IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 始まります。




コラボ7 初恋ノ記憶(7)

 

 牙也と箒が雪だるまと交戦する三十分前ーー

 

 

 

 

 一夏「ほい、鈴。あーん」

 鈴「あ~♪」ムグムグ

 

 レゾナンスに到着した一夏と鈴は、デネブの飴の買い込みに付き合うカルマと別れて、二人仲良くショッピングを楽しんでいた。服・雑貨・日用品、様々な物を買い込み、二人の荷物は複数個の袋に分けられている。今はあらかたの買い物を終えて、レゾナンス内の喫茶店で休憩中だ。一夏がフォークに刺して差し出してきたチョコケーキを鈴は嬉しそうに食べている。

 

 鈴「ん~、おいひ~♪」

 一夏「最近新しくオープンした喫茶店だけど、来て良かったな。どれも美味しいものばかりだ」

 鈴「そうね、ここは私も最近になって知った所だからね~。気に入ってくれた?」

 一夏「勿論!鈴は俺の為にここを探してくれたんだろ?俺にはそれが堪らなく嬉しく感じるよ」

 鈴「えへへ、良かった、気に入ってくれて!」

 一夏「ところで、この後はどうするんだ?」

 鈴「うーん、もう少し色んなお店を見てまわりたいな。ついて来てくれるわよね?」

 一夏「断る理由なんて無いよ。鈴だったら尚更ね」

 鈴「ありがと!それじゃ今度はあそこに行きたいな!」

 一夏「どれどれ……ああ、あそこか。あそこも新しくオープンしたお店だったね」

 

 鈴が指定したのは、レゾナンスに新しくオープンした雑貨店だった。

 

 鈴「ねえねえ、早く行きましょ!」

 一夏「分かった分かった、それじゃお会計ついでにトイレ行ってくるから、ちょっと待ってて」

 

 一夏がそう言って立ち上がると、鈴は「早く戻ってきてね~」とその背中に声を掛けた。一夏がお会計をしている間、鈴はまだ残っていたチョコケーキを食べきってスマホをいじっていた。と、

 

 

 

 

 「ヘイ彼女~♪」

 

 

 

 

 その声に鈴が顔を上げると、いかにもDQNな格好の若者が数人立っていた。その中でも一番先頭に立って一番派手な格好の若者がニヤニヤしながら鈴を見る。

 

 「君可愛いね~、一人?」

 鈴「何よ?あたし今一夏が戻ってくるのを待ってるのよ、ナンパならお断りよ」

 「まあまあそう言わずにさ~、俺達と一緒に遊びに行こうぜ、その一夏って奴は放っといてさ~」

 鈴「はあ……はっきり言わせてもらうけど、あたしはあんた達にこれっぽっちも興味なんてないから。分かったらさっさとどっか行ってくれない?」

 「このアマ……!下手に出てりゃいい気になりやがって……!」

 「おい、このアマ無力感で良いから連れて行け!」ガシッ

 鈴「ちょ、何すんのよ!離しなさい!」

 

 鈴の態度に苛立った若者は、取り巻きに命じて鈴を連れて行こうとした。

 

 

 

 

 

 「ぐあっ!?」

 「な、何だよこいtーーぎゃっ!?」

 

 

 

 

 

 突然後方にいた若者が吹き飛ばされ、店内のテーブルや椅子をなぎ倒しながら倒れ伏す。何事かと他の若者も後ろを向くが、次々と他の若者もなぎ倒されていく。しかしその姿は見えない。

 

 鈴「な、何!?何が起きてるのよ!?」

 

 突然の出来事に鈴が混乱している間にも、若者達は全て倒されてしまった。訳も分からず慌ててその場を離れようとした時、

 

 

 

 

 ??「……おっと。契約ですから、逃げられては困るんですよ」

 

 

 

 

 鈴の後ろに、いつの間にかあの雪だるまが立っていた。

 

 鈴「ひーー」

 

 鈴が叫び声を上げるよりも早く、その雪だるまは何やらカードのようなものを出して鈴の頭に翳した。するとカードに年と日付の文字が浮かび上がった。雪だるまがカードを頭から離すと、鈴は力が抜けたかのように崩れ落ちた。気を失ったようだ。

