IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 希望を奪われた者、希望を自らの手で消し去った者。それぞれの結末はーー。




第36話 血ニ溺レ、消エル希望(前編)

 牙也「ウラッ!」ゴッ

 ザック「ハッハッハァ!まだまだぁ!」ゴッ

 牙也とザックの戦闘は続いていた。ザックはアンズクラッシャーでそれをガードしつつ隙有らば強烈なストレートをお見舞いする。対して牙也はサクラン棒でザックに応戦しつつ、ザックの動きを観察していた。

 ザック「おいなんだ!?随分動きが鈍くなってきたじゃねぇか!もしかして疲れてきたか!?なんなら手加減するぜ!」

 牙也「いらねぇよ。別に疲れて無いし、手加減も必要ない。全力で来いよ」

 ザック「ハッハッハァ!だったら望み通りにしてやるよ!」

 

 《アンズスカッシュ!》

 

 カッティングブレードでロックシードを一回切り、ザックは両手を前ならえのように前に突き出し、アンズクラッシャーを牙也に向けた。

 ザック「発射ぁ!」ドンッ

 そしてなんと、アンズクラッシャーを射出した。どこぞのロボットのロケットパンチよろしく、牙也に向かって勢い良く飛んでくるアンズクラッシャー。が、一直線に飛んでくる為に牙也には簡単に避けられた。

 ザック「ハッハッハァ!どうだ、カッコいいだろう!」

 牙也「何処のマジン○ーZだよ……確かに一部ファンにとってはロマンだろうがよ……」

 ザック「ハッハッハァ!これだけでは終わらんぞ!」

 呆れたように言う牙也にザックはそう叫ぶ。それを聞いた牙也が後ろを見ると、

 

 

 牙也「っ!?戻って来やがった!」

 

 

 なんとアンズクラッシャーがUターンして再び牙也に向かって飛んできた。またも回避した牙也だが、段々とロケットパンチの軌道が不規則になり始め、さすがの牙也も回避に徹し始めた。

 ザック「ハッハッハァ!回避ばかりに徹してねぇで、俺の相手もしなよ!」

 さらにそれを好機と見たのか、ザックが素手で殴り掛かってきた。二つのロケットパンチに加えてザックの攻撃も混じり、牙也は必死になって回避を続ける。が、

 牙也「くそ、さすがにこれは……がっ!?」

 疲れてしまったのか、遂にロケットパンチが牙也の腹を捉えた。そこにさらに、

 ザック「おらあっ!」ゴッ

 牙也「ぐふっ!」

 ザックの重い一撃が入る。さらにもう一撃、もう一撃と次々ザックのフックパンチが入っていく。一撃が入る度に牙也はふらつき、ふらふらと後退していく。

 ザック「ハッハッハァ……!どうやらそこまでのようだな……!それじゃ、俺の手で止めを指してやるよ、覚悟しな!」

 ザックは少し距離を取ってから、再び牙也に殴り掛かってきた。そして牙也の後ろからはロケットパンチが飛んできた。しかし牙也は満身創痍なのかそれに気づかない。いや、気づけないのだろう。

 ザック「もらったぁ!」

 ザックの拳が牙也を捉えたーー

 

 

 

 

 

 

 牙也「うう……っ」ガクン

 ザック「な!?」スカッ

 

 

 

 

 

 と思ったら、牙也が突然膝をついた。それによりザックの拳は牙也の頭の上を空しく空振った。そしてそこに、ザックが飛ばしたロケットパンチが襲い掛かってきた。

 ザック「しまっーーぐほっ!?」

 二つのロケットパンチが直撃し、ザックはフィールドの端まで吹き飛ばされた。豪快にフィールドを転がるザックだが、すぐに起き上がった。

 ザック「ちいっ!たまたまとは言え、悪運の強い奴だな……!」

 牙也「そりゃどうも……互いにボロボロだな。そろそろ決着つけるか?」

 ザック「ハッハッハァ……!良いぜ、やってやるよ!」

 

 《アンズオーレ!》

 

 牙也「絶対に負けねぇ!」

 

 《チェリーオーレ!》

 

 互いにカッティングブレードでロックシードを二回切り、互いの武器にエネルギーを溜める。そして、

 

 

 牙・ザ『はあああああ……っ!』ダッ

 

 

 武器を構えて駆け出した。

 

 

 

 

 

 牙・ザ『勝つのは…………俺だぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

 

 

 二人の武器がぶつかり合い、大爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 束「あー!通信が途切れちゃった!」ガビーン

