IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
始まります。
「凄い……!」
今の牙也の姿を見て、私は驚きを隠せない。何故なら、今牙也が変身しているのは、異世界で出会った神童クロトが変身する『仮面ライダーエグゼイド』を模したアームズを被っている『仮面ライダー零』だからだ。
狗道「まさか、『レジェンドライダーロックシード』を自力で開発するとはな……なんて奴だ……!」
雅樹「『レジェンドライダーロックシード』?」
狗道「ここだけでなく、何処かの世界には仮面ライダーが存在する世界がある。その世界の仮面ライダーの力を宿したロックシードの事だ。本来ならある特殊な条件でないと作れないのだが……やはり奴は、頂点に立つに相応しい……!」
レジェンドライダーロックシード……本当に牙也が一から作り上げたのか……!
牙也「ノーコンティニューで……クリアしてやるぜッ!!」
牙也はクロトの決め台詞を叫ぶと、サラシキバグスターとノホトケバグスターに向かっていった。
ゼロ「あら、凄い事になってるのね」
その声に振り向くと、『仮面ライダーマルス』に変身したゼロがいた。
箒「遅かったな、地下牢にも出てきていたのか?」
ゼロ「いいえ、ここに来る道中で鉢合わせただけよ。と言っても、あのフード被ったチビッ子が全部蹴散らしていったけどね」
そう言ってイチカに怒濤の連続攻撃を仕掛けているアリスを指差しながら、やや自嘲気味に微笑むゼロ。アリスの攻撃力は本当に未知数だな。味方で良かった、もし敵にまわっていたらと思うと、それだけで身震いが止まらない。私達の手で奴等を倒す事が出来ない今、私達にできるのはただ一つ。今必死に戦っている牙也の勝利と、バグスターにされた簪と本音の無事を祈る事のみ。後は任せたぞ、牙也……!
ガシャコンブレイカーをハンマーモードにし、俺は二体のバグスターに攻撃を仕掛ける。向こうが腕を振るって攻撃してくるのを回避して一撃二撃。さらに蹴りを入れて吹き飛ばした。
「もう少し我慢してくれよな……必ず助けるからな」
そう思いながら、俺はガシャコンブレイカーのAボタンを押す。
《ジャ・キーン!》
するとハンマーが変形してピンク色の刃が伸びた。これがブレードモードだ。さらにBボタンを五回押してバグスターを斬り裂く。すると一回の斬撃で五回分の攻撃が入った。あれ、これってパラドクスのガシャコンパラブレイガンのBボタン効果じゃなかったっけ?まあ良いか、多分パラドクス変身者のパラドがクロトから生まれたバグスターだから、予期せずこの効果が入ったんだろう。そう割り切って俺はさらに攻撃を続ける。よく見ると、攻撃を当てる度に《Hit!》と出てきている。なるほど、攻撃がちゃんと効いているのがよく分かるな。
「さぁて……これでフィニッシュと行こうか」
箒「待て、牙也!まずはバグスターを二人から切り離さなくては……!」
バグスターを蹴り飛ばしてから、俺はガシャコンブレイカーをハンマーモードにする。と、箒が後ろからそう叫んで俺を引き留めた。
雅樹「どういう事ですか?」
箒「通常人間とバグスターを分離する場合は、リプログラミングするかレベル1でないと分離できないんだ。それ以上のレベルでは、分離せずに倒してしまう可能性がある。だからレベル1は結構大事なフォームなんだ、それが出来れば簪と本音を助け出せる……!」
イチカ「ハハハハハ!!そいつは無理だな!この『Noise Solomon』ガシャットは特別製でな、リプログラミングやレベル1では取り出せないようになってるんだよ!お前ごときじゃ神たる俺は超えられない!!」
上空からイチカがそう叫ぶ。アリスの攻撃を生成した武器で抑え込めてるあたり、奴もアリスの能力を理解してきたようだな。さっさと片付けないと、アリスもそろそろ辛いか……?
