IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 記憶は巡るーー時は回り出すーー。




コラボ7 初恋ノ記憶(5)

 

 カルマ達三人が学園に住み込み始めて数日経ったが、肝心のゼロライナーの修理は一向に進まない。何せこの世界にはない金属やその他の素材を使用している為に、直したくても直せないのだ。まあ代用品で修理すれば何とかなるかもしれないが、カルマ達の世界に戻るまでにきちんと修理箇所が保つかが微妙なので、どうにかしようと色々試行錯誤している状況である。

 

 束「んぁ~!技術自体別次元の物だから、束さんでもうまくいくかが微妙だよ~……クロちゃん、そっちは大丈夫?」

 クロエ「まだ一向に進みません~……」

 カルマ「面倒かけます、束さん。デネブ、そっちはどうだい?」

 デネブ「コントロール系統及びその他諸々は大丈夫だ、今調べたが普通に作動する。あとは外面だな」

 束「未知の物使ってるって他所の人からすれば面倒だよね~完璧に直せないから……」

 カルマ「無茶に直さずとも、私達の世界にギリギリ戻れる程度に強度があればそれで構いませんよ。向こうに戻れたらすぐに修理に出しますから」

 束「中途半端に直すのは技術者として許せないのだよカルマ君!技術者として中途半端な物は作れないし、中途半端には直せないのよ、分かる!?」ビシッ

 カルマ「わ、分かりました……分かりましたから落ち着いて」ドオドオ

 クロエ「た、束様、落ち着いて下さい……」ドオドオ

 

 束の珍しく技術者らしい発言に押されながら、カルマはゼロライナーの修理を始める。ゼロライナーが動かせるようになるまでには、まだまだ時間が掛かりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 箒「~♡」ゴロゴロ

 牙也「うりうり~」ワシワシ

 

 牙也と箒の部屋。二人が住むこの部屋では、ベッドの上で牙也が箒を膝枕しながら頭を強めに撫でていた。整えられた髪が崩れる程の撫で具合に、箒はご満悦のようだ。すると、箒が思い出したかのように言った。

 

 箒「それにしても、色んな世界を見てきたな、私達」

 牙也「そうだな……そして様々な人々を見てきた」

 箒「シュラが言っていたな、『私達には決定的に足りないものがある』と」

 牙也「そうだな……けど、今回の旅ではいまいち掴めなかった。あいつらが戦う理由は数あれど、どれも今の俺達の疑問ーーシュラの遺言には当てはまらない。一体何が俺達には足りないんだ……?」

 箒「分からん。だが掴むしかあるまい、その空虚な物を。シュラが私達に伝えようとした何かを」

 牙也「ああ。掴まなければ、あいつらには勝てない。何としても掴むしかないんだ、俺達は」

 

 部屋の窓から差す日の光に手を伸ばしながら、牙也はそう言って目を細めた。箒もそれに倣って、寝転んだ状態から日の光に手を伸ばす。時刻は昼下がり、少しずつ西に沈んでいく太陽は、明るく、しかし鈍い光を二人に向けて放っていた。と、

 

 

 コンコン

 

 

 部屋のドアがノックされた。

 

 牙也「誰だ?」

 本音『やっほ~牙っち~、遊びに来たよ~』

 牙也「本音か。鍵は開いてるから入ってきて良いぞ」

 本音『ほ~い』

 

 気の抜ける返事が聞こえると、ドアが開いて本音が入ってきた。その後ろにはさらに数人の女子が続いて入ってくる。

 

 簪「お、お邪魔します……」オドオド

 清香「お邪魔しまーす!」

 静寐「失礼しまーす……って、あら」

 箒「更識に相川に鷹月か。今お茶を出すから、座って待っていてくれ。牙也、また後でな」

 

 箒は膝枕の状態から立ち上がると、大きく伸びをして髪を整えてから台所に消えた。

 

 清香「ふふっ、相変わらずラブラブだねぇ」

 静寐「羨ましいなぁ~。私も早く彼氏欲しいなぁ」

 牙也「大丈夫さ、すぐにできるよ。まあとにかく座りなよ」

 

