IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 始まります。




第72話 戦力強化

 「ん……あれ?」

 

 午前4時半。いつもの時間に起きた私はすぐに違和感に気づいた。電気を付けてみると、隣のベッドで寝ている筈の牙也の姿が見えない。布団はめくれ、ベッドの上には牙也の寝間着が乱雑に脱ぎ捨てられており、連絡用のスマホは充電コードに繋がれたまま机に置き去りにされている。

 

 「牙也?」

 

 布団から這い出て部屋を見渡すが、牙也の姿は見えない。何処に行ってしまったのだろうか……?

 

 「……まあ朝食の時間には戻ってくるだろうな」

 

 そう考えた私は、取り敢えずいつもの朝練に向かう事にした。パジャマを着替えて荷物を持って、さぁ出発ーーと思った時、ふと机を見ると牙也のスマホの下に何か紙が敷かれていた。手に取ると、

 

 

 『朝早いが、ちょっと出てくる。学園長には既に話を通してあるから心配なく。飯はコンビニで適当に済ませるから、そのつもりで。   牙也

 

 

 

 p.s. 迎撃準備を進めておけ。多分今日辺り、ISでもインベスと戦えるようになるだろうからな』

 

 

 

 牙也の書き置きだ。しかし迎撃準備とは?まさか敵が今日攻めてくるという事か?そんな馬鹿な……だが今までの事を考えると、牙也の言っている事もあり得なくはない。

 

 「……朝食後に、千冬さんに進言してみるか」

 

 一先ず私はその書き置きを机に戻し、朝練に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ……今日はいつもよりキレが悪かったな」

 

 朝練をあっという間に終えて、私は部屋に戻ってシャワーを浴び、食堂に来た。今日は月曜日ーーと言っても、祝日なので授業は無いのだが。なに、授業の描写がまったくないではないか、と?気にするな、コラボとかの影響もあって作者が忘れてただけだ。多分今後もその描写は出ないだろう……。

 さて、中に入ってみると食堂は今日も大勢の生徒で混雑しており、満席状態だ。弱ったな、少し時間を空けてからまた来るか……

 

 千冬「篠ノ之か。今良いか?」

 

 後ろを振り向くと千冬さんと山田先生がいた。

 

 「織斑先生。ちょうど良かった、私も話したい事がありまして」

 千冬「迎撃準備の事か?」

 「……もう牙也から話が来てましたか。どうしますか?」

 千冬「既に教員部隊と亡国は動き出してる、後は私達だけだ。いつでも動けるように準備を怠るな」

 「はい」

 

 と、突然校内放送のチャイムが鳴った。

 

 『ほいほ~い!皆のアイドル束さんからのお知らせだよ~!今学園にいる専用機持ちの生徒は、すぐに整備室まで来られたし~!新しい力を束さんからプレゼントするよ~!』

 

 放送は姉さんからだった。新しい力……インベスに対抗する手段が構築出来たのだろうか?

 

 千冬「束め、ようやく完成したのか。珍しく時間が掛かったようだが……まあ出来たのなら良しとしようか。篠ノ之はこれからどうする?私は山田先生と共に見回りに行くが」

 「私は朝食を食べてから合流します」

 真耶「分かりました、では先に行ってますね」

 

 千冬さんと山田先生は食堂を出ていった。ふと食堂を見ると、どうやら席がだいぶ空いてきたようだ。お腹も空いたし、早く朝食を食べて合流しようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「束さん、いよいよですね」

 束「そだね、いっくん。牙君から頼まれてたIS専用疑似アームズウェポン一式……全員分作るのに時間掛かっちゃったけど、ようやく完成したよ」

 

 俺は整備室のテーブルの上に並ぶ武器の数々を見ながら束さんと話す。フルーツの意匠が目を引くそれらの武器は全て、国家代表や代表候補生、それに亡国の戦闘員に渡される対インベス用の武器。今までインベスとの戦いは全てアーマードライダーが担当していただけに、これで俺達アーマードライダーの負担も少しは減るだろうから助かるな。

 え、勝手に最新武器乗せたら国がうるさいんじゃないかって?そこは束さんがお偉いさんを全員纏めて説き伏せたから大丈夫。と、

 

