IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
コラボはこれを含めて後二話を予定しています。
どうか最後までお楽しみ下さい!
それでは、始まります!
三人称side
第1アリーナに、刃同士がぶつかり合う音が響く。一夏はその様子を離れた場所から見守るしか出来なかった。何故ならーー
邪武「くっ!貴様、一体何者だ!?何故私の邪魔をする!?」ビュッ
牙也「クカカカカ…………言ったろ、テメエなんぞに名乗るほど馬鹿じゃねぇってな!」ガキンッ
アリーナの中央では、蝕と邪武が己の得物で打ち合っている。邪武がダーク大橙丸・ナギナタモードを振るうと、蝕はそれを紫炎でいなし、邪武に蹴りを入れた。邪武は一瞬怯むがすぐに立て直し、またダーク大橙丸を振るう。蝕もまた紫炎を振るって攻撃を仕掛けるが、邪武はそれを避けて蝕の胸に一撃加えた。しかし、蝕は怯む気配すら見せない。
一夏(どうしてだろう…………今の牙也さん、とても怖く感じる。……あの事と関係あるのかな…………?)
一夏が心の中でそう思っている通り、牙也に対して邪武が言い放った『奪う』という言葉は、禁句中の禁句であった。かつてIS委員会によって理不尽にも全てを奪われた牙也からすれば、『奪う』という事がどれだけ愚かな事か、良く分かっている。
今、牙也は邪武のその発言に完全にキレており、その目は光が灯っておらず、ただ目の前の愚かな敵を消す事しか頭にない。
邪武(な、なんだ!?この強さは!?こんな奴の何処からそんな力が…………!?)
邪武は蝕の圧倒的な能力に対処できず、次第に押され始めた。だが、
邪武(…………ううむ、これ程の闇、放っておくには勿体ない。くくく、そろそろこの人間にも飽きてきた所だ。せいぜい足掻くが良い。こ奴に我が倒された時が、貴様等の絶望となる!)
戦いに敗れた際の手段として、何か考えているようだった。そんな事は露知らず、蝕は邪武への攻撃をさらに強めた。
牙也「クカカカカ…………どうした!?その程度な訳ねえだろ!?もっと本気を出せよ!俺を殺してみろよ!?」ヒュンヒュン
蝕は、最早狂気とも言える叫びをあげて邪武を追い詰めていく。一方一夏は、壊れたような叫びをあげて邪武に攻撃する蝕に恐怖を覚えていた。
一夏(あんな牙也さん、見た事ない…………邪武は押されてる状態。でも、何だろう?今一瞬だったけど、邪武が笑ってたような…………)
そして同時に、邪武が一瞬見せた笑みのようなものに何かを感じ取っていた。
一夏がそうこう考えている間に、蝕は邪武を切り裂き、大きく怯ませた。そしてその腹に蹴りを叩き込んだ。
邪武「ぐふっ!」
牙也「クカカカカ…………これで終わりだ!」
『ラズベリー』
牙也はゲネシスコアを取り付け、ラズベリーロックシードを解錠した。
『ロック・オン』
『ハッ!ラズベリーアームズ!破壊者・Dead・Stage!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!』
『ハッ!ラズベリースカッシュ!ブルーベリースカッシュ!』
蝕はカッティングブレードを一回倒して、紫炎と緋炎を構えた。そして邪武に向かって突撃し、その体を切り裂いた。
牙也「どらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ザシュッ
邪武「ぐぁぁぁぁぁっ!……く……くく…………くくくくく…………その力、その心、そして貴様の中に潜む闇!貴様が持つには勿体ない。その体、我に寄越せぇぇぇぇぇ!」
邪武がそう叫びながら倒れ、変身が解除された。蝕は狂ったような笑みを浮かべつつ、邪武に変身していた人物に近寄った。が、その顔を見た途端、驚きにも似た表情をした。
牙也「か…………母…………さん…………?」
変身していた女のその顔は、牙也の母・茜にそっくりだったのだ。蝕が思わずそう呟いたその時ーー
ダークネスロックシードが黒い輝きを放ちながら、女のベルトから外れ、そのまま宙を舞った。そしてそれは未だ呆然としている蝕のベルト目掛けて突進した。
一夏「牙也さん!危ない!」
一夏が叫ぶがーー
『ロック・オン』
ダークネスロックシードはゲネシスコアに装着されたブルーベリーロックシードを弾き飛ばし、ゲネシスコアに装着された。そしてゆっくりとカッティングブレードが降りた。
