IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
牙也が目の前のオーバーロードーーデェムシュに向けて零旗を振り下ろす。デェムシュがそれを剣で防ぐと、牙也は更に叩き付けるようにして零旗を振るう。一方デェムシュは更に肩部の角から雷撃を放ち牙也を牽制しようとするが、牙也のその重厚な鎧の前には多少ビリッと痺れる程度のもの。ものともせず牙也はデェムシュに向かっていき、零旗を叩き付ける。
デェムシュ「無能な猿が……!何故滅びを止められぬ事を分かっていながら、尚も抗い続けるのだ……!?」
牙也「誰がそんな事決めたよ……?誰が滅びを止められないなんて決めたよ?そんなもん、実際に動いてみないと分かんないだろうが!てめぇらの価値観で勝手に決め付けるもんじゃねぇ!!」
牙也はそう叫んで零旗を振り下ろし、槍のように突く。デェムシュはそれをシュイムで弾き、火球を投げ付けてくるが、それを牙也は大きく振るった零旗から黒い炎を放って相殺させた。
デェムシュ「フン、馬鹿馬鹿しい……貴様等の価値観など、我等の前には捨てられるが運命の生ゴミをも下回る程に無意味ッ!無駄、無意味、無価値ッ!あまりにもくだらないものだッ!!」
牙也「くだらない……?ろくに人間の事を知ろうともせず、ただ単純に人間の価値観を『くだらない』の一言で片付けるてめぇらの価値観こそ、『くだらない』と言えるんじゃないのか?」
デェムシュ「ハッ、笑わせる!貴様等のような人間など、以前猿だった存在が無駄に知能を得ただけだろう!そんな輩の言葉や行動に、価値観などあるものか!」
デェムシュは更に火球を周囲にばら蒔くように飛ばした。しかしそれを再び大量に伸びた蔦が壁のようになって防ぐ。更に牙也は右手をデェムシュに向け、デェムシュの火球によって燃えていない蔦を全てデェムシュに向けて伸ばした。
デェムシュ「何っ!?ヘルヘイムの植物の力を……貴様まさか……!?」
牙也「その通り。あの時の蔦の壁は、俺が咄嗟に呼び出したものさ」
デェムシュ「貴様……!オーバーロードともあろう者が、我等を裏切るばかりか、あまつさえ人間に手を貸すとは……!恥を知れ!!」
牙也「うるさいんだよ……裏切る?悪ぃが俺はてめぇらの仲間になった覚えは無いね!ましてや俺はその人間に今まで育てられてきたんだぜ?俺を育ててくれた人間に攻撃するてめぇらの下で、なんで戦う必要がある?それがオーバーロードだからか?ハッ、だったらてめぇらの仲間になるなんざこっちから願い下げだぜ」
デェムシュ「黙って聞いておけば……ならば潔く我等に殺されろ!!」
デェムシュはシュイムを構えて牙也に突撃する。と、
《火縄名冥DJ銃!》
牙也は火縄名冥DJ銃を取り出して銃身の丸いプレートをスクラッチし、スピードコントロールツマミを上に向けた上でもう一度スクラッチした。そしてDJ銃をデェムシュに向け、引き金を引く。と、DJ銃からマシンガンのように黒い弾が放たれた。咄嗟にシュイムを前に構えてそれを防御するデェムシュだったが、防御が多少遅れた為かそのほとんどを被弾する事になった。更に牙也はデェムシュが銃撃によって吹き飛んだ際の隙をみて、他のオーバーロード達にもDJ銃を発砲、その強さの前に劣勢であった箒達を援護する。その援護に助けられた箒達は、オーバーロード達にそれぞれが強烈な一撃を当てて吹き飛ばした。オーバーロード達はデェムシュの近くまで吹き飛ばされる。
レデュエ「グオッ!?貴様、余計ナ真似ヲ……!」
牙也「余計な真似をしなきゃ負けるんでな。皆、大丈夫か?」
千冬「大丈夫だ、良いタイミングで援護してくれたな、感謝する」
牙也「そりゃ良かったです。奴等の攻撃は極力回避した方が良いかもしれませんね」
レデュエ「クッ……グリンシャ、デュデュオンシュ、シンムグルン!オ前達三人デ奴等ヲ包囲シ、波状攻撃ヲ掛ケルノダ!強烈ナ一撃ヲ与エレバ、奴ノ鎧モ保タヌ筈ダ!」
グリンシャ「……はっ」
レデュエの命令で、オーバーロード三体が牙也に向かってきた。牙也は火縄名冥DJ銃を構えると、先程と同じようにマシンガンのように黒い弾を放つ。それをグリンシャは大剣で斬り裂き、デュデュオンシュは自らが放つ火球で相殺して、シンムグルンは斧で斬り裂いて対処し、そのまま牙也に武器を振り下ろした。牙也はそれら全てをDJ銃の銃身で順番に防いで弾き、逆にその銃身でグリンシャ達をぶん殴った。
《ロック・オン》
デュデュオンシュ「ま、まずい!レデュエ様達をお守りせねば……!」
