IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 はい、読者の皆様、一ヶ月以上更新なじで申し訳ありませんでした。学生身分故に就職活動等でリアルに執筆の暇がなかったんですよね……言い訳にしかなりませんが。今回はその合間を縫って、急いで執筆しました。

 取り敢えず今後もどうなるか分かりませんが、少なくとも失踪はしませんのでご安心を。
 では久々に始まります。




第85話 運命ガ定マル時

 溢れるばかりの数の黒きインベスとイナゴ怪人が広い荒野の真ん中でぶつかり合う。その数それぞれ五千はいるだろうか、あちこちで取っ組み合い、殴り合い、地上戦、空中戦を展開している。

 

 ??「我ラ……我ラ信ズルハ、我ラガ神……イヤ、神王様ノミ……!皆、進メ!!神王様ノ為、我ラハコノ身全テヲ捧ゲ、神王様ガ天ニ立ツソノ時マデ戦イ続ケルノミ!!」

 『オオオオォォォォォォォ!!』

 

 ある一匹の黒きインベスが先頭に立ち、他の黒きインベス達に呼び掛ける。そのインベスは姿こそシカインベスに似ていたが、その目は紅く光を帯び、背中にぼろ切れを纏い、その左手には剣を握っていた。黒きシカインベスの掛け声に、他の黒きインベス達も大きな声援で応える。そして次々と襲い掛かってくるイナゴ怪人を片っ端から殴り飛ばし、放り投げ、組伏せて取っ組み合う。

 

 シカインベス(黒)「右翼ト左翼ノ諸君ハ前方二展開、中央ノ諸君ハ一旦後退セヨ。ソノママ敵ヲ包囲シ、四方カラ押シ潰セ!!」

 『オオオオォォォォォォォ!!』

 シカインベス(黒)「上空デ待機スル諸君ハ、包囲ヲ抜ケ逃走スル敵ヲ随時撃破セヨ、一匹タリトテ逃ガスデナイゾ!!」

 『グオオオオォォォォォォォ!!』

 

 黒きシカインベスは大声で指示を出し、他の黒きインベス達を導いていく。そして自らも前線に立ち、左手に持つ剣を振るってイナゴ怪人を斬り倒していく。ある程度斬り倒し、黒きシカインベスはふとある一方を見る。その目線の先には、コウガネと再び刃を交わす牙也達三人がいた。

 

 シカインベス(黒)「神王様、王妃様……ココハ思ッタヨリ早ク片ガツキソウデス。後ハ……貴方ダ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 《ライムラッシュ!》

 

 牙也「せいっ!」

 

 『仮面ライダー零 絆アームズ』に変身した牙也が、絆ロックシードを捻ってライムラッシュを呼び出し、コウガネに向けて振り下ろす。コウガネがソードブリンガーで弾くと、

 

 《クルミボンバー!》

 

 コウガネ「っ!?ちっ!」

 

 牙也が唐突に頭を屈めたその後方からクルミボンバーが突っ込んできた。それを舌打ちしながらアップルリフレクターで受け止め、払い退ける。そして追い掛けるように攻撃してきた牙也を迎え討つ。

 

 コウガネ「私の野望への道のりに、邪魔できる者などいない……そう思っていた。だがしかし、蓋を開けてみればどうだ……!?貴様という障壁が、私の行く手を阻む……!あの時もそうだった……葛葉紘汰さえいなければ、私の野望は容易く達成できたのだ……!何故……何故貴様等人間は、私の野望に真っ向から抗う!?何故人間は、己の弱さを分かろうとせぬ!?」

 準也「分かろうとしていないのではない……分かっているからこそ、貴様のような輩には媚びぬのだッ!!」

 

 牙也とコウガネが鍔迫り合いをしているところに、準也が大剣を振りかざしながら割り込んできた。二人揃ってそれを回避したところ、更にソニックアローを持った箒も割り込んできてコウガネに攻撃を仕掛ける。

 

 箒「確かに私達人間は、お前の言う通り弱いさ。だからと言って私達人間は、弱いまま終わるつもりはない。私達は弱い、だから強くなりたい……だから私達人間は、強さを追い求める。そして強さを手に入れ、戦う。言うなれば私達は常に、誰よりも強くありたいと願っているのだ。まあ私も人間のはしくれだから、偉そうには言えぬがな」

 コウガネ「下らぬ欲よな。誰よりも強くありたいなどと……そのような下らぬ欲が、止まらぬ争いを引き起こしておると言うのに。そのような愚かな者共に、未来など必要ないッ!!」