『ハッ!ラズベリーアームズ!破壊者・Dead・Stage!黒!ダークネスアームズ!黄金の果実!』
牙也?「ハハハハハハハハ!!!やった、やったぞ!遂に、遂に私に馴染む体を手に入れた!これだ、これこそが、我が求めていた絶望の如く黒き闇よ!この体さえあれば、この世界は我の物となるぞぉぉぉぉ!!」
牙也の体は、ダークネスロックシードに潜んでいた悪意に奪われてしまった。蝕の姿は、『ダークラズベリーアームズ』となった。
一夏「牙也さん!?くっ、変身!」
『オレンジ』
『ロック・オン!』
『ソイヤッ!オレンジアームズ!花道・オン・ステージ!』
一夏は大橙丸を無双セイバーと合体してナギナタモードにし、蝕に攻撃を仕掛けるがーー
牙也?「甘いぞ、小娘!」ブンッ
一夏「きゃっ!」
蝕は緋炎を振るって攻撃を弾く。さらに切っ先を鎧武に向け、そこから赤紫のエネルギー弾を放った。
一夏「っ、ああああああっ!」
牙也?「ハハハハハハハハ!!!そらそら、どうした!?我を、このダークネスを倒す気なのではなかったか!?」
一夏「くうっ……牙也さんの体を返して!」
『カチドキ』
『ロック・オン!』
『ソイヤッ!カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!』
一夏「はあっ!」
鎧武は火縄大橙DJ銃を取り出して大砲モードにし、蝕に向けて数発撃ち込んだ。しかし、蝕はそれを緋炎で全て切り裂き、鎧武に向かって突撃した。
一夏「くっ!」
鎧武は火縄大橙DJ銃をマシンガンモードにして蝕に撃ち込んだ。これには蝕も対処しきれず、一旦距離を取った。これを好機と見た鎧武は、火縄大橙DJ銃と無双セイバーを合体して大剣モードにし、蝕に斬りかかった。
一夏「それっ!」ブンッ
ダークネス「くっ!貴様、まだ抵抗するか!?貴様は我には勝てぬ!それが何故分からぬ!?」ガキンッ
一夏「牙也さんが言ってた、『勝てる勝てないじゃない、勝つんだ』って!私は、いえ、私達は貴方なんかには負けない!絶対に勝つ!そして、牙也さんを貴方から解放する!」ブンッ
ダークネス「私達、だと!?貴様の周りには誰もいまい!頼みの牙也とやらは今、我が体となった!貴様に勝ち目など、万に一つもない!」ギインッ
一夏「たとえ今ここに誰もいないとしても、私達には決して誰にも切れない絆がある!貴方のような奴には一生分からないでしょうけどね!」ブンッ
ダークネス「絆だと!?笑わせるな!絆など、いとも簡単に壊れるもので、さらには足枷となるもの!そのようなくだらないものを信じて我に挑んでいると言うのか!?ふざけるな!」ガキンッ
一夏「ふざけてる!?貴方のその考えこそふざけてる!世界は誰の物でもない!この世界に生きる皆が平等に所持する物!貴方なんかに、絶対に奪わせはしない!」
『フルーツバスケット!』
鎧武は極ロックシードを取り出して解錠した。
『ロック・オープン!極アームズ!大・大・大・大・大将軍!』
『大橙丸!』
『無双セイバー!』
鎧武は『極アームズ』となり、大橙丸と無双セイバーの二刀流でダークネスに挑みかかった。ダークネスも緋炎と無双セイバーを抜いてこれに応戦する。
一夏「貴方は、異世界からここに来たって聞いた。しかも、この世界に蔓延する悪意に引き寄せられて来たって」
ダークネス「ちっ、あのガキめ、いらん事をペラペラ喋りやがって…………ああそうさ、我はこ奴と同じで、異世界から来た!元いた世界での世界征服に失敗したからな、征服するにちょうど良い世界を探していたのだよ!」
一夏「それで目をつけたのが私達の世界!?」
ダークネス「ああそうだ。織斑春也と言う悪意がいてくれたお陰で、我はこの世界に易々と入り込めた。だがここまでが長かった。織斑春也は好き勝手に暴れるし、奴は結局貴様等によって倒され、我の計画は大きく狂わせられてしまった。だが、新たな悪意に出会えたのは幸運だった!しかも、その女の顔がこの体の者の母親そっくりとは!我は何という幸運を掴んだのだ!この好機を、我は決して逃しはしない!貴様等アーマードライダーを全て殺し、この世界を我が手で掴む為に!」
一夏「ふざけないで!貴方の都合の良いようにはこの世界は動かない、動かさせはしない!私達は貴方を倒す!そして、この世界を守ってみせる!」
鎧武はダークネスに向けて二刀を振るおうとした。
牙也「…………助けて……くれ……一夏…………」
