IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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その1


ジオウ・オンパレード NextStage 2019(1)

 ソウゴ「アナザーライダーだって……!?そんな、アナザーライダーは俺達の世界にしかいない筈じゃーー」

 

 ソウゴのその言葉に、レイは首を横に振って答える。

 

 レイ「だが実際に存在してしまった。あの世界に」

 ソウゴ「どうして……!」

 レイ「仮面ライダー鎧武……かのライダーの物語が消えた事。それが全ての始まりだった」

 

 レイはそう言って事の経緯を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 レイの話を要点だけ纏めて話すとこうである。

 

 元々その世界は、仮面ライダー鎧武の世界に存在したオーバーロードインベス・ロシュオが流れ着き、彼らが黄金の果実を人工で作ろうとした結果、失敗作であったとして封印、その後鎧武の世界を含め三度の復活を遂げた存在・コウガネを撃破せんとして、新たなアーマードライダーの力が生まれた。更にロシュオはアーマードライダーの力が正しき人間達に手渡されるようにする為、予め回収していた黄金の果実を媒体として人工オーバーロードを作り上げてその世界に置き、コウガネに対する対抗措置としていた。この対抗措置のお陰でコウガネは三度倒され、その世界には平和が戻るーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 筈だった。

 

 

 

 

 ジオウーーソウゴが鎧武の力を受け継ぎ、鎧武の物語が消滅するまでは。

 

 

 

 

 

 ソウゴ「……つまり、俺が鎧武の力を受け継いだ事で、君達の世界も同じように無かった事になろうとしているーーって事?」

 レイ「半分正解だ……が、もう半分は違う」

 ソウゴ「?」

 レイ「別にお前が鎧武の力を受け継いだ事は問題ではない。寧ろそれが運命だった……そしてあの世界もまた、本来の歴史に戻る運命だった。そういう事だ」

 ソウゴ「運命……」

 レイ「だが我が最も問題視しているのはそこではない。何者かが本来存在しない筈のアナザーウォッチを所持し、タイムジャッカーの真似事が如くその世界の頂点に君臨せんと企んでいる事なのだ」

 

 レイいわく、誰がいつ何の目的でアナザーウォッチを手にしたのかはまだ不明だという。しかしスウォルツ達タイムジャッカーのアナザーウォッチではないにしろ、出自不明のアナザーウォッチによって世界が書き替えられようとしている事に変わりはない。

 

 ソウゴ「それで俺の力が必要になった、と」

 レイ「大まかに言えばそういう事だ。ライダーの記憶を内包したライドウォッチ……それを使えるお前なら、奴を倒すのは苦にもなるまい」

 ソウゴ「成る程ね……でも良いのかい?もし俺がその世界を救ったとしても、アナザーライダーの元になった仮面ライダーはもう戻ってこない。それにーー」

 レイ「構わん。ライダーの記憶を取り戻すには、二年という月日は長すぎた。もっと早くにお前に協力を依頼していれば或いは……いや、考えても仕方がないか」

 

 レイはそう言って天を仰ぐ。仮面に隠れて分かりにくいが、その顔には哀愁の念が見てとれた。

 

 レイ「まぁ、なんだ。お前がライダーの記憶を受け継いでくれれば、我は充分満足だ。どうだ、頼まれてはくれないか?」

 ソウゴ「……分かった。協力するよ、今回だけね」

 レイ「感謝する、若き日のオーマジオウ。では早速で申し訳ないが、すぐにその世界に向かってほしい。どうやらアナザーライダーを生み出した阿呆が、既に動き出しているようだ」

 

 レイはそう言って指を鳴らした。するとレイの背後にクラックが開いた。そのクラックからは闇の瘴気が溢れ出ている。

 

 レイ「これを潜ればすぐだ、行ってくれ」

 ソウゴ「分かったよ、ありがとう」

 レイ「あぁそれと今回の為にーー」

 

 レイが言葉を繋げるより早く、ソウゴはクラックへ飛び込んでいく。クラックはソウゴが中に飛び込むや否や、溢れていた瘴気と共に消えていった。

 

