IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 コラボも終わり、一先ず息抜き投稿です。




幕間 嵐ノ前ノ静ケサ
不穏


 

 千冬「なるほど、ではまたしばらくはここに居るのだな?」

 

 異世界旅行から戻ってきた牙也達三人。箒とカンナを一夏達に一旦預け、牙也は学園長室を訪れていた。そこには牙也と十蔵の他に千冬、真耶、ザック、楯無、千冬から連絡を受けたスコールがおり、今後の学園の守備について話し合っていた。

 

 牙也「はい。カルマ達が戻っていってから、例のクラックの気配を探りましたが、反応がありませんでした。となれば必然的に、次にあのクラックが開くまではここに滞在可能になる、という事です」

 真耶「そうですか……ところで、シュラさんの遺言について、何か掴めたんでしょうか?」

 牙也「あー、それがまだ……あちこちの世界に向かって、そこの住人と色々話をしましたが、いまいちピンとくるものが無くて……」

 十蔵「そうですか……」

 牙也「本当に申し訳ないです、せっかくのチャンスみたいなものだったのに……」

 千冬「あまり気負うな。また次の機会を待てば良いだろうに」

 スコール「あら、その次がないかもしれないのよ?もし二度とそのクラックが開かれなかったらどうするのよ?」

 牙也「その時はその時、それまでの出来事から見つけ出すまでです。ま、クラックが開かなければの話ですが」

 十蔵「現時点ではそれが妥当でしょうね、何とか頑張って下さい。さて、本題に移りましょう」

 

 十蔵がそう言うと、全員の目が真剣なものになる。

 

 十蔵「牙也君達が無事に帰還しましたので、今後の学園の守備について話し合いたいと思います。と言っても、方針は今までと大して変わらないとは思いますが」

 牙也「あ、その点で一つ提案があります」

 真耶「提案……と言いますと?」

 

 牙也の言葉に真耶が首を傾げると、

 

 牙也「ロックビークルの配備を進めたいと考えてます」

 千冬「ロックビークル……と言うと、ヒガンバライナーの大量配備か?」

 牙也「それだけではありません、アーマードライダーが存在する異世界から仕入れてきた技術をフルに活用して、誰でも使える戦闘用のロックビークルを作るんです。で、それらから取ったデータを、学園のISや専用機持ちの生徒のIS等に組み込むんです」

 スコール「なるほどね。けどIS専用としてキチンと使えるようになるの?」

 牙也「その辺は抜かりなく。既にその世界にて試しましたから」

 十蔵「なるほど……それで、実際に配備するロックビークルは何ですか?」

 牙也「これらのロックビークルを配備したいと考えてます。アーマードライダーでなくとも、慣れれば自在に使えるようになりますよ」

 

 そう言って牙也は配備したいロックビークルがリストアップされた資料を机に広げて全員に見せた。

 

 千冬「チューリップホッパー、ダンデライナー、スズランガーディアン……色々見つけてきたな」

 スコール「この『黒影トルーパー』って言うのは?」

 牙也「ロックシードの中でも比較的良く採れる『マツボックリロックシード』を使って変身する『アーマードライダー黒影』の量産型ですね。実物を見てみますか?」

 十蔵「ぜひとも」

 牙也「では」

 

 そう言うと、牙也はクラックを開いて手を突っ込み、中からマツボックリロックシードとつい最近作った戦極ドライバーを取り出し、ドライバーを腰に付けた。銀色の帯によってドライバーは腰に固定される。

 

 牙也「変身」

 

 《マツボックリ》

 

 《ロック・オン》

 

 《ソイヤッ!マツボックリアームズ!一撃・in the Shadow!》

 

 ロックシードを解錠してドライバーにロックし、カッティングブレードで切る。と、頭上に開いたクラックからマツボックリが現れて牙也に被さり、ライドウェアを纏ったのに合わせて展開して鎧となった。複眼はゴーグルアイで右手には長槍『影松』を持ち、全体的に暗い印象を受けるそのライダーこそ、『黒影トルーパー』である。

 

 千冬「思い出した。以前私が牙也達と共に異世界に飛ばされた時にも、この黒影トルーパーがいたな」

 牙也「ええ、あれです。ロックシードのグレードがブルーベリーやマスカットよりはるかに低いのでスペックこそ劣りますが、下級インベス程度なら一人で倒す事は可能ですよ」

 真耶「ドライバーの数は大丈夫ですか?」

 束「問題ナッシ~ング!!」ニュッ

 

 突如学園長室の窓から束が顔を出してきた。突如の登場に一瞬全員が身構える程だったが、束だと分かると元に戻った。

 

 牙也「なんだ束さんか。ちゃんとドアをノックして入ってきて下さいよ……」

 束「まあまあ、それはさておいといて」

 牙也「さておくなし」

 束「戦極ドライバーの数は問題ないよ~、牙君達が異世界巡ってる間に、束さんがIS関連の研究の傍ら作ってたからね~、ここの教員と亡国、それぞれで全員分はちゃんとあるよ」

