IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
千冬は廊下を走っていた。箒からのSOSを知り、急いでその場所に向かっていた。
<pppppーー>
千冬「誰だ、こんな時に……もしもし?」
轡木『織斑先生、聞こえるかな?』
千冬「学園長、どうかしましたか?」
轡木『いやね、先ほど警察から連絡があって……織斑君が留置場から脱獄したみたいなんだ』
千冬「春輝が……!?」
轡木『しかも誰かの助けを受けて、だ。今起こっている騒ぎの黒幕が関係しているかもしれないと思って、こうして電話したんだ』
千冬「そうですか……分かりました、ひとまずはこの騒ぎの鎮圧を最優先事項とし、春輝を見つけ次第確保します!」
轡木『頼んだよ』
千冬「春輝の馬鹿者め……!まだ自分の愚かさが分かっておらんのか……!」
千冬は元弟の再びの愚行を嘆きながら、侵入者を探しに行く。
箒「おおおおっ!」
箒がマスガンドとソニックアローの二刀流でゼロに攻撃していく。マスガンドから弾が放たれ、ソニックアローから矢が放たれ、二つの斬撃が振るわれる。しかし、
ゼロ「あらあら、その程度なのかしら?つまんないわよ」
ゼロはそれらを全てアップルリフレクターで防いでいた。マスガンドとソニックアローの斬撃を受け止め、押し退けるようにして二つの武器を払いのけ、隙ができた脇腹にソードブリンガーで一撃加える。さらにその一撃でのけ反った体に蹴りを入れて吹き飛ばした。
箒「くっ!」
箒は再びマスガンドとソニックアローで射撃するが、ゼロはアップルリフレクターを正面に構え、箒に向かって走り出した。放たれた弾は空しくアップルリフレクターに弾かれていく。そして箒に接近すると、襲ってきた斬撃を今度はソードブリンガーで受け止め、空いた体にアップルリフレクターでタックルしてまた仰け反らせ、ソードブリンガーで斬り裂いた。
箒「ぐあっ!」
大きく吹き飛ばされた箒は地面を転がるが、再び立ち上がる。
ゼロ「あらあら、根性だけは一人前のようね。でもそれだけでは私は倒せない」
千冬「それはどうかな!?」
ゼロ「!?」バッ
ゼロが回避行動をとると、さっきまでゼロがいた場所に銃弾の雨が降る。そしてその雨が降ってきた先には、
箒「千冬さん!」
ヒガンバライナーに乗った千冬がいた。急いでヒガンバライナーから降りて箒に駆け寄る。
千冬「篠ノ之、大丈夫か!?」
箒「ええ、なんとか……ですが、なぜここが……?」
千冬「お前が持っていたアラートのボタンに、束が発信器を仕込んでいたんだ、それを辿ってここに着いたんだ。それにしても、奴は一体……?」
箒「客に紛れ込んで、私に接触してきたんです……奴の正体は、株式会社メシア・ロードの代表取締役です」
千冬「あの会社の……!?なぜメシア・ロードがアーマードライダーの力を……!?」
ゼロ「ふふ……知りたければ、掛かって来なさいな。ブリュンヒルデ」
千冬「……私の事を、その名で呼ぶな。変身」
《シークヮーサーエナジー》
《ロック・オン》
《リキッド!シークヮーサーエナジーアームズ!イヨォーッ!ソイヤッサァ!ハイヤッサァ!》
千冬「行くぞ、篠ノ之」
箒「はい!」
二人はソニックアローを構えてゼロに立ち向かった。千冬が積極的にゼロに攻め掛かり、箒がその後ろから矢を放って援護する。が、ソニックアローの斬撃は空を切り、放たれた矢はアップルリフレクターが弾かれるばかり。
ゼロ「ふふ、天下に轟くブリュンヒルデも結局はその程度なのね……つまんないわ」
ゼロは不機嫌な顔になり、二人に反撃する。アップルリフレクターで二人の攻撃を防ぎ、時にはそれを打撃武器として怯ませるのに使い、隙ができたと思えばソードブリンガーで斬りつける。その隙のない動きは、二人が師事していた牙也やシュラと同等かそれ以上だ。
千冬「くっ、こいつは強い……!篠ノ之、大技でこの場を切り抜けるぞ!」
箒「はい!」
《シークヮーサーエナジースカッシュ!》
《ジンバーバナナスカッシュ!》
ドライバーを操作する事でソニックアローのアークリムにエネルギーを充填し、
箒・千『行けっ!!』
ソニックアローを振るって斬撃波を繰り出す二人。薄い緑のエネルギー波と濃い緑のエネルギー波が地面を這うようにしてゼロに向かっていく。そしてそれはゼロにぶつかり、爆発を起こした。
千冬「やったか!?」
箒「……いえ、どうやらーー」
ゼロ「悪くないわね。でも……私には効かない」
千冬「な!?」
煙の中からゼロが悠々と現れた。しかも先程の斬撃波が効いていないのか、余裕そうな素振りを見せた。
千冬「くっ、効いていないのか……このままでは……!」
箒(確かに千冬さんの言う通り、このままでは負ける……どうすれば……そうだ!)