 レイ「もう二人程協力を頼んだのだがーーってもう遅いか」

 

 レイはそう言って頭を掻く。クラックがあった場所を見つめながら、レイはぼそりと呟いた。

 

 レイ「頼んだぞ、若き日のオーマジオウ……我にはもう、時間がないのだ」

 

 

 

 

 

 

 

 IS学園。

 

 

 

 最終決戦から既に二年が経過していた。現在の学園は二年前から大きく様変わりし、新たな建物が建設される等して学園の規模は更に大きくなっていた。かつての決戦を知る生徒達も二年という時間の中でその半分以上が卒業、教員も三分の二が交代し、残っているのは当時の一年生と一部の教員のみであった。

 

 二年前の決戦は、当時は『水面下の大決戦』として大きく注目を集めていた(ヘルヘイムの森が突如世界各地の上空に現れた事が発覚の原因)が、決戦が終結して僅か数日であっさり世界中から忘れ去られるという異例の事態となった。原因は未だ分かっておらず、今ではその大戦を知るのは、先程も挙げたIS学園に在籍する一部の生徒教員のみである。

 元々ヘルヘイムの森による侵食はIS学園に留まらず世界へと広がっていたが、中でもIS学園がそれが顕著であった為、他での人的被害(ヘルヘイムの森に迷い込んで行方不明になる等)は埋もれた状態であった。しかし今では、ドライバーやロックシードが行方不明になった事によるアーマードライダー達の存在及びヘルヘイムの森の消滅が原因なのか、人的被害を受けた人達はいつの間にか社会復帰し、普段通りの生活を送っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、話を学園に戻してーー

 

 

 

 

 

 ??「フッ!ハアッ!ヤッ!」

 

 その学園の敷地の一角にある剣道場。そこには防具を着用して竹刀を振るう一人の女子生徒の姿があった。一心不乱に竹刀を振るい、その動きに一切の乱れはなく、吹き出す汗は多かれど疲れている様子は一切見えない。やがて彼女は竹刀を振るうのを止めると、その場にゆっくり正座して竹刀を置き、防具を外す。そして防具を体の横に置くと、ゆっくりと息を吐く。

 

 箒「……ありがとうございました」

 

 一礼して汗を拭っているこの女子生徒こそ、あの決戦を知る者の一人であり、かつてアーマードライダーレオンとして最後まで戦い抜いた猛者でもある、篠ノ之箒その人であった。二年の月日が経った今、箒は引き続き剣道に打ち込むと同時に、数ヶ月前に任命されたばかりの日本代表候補生という肩書きによってISの訓練にも力を入れていたのである。

 ちなみに箒のISは、『銀の福音事件』の際に束が持ってきた第4世代IS『紅椿』を使用する事になった。というのも、この二年の間に紅椿は束の下で更に改造され、そのブッ飛び性能を説明した映像が束の手で各国に送られた事で、様々な国家が所有権を巡って争っていたのだが、それを使いこなせるIS操縦者ーー束によって候補生はおろか現役の操縦者ですらもて余すISに魔改造されていたから仕方ないのだがーーが各国にはおらず、結局魔改造前に搭乗経験のあった箒が所有権を獲得する事になった。この決定を聞いた束は、何やら裏でニンマリと笑みを浮かべていたようだが。

 

 箒「……」

 

 箒は足を崩し、後ろに倒れ込んだ。服に染み込んだ汗がべったりと体にまとわりつき、動いた事で暖まった体を急激に冷やしていく。背中に感じる不快感に、箒はたまらず体を起こした。とそんな箒の顔へ、勢いよく何かが投げ付けられてきた。危うく顔面で受けそうになったそれを手に取ると、普通にタオルであった。

 

 ??「お疲れ。しっかり体を拭きなさいよ、ほっとくと体冷やすんだから」

 箒「ああ。いつもすまないな、鈴」

 鈴「良いのよ、好きでやってるんだから。はい、スポドリ」

 

 鈴が差し出したスポーツドリンクを「ありがとう」と言って受け取り、蓋を開けて一気に半分ほど飲み干す。

 