 牙也に促されて簪達三人はベッドや床に座り、

 

 本音「お邪魔しま~す」ゴロン

 

 本音は牙也の膝枕を占拠した。

 

 牙也「こらこら、せめて箒の許可くらいは取りなよ」

 本音「お~、良い感じ~」

 簪「だ、駄目だよ本音、篠ノ之さんに怒られちゃうよ」

 本音「だいじょぶだいじょぶ~、ほーちゃんならこれくらいで怒らないって~。ほら、かんちゃんも一緒に!」グイッ

 簪「ひゃっ!?」

 牙也「うわっ!?」

 

 簪が立ち上がって本音に注意するが、本音に急に制服の袖を引っ張られてバランスを崩し、牙也を押し倒す形で倒れてしまった。

 

 牙也「いてて……」

 簪「いたた……はっ!?ご、ごめんなさい!////」バッ

 

 簪は慌てて牙也から離れるが、周りを見ると本音達三人がニヤニヤしながら簪を見てきていた。簪は顔を真っ赤にして目を反らすが、その目線の先の台所からは箒が同じくニヤニヤしながら見てきていた。四方八方からニヤニヤ見られ、簪は更に顔を真っ赤にして俯くしかなかった。そんな時に箒が全員分のお茶を持ってきた。

 

 箒「四人とも、ゆっくりしていくと良い」

 

 そう言うと箒は牙也の後ろに回って、後ろから牙也を抱き締めた。いわゆる『あすなろ抱き』だ。

 

 清香「おーおー、見せ付けてくれるねぇ~」

 静寐「お茶が甘く感じるねぇ~」

 本音「仲良し仲良し~♪」

 簪「……////」ポッポッ

 箒「牙也~、牙也~♡」ゴロゴロ

 牙也「ほいほい」ナデナデ

 

 清香「て言うかさ、本音が牙也さんの膝枕占拠してるのは突っ込まないの?」

 箒「別に?したければすれば良い、牙也だって拒みはしまい」

 清香「おー……正妻の余裕ってやつ?」

 箒「正妻って……ま、まだ私達はけ、結婚はしておらんぞ?////」

 静寐「結婚決まってるようなもんじゃないの?篠ノ之博士もお祝いする気満々だったし」

 箒(姉さん……////)

 

 箒が顔を真っ赤にする中、

 

 本音「牙っちの膝枕、気持ちいいのだ~♪」

 牙也「気に入ってもらえて何よりだよ」ワシワシ

 

 本音は牙也の膝枕を堪能していた(ついでにナデナデも)。

 

 本音「ほーちゃん羨ましいなぁ~、こんな気持ちいい事毎日してるんでしょ~?私に牙っちちょーだいよー」

 簪「ほ、本音!?////」

 清香「おっ、本音がまさかの略奪愛か!?」

 静寐「これに対して篠ノ之さんはどう返す!?」

 箒「ふむ……」

 

 箒は少し考えてからこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 箒「正室は譲れんが、側室なら構わんぞ」

 

 

 

 牙也「!?////」ブハッ

 清香「ファッ!?////」

 静寐「ふえっ!?////」

 本音「へっ!?////」

 簪「!?////」ボフッ

 

 予想外の一言に牙也は窓の外にお茶を吹き出し、残りの四人は一瞬にして顔が真っ赤になった。

 

 清香「え、ちょ……ま、まさかこ、これも正妻の余裕ってやつ?////」

 静寐「よ、余裕持ち過ぎじゃないかな……////」

 箒「なんだ?何か問題でもあるのか?」

 牙也「いや大有りだよ!////箒お前、自分が言った事の意味分かってるのか!?////」

 本音「ほーちゃんが、ま、まさかハーレム許容するなんて~!////かんちゃん、これはチャンスだよ~!////」

 簪「ふえっ!?////な、なんで私!?////」

 清香「て言うかハーレムOKなの!?最悪牙也さんの愛が他所に向かうかもしれないんだよ!?」

 箒「牙也の愛が最後に他所に向かうのは許容できんが……私の事を最後までちゃんと愛してくれるのなら、私はそれだけで充分だ」

 静寐「な、なんと寛大な……堅物なイメージだった篠ノ之さんが、こんなに変わるなんて……」

 清香「愛って凄いね……」

 牙也「俺もびっくり……」

 

 信じられないくらいの箒の変わりように三人が驚いている中、簪と本音は何やらヒソヒソ話している。

 

 本音(かんちゃん、チャンスだよ!今ここで牙っちに告白したら?)