 千冬「馬鹿者!だから近寄り過ぎだと言ったのだ!」ゴッ

 束「きゃいん!」

 束が作った小型ドローンを使って旅館から牙也の様子を見ていた束達だったが、束がドローンを近寄らせ過ぎたせいで爆発に巻き込まれてしまい、ドローンは壊れてしまったようだ。

 千冬「くっ、これでは牙也の様子が分からんではないか!」

 真耶「ど、どうしましょう……!?」

 シュラ「織斑千冬、簡易的だがヒガンバライナーの修理が終わったぞ!」

 千冬「よし、私とシュラはこれから牙也の救援に向かう!山田先生は教員部隊を率いて後から付いて来てくれ!織斑の捜索も怠るな!」

 真耶「わ、分かりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザック「ぐ、ぐああ……!」

 牙也「へへっ……どうやら俺の勝ちみたいだな……!」

 二人の戦いは決着がついた。牙也が振るったサクラン棒がザックの戦極ドライバーに一撃を加えた事でロックシードがドライバーから外れ、変身を解除させたのだ。ザックはよろめいて後ろに倒れ込んだ。

 ザック「ぐはぁ……!くっそ、あと一歩踏み込みが深ければ……!」

 牙也は変身を解除して、ザックに歩み寄る。

 牙也「アーマードライダーの力に慣れてないのが仇になったな……さて、話してもらうぜ、お前達を雇った主とやらの事をな」

 ザック「ハハッ……俺も主についてはほとんど知らねぇぜ……話せる事は何も無えよ」

 牙也「そうかい……まあ良いさ、じきに俺の仲間が来る。大人しく捕まってもらうぜ」

 ザック「ああ……任務失敗した時点で、俺達はお払い箱だ……捕まえるなりなんなりしろよ……」

 牙也「話が早くて助かるぜ。さて、俺はどうするーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドスッ

 

 牙也「あ?」

 ザック「な!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也side

 

 突然背中に鋭い痛みか走り、俺は血を吐いた。痛みか走った箇所を見ると、背中から胸にかけてを剣で貫かれているようだった。やがてその剣は俺の体から思い切り抜かれ、胸からは血が吹き出た。

 (こ……この、剣……!まさか……!?)

 俺は震える体を無理やり動かして後ろを向く。そこに立っていたのはーー

 

 

 春輝「ハハハハハ……!やっぱり僕はついてるみたいだね……アーマードライダーの力を、ようやく手に入れられるんだからさ……!」

 

 

 織斑春輝だった。や、野郎……!

 「こほっ……カフッ……お、お前……!?」

 春輝「潰し合いをしてくれてありがとうな。これで心置き無くーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前を殺せるよ」

 

 ザシュッ

 

 奴は狂ったような笑みを見せながら零落白夜を発動させて、俺をもう一度斬った。この時奴が斬ったのは、鬼崎達の頼みを聞いたあの日、奴に斬られた箇所と全く同じ箇所だった。手術によってなんとか塞ぐ事が出来た箇所が再び開き、勢い良く血が吹き出た。今度はあの日の比ではない量だ……

 「ごはっ!?」トケツ

 同時に血を吐くが、なんとか膝をつかずに耐えた。

 「ふん……さて、これは戴くぜ」

 奴はそう言って、俺のドライバーのホルダーからブルーベリーロックシードを外した。

 「それ、は……俺のだ……!返せ……!」

 「ちっ、さっさと死んじまえよ!」

 重傷で動けない俺に向かって、奴は再び雪片弐型を振り下ろしーー

 

 ギリア「そこまでです!」

 春輝「っ!?ちいっ!」バッ

 てくるタイミングで、どうやらギリアがグァバライナーから矢を連射して妨害したようだ……

 ギリア「また貴方ですか……何度僕達の邪魔をすれば気が済むんでしょうかねぇ……」

 春輝「ハハッ!なんでそいつを庇う!?そいつはお前にとって、倒すべき存在なんだろう!?手伝ってあげた僕に感謝してほしいね!」

 ザック「感謝だぁ……!?そいつは無理だな!てめぇに手伝いなんか頼んで無ぇからな!」

 お……ザックが素手で奴をぶん殴った……けどIS纏ってるせいで、大して効いてないな……くそっ、意識が……!

 (目が、ぼやけてきやがった……!まだだ、まだ俺は……!)

 必死に意識を保とうとするが、傷が深いんだろうな……意識が朦朧とし始めてきた……駄目だ……俺は、箒と約束、したんだ……生きて、帰るってよ……!

