなくなるぞ!」
箒A「一夏、急げ!」
一夏「分かってる、皆ももう少し耐えてくれ!」
一夏がそう言うが、全員の体は既に限界に近づいていた。何せドラゴーヤがAICから逃れようとして火球を辺りに吐き散らす等の抵抗が激しく、それの対処によって体力を大きく消耗していたからだ。しかもドラゴーヤの巨体によって行動範囲が狭められ、回避の為に集中力も段々と切れていく。
『ガアアアア!!』
ドラゴーヤはそんな事を知る由もなく、相変わらず火球を続けざまに吐いてくる。
ラウラ「ぐっ、負荷が強過ぎる……っ、まずい!」
すると遂に耐え切れなくなったのか、ラウラのISがスパークを放ち始めた。
春十「ラウラ、もういい!AICを止めろ!それ以上は危険だ!」
ラウラ「だ、だが……!」
その時、一瞬だけだがラウラの集中力が途切れた。それがラウラに油断を呼んだ。
箒B「危ない、ラウラ!!」
ラウラが気づいた時、その体は箒Bによって突き飛ばされ、突き飛ばした箒Bをドラゴーヤの尻尾が叩き落とした。箒Bは勢い良く吹き飛び、アリーナの壁に叩き付けられた。
箒B「ぐはっ!!ぐ、くそっ……!」
ラウラ「篠ノ之!」
セシリア「大丈夫ですの!?」
箒B「私の事は良い、皆はドラゴーヤの方に集中しろ!」
箒Bにそう言われ全員がドラゴーヤに向き直った時、
『ガアアアア!!』
ドラゴーヤはなんとアリーナのバリアを突き破って外に逃走してしまった。
一夏「まずい、外に逃げたか!追い掛けるぞ!」
カンナ「私は箒様の治療を致しますので、皆様はお早く!」
カンナと箒Bをアリーナに残し、一夏達はドラゴーヤを追い掛けた。
牙也「ん?」
何かか割れる音を聞き付けた牙也は、バグヴァイザーを構えて空を見上げた。すると、ちょうどドラゴーヤがアリーナかろ飛び出してきたところであった。
牙也「あれか……この第二アリーナの騒ぎの元凶は」
《チュ・ドーン!》
そう確信した牙也は、座布団代わりにしていたキマイラを隅の方に押しやり、バグヴァイザーをビームガンモードにした。そしてバグヴァイザーから光弾を放って、ドラゴーヤの目を自身に向けさせた。光弾を受けたドラゴーヤは低く唸り声を上げ、地上にいる牙也に向かって突っ込んできた。鉤爪を振り上げて牙也を引っ掻くが、牙也はコンマ数㎜でそれを避けた。しかし完全には避け切れず、
牙也「……っ!」
右目の眼帯が鉤爪で斬られて何処かへ飛んでいき、さらに瞼から出血する。
牙也「計算が狂ったかな?まあ良いか、取り敢えず……」
だが牙也はそんな事気にもせず、蔦を伸ばしてドラゴーヤを拘束しに掛かった。ドラゴーヤが火球を吐いて蔦を次々と燃やしていくが、蔦の出現速度がそれを簡単に上回り、あっという間にドラゴーヤの全身を包み込んだ。
牙也「そーらっ!」
そして蔦を引っ張って、がんじがらめにしたドラゴーヤを地面に叩き付ける、と同時にドラゴーヤを地面に縛り付けた。
牙也「よし、こんなもんか。あとは一夏達が来れば……」
手をはたきながら空を見ると、ちょうど一夏達がドラゴーヤを追い掛けてアリーナから出てきた。一夏達は牙也を見つけると、彼の近くに降り立った。
一夏「牙也、お前目を覚ましたのか!」
春十「て言うか、どうやって牢屋から出てきたんだ?」
牙也「決まってんだろ、脱獄してきたんだ」
鈴「普通そういう事さらっと言う!?」
セシリア「悪びれもせず言い切りましたわ……」
シャルロット「ってちょっと!右目に怪我してるよ!?」
牙也「まあそれは後にしろ。ほれ、あそこに目的の奴は縛ってある」
ラウラ「いや後にしろって……」
牙也が指差した先には、先程縛り上げたドラゴーヤがいた。蔦の拘束から逃れようと必死に暴れている。
一夏「ああ、ちょうど良い。縛ってくれたお陰で弱点部位を探すのが容易くなった……!」
一夏は牙也に感謝しつつ、ドラゴーヤの弱点を探す。
一夏「よし、見つけた!皆、ドラゴーヤの顔に集中攻撃を仕掛けるんだ!」
箒A「顔だな、分かった!」