 鈴「落ち着いて飲みなさいよ、噎せるわよー」

 箒「分かってるさ」

 

 そう言って箒はスポーツドリンクを床に置く。そして「はぁ……」とため息をついた。

 

 鈴「……まだ引き摺ってるの?」

 箒「……いや、そうじゃない。あれからもう二年になるのかと考えると、な」

 鈴「そうね……それにしても不思議よね、あんだけ大騒ぎになったのに、今じゃあれを覚えてる人はあたし達学園の一部の人間しかいないなんて。白騎士事件の時じゃないけど『世紀の大事件』って言われてもおかしくないでしょ」

 箒「ああ。それに、ドライバーやロックシードがいつの間にかなくなった事も気になる。盗まれた訳ではない、紛失した訳でもない、ならばどうしてなくなったのか……疑問は尽きないな」

 鈴「牙也がそうなるように設定したっていうのは?」

 箒「そうする理由も思い当たる分、可能性としてあり得なくはないが……私達の一存ではな」

 鈴「そうよね……ところで箒、あんたこれから何か予定ある?」

 箒「いや、無いが……ISの訓練か?」

 鈴「ええ。動きを見ていてくれるだけで良いから、付き合ってくれない?」

 箒「分かった、何なら訓練にも付き合うが」

 鈴「良いわよ、気にしなくて。さっきので疲れてるでしょ?それにあんたのIS、今束さんが点検中じゃない」

 箒「あれくらいなら準備体操と同等だ、問題ない。それにあれが無くとも訓練機を使えば良い話だろうに」

 鈴「まったくもう……無理だと思ったら止めるからね」

 

 互いに苦笑いを浮かべながら、二人はアリーナへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学園のアリーナは複数あるが、どこも入学生の増加に伴って改築され、二年前の倍近い広さになった。より多くの人員を収容できるようになった各アリーナには、既に多くの生徒がISの練習もしくは先輩達の見学の為に訪れていた。

 そしてここは、それらのアリーナの中でも一番の広さを持つ第1アリーナ。

 

 生徒A「キャー、オルコット様ー!!こちらを向いて下さーい!!」

 生徒B「あぁ、なんと凛々しいお姿を……いけない、鼻から出てはいけないものが……」

 生徒C「足りない……オルコット様成分が、圧倒的に足りない……!」

 

 その観客席の一角に、一際目立つ生徒達の集団があった。横断幕やら旗やらプラカードやら、色々掲げて黄色い声援を送るのは、学園の一年と二年で構成された集団だ。彼女らの目線の先にいるのは、自身のIS『ブルー・ティアーズ』を展開し、アリーナの中央で悠然と佇むセシリア・オルコットであった。セシリアは空中静止した状態で目を閉じ、ピクリとも動かない。その周囲を、量産型ISを纏った女子生徒達が包囲する。そして合図と共に一斉にセシリアに向けて攻撃する。

 

 セシリア「……私には、全て見えていますことよ」

 

 そう呟き、セシリアは目を閉じたまま頭上に向けてライフル『スターライトMk,Ⅲ』からレーザーを次々と放つ。レーザーは放たれたと同時に二度三度と急激に曲がり、周囲のISの武装やアーマーに直撃していく。わずか十数秒で、全てのISはSE切れとなった。

 

 セシリア「ふぅ……偏向射撃にも大分慣れましたね。ですが、まだ粗がある……今後の課題になりますわね」

 生徒A「キャー、オルコット様素敵ー!!」

 生徒B「あぁ、戦うお姿もなんと凛々しい事か……まずい、濡れてきた」

 生徒C「フフフ……オルコット様成分、順調に溜まっているわ……!!」

 

 若干危険な言葉が出てきたが気にしないでいただきたい。とにかく練習を終えて優雅に地上に降り立ったセシリアは、ISを解除すると観客席の生徒達に向けてにこやかな笑みを見せながら軽く手を振る。それだけで更に生徒達のボルテージは上がり、益々黄色い声援が飛び交う。

 