 

 箒と準也の攻撃をいなしながらコウガネが叫び、一旦距離を取ってからソードブリンガーを天高く掲げると、剣先から炎が吹き出し、一つに集束していく。それはやがてあの巨大な馬の怪物となった。

 

 コウガネ「私が貴様等から未来を奪ってやる……そして貴様等人間を滅ぼし、私が神として天に立つッ!!」

 

 そして掲げたソードブリンガーを牙也達に向けると、炎の馬は嘶きながら牙也に向けて一直線に突進していく。それと同時に、炎の馬は周囲に火炎弾をばら蒔いていった。

 

 牙也「……るな」

 コウガネ「?」

 

 《火縄名冥DJ銃!》

 

 《無双セイバー!》

 

 牙也は降り注ぐ火炎弾を巨大なバリアを張って全て防ぎ切り、更に火縄名冥DJ銃と無双セイバーを呼び出して二つの武器を合体、巨大な大剣にした。それを両手に持ち、強く握り締める。その間にも、炎の馬は牙也へと突進してきていた。そして馬がぶつかるその瞬間ーー

 

 牙也「命一つの重みも分からない奴が……神を語るな」

 

 その言葉と共に馬は火縄名冥DJ銃・大剣モードの一閃の前に真っ二つに斬られ、嘶きも響かぬまま力なく倒れ伏し、炎と共に消滅した。

 

 コウガネ「一閃……!?あの葛葉紘汰でさえ倒すのに苦労した我が力を、いとも容易く……!?」

 

 牙也の圧倒的実力を前に、コウガネは一瞬怯む。そして一瞬ーーその一秒にも満たない間に、瞬きをした次の瞬間ーー目を開けば、それぞれの武器を振り下ろしてくる三人がいた。金色に煌めくアーマーを斬り裂かれ、コウガネは大きく後退を余儀なくされる。

 

 牙也「神になるって事を、お前は何も分かっていない。神になるという事はな……たとえどんなにその世界に存在する生命が愚かしい存在であったとしても、その生命の最期の時まで見守り続けるって事なんだよ……神様になろうって奴が、簡単に『滅ぼす』なんて言葉を口にするんじゃない!!」

 コウガネ「黙れッ!!生命とは所詮神に操られるだけの存在!!大人しく私の意のままに動いていれば良いのだ、身の程知らずの無能な生命がッ!!」

 

 《ゴールデンエナジースパーキング!》

 

 コウガネはシーボルコンプレッサーを二回押し込んで、ソードブリンガーに膨大な量のエネルギーを纏わせる。それはやがて、その切っ先が天さえも貫かんとする程に長い刃となった。そしてコウガネは、その長大な刃を三人に向けて薙払うように振るう。

 

 コウガネ「屈しろ無能共ッ!!我が力の前に塵も残さず消え失せるが良い!!」

 牙也「絶対に屈さない……!俺達の世界も未来も、俺達の手で守り抜いてみせる!」

 準也「我等とお前という因果を今!ここで完全に断ち切る!!」

 

 コウガネの振るった刃を準也がバリアを張って防ぎ、

 

 牙也「俺の心に眠る黄金の果実よ……俺達の祈りに応えてくれ!!」

 

 《絆レボリューション!!》

 

 牙也はカッティングブレードでロックシードを三回切った後で絆ロックシードを一回捻る。すると、牙也の体が黄金と漆黒の光に包まれたかと思うと、光が晴れた時、その背には先程の光と同じ黄金と漆黒の翼が生えていた。翼を羽ばたかせ、牙也は空へ飛び立つ。そして、

 

 牙也「繋がれ、俺達の声よ……轟け、俺達の怒りよ……届け、俺達の祈りよ……そしてッ!今こそ響け、俺達の魂の鼓動よ!!」

 

 空中で牙也は両手を大きく広げる。と、牙也の体は輝きに包まれていき、その輝きは今牙也達がいる大地を覆い尽くしていくーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてその輝きは、学園で劣勢ながらも奮戦している仲間達の元へも送り届けられた。

 

 束「この輝きって……!」

 千冬「間違いない……牙也が、私達を求めている……!」

 一夏「千冬姉、皆!」

 千冬「言わずもがなだ……皆、武器を掲げろ!そして祈れ!今こそ、私達の絆を示す時だ!!」

 

