IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 邪武の変身者の名前は敢えて出しません。これには少し考えていることがありますので。ご了承下さい。

 では、本編をどうぞ。



コラボ2 異世界ニ立ツ侵食者(7)

 

 三人称side

 

 邪武「ハア…………ハア…………ハア…………くそっ!」ガンッ

 ここはとある町の路地裏。邪武はここで変身を解除し、壁を殴り付けていた。

 ??「馬鹿な……!私が以前見た時は、あんなアーマードライダーはいなかったはず……!奴は一体…………!?」

 女は予想外のイレギュラーーー牙也の存在に焦りを感じていた。しかし、すぐに落ち着きを取り戻した。

 ??「…………だが、どんなアーマードライダーであったとしても、この力には勝てない!今回は油断したが、次こそは…………!」

 女は拳を強く握り締め、壁をもう一度殴り付けた。

 

 

 

 鈴「アーマードライダー…………邪武?」

 こちらはご存知IS学園。牙也達が泊まり込んでいる医務室には、全てのアーマードライダーが揃っていた。そこで自分達と交戦したアーマードライダーの名を聞いた一夏達は、凌馬から語られたその名を聞いて首を傾げていた。何せ、そんな名前など聞いたこともないのだから。

 凌馬「さっきも言ったように、奴が変身に使う『ダークネスロックシード』は、黄金の果実の成れの果て。つまりは『ゴールデンロックシード』が絶望・憤怒・復讐といった負の感情に晒されて、変質した物なんだ。スペックだけで言うなら、黄金の果実を越えている。ただ、時に使用者を暴走させ、最悪死に追いやる。それだけ危険なロックシードだよ」

 凌馬は一旦そこで言葉を切り、アリーナのカメラに写された映像を見た。

 凌馬「しかし、こうやって見てみても、奴のスペックは半端ないね。一夏ちゃんとセシリアちゃんをこうも手玉に取るなんて」

 セシリア「はい、これ程強いアーマードライダーはなかなかいませんわ。オーバーロードの力を以てしても、勝てるかどうか…………」

 シャルロット「でも牙也さんが戦った時は、圧倒してたみたいだけど」

 牙也「たまたまだ。奴は俺が出てきた事に明らかに動揺を見せていた。まあ余程の事がない限り予測出来ないから当然だが、次にここを襲撃する時はそうはなるまい。何かしらの対策は立てて来るだろう」

 スコール「それはそうよね。だとすると、こちらも何か策を立てなければ…………」

 マドカ「だが、奴に小細工が通用すると思うか?」

 シュラ「そこだな。黄金の果実以上のスペックを持つというのなら、小細工など押し退けて来るだろう。そうなると我等では抑えきれまい。織斑一夏とセシリア・オルコットが苦戦した相手だ、我等で抑えるのも限度がある」

 千冬「だとするとどうすれば良い?奴への対策がない限り、挑んだところで返り討ちに遭うのが目に見えてるぞ」

 オータム「だよな~。何かしらの弱点でもあれば…………」

 すると、牙也の腰のホルダーから光が出てきた。皆はそれに驚くが、牙也はそうはならず、光の正体を手に掴んだ。それは、牙也が夢の中で受け取ったあの白いロックシードだった。

 シュラ「それは?」

 牙也「俺が眠っている間に、ある少女から受け取った物だ。恐らく……」

 牙也がそのロックシードを解錠すると、さらに光が強くなり、やがて光が晴れるとーー

 

 

 カンナ「…………皆さん、揃いましたね」

 

 

 牙也の夢の中にいた少女・カンナがそこにいた。しかし、牙也が初めて会った時よりか彼女は大人びていた。

 一夏「貴女は……?」

 カンナ「カンナ、と言います。彼ら四人を呼び寄せた者です」

 茜「お前が私達を……?」

 カンナ「はい。あのような強引な方法で呼び寄せる事になってしまい、申し訳ありません」ペコリ

 シュラ「それは別に構わん。だが、我等をこの世界に呼んだ理由は何だ?」

 カンナ「はい、皆さんの前に現れたあのアーマードライダーについてです」

 千尋「邪武の事か?」

 カンナ「そうです。実を言うと、あのアーマードライダーは本来この世界に生まれるはずのない存在だったんです。ですが、別の世界のダークネスロックシードがこの世界の悪意に引き寄せられてーー」