 もう気づいただろうが、彼女らはこの二年の間に現れたセシリアのファン達によって結成された『オルコットお嬢様親衛隊』という学園長公認の組織なのである。最初は小さかったこの組織も、現在では学園の三分の一が組織に入っている程の大所帯だ。

 

 セシリア「ふふ……注目されるのも、悪くありませんわね」

 鈴「今日も平常運転ねぇ、あんたのファンクラブ」

 

 その声にセシリアがピットの出入口に目を向けると、ISスーツに着替えた箒と鈴がいた。

 

 セシリア「あら、篠ノ之さんに凰さん、ご機嫌よう。これから訓練ですか?」

 鈴「ええ。箒に色々見てもらおうかと思ってね」

 

 /アッ,アレハファンセンパイダ‼️\

 

 /チッチャーイ,カワイイ-‼️\

 

 鈴「誰よ豆粒ドチビとかほざいたのは!?」

 

 /イヤ,ダレモイッテマセーン!?\

 

 箒「この弄りも平常だな」

 鈴「平常であってほしくなかったわ……」ガックリ

 セシリア「それで、如何致しますか?久々に一戦交えるのでしたら、大歓迎ですわよ?」

 鈴「良いわね、やりましょ。箒、審判お願いね」

 箒「分かった」

 

 箒は頷いて管制室へと走っていく。セシリアと鈴はそれぞれのIS『ブルー・ティアーズ』と『甲龍』を展開して待機し、開始の合図を待つ。

 

 箒「二人とも、準備は良いな?」

 セシリア「何時でも行けますわよ」

 鈴「どんと来なさい!」

 箒「よし、ではこれより、セシリア・オルコットvs凰鈴音の模擬戦を開始する。ではーーはj《ドゴンッ!!》な、なんだ!?」

 

 突然の大きな音に箒は管制室の窓からアリーナを覗き込む。そこに見えたのは、アリーナの壁に大きく空いた穴と、何やら鎧武者のような見た目の何かだった。それを見て箒は大いに驚いた。

 

 箒「あれは、零……!?いや、それにしては何かおかしい……くっ、とにかく皆を……!」

 

 その異形を目にして驚きを隠せない箒ではあったが、とにかく急ぎ警報ボタンを押して、アリーナの生徒達に危険を知らせる。

 

 箒「第1アリーナにいる生徒達に告ぐ!アリーナに謎の侵入者あり!アリーナ内にいる生徒は急ぎアリーナから脱出せよ!繰り返す、生徒達は急ぎ第1アリーナから脱出し避難せよ!」

 

 箒の放送によって危機を知った生徒達は、慌ててアリーナから避難していき、ISを展開して練習をしていた他の生徒が彼女らの避難を支援する。わずか一分ほどで、ほぼ全員の避難は完了した。

 

 千冬『篠ノ之!これは何の騒ぎだ!?』

 

 すると管制室に千冬からの通信が入ってきた。

 

 箒「ちふーーじゃない、織斑先生!第1アリーナに侵入者です!急ぎ教員部隊の救援をお願いします!」

 千冬『なに!?分かった、すぐに向かう!アリーナに誰か戦える者はいるか?』

 箒「オルコットと鈴がいます!迎撃させますか?」

 千冬『侵入者の動きによる。向こうが攻撃してくるようなら迎撃させ、来ないならそのまま様子を見ろ。私達が来るまでなんとか持ちこたえるんだ。一分で合流する!』

 

 そこまで言って、通信は一方的に切られた。箒は「やれやれ」と首を振りながらアリーナに目を向け、セシリア達に通信する。

 

 箒「オルコット、鈴。千冬さんから、『一分で着くから、それまで持ちこたえろ』との事だ。私もすぐにそっちに向かう!」

 セ・鈴『了解(しましたわ)!』

 

 箒と通信を終え、セシリアと鈴は謎の侵入者に目を向ける。鎧武者にも見えるその侵入者の目が、二人を捉える。

 

 鎧武者「ガァァァァァァ……グァァァァァァ!!」

 

 侵入者は二人を見るなりそう吠えて左手の青龍刀を構えた。

 