 

 ??「これでよし。では参りm『待てこら!!』ガフッ!?」

 

 雪だるまがカードを見てニヤついているところに、飛び膝蹴りがその顔面に深く入り込み、大きく吹き飛んで店の壁に叩き付けられた。

 

 一夏「てめぇ……鈴に何しやがった!?」

 

 その人物ーー一夏は気を失った鈴に駆け寄り、怪我がない事を確認すると、雪だるまを睨み付けた。

 

 ??「何を、と申されましてもねぇ……私はその方と契約している身です、邪魔しないでいただきたい!」

 

 雪だるまは手に持ったステッキをフェンシングの要領で突くように攻撃してきた。咄嗟にそれを避けて掴み、一夏はその顔面に一発パンチし、更に追い討ちで膝蹴りとタックルを当てる。雪だるまは店から叩き出され、派手に柱に激突した。それによってレゾナンスはにわかに混乱が起こり、大騒ぎになる。それを追い掛けて一夏も店の外に出る。

 

 ??「くそっ、私の邪魔をするか……!ならば叩き潰しぐぎゃっ!?」

 

 雪だるまが立ち上がった時、一夏から見て右側前方から光矢が数本飛んできて雪だるまに刺さり、吹き飛ばした。光矢が飛んできた方向には、

 

 一夏「アガレスさん!デネブ!」

 

 ゼロノスに変身してゼロガッシャー・ボウガンモードを構えたカルマと、両手に大量の飴の袋を抱えたデネブがいた。

 

 カルマ「一夏さん、大丈夫ですか!?」

 一夏「俺は大丈夫です!けど、鈴が……!鈴があいつに……!」

 カルマ「何ですって!?デネブ!」

 デネブ「おう、鈴の護衛は任せろ!」

 

 デネブが急いで店内に入ったのを見て、一夏は戦極ドライバーとロックシードを取り出す。

 

 一夏「変身!」

 

 《スターフルーツ》

 

 《ロック・オン》

 

 《カモン!スターフルーツアームズ!Shine of SuperStar!》

 

 仮面ライダー閃星に変身した一夏は、スターシールドからスターカリバーを引き抜いて構えた。カルマもゼロガッシャーをサーベルモードにして構える。

 

 カルマ「ここで戦うのはさすがに駄目ですね、外のできるだけ開けた場所に誘導しましょう!騒ぎを聞き付けていずれ牙也さん達も来る筈です!」

 一夏「分かりました!」

 

 こうして一夏とカルマは雪だるまと交戦、その途中で牙也達と合流して今に至る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カルマ「はあっ!」

 

 四人の攻撃が次々と雪だるまを襲う。雪だるまはステッキで全ての攻撃をいなしていくが、四人同時攻撃は防げずダメージを受ける。牙也、一夏、カルマの三人が前線に立って雪だるまに攻撃を仕掛け、その後ろから箒がマスガンドの射撃でサポートしている。その連携っぷりはつい最近会ったばかりとは思えない程のものであった。怒涛の連続攻撃の末、雪だるまはまた吹き飛んで電柱に激突した。

 

 ??「くうっ、こうなったら……無敵の必殺技!」

 

 そう叫んで雪だるまはステッキを構える。四人が防御の体勢を取ると、

 

 ??「……嘘ですよ!」

 

 雪だるまは口から冷気を放った。放たれた冷気は四人を包み込み、四人の下半身や上半身の一部を凍らせてしまった。

 

 カルマ「しまった!」

 一夏「くそっ、これじゃ動けない!」

 ??「ふふ、これで少しは時間稼ぎにはなるでしょうね。それではご機嫌よう」

 

 不敵な笑みを見せると、雪だるまは消えてしまった。

 

 カルマ「くっ、逃げられましたか……!」

 牙也「箒、ホオズキで溶かしてくれ!」

 箒「分かった!」

 

 《ホオズキ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ハイー!ホオズキアームズ!爆炎・ボー・ボー・ボー!》

 