 凌馬「この世界に流れ着いたって事だね?」

 カンナ「はい。ダークネスロックシードを拾った女性は、ロックシードの闇に取り込まれています。ロックシードを破壊すれば彼女を助けられるのですがーー」

 『??』

 カンナ「異世界から来たダークネスを破壊し、彼女を救出出来るのは、異世界にいるアーマードライダーのみ。そこで白羽の矢を立てたのがーー」

 牙也「俺達だった、と」

 カンナ「そうです。そして私は貴方達を呼び寄せ、戦闘で気を失った貴方の夢の中に入り、それを託したのです…………」

 カンナはそう言って、牙也が持つ白いロックシードを指差した。

 カンナ「それを使う事で、ダークネスロックシードを破壊出来ます。もしあれを早くに破壊出来なければ、この世界そのものに影響を及ぼします。不躾で申し訳ありませんが、どうか私に力をお貸し下さい。お願いします!」

 牙也「…………ここまで事態が深刻なら、もう退けはしないな……分かった。お前さんの為に、力を貸そう。皆もそれで良いよな?」

 牙也以外『』Σd

 カンナ「ありがとう、ございます…………!」ナミダポロポロ

 牙也「あー、泣くな泣くな。困った時はお互い様、だろ?」ヨシヨシ

 凌馬「兎も角、ダークネス攻略の目処は立ち始めてる。後は、邪武がどう出てくるか、それだけだね」

 カンナ「ありがとうございます……ありがとうございます……!」ポロポロ

 牙也「」ヨシヨシ

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「さて、奴がどう動いてくるか…………」ゴクゴク

 会議(もどき)が終わって夜になり、牙也は自動販売機でお茶を買ってその場で飲んでいた。協力を申し出たは良いが、対象である邪武が動かない限り、牙也達も動く事が出来ない。向こうから出向いてくるのを待つしかなかった。だが、どう動いてくるかまでは予測出来ない。それ故、牙也は一抹の不安を抱いていた。

 一夏「あ、牙也さん。まだ起きてたんですか?」

 牙也「ん?おう、一夏か。邪武の奴がどう動いてくるか、気になってな。それに、少し喉が乾いたんだよ」

 一夏「邪武は黄金の果実と同等の力を持ってますからね…………それに、私達を殺す気で掛かってくる。勝てるかな…………」

 牙也「バカ、勝てるか勝てないかじゃない、勝つんだよ、俺達は。それしか道はないんだから」

 一夏「……そうですね。私がこんな弱気になってちゃダメだよね……」

 

 ぽふっ←牙也、一夏の頭を叩くように軽く撫でる

 

 一夏「ふぇっ!?」

 牙也「重く考えんなよ。いつも通り、いつも通りでいけば、出来ない事はねえさ。それとーー」ナデナデ

 牙也はそこまで言って、手を止めた。そして、

 

 ピシッ←牙也、一夏の額を軽くデコピン

 

 一夏「痛っ!?」

 牙也「気を楽にしろ。そして、まずは生きて帰ってくる事を考えろ。もし死にでもしたら、大好きな娘が悲しむぞ」

 一夏「牙也さん…………」オデコサスサス

 牙也「折角掴んだ幸せなんだ。こんな事で手放すのは嫌だろ?」

 一夏「…………はい!」グッ

 牙也「フッ。さて、部屋に戻ーー」ピクッ

 一夏「牙也さん?」

 牙也「ーーりたいが、どうやらいるな。出てこいよ、邪武!」

 ??『おや、気付かれてしまったか』

 すると、自販機近くの角から邪武が顔を出した。

 一夏「邪武!貴女の目的は何!?」ギロッ

 邪武「おやおや、怖いねえ。まあそう殺気なんて出さないでくれよ。さあ二人とも、私は第1アリーナで待ってるよ…………ハハハハハハハ!!」

 邪武はそう言うと、クラックを開いて消えてしまった。

 一夏「邪武!」ダッ

 牙也「追うな、一夏」ウデガシッ

 一夏「牙也さん!?ですが…………!」

 牙也「まあ落ち着け。戦いってのは、常に準備をした上で始める物だからな」ピッピッ

 すると牙也はスマホを出して何処かに電話を掛けた。

 牙也「もしもし、聞こえるか?邪武が動いた。予定通り行くぞ」

 ??『了解』

 牙也はそれだけ言って電話を切った。

 一夏「今の電話のお相手は…………」

 牙也「ああ、ちょっとした野暮用さ。さて、奴の作戦に乗っかってあげますか」テクテク

 一夏「あ、ちょっと、牙也さん!?」タタッ

 一夏と牙也はその足で、第1アリーナに向かった。

 

 

 

 

 二人が第1アリーナに着いたのは、それから凡そ十五分後の事であった。アリーナの入り口は開け放たれ、その奥は黒き闇が広がっていた。

 牙也「…………入ってこい、とでも言いたいのかねぇ」

 一夏「…………行くんですか?」

 牙也「勿論。というか、それしかないだろ?」

 一夏「…………そうですね。行きましょう!」

 牙也が懐中電灯を持って先を進み、その後ろから一夏がついてくる。が、少し怖いのか、一夏は牙也の着物の裾を握り締めていた。夜のアリーナの通路に、二人の足音が響く。やがて、巨大な空間が広がる場所に着いた。