一夏「!?」ピタッ
一瞬ダークネスに牙也の面影が写り、鎧武は攻撃を躊躇った。その隙をダークネスは見逃さなかった。
ダークネス「はあっ!」ザシュッ
一夏「!?ぐうううっ!?」ドタッ
鎧武の脇腹に、緋炎の切っ先が突き刺さった。その痛みに鎧武は悶え苦しみ、地面に倒れた。
ダークネス「ハハハハハハ!愚か者め!」ドカッ
一夏「ぐはっ!?」
ダークネスは高笑いして鎧武に蹴りを入れた。
ダークネス「ハハハハハハハハ!!!それみろ、絆など所詮は足枷に過ぎんのだよ!哀れなるはこの体の者だな」
ダークネスはそう言って、緋炎の切っ先を鎧武の喉元に突き立てた。
一夏「ぐっ…………!」
ダークネス「この世で勝つに必要なのは、仲間さえも切り捨てる非情さ!絆などでは、決して勝てんのだよ!それを知ろうともしなかった貴様は、英雄などではない、ただの愚か者に過ぎんのだよ!己の愚かさを嘆きつつーー」
ダークネスは緋炎を振り上げた。
ダークネス「ーー消えろッ!」ブンッ
そして鎧武の首に緋炎がーー
??「消えるのは貴様だ!」
『ハイー!白騎士アームズ!守護神・ファースト・ステージ!』
ダークネス「!?」
ーー振り下ろされようとした途端、ダークネスの正面にクラックが開き、中からアーマードライダーが剣をダークネスロックシードに向けて振り下ろした。
ダークネス「ぐあっ!?」
ダークネスは少し怯むが、振り下ろされた剣はダークネスロックシードに傷を付けた程度であった。
茜「ちっ、かすっただけか…………!またとないチャンスだったというのに…………!」
剣を振るったのは、レオンーー茜であった。
シュラ「織斑一夏、無事か!?」
一夏「皆!」
クラックからは、さらにセシリア等も出てきた。シュラが一夏の脇腹に手をかざすと、小さな光が灯り、キラキラと輝いた。少し経つと、脇腹の傷はすっかり治っていた。
セシリア「一夏さん、大丈夫ですか!?」
一夏「セシリア!私は大丈夫。だけど……牙也さんが…………ダークネスに…………」
シュラ「何!?くそっ、もう少し早くクラックを此処に繋ぐ事が出来ていれば…………!」
ダークネス「ふん、やっとお仲間の到着か。だが、遅すぎたな!この体は我の物だ!最早誰にも渡さぬ!誰にもーー」
カシャンーー
その言葉は続かなかった。ゲネシスコアからダークネスロックシードが外れ、地面に転がったからだ。
ダークネス「な…………!?くそッ、もう一度ーー」
シュラ「させぬ」
ダークネスはロックシードを拾おうとしたが、シュラの伸ばした蔦によって奪われ、ダークネスの後方に放り投げられた。
ダークネス「くっ!貴様ァ!嘗めた真似w『バチィッ!』がっ!?」
突如ダークネスの体からスパークが迸り、変身が解除され、ダークネスは牙也の体から弾き出された。それを見たシュラは、蔦を伸ばして牙也を回収した。弾き出されたダークネスのその姿は、織斑春也にそっくりであった。
一夏「春也!?」
シュラ「成る程、それが貴様の愚かなる姿か…………牙也、大丈夫か?私達が分かるか?」
茜「牙也、しっかりしろ!」
茜も変身を解除して、牙也に走り寄った。
牙也「…………ああ、分かるさ…………易々と忘れるもんかよ……あと茜、騒ぐなよ……頭に響くんだ…………」
ダークネス「ぐっ、貴様等ァ…………嘗めた真似を!変身!」
『黒!ダークネスアームズ!黄金の果実!』
ダークネスはロックシードを回収し、直接邪武に変身した。
牙也「……ご苦労だったな、茜。後は、俺に任せろ」
シュラ「牙也、本当に大丈夫か?」
牙也「何度も言わせんなよ、シュラ。俺は絶対に死なない。俺にはまだやる事がある。易々と死ねないね」
そう言って牙也は戦極ドライバーを再び腰に付けた。
茜「牙也!」
そこへ茜が再び近寄り、あの白いロックシードを手渡した。
茜「…………約束しろ。必ず、必ず生きて帰ってくると」
牙也「…………ふん、言わずもがな、だ!行くぞ、一夏!」
一夏「はい!」
『カチドキ』
『フルーツバスケット』
『白騎士』
『ロック・オン!!』
「「変身!!」」
『ロック・オープン!極アームズ!大・大・大・大・大将軍!』
『ソイヤッ!白騎士アームズ!守護神・ファースト・ステージ!』
牙也「さあ…………天が、お前の到着を待ってるぜ……!」
最後の戦いが、始まるーー。
三人称side end
次回、異世界編最終話ーー最終決戦の鐘が、鳴り響くーー。