IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
新章開幕デス!
今回のコラボ相手は活動報告でも発表した通り、『仮面ライダールーク』作者のカイト・レインさん、『Fate/Zero Solitary Assassin』作者の三日月オーガムさん、そしてキャラクター提供者で『IS絶唱エグゼイド』作者の武神鎧武さんです。コラボして下さった皆さん、この場にてお礼申し上げます。
では、始まります!
第52話 絶望ノ襲来
「ぜえ……はあ……」
アーマードライダー零に変身した俺は現在、紫炎を杖代わりにしてようやく立っている。今、俺はあまりに一方的に押されていた。息はあがり、ライドウェアはあちこちがボロボロ。鎧も所々欠けたり皹が入っている。何故ここまで追い詰められているのか、他の皆は理解に苦しんでいるみたいだがーー
箒「牙、也……!」
「俺はまだ大丈夫だ……皆……大丈夫か……!?」
息絶え絶えになりながら俺が後方に呼び掛けると、後ろから数人の声が聞こえる。
箒「くそっ……!まさか奴等の目的が、こいつだったとはな……!」
「クロノエグゼイドの奴め……!俺のブルーベリーロックシードを奪ったのは、これが理由かよ……!」
俺は歯噛みしながら悔しそうに空を見上げる。その目線の先にはーー
??「ハーッハッハッハッ!!無様なもんだなぁ、あれだけ挑発しておいてよぉ!」
以前異世界旅行の道中で出会った平行世界の一夏ーー神童クロトが変身するライダー『仮面ライダーゲンム』がそこにいた。
ただその姿は、俺が知っているゲンムとは明らかに違う。複眼の部分にはVRなんかで使うゴーグルみたいなのがついて、全身は金色に輝く鎧を装備している。そして変身ベルトだが、クロトがエグゼイドやゲンムに変身する際に使う『ゲーマドライバー』ではなく、クロノスに変身する際に使う『バグルドライバーⅡ』だ。そう言えばあれ、クロノエグゼイドも使ってたな。
まあそんな事は今どうでも良い。問題は、今俺達の目の前にいるゲンムの事だ。突然現れたかと思えば、何の前触れもなく襲い掛かって来やがって……お陰で俺達も学園もボロボロだ。避難がスムーズに進んでくれたお陰で、被害や怪我人は最小限に抑えられているが、これからどうなる事やら……
あ?なんでこんな事になったかって?今それどころじゃないが、まあ簡潔に説明してやるよ。あれは数時間前に遡るがなーー。
「それっ!」ザンッ
俺はその日第二アリーナで行われていた、千冬さんやスコールによるアーマードライダーシステムにおいての戦闘術の指導を見学していたんだ。俺が以前学園の防衛手段として提案した黒影トルーパーは無事に教員達、そして亡国のメンバー全員に行き渡り、少し前から千冬さんとスコールによる本格的な指導が始まった。今現在、トルーパーとして戦う事になった人達は皆張り切って指導を受けている。まあ今までは俺達アーマードライダーの力を持つ者に頼りっきりだったしな……「今度こそは自分達が!」って思いが強いのかもな。
スコール「はいそこ、モタモタしない!黒影トルーパーは集団戦が命、一人でも勝手な行動をすれば、そこから崩れていくのよ!常に乱れなく動きなさい!」
隊員「はい!」
千冬「各小隊で数匹のインベスを囲み、槍や火炎放射機で止めを差す。これが基本的な流れだ。そしてインベスの動きに合わせて、その都度戦い方を変えていけ。特に中級インベスーークラス対抗戦で出現したコウモリインベスやヤギインベスは身体能力が高かったり特殊能力を持っていたりする。油断しないよう、各小隊の隊長は常に気を配れ。隊長がしっかりしなければ、部隊などと飾りにもならん事を忘れるな!」
教員「はい!」
流石は普段から大隊を率いてる人達。的確に指示を出してるな。
千冬「おい牙也。どうせだから今日はお前が相手してやったらどうだ?」
「俺ですか。構いませんよ」
すると千冬さんが小隊との手合わせを提案してきた。ちょうど良い、俺も動きたいと思ってたところ、願ったり叶ったりだ。
千冬「今回の手合わせは、小隊がどれだけ乱れる事なく動けるかを見るのが目的だ。牙也は攻撃せず、常に受けの姿勢を崩すな」
「えー」
千冬「えーじゃない、お前なら本気出さなくてもトルーパーを瞬殺出来るだろうに。まだ始めてそう時間は経っていない、お前の本気を見せるのはまだ先で良い」
「へいへ~い」
ちぇ、久し振りに派手にやれると思ったんだけどな……ま、良いか。俺は戦極ドライバーとブルーベリーロックシードをーー良く見ると、ロックシードホルダーにはブルーベリーロックシードが二つある。あれ、どっちがどっちだったっけ?片方がいつも変身用で使ってるんだけど……目を凝らして良く見ると、片方のロックシードには多少の細かい傷があったが、もう片方は大して傷がない。それで分かり、俺は傷の多い方を手に取った。
「準備できました」
そう言って俺はロックシードを解錠ーーしようとしたその時。
「ッ!?」バチイッ
突然もう片方のブルーベリーロックシードが紫電を放ち始めた。そしてロックシードホルダーから外れ、空中へと浮いていく。俺達がその様子を驚いた目で見ていると、やがてロックシードは空中に留まり、再び周囲に紫電を放つ。
千冬「なんだ……!?何が起きている!?」
「分かりません……千冬さん、スコール、全員を後ろに下がらせて下さい、あれは危険だと俺の勘が言っています」
俺は二人に頼んでその場にいた全員を一先ず避難させ、ロックシードの様子を注意深く観察する。と、突然ロックシードから黒いスライムのような何かが溢れ出し始めた。あの反応、まさか……!
