IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
ゲネシスドライバー、完成ッ!!!!
いやはや、やっと出せるよ。ジンバーが。
では、どうぞ!
三人称side
IS学園の生徒には待ちに待った『学年別タッグトーナメント』がやって来た。しかし、今回は今までとは訳が違う。前回の『クラス対抗戦』において起こった、『インベス』という怪物の襲撃。現行のISでは歯が立たず、その後現れた二人の『アーマードライダー』によって全て撃破されたものの、その無力さを痛感(まだ現実を見ていない者もいるが)。自分達でも何とか彼らの力になろう、ということでまずは各人の連携面に焦点を当て、いかに弱点をカバーするかという点を考えることになった。各国から招待されたVIPや研究者達も、あの騒動が耳に入ってからは如何にして自分達のみでインベスに対処するか模索するために来ているようなものである。
出場生徒は、それぞれでタッグを組む人を決めるか、当日の抽選に委ねるかを選び、トーナメントに出場する。そしてその中で優勝タッグを決め、彼らは後に『アーマードライダー』と戦う事になる。
出場者が待機しているピットは、どこもピリピリとした雰囲気に包まれていた。まあそうだろう。このトーナメントで優勝すれば、現状IS学園において最大の戦力とも言える『アーマードライダー』と戦えるのだ。各ピットの選手達の心は、緊張と興奮で満たされていた。
そんな中、とあるピットの一室では、ピリピリという表現が似合わないほどの殺気を出している選手がいた。長い銀髪に右目の眼帯がよく目立つ少女は、ご存知ラウラ・ボーデヴィッヒである。
ラウラ(ようやくこの日が来た…………このトーナメントをさっさと制して、奴を今度こそ倒してくれる!)
そしてこの部屋の外では、ラウラが出している殺気が怖くて中に入れない選手がいた。生徒会長・更識楯無の妹、更識簪である。抽選の結果、ラウラと簪がタッグを組む事になったが、ラウラは簪とはほぼ一言も喋らなかった。簪が作戦について聞くと、
ラウラ「貴様は後ろに下がっていろ。私一人でやる。助力など必要ない」
とあっさり切り捨てられ、最早タッグとしての形など無いも同然だった。
簪(うう……あの人殺気出してばっかりで、何か怖いよ……話しかけづらい……)
牙也「どうかしたか?」
簪「ひゃんっ!?」
簪の後ろに、いつの間にか牙也が立っていた。
簪「あ、牙也、さん……お久しぶりです……」
牙也「おお、久しぶり。こんなとこでなにしてんだ……って、この殺気はまさか…………」
簪「は、はい。ラウラさんが、中に…………」
牙也「簪はラウラとタッグなのか?」
簪「はい、ですがちょっとこの殺気が、怖くて……何とかなりませんか?」
牙也「勘弁してくれ、多分俺が入るとあいつ余計に殺気が強くなるぞ」
簪「そ、そうですか…………」
ラウラ「部屋の前で、何をこそこそと話してるんだ?」
簪「キャッ!?」
突然部屋からラウラが出てきた。
牙也「よお、ドイツの黒兎。簪がお前の殺気が怖いってさ」
ラウラ「ふん、これくらいで怖じ気づくとは、随分と弱そうな奴だな。全く」
牙也「お前基準で物を言うなよ。とにかく、連携の一つは取れよ」
ラウラ「そんなもの必要ない。私一人で充分だ。まあ貴様は、やられたくなければせいぜい後ろで縮こまっている事だな」
そう言って、ラウラは行ってしまった。
牙也(あの調子じゃ、俺の言葉は届いてないな。何か起きなければいいが…………)
簪「どうか、しましたか?」
牙也「ん?ああいや、ちょっと考え方をな。簪、ちょっと頼めるか?」
簪「?」
牙也「試合中、ラウラの事を気にかけてほしいんだ。あの調子じゃ、あいつはいつかは痛い目を見る。難題を突きつけてるようで悪いが、こんなこと頼めるのは、ラウラとタッグの簪、お前だけなんだ」
簪「……分かりました。出来る限りの事はします。その代わり、一つ約束してくれませんか?」
牙也「約束?なんだい?」
意を決して簪は言った。
簪「私達のタッグが、もし、優勝したら…………貴方のその強さについて、教えてくれませんか…………?」
箒「(試合前、異常なし、か)姉さん、一夏、様子はどうだ?」
一夏『こっちは今のところクラックの反応は無しだ。束さんの方は?』
束『ハイハイ、こっちも異常なしだよ、いっくん、ほーきちゃん』
箒は警備担当としてアリーナをまわりつつ、時々一夏や束と連絡を取り合い、報告を行っていた。
箒「そうか。では引き続き頼んだぞ、一夏、姉さん」
一夏『了解』
束『束さんにおまかせ♪』
そう言って、箒は連絡用スマホの電源を切った。
箒(出来ることなら、このまま何も起こらなければいいのだが)
そんな事を考えながら第1アリーナに入ると、ちょうど一年生のトーナメント表が発表されるところだった。
箒「さて、トーナメントはどうなったかな?」
箒が電光掲示板を見ると、
一回戦第3試合
織斑春輝&シャルロット・デュノアペア
vs
一般生徒ペア
一回戦第6試合
ラウラ・ボーデヴィッヒ&更識簪ペア
vs
一般生徒ペア
だった。
一回戦第3試合
織斑春輝&シャルロット・デュノアペアvs一般生徒ペア
春輝「シャル!」
シャルロット「任せて!」
ガガガガガアン!!!!