 セシリア「失礼致しますわ。篠ノ之博士、例の武器を受け取りに参りました」

 

 一番に来たのはセシリアだ。相変わらず優雅だな……

 

 鈴「こんにちは~!新型武器受け取りに来ました!」

 シャルロット「失礼します。放送で言ってた武器を受け取りに来ました」

 ラウラ「右に同じく、だ」

 楯無「同じく、武器を受け取りに来ました!」

 簪「私も、武器を受け取りに……」

 

 その後も次々と代表や代表候補生が集まった。ちなみに亡国からは代表してMが受け取りに来た。それにしても、本当に千冬姉に顔がそっくりだよな、Mって……

 

 束「皆いらっしゃ~い♪それじゃあ一人一人に渡していくよ~!セシリアちゃんの武器はこれ、その名も『グレープマグナム』!アームズウェポン『ブドウ龍砲』を改造したハンドガンだよ!二丁作ったから、バンバン使ってね!」

 セシリア「ありがとうございます。大事に使わせていただきますわ」

 

 セシリアに渡されたのは、ブドウの意匠が特徴のハンドガン二丁。

 

 束「続いて鈴ちゃんと簪ちゃん!まず簪ちゃんには薙刀『業炎』を、鈴ちゃんには『業炎』に加えて方天牙戟『闇松』をプレゼント!牙君が使ってるアームズウェポン『紫炎』と黒影トルーパーの使う槍『影松』がそれぞれのモチーフだよ!」

 鈴「ありがとうございます!これであたしも一夏と一緒に……!」

 「鈴、頑張ろうな!」

 鈴「任せなさいよ!」

 

 簪「私も、これでやっと戦える……!」

 楯無「良かったわね。一緒に頑張りましょう、簪ちゃん!」

 簪「お姉ちゃん……うん、私頑張るから!」

 

 簪ちゃんに渡されたのは、牙也が使う『紫炎』そっくりの紅い薙刀。一方鈴に渡されたのは、簪ちゃんと同じ薙刀とマツボックリの意匠が目を引く方天牙戟という武器。

 

 束「うんうん、二人とも頑張ろうね!それじゃあ次はシャルちゃん!シャルちゃんにはこの『バナランス』!『バナスピアー』をグレードアップしたランスだよ!」

 シャルロット「ありがとうございます!よーし、これで僕も皆の力になるよ!」

 

 シャルに渡されたのは、黄と白のランス。どうやらランス本体の長さを変えられるようだ。

 

 束「続いてラウラちゃん!ラウラちゃんにはこれ、名付けて『メロンガードナー』!これも『メロンディフェンダー』をグレードアップしてるんだ!」

 ラウラ「巨大な盾か。AIC使用中は無防備になるから、これは頼りになりそうだ」

 

 ラウラが受け取ったのは、メロンの意匠が特徴の巨大な盾。ラウラのISとは色が不釣り合いな気がするけど……。

 

 束「はい、次は楯無ちゃんね。楯無ちゃんにはこの『アーモンドリル改 霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)仕様』!まあ言うなれば蒼流旋と『アーモンドリル』を合体させた武器だね。ちょっと雑になっちゃったけど、その分威力とかは他と段違いだよ!」

 楯無「ありがとうございます、篠ノ之博士。よーし、お姉さんも頑張っちゃおっかな!」

 

 楯無さんには、アーモンドの意匠で蒼流旋に似た槍が渡された。

 

 束「そして亡国の二人、Mちゃんとオータムちゃんにもプレゼント!Mちゃんには箒ちゃんの『マスガンド』の上位武器『ベリーアサルト』!近距離・遠距離双方に対応可能なガンブレードだよ!それとオータムちゃんには『サクラン棒改』!ミューちゃんが使ってる『サクラン棒』に爆発攻撃と凍結攻撃の機能を追加したんだ!」

 M「……感謝する。ところでミューちゃんとはスコールの事か……?」

 

 Mは箒のとは色違いの紫のガンブレードとオータムさん用にサクランボ型のトンファーを受け取った。

 

