IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
三人称side
牙也「千冬さん!」ゴオッ
さっきまで牙也達がいた海岸からおよそ10㎞の地点。牙也は春輝を回収(物理)した千冬と合流していた。
千冬「出迎えご苦労。皆は大丈夫か?」
牙也「全員大丈夫ですよ。それよりも、ヒガンバライナーの方ですね」
千冬「ああ。シュラに後で修理してもらわなくてはな」
牙也「ですね。急いで戻りましょう」
真耶「お帰りなさい!ご無事で本当に良かったです!」
千冬「無事に戻ったぞ。山田先生、この大馬鹿の治療を頼む。それと、治療が終わったらこいつには監視を付けろ。また単独行動されたらたまったものじゃないからな」
真耶「分かりました。織斑先生も治療を」
千冬「ああ。牙也、ヒガンバライナーの修理をシュラに頼んでおいてくれ」
牙也「了解」
千冬はロックシード状態のヒガンバライナーを牙也に投げ渡し、旅館に入っていった。
牙也「山田先生、箒の容態は?」
真耶「怪我が酷かったので、今も治療中です。ただ、命に別状はないですから大丈夫でしょう」
牙也「そっか……良かった……」
鈴「それで?これからどうするのよ?」
牙也「一先ず状況整理が必要だ。箒に後で状況を話してもらうとして、俺達は一旦この事を学園長に報告しよう」
牙也達も旅館に入っていった。
??「予定通り、福音はインベス化しました」
??「ご苦労様。後は、福音という餌に飛び掛かる魚を待つだけね」
??「ハッハッハァ!ようやくあの力が俺の物になるのか!」
??「ええ。ま、魚を捌く事が出来れば、の話ですが……」
轡木「つまり、福音から搭乗者のナターシャさんを救出した途端に、福音がインベス化したと」
旅館では、帰還した鈴達が轡木に報告を行っていた。
鈴「そうです。それで、メンバーの中で唯一のアーマードライダーの篠ノ之さんがインベスを抑えていたのですが……」
牙也「俺の救援が間に合わず、箒は撃墜されたって事だ……」
轡木「そうか……篠ノ之さんはその時の怪我が酷かったので今治療中、と」
真耶「はい。ところで、シュラさんは?」
シュラ「呼んだか?」
大広間の窓から、シュラが顔を出した。
牙也「おう、来てたのか。今回は予想外であり、予想内だったな」
シュラ「確かにな。あれは今までのインベスとは訳が違う」
牙也「ああ。そうだ、忘れる所だった。シュラ、千冬さんのヒガンバライナー、すぐに修理してくれないか?」スッ
シュラ「ちょっと貸してみろ」
シュラはヒガンバライナーの具合を調べている。
牙也「メインエンジンがやられたって言ってたからな、すぐに直せそうか?」
シュラ「いや、メインエンジンがここまでブッ壊れてると、直すのに時間がかかるぞ。流石に一日で直すのは無理だ」
牙也「そうか……箒のヒガンバライナーもインベスにブッ壊されたし、残ってるのは俺の物だけか」
シュラ「すまないな、時間がかかるから三人分しか作ってないもんでな」
轡木「つまりそれは……」
牙也「俺一人であのインベスを倒さなきゃならない、って事だ」
真耶「む、無茶ですよ!篠ノ之さんでさえも倒されたんですよ!?」
簪「シュラさんが付いて行くのは無理なの?」
シュラ「牙也のヒガンバライナーは一人乗り専用でな。織斑や篠ノ之のヒガンバライナーは二人乗りが出来るんだが……我のゲネシスドライバーも劣化が見つかって修理中だ。それに、これらとは別に一つ困った事がある」
セシリア「困った事ですの?」
シュラ「ああ。さっきここに来る際にヘルヘイムの森を通ったんだが、そこに建てた拠点に誰かが忍び込んだ形跡があってな」
牙也「何?つまりそれは……」