箒Aのその言葉を皮切りに、その場にいる全員が次々とドラゴーヤの顔に攻撃し始めた。春十と牙也がそれぞれ雪片弐型とバグヴァイザーで近接攻撃をしかけ、それを箒達が遠距離攻撃で援護する。ドラゴーヤも火球を吐いて反攻してくるが、火球は一夏が包丁を振るって微塵切りにするので特に問題はない。それどころか反攻する度に蔦の締め付けが強くなっていき、ドラゴーヤの行動を抑止する。
こうして攻撃を続けること数十分ーー
『ガ……ガアアアア……』
容赦ない連続攻撃にドラゴーヤはボロボロにされ、ゆっくりと倒れた。
一夏「よし、ここまでやったら充分かな。牙也、もう蔦を解いてくれて良いぞ」
牙也「はいよ」
牙也が蔦を緩めると、一夏はゆっくりとドラゴーヤに歩み寄り、ドラゴーヤの目の前に立つと、ドラゴーヤに手を合わせた。
一夏「お前の血肉……美味しくいただかせてもらうぞ」
そう言って一夏はドラゴーヤの体を捌いていく。と、
牙也「あ、そうだ。一夏、もう一体捌いてほしい奴がいるんだが」
一夏「もう一体?何処にいるんだ?」
牙也「ちょっと待てよ、すぐ連れて来る」
そう言うと牙也は隅に放置していたキマイラを蔦に巻き付けて引き摺ってきた。
牙也「こいつだ」
一夏「!こいつ、『オーシャンキマイラ』……!お前が倒したのか?」
牙也「ああ。俺がここに来た時に狙い澄ましたかのように現れたからな、返り討ちにしてやった」
一夏「俺達が気づかない間にこいつが迫ってたのか。しかし凄いな、牙也。こいつも捕獲レベル100近い奴だぜ」
牙也「そうなのか?確かに強かったが……」
鈴「一夏も大概だけど、あんたもあんたよね」
箒A「確かにな、私達が一丸となって倒した怪物をいとも簡単に……しかも疲れている素振りもない」
ラウラ「化け物か貴様は……」
牙也「自分で言うのもなんだが、化け物だぜ」
一夏「まあとにかく、こいつらを捌いて手分けして食堂に持っていこう。今日の夕食は豪華になるぞ!」
『グアアアア……ガアッ!!』
一夏「ッ!?まずい、オーシャンキマイラが目を覚ました!」
突如オーシャンキマイラが目を覚まし、二本の鋏を振り上げた。その目線の先には、
春十「危ねぇ、牙也っ!」
自らを倒した牙也がいた。オーシャンキマイラはチャンスとばかりに、巨大な鋏を振り下ろしたーー
箒B「させるものかッ!」
途端、二本の鋏が何処からともなく伸びてきた蔦に纏めて縛り上げられた。そして、
カンナ「影の虚雷(シャドウ・ホロスパーク)!!」
オーシャンキマイラの脳天に、白と黒の雷が二つ落とされた。雷で感電し、オーシャンキマイラは黒焦げになりながら倒れた。
カンナ「牙也様、ご無事でいらっしゃいますか!?」
そこに打鉄を纏った箒Bとカンナが急いで飛んできた。箒Bは背中から蔦を伸ばした状態で飛んでいる。
牙也「おー、大丈夫大丈夫。アシストありがとな、助かったぜ」
カンナ「いえ、牙也様がご無事で良かったです」
箒B「これで全部倒したのか?」
一夏「まあこれで全部だが……箒、お前それ……」
箒B「ああ、これか。分かりやすく言うと、私も牙也に大きく近づいてるって事だ」
牙也「ま、その辺りは後で話すよ。今はこいつらを解体して運ぼうぜ」
一夏「あ、ああ……すまんな」
牙也「礼は良い。礼をしたいって言うならーー」
グキュルルル~♪
牙也「……飯を食べさせてくれ。てか箒、俺どんだけ寝てた?」
箒B「倒れてからもう三~四日は経つぞ。というか早く右目を治せ」
一夏「腹減って当たり前だな。飯なら任せろ、速攻で作るから」
こうしてドラゴーヤとオーシャンキマイラは一夏によって綺麗に解体され、牙也達の手で食堂まで運ばれた。
オーシャンキマイラ 捕獲レベル97
顔が鮫、体が鰐、尻尾が十数匹のウツボ、蟹の鋏に飛び魚の翼を持つキマイラ。その巨体とは裏腹に、背中の翼を使って俊敏な動きをして攻撃する。鮫の口からは激流のように大量の水を放ち、飛び魚の翼で滑空する。
次回、飯!