 箒は唯一凍らされていなかった左手を使ってホオズキアームズになり、その際発生する熱波で氷を全て溶かし尽くした。氷による拘束から解放された四人は変身を解除。そこへデネブが鈴と大量の袋を持って走ってきた。

 

 デネブ「カルマ、イマジンは!?」

 カルマ「逃げられました。契約者が鈴さんだとすれば、すぐにゼロライナーで追わなくては……!」

 牙也「あれがイマジンだったのか……て言うか、いつ鈴はイマジンと契約したんだ?」

 カルマ「それは分かりません、その本人は気を失っていますから、後で聞く事にしましょう。とにかく早く戻らなくては!」

 牙也「だったら俺に任せろ!」

 

 牙也はそう言うと、目の前にクラックを開いた。

 

 牙也「学園のゼロライナーがある場所に繋いだ。ここを通ればすぐに出発出来るぜ」

 カルマ「ありがとうございます!急ぎましょう、皆さん!」

 

 牙也達は次々とクラックに飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 束「よーし、修理完了!クロちゃん、お疲れ様!」

 クロエ「お疲れ様でした、束様」

 

 その頃、ゼロライナーはちょうど束による修理が終わったところであった。

 

 束「多分これできちっと動く筈だね。いや~我ながら良くできたって胸張って言えるよこれは」

 クロエ「カルマ様もきっとお喜びになられる筈ですね」

 牙也「束さん!」ニョキッ

 束「うわお!?ああびっくりした、牙君か……驚かさないでよ、もう」

 

 突然現れたクラックから牙也達が次々と出てきた。

 

 束「な、何々?皆揃ってどうかしたの?」

 カルマ「束さん、ゼロライナーの修理は!?」

 束「え?ああ、もう終わったけど……何かあったの?」

 カルマ「よし、デネブ!すぐに出発する、準備を!」

 デネブ「任された!」

 

 デネブはゼロライナーに飛び乗り出発の準備を始め、カルマは鈴の頭にカードを翳すとカードに年と日付が刻まれた。それを確認し、カルマもゼロライナーに飛び乗った。

 

 束「牙君、何かあったの?」

 牙也「アガレスが言っていたイマジンって奴に、鈴が襲われました。このままではまずいんです」

 束「鈴ちゃんが!?」

 デネブ「よし、準備完了だ!カルマ、いつでも行けるぞ!」

 カルマ「よし、一夏さん、乗って下さい!今回は貴方の助けが必要です!」

 一夏「俺の?」

 カルマ「一番鈴さんの事を知っているのは貴方です。貴方の助力が無ければ……!」

 牙也「一夏」

 

 牙也が一夏の肩に手を置く。箒達も一夏を見る。

 

 牙也「……行ってこい。そして、必ず助け出してこい、鈴を」

 一夏「牙也、皆……分かりました!」

 箒「一夏、これを」

 

 ゼロライナーに乗ろうとした一夏に箒が声を掛ける。一夏が振り向くと、箒はホオズキロックシードを一夏にパスした。

 

 箒「敵は冷気による攻撃を使ってくる、それがあれば幾分戦いやすくはなるだろう」

 一夏「箒……」

 箒「絶対に鈴を救い出せ。お前の大事な彼女なのだからな」

 一夏「箒も……ありがとな」

 

 箒に頭を下げて、一夏はゼロライナーに乗り込む。

 

 牙也「それじゃアガレス、一夏と鈴の事、よろしく頼むぞ」

 カルマ「はい。ここからは私達がなんとかします、必ず……必ず助け出すと、ここで約束します」

 一夏「それじゃ……行ってくる」

 

 扉が閉まると、ゼロライナーの車輪の下に線路が敷かれた。それと同時にゼロライナーも動き出す。ゆっくりと動き出したゼロライナーは、やがて目の前に現れた時空間のゲートに入っていき、姿が見えなくなった。

 

 束「いっくん達、大丈夫だよね……?」

 箒「大丈夫ですよ、姉さん。一夏なら必ず……」

 牙也「ああ、その通りだ。いざとなったらアガレスもいるし、大丈夫大丈夫」

 

 牙也達はゼロライナーが入っていった時空間のゲートが閉じていくのをじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 





 コラボして下さる作者さん、まだまだ募集中です。


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