三体が怯んだ隙に、牙也はゼロロックシードをDJ銃にロック、その銃口をデェムシュ達に向ける。グリンシャ達は慌ててデェムシュ達を守るように立ち塞がった時、
牙也「これでも食らっとけ!!」
《ゼロチャージ!》
銃口に溜められた闇の如くドス黒いエネルギーが、DJ銃の引き金を引くと同時に一気に放出され、黒いエネルギーの奔流となってデェムシュ達を呑み込んだ。大爆発と共に、周囲は黒煙に包まれる。
一夏「……やったのか?」
牙也「分かんねぇ。何にせよ、まだ警戒を解かないようにな」
牙也はそう言ってDJ銃を構え直し、一夏達も牙也に倣って武器を構え直す。やがて黒煙は晴れていくーーと思いきや、黒煙と周囲の炎が何かに吸収されていくのが分かった。その光景に牙也達周辺の空気ははりつめたようになる。やがて黒煙が全て吸収されると、
??「まったく……この程度の攻撃に臆するとは、オーバーロードも形無しだな」
そこには、一際派手な服装に身を包んだ男がオーバーロード達を庇うように立っていた。
千冬「貴様……何者だ?」
??「フン、人間ごときに名乗るのも恥だが……敢えて名乗ろうか。私は『コウガネ』……新世界の神となる者だ!」
牙也「コウガネ……そうか、お前が……!」
一夏「てめぇ……一体何が目的だ!?こんな事しやがって、ただで済むと思ってんのか!?」
コウガネ「この程度の事で一々騒ぐな、人間共が……」
一夏「この程度だと!?てめぇ……!」
牙也「落ち着け一夏。コウガネ……お前の目的は既に分かってる。お前の目的、それは……『禁断の果実』と『黄金の果実』を手中に納める事。そうだな?」
牙也はコウガネを指差しながらそう言う。するとコウガネは「くくくっ」と含み笑いをしながら答えた。
コウガネ「そこまで分かっているとはな……その通りッ!!この世界に流れ着いた黄金の果実、そして禁断の果実、双方を手中に納め、今ある世界を滅ぼしここに新たな世界を生み、その世界の神として君臨する事ッ!!それこそが私の野望だ!!」
スコール「この世界を滅ぼす……!?」
コウガネ「そうだ……この私が全ての生命の頂点に立ち、生きとし生ける者全てを支配する。それこそが、私が望む世界よ!」
箒「そんな事、絶対させるものか!貴様の野望、私達が砕いてやる!!」
コウガネ「フン、やってみろ。貴様等人間ごときに、神たる私は倒せぬさ……!」
そう言ってコウガネはレデュエに目を向ける。レデュエは頷いて右手を一夏達に向けると、一夏達の足元から蔦が伸びてきて、一夏達を閉じ込めてしまった。それを確認し、コウガネは不気味な笑みを浮かべながら牙也に目を向けた。
コウガネ「……それに、私の目当ては今、私の目の前にあるからな。貴様等への興味など一切無い」
千冬「目当てだと……?」
千冬達もつられてコウガネの目線の先にいる牙也を見る。当の牙也は、相変わらずDJ銃を構えていた。
コウガネ「お前か……私を神の領域へと導く鍵は。その有り余る力……私に寄越せ!!」
牙也「なんだ、分かってたのか……じゃあ奪ってみろ。簡単には渡さない!!」
牙也はそう言ってコウガネにDJ銃を向け、マシンガンのように弾を連射した。コウガネはそれを透明なバリアを張って防ぐ。
コウガネ「お前程度、私が相手するまでもない……行け、私の忠実なしもべよ」
コウガネは指を鳴らしてクラックを開く。と、その中から一人の男が現れた。その男が現れた時、一夏達は思わず武器を再び構え直していた。
春輝「クヒャハハハハハ……!!遂に、遂に来たぜ……!!漸くてめぇを合法的に殺せる時が来たァァァァァ!!」
一夏「……っ、春輝……!」
千冬「愚か者が……遂にそこまで堕ちたか……!」
春輝「アァ?煩いんだよ無能共がよぉ……それにしても随分そいつに毒されたみたいだなぁ、一夏。そいつの事を何も知らないで、呑気なもんだなぁ!」
一夏「何が言いたい……!?」
春輝「ヒャハハハハハ!ま、すぐに嫌でも分かるさ!!待ってろよ、すぐにこいつを片付けて、それからじっくりなぶり殺してやるからよぉ!!」
《ダークネスエナジー》
《ロック・オン》
春輝「へぇん身ッ!!」
《黒!ダークネスエナジーアームズ!黄金の果実!!》
春輝は『仮面ライダー邪武 ダークネスエナジーアームズ』に変身し、黒く汚れたソニックアローを構えた。
春輝「行くぜオラァァァァァァ!!」
牙也「馬鹿が……何も知らないでやがるな。しょうがない、相手してやるか」
牙也はDJ銃を零旗に持ち替え、春輝に向かっていった。
次回、牙也VS春輝。しかし事態はとんでもない結末へーー。