 十蔵「ありがとうございます、篠ノ之博士。ではドライバーとロックシードの配布はこちらで行っておきます。織斑先生とスコールさんには彼女らに指導を宜しくお願いします。その黒影トルーパーのスペックは低いという事ですから、指導は集団戦をメインにして下さい」

 千冬「分かりました」

 スコール「すぐに実戦投入できるようにしてあげるわ」

 十蔵「では続いてロックビークルですが……」

 

 十蔵がそこまで言って牙也に向き直ると、牙也は変身解除してドライバーとロックシードをクラックに放り込み、同じく十蔵に向き直った。

 

 牙也「異世界からチューリップホッパーとダンデライナー、それにスズランガーディアンをそれぞれ一つずつ頂いてここに持ち帰り、今それらを解析して二号機の製作を進めています。再現出来れば、あとはそれらを量産する場所が欲しいんですが……」

 束「そ~なんだよね~。どっかに場所と人材貸してくれる所があればね~」

 スコール「あら、それなら亡国の技術者と工場を貸しましょうか?」

 

 スコールが進み出てそう言うと、牙也と束は「是非とも!」と目を輝かせながら即答。するとスコールは「じゃあ伝えておくわね」と言うとスマホを取り出して何処かに電話をし始めた。

 

 十蔵「しかし何故この時になってロックビークルの配備を?配備するならばもっと前にでもできた筈ですよ」

 牙也「まあそうなんですけどね。ただロックビークルに関しては、シュラがヒガンバライナーしか作ってなかったから量産はほぼ諦めてたんです。んで、今回異世界に向かって様々な技術とかロックビークルの情報を仕入れることができたんで、ようやく量産にこぎつけた次第です」

 スコール「なるほどね。ところで、うちにもロックビークル回してくれるのよね?」

 牙也「勿論。優先順位としては学園が先ですが、亡国にも相応の数を配備する予定です」

 スコール「それなら良いわ」

 十蔵「それでは今後についてはそのような形で行きます、よろしいですね?」

 

 十蔵の言葉に全員が頷くと、話し合いはそこでお開きとなり、牙也達は学園長室を次々と出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学園長室を出た牙也が寮に続く廊下を歩いていると、

 

 カンナ「牙也様」

 

 カンナに出くわした。何やら真剣な表情で牙也を見ている。

 

 牙也「どうした、カンナ?何かお願いでもあるのか?」

 カンナ「はい、一つだけ。牙也様にお願いがございます」

 牙也「なんだ、改まって?」

 

 カンナは少し深呼吸すると、意を決して答えた。

 

 

 

 カンナ「私に、お暇を頂けませんか?」

 

 

 

 牙也「……その理由は?」

 

 突然の事に驚きながらも、牙也は平静を装ってカンナに聞いた。

 

 カンナ「理由、と申されますと……一言で申し上げるならば、私個人として、これからの戦いの為の準備をしたいと思いまして」

 牙也「個人として、か。疑うようで悪いが、それは俺達にも益のある事なんだよな?」

 カンナ「はい。これから牙也様がゼロと戦うにあたりまして、これはとても大事な事になります」

 牙也「ふむ……」

 

 牙也は何か考えているようだったが、

 

 牙也「……分かった、好きにしな。ただしなるべく早めに戻ってきてくれ。カンナがいないと、こっちの諸々が進まなくなるんでな」

 カンナ「ありがとうございます。それではすぐに出発致しますので、私はこれにて」

 牙也「なんだ、もう出るのか。箒達には伝えたのか?」

 カンナ「いえ……牙也様、この事は箒様達にはご内密にお願いします。なるべく時が来るまでは秘匿しておきたい事ですので……」

 牙也「訳有り、か……分かった、俺が適当に理由作って皆に伝えるよ」

 カンナ「お願い致します。あ、念のためバグヴァイザーを置いて行きますので」

 

 そう言って頭を下げると、カンナは粒子になってその場から消えた。それを見送り、牙也は自分の部屋に向けて歩き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところで、結局牙也は最後まで気付かなかったが、その後ろから牙也を見ている影があった。

 

 

 

 

 

 

 

 『……』

 

 

 

 

 

 

 

 それは三十代くらいの背格好の男性と小学生くらいの背格好の少女の二人だった。二人は牙也が寮へと向かっていくのを見送ると、不意に男性がポケットから何かを取り出した。それは何やら鍵の形をしており、様々な果物が表面に描かれ、全体が七色に輝いている。それを再びポケットにしまうと、二人はカンナと同じように粒子になって消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 『……あと少し。あと少しで、覚醒する。今までにない、新しいオーバーロードが』

 

 

 

 





 次回もお楽しみに!

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