 

 

 『まだ生きたいか?』

 

 

 誰だ……?ぼやけていく意識の中、誰かが俺の脳内に直接話しかけてくる……誰だ、誰なんだ、お前は……?

 

 

 『お前は、まだこの世界で生きたいか?』

 

 

 生きてぇよ……生きて帰りてぇよ……けど、声が……声が、出ねぇ……

 

 

 『最早言葉を返すだけの力も無いか……仕方あるまい、しばしお前の体を借りるぞ?』

 

 

 その言葉を聞いた途端に、俺の意識は完全にブラックアウトしたーー。

 

 

 牙也side end

 

 

 

 

 

 ギリアとザックは再び変身して春輝を相手するが、牙也との戦いの疲れなのか動きにキレがない。

 春輝「ハハハハハ!お前が持つアーマードライダーの力ってのはそんなものなのか!?確信が持てたよ、やっぱり僕には誰も勝てないのさ!」

 ギリア「ふざけないで下さい……!一対一の真剣勝負に水を差してまで、貴方はこの力が欲しかったのですか!?」

 春輝「僕は前々からあいつが気に入らなかったのさ!偉そうに天才の僕に口を利きやがって……!こんな奴にアーマードライダーの力は勿体無いんだよ!だから僕が代わりに、完璧に使いこなしてやろうって事さ!」

 ザック「だからと言ってそれで人の命を奪って良い理由にはならねぇぜ!てめぇのその腐った根性叩き直してやる!」

 ギリア「というか、寧ろ貴方にアーマードライダーの力を使わせる方が勿体無いですよ!」

 春輝「その余裕がいつまで続くかな!?」

 ザック「何?」

 

 ドオンッ!!

 

 ザック「がっ!?」

 ギリア「手榴弾!?」

 春輝「違うね、白式の新たな武装『雪羅』の荷電粒子砲さ!隙有りだあっ!!」

 突然の荷電粒子砲に意識が向き、二人は春輝の攻撃に対する反応が遅れてしまい、

 

 春輝「食らえっ!!」

 ザシュッ!!

 ザック「が……はっ……!」

 ギリア「あ……が……っ!」

 

 二人共零落白夜を発動した雪片弐型の一撃を受け、戦極ドライバーは破壊されて変身解除された。血を吐きながら倒れ込む二人。特にギリアはザックよりも至近距離で攻撃を受けた為に出血が酷く、牙也と同じくらいの血が吹き出ている。

 ギリア「ぐ……ま、さか……ここで、終わりとは……」

 ザック「ぐうっ……まだだ……まだ俺は……!」

 春輝「ハハッ、そんなボロボロの状態で、よくそんな事が言えるね?ま、君達は所詮僕が変身するアーマードライダーには敵わないさ……」

 ザック「どういう……意味だ……!?」

 春輝「こういう意味だよ」

 すると、なんと春輝は白式の拡張領域から戦極ドライバーを取り出し、白式を解除してから腰に付けた。そしてさっき牙也から奪い取ったブルーベリーロックシードを解錠する。

 

 《ブルーベリー》

 

 《ロック・オン》

 

 《ソイヤッ!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!》

 

 ザック「ば、馬鹿な……!お前が、蝕に……!?」

 春輝「さて、悪あがきは止めにして、さっさと死ねよ。お前等二人には、あいつ殺しの罪を被ってもらわなきゃならないからね……それじゃーー」

 春輝は二人に向けて紫炎を振り上げた。

 

 春輝「永遠に、さよならだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 ザ・ギ・春『!?』

 

 突然の叫び声にその方向を三人が向くと、牙也の体からは紫電が迸り、血の如く紅いオーラと周囲を塗り潰す程にドス黒いオーラが漂っていた。牙也の目は紅く鈍い輝きに加えて紫電が迸り、腰に付けた戦極ドライバーからも紫電が上がる。やがて、一つのロックシードが同じように紫電を発しながら左腰のホルダーから外れ、ドライバーにロックされた。

 

 《ロック・オン》

 

 それは、初めて学園の面々と顔合わせした日の夜にシュラから渡されたロックシードだった。それがロックされると、自動的にカッティングブレードが下ろされロックシードを切る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《ハッ!ブラッドザクロアームズ!狂い咲き・Sacrifice!》

 

 

 

 

 今、血の如く紅いザクロが咲いたーー。

 

 

 

 




 長いので今日はここまで。

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