シュラ「戦極ドライバーかゲネシスドライバーが目的で忍び込んだ奴がいるという事だ」
轡木「何か盗まれなかったかい?」
シュラ「特には盗まれなかった。基本ベルトなどの重要な物は、拠点とは別の場所に隠しているからな」
牙也「それなら良いが……」
シュラ「とにかく、我は今回は参戦出来ん。牙也一人であのインベスを相手する事になる。力を貸せなくてすまない」
シャルロット「あの化け物を、たった一人で……」
ラウラ「勝てるのか……?」
牙也「勝てる勝てないじゃない、勝つんだよ。それも、一人も死人を出さずにな」
シュラ「その通りだ。ま、こちらとしてもヒガンバライナーの修理は出来る限り急ぐが、あまり当てにはしないでくれ」
真耶「皆さん、篠ノ之さんが目を覚ましました!」ガラッ
そこへ、真耶が飛び込んできた。
鈴「箒が!?」
セシリア「良かったですわ……一時はどうなるかと」
轡木「今すぐに話を聞きたいんだけど、大丈夫かな?」
箒「私は、大丈夫です……」フラフラ
そこに教員の肩を借りて箒が歩いてきた。体のあちこちに包帯を巻いている。
鈴「ちょ、箒!あんた怪我人なんだから無理しちゃ駄目よ!」
箒「すまない……すぐに終わらせるから、暫し見逃してくれ」
箒は申し訳なさそうに言って、用意された椅子に座り込んだ。
轡木「無理はさせたくないから、簡潔に状況を説明してくれるかな、篠ノ之さん」
箒「はい」
箒は撃墜時に何が起こったのかを簡潔に説明した。
牙也「一度は撃破したが、福音がインベスの状態から第二形態移行した……こりゃまた面倒な事になったな」
シャルロット「エネルギーの翼を生やして、それ自体を飛ばしてくる攻撃なんて、厄介だね」
箒「恐らくだが、あのエネルギー弾は追尾性能もあるんじゃないかと私は見てる。的確に私を攻撃して来たからな……痛た……」
箒は怪我した箇所を押さえながら、自嘲気味に言った。
轡木「協力ありがとう。篠ノ之さんは今日はもう戻って休みなさい。後は我々に任せたまえ」
箒「はい」
箒は教員の肩を借りて大広間を後にした。
轡木「という事だけど、何か策はあるかい?」
牙也「うーん……まずはインベスから福音を斬り離さなきゃな。搭乗者が中にいないから、幾分前よりはましだとは思うが……最悪福音をブッ壊す事になるな」
ラウラ「さらっと言うが、奴に近付く事が出来るか?奴の攻撃は全方位をカバーする。たった一人では難しいだろう」
牙也「ああ……忍者みたいに分身が作れれば良いんだが」
千冬「絵空事だろうに」
シュラ「出来なくはないぞ」
シュラのその一言に、大広間にいる全員の目がシュラに向いた。
牙也「どうやってだ?」
シュラ「これを使うと良い」
シュラは腰にぶら下げたヘルヘイムの果実を二つ取ってエナジーロックシードに変化させ、牙也に投げ渡した。
牙也「マスカットと……何だこれ?」
牙也が受け取ったエナジーロックシードは、一つは箒のマスカットロックシードに酷似しており、もう一つは黄色だがレモンとは別のエナジーロックシードであった。
シュラ「一つはグレープフルーツエナジーロックシードだ。ジンバーアームズでは飛行能力が付与される。ヒガンバライナーが使えなくなった時に使え。もう一つはマスカットエナジーロックシードだ。ジンバーアームズでは分身を作れる。武器やロックビークルも分身させられるから、今回は重宝するだろう」
牙也「なるほどな。ありがとよ、シュラ」
鈴「というか、いつの間にそんなの調べてたのよ?」
シュラ「空いた時間は、ロックシードの研究にも使ってるからな。それと牙也、礼はインベスを撃破して無事に戻ってきてからにしろ」
轡木「取り敢えず撃破の目処はたったね。福音は今どの辺りにいるかな?」