シャルロット「春!今だよ!」
春輝「よし!」
ザシュッ!!!!
このペアはいつの間に其処まで仲良くなったのか、お互い愛称で呼び会いつつ、見事な連携を見せていた。具体的に言うと、春輝が前線で戦い、シャルロットが彼女の得意技「高速切替(ラピッド・スイッチ)」を活用して中~遠距離をカバーするという、オーソドックスな方法だ。
春輝のIS『白式』は、武装が近接ブレード『雪片弐型』のみというピーキーな機体なので、飛び道具の豊富なシャルロットのIS『ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ』とのペアは見事に大当たりした。
二人の見事な連携の前に、あっという間に一般生徒ペアはISのシールドエネルギーが0になった。
一回戦第6試合
ラウラ・ボーデヴィッヒ&更識簪ペアvs一般生徒ペア
ラウラ「はあっ!」
ドオオオオンッ!!!!
ラウラ「ダアッ!」
ガガガガガガガガッ!!!!
こちらは、先ほどのペアとは対照的に、連携の「れ」の字もない有り様だった。何故なら、IS『シュヴァルツェア・レーゲン』――――ラウラが単独で無双していたからだ。
ワイヤーブレードを振り回して牽制しつつ、AICで掻い潜ってきた敵を足止めしてレールカノンで撃ち抜く。ただそれを繰り返すだけの単純作業であった。
しかも、対戦相手の一般生徒ペアは二人揃ってラウラにのみ攻撃しているため、IS『打鉄弐式』――――簪の方には全く攻撃が来なければ、そもそも敵の一人も来ない。ラウラが一般生徒のISのシールドエネルギーを0にする最後の時まで、簪は涙目だった。
二回戦、準々決勝もこの二つのペアは同じように勝ち進み、その日のトーナメントは終わった。
一方、こちらはヘルヘイムの森。その中にポツンと建っていた一軒家。
シュラ「ふう、やっと完成したか」
そう言って安堵のため息をついたのは、オーバーロード・シュラだ。彼が先程まで何か作業をしていた机には、戦極ドライバーとは違うベルトが置いてあった。その名を、『ゲネシスドライバー』と言った。
シュラ「よし、試しに使ってみるかな」
そう言ってシュラはベルトを腰に付け、懐から普通のロックシードとは違う、透明感のあるロックシードを取り出して解錠した。
『イーヴィルエナジー』
くぐもった音声が流れ、シュラの頭上には血のように赤黒い巨大リンゴが現れた。シュラは解錠したロックシードをベルトに施錠し、『シーボルコンプレッサー』を押し込んだ。
『ロック・オン!』
シュラ「…………変身」
『血眼!イーヴィルエナジーアームズ!Blood eyes!Blood eyes!D-D-D-Deadly souls!』
音声と共に、リンゴはシュラの頭に被さり、鎧となって展開された。そこに立っていたのは、血のように赤黒いスーツと、同じく血のように赤黒い着物のような鎧をその身に纏った、まさしく「死神」の名が相応しい鎧武者だった。
シュラ「…………ふむ、エネルギーの全身供給等、性能面は問題ないな」
そう言いつつ、鎧武者――――――『アーマードライダー赤零(せきれい)』は外に出て、その手に持った弓形の武器、ソニックアローを構えると、一本の木に向かって矢を射った。
シュラ「そこに隠れている者達よ、大人しく出てこい。さもなくば……」
そう言ってもう一度ソニックアローを構えると、一本の木の陰から三人の女が出てきた。
??「やれやれ、まさか尾行がバレているなんてね」
女の内、大きな胸と細くくびれた腰、そして艶やかなヒップラインをした長身長髪の女が自嘲するように言った。
もう一人、最初の女と同じくらいの背丈の女は、オレンジ色の長髪にタンクトップとジーパンを着ており、さらにもう一人の小柄で黒髪の女――――いや、少女と言うべきか――――は、露出度の高い青色のISスーツを着て、その上から黒のローブを羽織っていた。
?「初めまして、ヘルヘイムの森を支配する『オーバーロード』」
亡国企業(ファントム・タスク)の戦闘部隊の三人―――――スコール、オータム、M(織斑マドカ)とオーバーロード・シュラが、今、初めて邂逅した。
三人称side end
オーバーロード・シュラと亡国企業(ファントム・タスク)が、遂に接触。スコール達の思惑は――――?
次回、タッグトーナメント一年生の部、決勝戦。
そして会場には、何やら不穏な空気が………………。