 セシリア「なんとも不気味な姿ですわね……それにしてもあの姿、牙也さんが変身していた零に見えるのは私だけでしょうか……?」

 鈴「奇遇ね、あたしもよ。でどうする?応戦すんの?」

 セシリア「あちらは聞く耳をお持ちではないようですから、やらざるを得ないでしょうね」

 鎧武者「グルル……ガアッ!!」

 

 その時、

 

 鈴「ッ!?」ガキンッ

 

 鈴の目の前に既にその鎧武者はいて、青龍刀を振り下ろしてきていた。鈴は辛うじてそれを自身の青龍刀『双天牙月』で防ぐ。常人なら受け止める事はおろか姿すら見える事もないであろうその攻撃スピードは、二人の顔をしかめさせるには充分であった。

 

 鈴「ッ……こいつ、速い……!それに重いわね……!」

 セシリア「お行きなさい、『ブルー・ティアーズ』!」

 

 セシリアはスカート部からビット型武器『ブルー・ティアーズ』を分離して鎧武者に向かわせた。ビットからの絶え間ない射撃とセシリアのライフルからの射撃、二種類の射撃が鎧武者を襲う。しかしその射撃は虚しくボロボロの鎧に全て阻まれた。

 

 鎧武者「ガァァァ!!」

 

 鎧武者は鈴の攻撃を青龍刀で弾くと、少しの溜めの後セシリアに向け青龍刀で突きを繰り出した。と、青龍刀から発せられたエネルギーの刃が次々とセシリアへと飛んでいき、まるで分裂したかのように連続突きを繰り出した。セシリアはなんとかライフルを盾にして防ぐが、連続突きは『ブルー・ティアーズ』の装甲をゴリゴリと削り取っていき、それに比例してSEも削り取られていく。

 

 セシリア「くううっ!?」

 鈴「ちょっと!あんたの相手はあたしよッ!」

 鎧武者「ギギッ!」

 

 鈴が牙月で再び攻撃して気を向けさせようとすると、鎧武者が右手を鈴に向ける。すると何処からともなく蔦が伸びて鈴に襲い掛かってきた。蔦は鈴の両手両足に巻き付き、動きを封じてしまった。

 

 鈴「牙也と同じように蔦を……!くっ、離しなさいよ!」

 鎧武者「ギギギ……ガアッ!!」

 

 身動きの取れない鈴に向けて鎧武者が青龍刀を振り下ろす。最早これまでと、鈴は目を瞑ったーー

 

 箒「させるか!」

 鎧武者「グハッ!?」

 

 しかし後少しで青龍刀の攻撃が当たる所で声が響き、鎧武者は吹き飛ばされた。鈴が恐る恐る目を開けると、訓練機の打鉄を纏った箒が立っていた。

 

 箒「すまない、遅くなった!今蔦を切るからな!」

 鈴「遅くはないけど、早くもないわね。けど、救援ありがと。千冬さん達は?」

 箒「あそこだ」

 

 箒が見た方向を鈴も見ると、千冬率いる教員部隊がセシリアを回収していた。

 

 箒「後は私達がなんとかする、鈴も下がっておけ」

 鈴「仕方ないわね、こんなボロボロじゃ足手まといだもの……頼んだわよ、箒」

 

 箒によって蔦の拘束から解放された鈴は、そのまま数人の教員と共にその場を離れた。それを見送り、箒は鎧武者に向き直る。鎧武者は忌々しそうに箒を睨み付けたかと思うと、一瞬驚いた顔を見せながらもその表情は不気味な笑みに変わった。

 

 鎧武者「ガ、ルル……寄越、セ……!果実……!禁断ノ、果実、ヲ……!」

 箒「ッ!?貴様、何処でその事を……!」

 

 一瞬驚いた箒だったが、すぐに打鉄の主要武器・葵を構えた。

 

 千冬「篠ノ之!」

 真耶「篠ノ之さん!」

 箒「下がってください!こいつの目的は恐らく私です!私がこいつを引き付けますから、織斑先生達は早く他の皆を!」

 