 千冬が先んじてソニックアローを天高く掲げ、それに続いて他のメンバーも次々と各々の武器を天高く掲げる。するとそれぞれの武器から一筋の光が現れ、それら全てがある一点へと集まっていく。やがて一つに集束した光は、一瞬の輝きと共に爆ぜて、次々とインベスへと降り注いでいく。

 

 インベス達『ギ、ギィィィィィィ……!!』

 

 光を受けたインベスは苦しみ始め、次々と膝をつくが、それでもなお立ち上がり襲ってきた。しかしその動きは誰でも易々と回避できる程に、今までとは比べ物にならないくらい弱々しくなっていた。

 

 スコール「様子がおかしいわね……さっきの光が原因かしら?」

 束「弱体化したのかな?だとしたらチャンスだよ!」

 千冬「よし、一気に叩き潰すぞ!」

 

 千冬の号令の元、再び全員がインベスに立ち向かう。学園での戦いも、終わりに差し掛かろうとしていたーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コウガネ「こ、この光はーーっぐ!?」

 

 そしてこの光を浴びたコウガネもまた、体をよろめかせ膝をつく。装備していたソードブリンガーとアップルリフレクターは、一瞬ノイズのようなものが発生したかと思うと、また一瞬にして消え失せてしまった。

 

 コウガネ「く、くそっ……また、力が抜けて……!」

 準也「おお……!これが、牙也の体に潜む黄金の果実の力……!全てを浄化する神聖なる輝きと、全てを呑み込む邪悪なる輝き……!相反する二つの光、なんと美しい……!」

 コウガネ「おのれ……ふざけた真似をぉぉぉぉぉ!!」

 

 《ゴールデンエナジースカッシュ!》

 

 コウガネは苦し紛れにシーボルコンプレッサーを一回押し込み、準也に向けてストレートパンチを繰り出した。気づいた準也もすぐにバリアを張ってこれを防ぐ。が、

 

 コウガネ「その程度で……笑わせるなぁぁぁぁ!!」

 準也「ぐあっ!?」

 

 コウガネの怒りの一撃は準也が張ったバリアを易々と砕き、胸部に一撃を食らわせて吹き飛ばした。

 

 牙也「父さん!」

 箒「準也さん!」

 準也「ぐ、ううう……わ、私の事は、良い……!だから、早く奴を……!」

 

 胸部から紫電を発しながら倒れ伏した準也は、呼び掛けてくる二人にそう告げる。二人が見ると、コウガネが二撃目を当てんと突っ込んできている。

 

 箒「やらせはせん!」

 

 咄嗟に箒がその体を輝かせたかと思うと、一瞬の間にコウガネの前に立ち塞がって攻撃を防ぎ、弾き飛ばした。更に空中にいた牙也が無双セイバーでコウガネを斬り、充分な距離を取る。

 

 箒「牙也、決めるぞ!」

 牙也「……ああ!」

 

 《ソイヤッ!絆スカッシュ!》

 

 《ソーダァ!リンゴエナジースカッシュ!》

 

 牙也はカッティングブレードを、箒はシーボルコンプレッサーをそれぞれ一回操作し、右足にエネルギーを溜めながらゆっくりと上昇していく。そして頂点に達した時、

 

 牙也「俺達の絆の力は……!」

 箒「誰にも奪わせない!」

 

 右足を輝かせながらダブルライダーキックを繰り出した。コウガネは先程と同じくストレートパンチで受け止め応戦する。激しいエネルギーのぶつかり合いに、バチバチと火花が散る。が、

 

 コウガネ「ぐおっ!?」

 

 一瞬コウガネが揺らいだ。ライダーキックをする二人の後方から、準也が大剣の斬撃を飛ばしてアシストしたのだ。これによってキックを防ぐ手段をコウガネは失い、

 

 牙・箒『ッだぁぁぁぁぁぁ!!』

 コウガネ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

 二人のライダーキックは胸部に直撃、また大きく後方へ吹き飛ばされ倒れ伏した。

 

 コウガネ「ば、馬鹿、な……また、破られたのか……人間ごときに、この私が……わ、私の、野望が……」

 牙也「一生来るもんか、お前の時代なんかな。誰もお前を信じなかった、それがお前のたった一つの敗因だ」

 

 着地した牙也は、虫の息状態のコウガネにそう声を掛け、体を翻す。

 

 牙也「さぁ……天へと堕ちていけ……そして、相応の裁きを受けろ!!」

 

 その言葉と共に、コウガネは断末魔の叫びも上がらぬまま大爆発に呑み込まれていったーー。

 

 

 

 

 

 

 




 次回も気長にお待ち下さい。

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