 束「そしてそして、これは全員に配布する共通武器!『無双セイバー』をIS専用武器に改造した、その名も『IS無双ブレード』!ロックシードを使って必殺技も打てるんだよ!あ、ロックシードは誰かに借りてね?」

 

 そして大量に製造された『IS無双ブレード』も配布される。これで学園の皆はインベス相手にもほぼ互角に戦えるようになった。勿論俺達アーマードライダーだって負けてないけどな。その後も代表や代表候補生に次々と武器が手渡された。

 

 束「よーし、これで配布はしゅーりょー!皆はそれぞれ受け取った武器の動作確認を必ずしておいてね!」

 『ありがとうございました!!』

 

 武器を受け取り、皆は束さんにお礼を言って次々と整備室を出ていく。どうやら早速武器を試す気なのか、皆はアリーナの方へと向かっていくようだ。

 

 束「いっくんも行ってきたら?ちゃんと攻撃が通るか不安でしょ?」

 「まあ正直その通りですけどね。でも大丈夫です、牙也がこの時の為に持って帰ってきた対インベスのデータ、信じないでどうするんですか?」

 束「そうだね、その通りだね。この世界を守る為に牙君が持ち帰ってきた大事な力……私達が信じて使わなきゃ、牙君に怒られるよね」

 「そうですよ。まぁ見に行くんですが」

 束「行くんじゃん結局!!」

 

 

 

 と、突然校内に警報が鳴り響いた。

 

 「束さん!」

 束「うん!」

 

 言うが早いか、俺は束さんと共に整備室を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「っ!インベスが来たか……!っと、しまった、ドライバーとロックシードを部屋に置いてきた」

 

 朝食を食べ終えて姉さんのいる整備室に向かっていると、突如警報が鳴り響いた。やれやれ、牙也の予想が大当たりしてしまったな、私としては外れてほしかったが……とにかくすぐに向かおうとしたが、戦極ドライバーとロックシードを忘れてきたのに気づいた。急いで部屋に戻り、早く皆と合流してインベスを撃退しなければ……

 

 「はぁ、はぁ……急がなければーーん?」

 

 部屋に到着してさぁ部屋に入ろうとした時、ドアを開ける手が止まった。鍵を掛けて出た筈なのに、何故か中から人の気配がする。おかしい、部屋の鍵は全てかけてから部屋を出た。だから牙也ではない。牙也なら普通に鍵を開けて入るし、何より私がいるのに鍵を閉めたりしない。ならば泥棒か?ともかく慎重に入るとしよう……私は音を立てないようにそっとドアを開け、部屋の中へとゆっくり入っていく。朝なので電気を付けなくてもある程度は部屋が見えるので、誰がそこにいるのかはすぐに分かった。が、

 

 ??「……ひっ!」

 「お前は……誰だ?」

 

 そこにいたのは、恐らく十歳にも満たないくらいの見た目の少女だった。よく見ると、どこかカンナに似ている。少女は私が怖いのか、小刻みだが震えている。取り敢えずこの子を落ち着かせないと話が出来ないな……私はゆっくりと少女に近づき、その子の頭をそっと撫でる。

 

 「大丈夫大丈夫……怒ってないから、そんなに怖がらなくていいんだ」

 ??「……怒って、ないの?勝手にお部屋に入ってたのに……」

 「大丈夫だ、気にするな。それよりお前は一体誰なんだ?何故ここにいるんだ?」

 

 私は少女にそう聞く。すると少女はゆっくりと私に寄ってきて、そのままギュッと私にしがみついた。そして耳元に顔を近づけてーー

 

 

 

 

 

 

 ??「……ちょっと我慢してね?」

 

 

 

 

 

 その時、私の意識は途切れたーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女は箒の胸に手を押し当てる。と、箒は一瞬で気を失い、その体は粒子になって少女に吸収されていき、やがて箒の姿は部屋からなくなった。少女は机に置かれていた箒の戦極ドライバーとロックシード一式を持ち、

 

 ??「……牙也お兄ちゃんの事、全部話すよ。だから少しの間、私と一緒にいてね?」

 

 同じく粒子となって消えた。

 

 

 

 

 




 次回もお楽しみに!

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