「……果たしてどうかな?」
イチカ「……何?」
「神だかノミだか知らねぇが……てめぇごときが神を自称するなんざ、一万年早いんだよッ!!」
《エグゼイドスパーキング!》
まずは簪と本音を助けなきゃな。俺はカッティングブレードでロックシードを三回切る。と、アームズが畳まれてエグゼイドの顔になり、さらに何処からか白いパーツが飛んできて俺と合体した。そうして出来上がったその姿は、
箒「あれは……レベル1!だが、レベル1では……!」
雅樹「あ、あれがレベル1……何て言うか、可愛いですね」
狗道「そうか?私には不恰好にしか見えないが」
二頭身のエグゼイドーーレベル1そのものだ。でっぷりとした体型だが、実は対バグスターウイルスでは重宝するフォーム。後ろの三人がなんか色々好き勝手言っているが、まあ見てろよ……
「はぁぁぁぁ……ハアッ!!」
力を溜め、大きく跳躍してガシャコンブレイカーを大きく振りかぶる。そして上空からもぐら叩きのようにハンマーをサラシキバグスターに叩き付けた。《Great!》と出てきて、サラシキバグスターは後ろに倒れ込む。するとバグスターの頭頂部付近に皹が入り、そこが割れて中から簪の頭部が見えた。そこに俺は手を突っ込み、簪を中から引きずり出した。そしてバグスターは蹴飛ばして距離を取り、気を失っている簪は蔦を使って箒達の所に運んだ。これで簪は大丈夫。と、後ろからノホトケバグスターが襲い掛かってきたので、同じように頭部に一撃お見舞いしてやり、皹が入って頭頂部から本音の頭部が露になった所に手を突っ込み、本音を引っ張り出した。そして本音も蔦を使って箒達に渡す。
雅樹「やった、助け出せた!」
「二人は気を失っている!狗道のおっさんは二人を安全な場所に運んでくれ!」
狗道「分かった」
狗道のおっさんが二人を肩に担いで運んでいくのを見送り、俺は再びバグスターに向き直る。宿主である簪と本音がいなくなった事で、バグスターは二体共弱体化している。今なら安心してこいつらを倒せるな。
「さぁて、これで今度こそフィニッシュだ!!」
《エグゼイドスカッシュ!》
《ガシャット!キメワザ!》
カッティングブレードで一回ロックシードを切り、さらに『Mighty Action X』ガシャットをブレードモードにしたガシャコンブレイカーのスロットにセット。
《Mighty Critical Finish!》
「ついでにこれも!」
《高速化!》
《マッスル化!》
「食らいやがれッ!!」
蔦で二つのエナジーアイテムを取り、高速で接近して逆手持ちにしたガシャコンブレイカーを振るいバグスターを二体まとめて滅多斬りにした。バグスター達は意味不明な叫び声を上げながら爆発四散し、煙が晴れた後には、『Noise Solomon』ガシャットが二つ残されていた。俺はそれを踏みつけて粉々に破壊する。これ以上奴の好き勝手にされてたまるかってんだ。
イチカ「ぶべらっ!?」
空を見ると、ちょうどイチカがアリスにぶん殴られているところだった。それにしても、アリスって普段どんな奴と戦ってんだ?あんな強いなんて、相当の猛者と激戦を何度も繰り広げてると見えるが……そんな事を考えていると、目の前にイチカが降ってきて地面に突き刺さった。そしてそれを追い掛けて、アリスも空から降りてくる。
アリス「……そろそろ飽きてきた。さっさとこのバ神を倒して、元の世界に戻りたい」
「そうだな、こんな奴と関わるのは俺ももう御免だ。やるぞ、箒、夜月」
箒「任せろ!」
雅樹「俺も手伝います!」
俺達四人はそれぞれの武器を構えてイチカを見据える。そのイチカはと言うと、地面に突き刺さった頭をようやく引っこ抜いたところだった。
イチカ「ああくっそ、予想外にやられたな……!野郎め、なんで俺と同じようにガシャットが作れたんだ……!?それになんでレベル1でバグスターと人間が分離出来たんだよ……!?あれは特別製なんだぞ、そんな簡単に攻略できる筈がない!」
「へっ、お前なんかに教えるかよ、バ神が!行くぞ、皆!」
『ああ(はい!)(……分かった)』
《エグゼイドスカッシュ!》
《ブドウエナジー》
《ロック・オン》
《ミックス!マスカットアームズ!銃剣・ザン・ガン・バン!ジンバーブドウ!ハハァーッ!》
《ロック・オン》
《ハイー!マスカットスカッシュ!》
《Impact Kick Turn Smasher Finish Down Trinity Brust!》
俺の叫びに箒達は頷き、箒は素早くジンバーブドウアームズにフォームチェンジしてソニックアローにブドウエナジーロックシードをロックして、俺と共にカッティングブレードでロックシードを一回切る。夜月は三枚のチップを取り出してエナジーバイザーに装填、アリスは見るからに禍々しい槍を取り出して構える。
「これで……オールクリアだッ!!」
俺と夜月はそれぞれの右足にエネルギーを溜めて跳躍し、箒はソニックアローをイチカに向けて構え、アリスは槍を投げる姿勢を取った。
《ブドウエナジー》
《Trinity Final Full Break!!》
音声と共に、ソニックアローから紫と薄緑の矢が放たれ、アリスは槍を思い切りイチカに投擲する。さらに俺と夜月はイチカに向けて『ダブルライダーキック』を放った。イチカが苦し紛れに『鋼鉄化』のエナジーアイテムを使って耐え抜こうとするが、アリスが投擲した槍が鋼鉄化ごとイチカを貫き、さらにそこへ箒が放った矢が突き刺さる。そして追い討ちで俺と夜月のキックが決まった。イチカの体に《Hit!》が何回も表示される。
イチカ「がっ……!?認めない……認めない認めない認めない認めない認めない!!この最強の神が負けるなど……俺は絶対に認めないィィィィィ!!」
そう叫んで、イチカは大爆発。爆風が晴れると、そこにはイチカの核として動いていたブルーベリーロックシードが落ちていた。俺は一旦変身を解除してそれに歩み寄り、異常が起こる気配がない事を確認した上で手に取った。すると「お~い!」という声が聞こえて後ろを振り向くと、向こう側から千冬さん達が走ってきていた。
千冬「やったのか!?」
箒「はい、やりました!簪と本音も助け出せましたから、もう大丈夫です!」
箒の言葉に周りは色めき立ち、ハイタッチが交わされる。俺はその様子を見て笑みを浮かべながら、手に持っているブルーベリーロックシードを見つめる。
箒「やったな、牙也!」
箒が嬉しそうに俺に抱き付いてきた。箒の豊満な胸に俺の顔が埋まる。う、嬉しいが苦しい……!箒はそんな俺の気持ちなど分かる筈もなく、さらに腰に強く抱き締めてくる。でもまあ良かった、無事に事が解決して……そんな事を思っていたーー
箒「良かった、良かった……!お前ならやってくれるって、私達は信じてーー」
「……箒?」
背後から箒の心臓を貫いた、一本の剣を見るまでは。
次回もお楽しみに!