 牙也「……訓練場か」

 一夏「普段はISの授業で使うけど……って、釈迦に説法だったね」

 牙也「ははは…………っ!」

 突如アリーナの全ての電源が入り、アリーナは急に明るくなった。そして二人の目の前にはーー

 

 

 邪武「ようこそ、私の領域へ」リョウテヒロゲ

 

 

 邪武が立っていた。

 

 

 牙也「お前の領域じゃねえよ、馬鹿」

 一夏「早く答えて。貴女の目的は何!?」

 邪武「んー、目的?そうだなぁ、一言で言うなら…………我が神の悲願の達成、かな?」

 牙也「我が神?」

 邪武「そう。我が神、織斑春也様の悲願をね!」

 一夏「!?」

 牙也「織斑春也…………?」

 一夏「私の弟。かつてアーマードライダーの力を使って世界征服を企んだの。でも、風の噂で獄中で死んだって聞いた」

 邪武「そうさ、神は死んでしまわれた。だが、神の心までは死ななかった!この力が、私を導いてくれる。まずはーー」

 邪武はダーク大橙丸を二人に向けた。

 邪武「その悲願の為に、織斑一夏!貴様をこの手で葬ってくれる!そして、この世界から、全ての自由を奪ってくれる!」バッ

 牙也「!」

 邪武がダーク大橙丸を空に掲げるとーー

 

 

 

 『フシャアアアアアアア………………』

 

 

 

 クラックがアリーナに大量に開き、中からインベスが溢れ出てきた。

 一夏「あれは!?」

 邪武「ふん、このインベスの群れを見事倒して見せろ。そうすれば、貴様等の相手になってやる!」

 邪武はそう言って大きく後方に下がった。二人の周りを大量のインベスが囲む。

 一夏「こんなに沢山…………!牙也さん!どうし「…………と言った?」え?」

 邪武「…………?」

 牙也「…………今、お前は何と言った?」

 邪武「何?」

 牙也「何と言ったと聞いている…………答えろ」

 牙也のその言葉には、明らかに怒気が含まれていた。

 邪武「ふん、よく聞こえていなかったようだな。ならばもう一度言おう。織斑一夏をこの手で倒し、この世界から全ての自由を奪ってくれる!」

 邪武はダーク大橙丸を二人に向けて叫んだ。

 牙也「……………………」スッ

 一夏「き、牙也さん?」

 

 『ブルーベリー』

 

 『ロック・オン』

 

 『ソイヤッ!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!』

 

 牙也「……………………」スッ

 

 『ブルーベリースパーキング!』

 

 蝕は何も喋らず、カッティングブレードを三回倒した。右手に持った紫炎に、紫色の禍々しいエネルギーが集まる。

 牙也「…………一夏…………伏せろ」

 一夏「え?」

 牙也「伏せろ」ギロッ

 一夏「」ゾワッ

 蝕の禍々しい殺気に一夏は寒気を覚え、言われた通りに伏せた。するとーー

 

 

 ブンッ

 

 

 邪武「…………………………………………は?」

 

 

 

 邪武もこれには開いた口が塞がらなかった。何故ならーー

 

 

 

 

 蝕の一振りが、アリーナにいた全てのインベスどころか、開いていたクラックまで切り裂いたから。

 

 『フシャアアアアアアアッ!!!』

 

 断末魔の叫びと共にインベスもクラックも爆発して、後には三人を除いて何も残らなかった。

 牙也「」ヒュンヒュン トッ

 蝕は紫炎を右の手中で鮮やかにクルクルと回し、切っ先を地面に突き刺した。一夏も邪武も、何も言えなかった。あれだけ大量に沸いていたインベスが、たった一振りで全て薙ぎ倒されたのだから。

 牙也「…………さあ、次は、お前だ…………掛かってこいよ。こいつを、一夏を殺したいんだろ?早く、早く来いよ……」

 邪武「」ゾワッ

 一夏「」ゾワッ

 牙也のその呟きは、明らかに邪武への殺意が籠められていた。邪武はその殺意に寒気を覚えるが、

 邪武「くっ…………良いだろう。貴様の相手になってやろう!」

 すぐに持ち直してダーク大橙丸と無双セイバーを合体してナギナタモードにした。

 

 

 

 

 今、最悪の戦いが幕を開けようとしていたーー。

 

 

 

三人称side end

 

 

 





 牙也がブチ切れました。俺もう知ーらね。

 次回、蝕vs邪武。だが、最悪の事態にーー。

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