 簪(そ、そんな事出来ないよ!?////し、篠ノ之さんに申し訳ないよ!?////)

 本音(えー!?でも今しなかったらもうチャンスないかもよ?)

 簪(で、でも……////)

 

 牙也「二人は何の話をしてるんだ?」

 簪「ひゃっ!?////」

 本音「えーっとねぇーー」

 簪「な、なんでもないなんでもない!!////も、もうこの話は終わり!!////わ、私もう行くね!////」

 

 本音が何か言おうとしていたが、顔を真っ赤にした簪が無理矢理話を終わらせ、真っ赤な顔のまま部屋を飛び出していった。

 

 本音「あ、かんちゃん待ってよ~!」

 清香「わ、私達も戻るね!」

 静寐「お、お幸せに~!」

 

 それを追い掛けて本音達も部屋を出た。その顔はほんのりだが赤くなっていた。

 

 牙也「……なあ、箒」

 箒「なんだ?」

 牙也「……お前はもう少し慎みを持とうな」

 

 そう言って牙也は再び箒の頭を優しく撫でるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴「ふんふんふ~ん♪」

 

 その頃、学園の廊下を鈴がスキップしながら歩いていた。

 

 鈴「明後日は一夏とデート~♪どんな服装にしようかな~♪」

 セシリア「あら、鈴さんではありませんか」

 

 とそこへ、鈴とは反対方向からセシリアが歩いてきた。

 

 鈴「やっほ~セシリア!」

 セシリア「ご機嫌よう。随分嬉しそうですわね」

 鈴「えへへ、明後日一夏と久し振りにお買い物デートに行く事になったんだ!」

 セシリア「あら、それは良かったですね。最近は色々ありましたし、なかなかお二人だけの時間も取れなかったでしょう?」

 鈴「そうなのよ~。久し振りだから嬉しくて嬉しくて!あ、ねぇねぇセシリア。どんな服装が良いと思う?」

 セシリア「お買い物なのでしたら、少し軽い印象の服装がよろしいかと……とは思いますが、一夏さんならどんな服装でも喜んでいただけるかと」

 鈴「うーん、そうなんだけどねぇ……久し振りだからちょっと強気に行きたいのよ」

 セシリア「ふふ……相変わらずラブラブですわね」

 鈴「えへへ、でしょっ?」

 セシリア「ご馳走さま、と言いましょうか」

 鈴「ありがと!」

 セシリア「それではこれにて。明後日のデート、うまくいくと良いですわね」

 鈴「ええ!それじゃあまたね!」

 セシリア「ご機嫌よう」

 

 セシリアは軽く挨拶を交わして去っていった。

 

 鈴「えへへ、私なら何でも喜んでくれる、か……そうよね、変に凝るよりは良いわよね。よーし、じっくり考えて決めなきゃ!何も起こる事なく、一夏と二人っきりのデートをしたいなー!」

 

 

 

 

 

 『その願い、叶えて差し上げましょう』

 

 鈴「え?」

 

 

 

 その声に鈴が後ろを振り向くとーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鈴「……はっ!?あ、あれ?私……」

 

 鈴が次に気づいた時、外は日が沈み欠けていた。時計を見ると、午後七時過ぎだった。

 

 鈴「嘘、もうこんな時間!?は、早く戻らなきゃ!」

 

 鈴は慌てて寮へと走り出す。その様子を、

 

 

 

 

 

 

 ??「ふふ……契約完了、ですね」

 

 

 雪だるまが見ていた。

 

 





 分かる方は分かりますよね、最後に出てきた雪だるま。

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