真耶「ここからおよそ70㎞の海上ですね。最初戦った場所から動いてないようです」
轡木「よし、一先ず山田先生達は福音の動きを注視するように。牙也君はすぐ動けるように待機しておいてくれたまえ」
牙也「了解」
真耶「分かりました」
牙也「よし、ちょっと試してみるか」
牙也は海岸に行き、シュラから受け取ったエナジーロックシードを試していた。
《ブルーベリー》
《グレープフルーツエナジー》
《ロック・オン》
牙也「変身」
《ミックス!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!ジンバーグレープフルーツ!ハハァーッ!》
牙也「……フッ!」ゴオッ
背中に付いたブースターを吹かして空を飛ぶ。少しの間、空を飛ぶ感覚を確かめた。
牙也「……ISを動かす時も、こんな感じなのかねぇ……」
シュラ「どうだ?」
そこへシュラが歩み寄った。
牙也「良い感じだ。次はマスカットを試してみるか」
《マスカットエナジー》
《ロック・オン》
《ミックス!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!ジンバーマスカット!ハハァーッ!》
牙也「はあっ!」
マスカットエナジーロックシードが光ると、次々と分身が現れ、それぞれ別の構えをとった。そして分身を相手に少し模擬戦をして動きを確認した。
牙也「よし、大体掴めたな。後は実戦で確実に使いこなさなきゃな」
牙也は分身を消して変身を解除した。
シュラ「動きは問題ないようだな。少しは安心したぞ」
牙也「そうかよ。さてと、福音はどうしてるか……」
シュラ「まあ何があったら、山田という眼鏡の教員が知らせに来るだろう。それまではお前も休んでおけ。我は一旦ヘルヘイムの森に戻る。ヒガンバライナーを修理せねばならんからな」
そう言ってシュラはクラックを開いてヘルヘイムの森に戻っていった。
牙也「……あ、しまった。あの夢の事聞くの忘れてた……ま、戻ってきてから聞けば良いか」
牙也も旅館に戻っていった。
箒「すまないな、心配させて」
鈴「まったくよ……ま、無事だっただけ良かったけどさ」
仮設の医務室では、箒達が話をしていた。
ラウラ「しかしあれがISとインベスの融合体とは……私やデュノアの時もあんな感じだったのだろうな」
セシリア「ボーデヴィッヒさんの場合はさらにVTシステムもありましたからね」
シャルロット「僕達の時は牙也さん、篠ノ之さん、シュラさんの三人で助けてくれたんだっけ?」
箒「ああ。初めてジンバーアームズで戦ったな」
簪「あの時は別の意味でもびっくりしたよね……」
セシリア「シュラさんが牙也さんそっくりでしたからね」
箒「私もあれは知らなかったからな」
トントンーー
箒「どうぞ」
牙也「邪魔するぞ」
牙也が入ってきた。
鈴「あら。これはあたし達、邪魔者かしら?」
セシリア「ふふ、そうですわね。それでは私達はお暇しましょう」
シャルロット「それじゃ、ゆっくり休んでね」
ラウラ「牙也、後は頼むぞ」
簪「ごゆっくり……」
鈴が医務室を去ったのを皮切りに、セシリア達も医務室を出ていった。
牙也「あいつら、なんで気を使ったんだ?」
箒「さ、さあ……なぜだろうな……」
突然の行動に、牙也も箒もキョトンとするしかなかった。
三人称side end
突然ながら、今作はここで一旦休載とさせていただきます。理由としては活動報告に記載しておりますので、そちらをお読み下さい。楽しみにしていただいてる読者の皆様、申し訳ありません。今後は他作品にて主に活動しようと思います。では、また次の時にーー。