スコール「ちょっと!まさかあのロックシード、VTシステムが搭載されてるんじゃないでしょうね!?」
「そんな筈は……まさかあの時、奴等が……!?」
千冬「覚えがあるのか?」
「思い当たる事はありますが、今はあれに集中しましょう。千冬さん、スコール、行けますか?」
スコール「ええ、任せておきなさい」
千冬「いつでも行ける」
二人はゲネシスドライバーと戦極ドライバーをそれぞれ腰に付けて、いつでも変身出来るようにしている。ロックシードの方は、変わらず黒いスライムを放出しているが……と、スライムが段々と集まり、人の姿を形成し始めた。スライムがウネウネと見てて気持ち悪いくらいに動いて人の姿を形成、スライムが完全な人の姿になると、やがて全身に色を含んだ。そして現れたその人に、俺達は驚きを隠せない。何故ならーー
千冬「い、ち……か……?」
その人は、一夏そっくりだったからだ。
??「ッ……アア~、ようやく復活出来たぜぇ……」
一夏に似たその人物は、低い声を上げながら軽く体を伸ばす。体全体からゴキゴキと骨が鳴る音がする。と、そいつは俺達を見つけるなり、
??「……ありがとうよ、俺の復活の手助けをしてくれてなぁ……さて、神童クロトをぶっ潰しに行こうか!」
神童クロト……まさか奴は!?
「てめぇ……イチカか!」
イチカ「あ?お前、俺の事知ってんのか。だったら話が早い、神童クロトは何処だ?」
「生憎だったな、ここに……いや、この世界に、神童クロトは存在しない」
イチカ「何?」
「この世界はお前がいた世界とは違うんだよ。しかし神童クロトが倒したと聞いてたが、まさか俺のブルーベリーロックシードを媒体にして復活してくるとはな……」
イチカ「神童クロトに比べて優秀な部下が沢山いるんでな。媒体の提供感謝するぜ」
「感謝される理由は無いし、提供した覚えもない。ま、確かにお前の部下は強かったが、随分と頭のイカれた奴等を侍らせてるんだな」
イチカ「神童クロトと比べりゃ比にもならんさ」
「どーだか。その神童クロトに叩き潰されたのは何処の誰でしたっけね~?」
イチカ「……あ?」
なんとなくやってみた挑発に、イチカは元々鋭い眼光を更に鋭くする。
「ったく、面倒事を持って帰っちまったな……千冬さん、スコール、二人も下がって下さい。奴は俺が何とかします」
千冬「だ、だが……」
イチカ「俺を何とかする、だと?ハッ、笑わせんな!神たる俺には、たとえ神童クロトでも及ばないのさぁ!」
「その神童クロトに負けたんだろお前は?」
イチカ「……随分とからかうのが好きみたいだな……それじゃあお望み通り、てめぇから潰してやるよ……!」
完全にキレたのか、イチカの奴は懐から何かを取り出した。それは俺がカンナと共に使っているガシャコンバグヴァイザーに似ている。俺のバグヴァイザーは色が紫を基調とした物だが、奴のバグヴァイザーは色が緑色に近い。恐らく、クロトがクロノスに変身する際に使うガシャコンバグヴァイザーⅡだろうな。
《ガッチャーン》
奴はそれを腰に付ける。音声と共にベルトが巻かれ、バグルドライバーⅡとなった。更にイチカは懐からゲームガシャットを取り出して起動した。
《God Mighty Creator IX》
すると、イチカの背後にゲーム画面が現れた。千冬さん達は何が起こっているのか分からず狼狽えている。
イチカ「変身」
《ガシャット!バグルアップ!》
《世界再構成の理 All Remake!神の如きゲームマスター!God Mighty Creator IX!!》
バグルドライバーⅡのAボタンを押して待機音声を流し、ガシャットをドライバーに差し込んでトリガーを引く。と、イチカの四方を四枚のパネルが囲み、イチカの全身を包み込む。そしてパネルが弾け飛んでーー
イチカ「……神の力にひれ伏せ。哀れな人間共」
平行世界の災厄が、姿を現した。
いきなり面倒臭いのが来たよ……(白目)
えー、武神鎧武さんから『イチカ』をお借りしました。と言っても本人ではなく、所謂分身みたいなものです。
今回のコラボ章は、こいつが牙也達の世界を荒らします。