 箒はそう言って鎧武者を見据える。と、突然箒の目の前に白黒のオーロラカーテンが現れた。箒と鎧武者を分断するように出現したオーロラカーテンから、やがて一人誰かが出てきた。

 

 ??「ふぅ……ようやく到着したよ、IS学園。ここにお宝があるのは間違いない。早速探しにーーおや」

 

 オーロラカーテンが消えると、そこに立っていたのは年齢二十代くらいであろう金髪の青年だった。その右手には全体的にシアンが目立つ変わった形の銃が握られている。青年は辺りを見回していたが、鎧武者が目に入るなり、その銃を向けた。

 

 ??「まさかここにいたとはね、彼が。ま、お宝を彼に渡す気はないんだけどね」

 鎧武者「ギギギ……!」

 ??「さぁ頂こうか、この世界のお宝をね!」

 

 青年はそう言って鎧武者に銃撃するが、銃撃は多少鎧武者を怯ませる程度であった。

 

 鎧武者「ウゥゥゥゥゥゥ……!」

 ??「まぁ当然そうだよね、この程度で倒れる筈もないか。仕方ない……それじゃ、始めようか」

 ソウゴ「うひゃっ!?」

 

 と、青年の後ろにクラックが出現し、そこからソウゴが青年の足元に転げるようにして現れた。ソウゴは体を擦りながら立ち上がる。

 

 ソウゴ「痛て……ここは?」

 ??「おや、君も呼ばれたのかい?……いや、呼ばない訳にはいかないか」

 ソウゴ「あんたは……海東大樹!?」

 大樹「久しぶりだね、魔王。まぁつもる話は後にして、今はあれを追い払おうか」

 

 大樹の目線の先には鎧武者がいた。二人を見るなり、低い唸り声を上げて警戒している。

 

 ソウゴ「アナザー鎧武……?いや、前に見たアナザー鎧武とは、何か違う気がする」

 大樹「聞いた所によると、あれはアナザー零と言うらしい。この世界の物語は鎧武の物語の続きのようなものだ、って言ってたよ、レイは」

 ソウゴ「あんたもレイに会ったのか」

 大樹「あぁ。それとレイは士にも声を掛けているらしい、後で合流出来れば良いんだけどね」

 

 大樹はそう言いながら一枚のカードを取り出す。それにはバーコードをモチーフとしたシアンカラーの仮面ライダーが写っていた。

 

 大樹「行くよ、魔王」

 ソウゴ「あぁ、分かってる」

 

 《ジクウドライバー!》

 

 《ジオウ!》

 

 ソウゴは腰に変身ベルト『ジクウドライバー』を付け、懐中時計の形をしたアイテム『ライドウォッチ』を右手に持つ。そしてウォッチを起動してドライバー右側にセット、ドライバー上部のボタンを押してロック解除した。そして時計の針のようなポーズを切る。背後には半透明の大きな時計のエフェクトが現れた。

 

 《KAMEN RIDE》

 

 大樹は取り出したカードを持っていた銃『ネオディエンドライバー』にセットし、ディエンドライバーの銃口を空に向ける。

 

 ソウゴ「変身!」

 大樹「変身」

 

 《ライダータイム!仮面ライダージオウ!》

 

 《DIEND!》

 

 ソウゴがジクウドライバーを回転させると、背後の時計の針が10時10分を差すと同時に、ソウゴの周囲を無数の腕時計のバンドのようなエフェクトが包み込み、黒のスーツと銀の鎧といった姿に変えた。時計には『ライダー』の文字が浮かび上がり、それが飛び出して顔にセットされた。

 大樹が銃のトリガーを引くと、シアンカラーのプレートが複数と人形のエフェクトが三体現れて大樹の周囲を囲うと、三体のエフェクトが合わさってアーマーに変化し、その顔にはプレートがはめ込まれる。

 

 『仮面ライダージオウ』と『仮面ライダーネオディエンド』の御披露目だ。

 

 《ジカンギレード!ケン!》

 

 ソウゴ「俺達なら……やれる気がする!」

 

 ソウゴはそう言ってジカンギレードを構え、アナザー零に攻撃を仕掛け始めたーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

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