「千冬さん、ちょっと耳を……」
千冬「なんだ?」
すると何を思い付いたのか、箒が千冬に何か耳打ちした。
千冬「……できるのか?」
箒「もし牙也がこの場にいたならこう言うでしょうね。『できるできないじゃない。やるんだ』って」
千冬「……そうだな。やるぞ!」
二人は再びソニックアローを構えた。
ゼロ「あらあら、何を思い付いたのかは知らないけど、この黄金の果実には貴女達の攻撃は一切通らないのよ?」
千冬「そんな事、やってみなければ分かるまい!」
《ミラベルエナジー》
《ロック・オン》
《ソーダァ!ミラベルエナジーアームズ!Light Load!Light Load!Li-Li-Li-Li-L-L-L-L-Light!》
千冬はミラベルエナジーアームズとなり、
《ミラベルエナジースカッシュ!》
《ジンバーバナナスカッシュ!》
箒と共に再びドライバーを操作してエネルギーを充填した。そして、
箒・千『もう一度だあっ!!』
再度斬撃波をゼロに向かって飛ばした。しかしその斬撃波はまたもアップルリフレクターに阻まれ、ゼロの周囲に大爆発が起こる。辺りを爆発による煙が覆い、ゼロの視界を遮っていく。
ゼロ「何度やれば気が済むのかしら?言ったでしょう、攻撃は一切通らないって。貴女達の攻撃が届く事は、絶対にないのよ」
箒「どうかな?」バッ
ゼロ「!?」
煙の中から突如箒が現れ、
箒「これでも食らえ!!」
ガガガガガアンッ!!!
零距離からマスガンドの射撃を食らわせた。突然の事に対応出来ず、ゼロは射撃を全弾食らって後ろに大きく飛ばされた。なんとか着地して反撃しようとするが、既に箒はゼロから距離を取っており、反撃は不可能だった。
千冬「全く、無茶をするなと言っただろう……」
箒「とか言いながら、止めなかったじゃないですか」
千冬「止めようとしても止まらないだろう、お前は……」
箒「そうですね……ですがこれで活路は見えましたね」
千冬「ああ、奴にもちゃんと攻撃は通る!絶対に奴を倒すぞ!」
箒「はい!」
ゼロ「ふふ……さっきのはとても驚いたけど、そう簡単に私を倒せるかしら……?」
千冬「どういう意味だ?」
ゼロ「こういう事よ」バッ
ゼロがソードブリンガーを高く掲げると、
千冬「ぐあっ!!」
箒「ぐうっ!!」
突然二人の背後から矢が飛んできて二人に直撃した。突然の攻撃に驚きながらも後ろを振り返ると、
千冬「な……!?お前は……!?」
箒「シュラ……なぜお前が……!?」
そこに立っていたのは、アーマードライダー赤零であった。赤零は二人の叫びに耳を貸さず、ソニックアローを構えて二人に襲い掛かった。
千冬「くうっ!シュラ、目を覚ませ!私達が分からないのか!?」
箒「シュラ、なぜ奴に味方するのだ!?」
二人が攻撃を防ぎながら必死に呼び掛けるが、赤零は何も言わず、何も聞かない。ただひたすらにソニックアローを振るう。二人もソニックアローで応戦するが、仲間を攻撃するのにまだ抵抗のある二人はなかなか決定打を与えられない。
千冬「がっ!」
箒「ぐふっ!」
それどころか二人は赤零に押され始めた。必死に攻撃を防ぐ二人。だが、
ゼロ「あらあら、私を忘れてない?」
《ゴールデンエナジースカッシュ!》
千冬「しまっーーぐああああ!!」
箒「千冬さん!?」
そこにゼロが乱入して千冬をソードブリンガーで斬り裂いて吹き飛ばしてしまった。千冬は地面を転がり、変身も解除された。
箒「千冬さん!」
ゼロ「余所見は厳禁よ?」
箒「!?」
《イーヴィルエナジースカッシュ!》
箒「まずい、回避がーー」
余所見したせいで回避が間に合わず、
ドゴッ
箒「が……はっ……!」
渾身の蹴りが箒の鳩尾に入り、箒も変身が解除されてその場に崩れ落ちた。
ゼロ「ふふ、ご苦労様。さて、最初も言ったけど……貴女の命、もらうわ」
ゼロがソードブリンガーを箒に向かって振り上げたーー
一夏「千冬姉!箒!」
その時、赤零の後ろから一夏と鈴が走ってきた。
鈴「あいつ、シュラ……!?まさか裏切ったの!?」
一夏「千冬姉、箒!大丈夫か!?すぐに助けるk千冬「来るな、一夏!」っ!?」
一夏が二人を助けようとするが、千冬が叫んでそれを制した。
千冬「お前は、すぐにここから逃げろ……!奴等は、危険だ……!」
一夏「で、でも……!それじゃ千冬姉達が……!」
箒「私達の事は良いから、早く……早く逃げろ……一夏……!」
が、これをゼロが見逃す筈もなく、
ゼロ「ふふ……先にあの子達を始末しなさい。絶対に逃がさないで」
ゼロが赤零にそう命令すると、赤零はソニックアローを構えてゆっくりと一夏達に歩み寄っていく。
鈴「一夏に近づくな!」ドンッ
鈴が甲龍を部分展開して龍砲を放ったが、アーマードライダーにそんなものが効く筈もなく、赤零はそのまま一夏達に近づいていく。
鈴「くっ、このぉ!!」
効いていないと分かると、今度は青龍刀を出して斬りかかるが、
鈴「きゃあっ!!」
青龍刀を掴まれて放り投げられる。遠くまで投げ飛ばされ、鈴は地面に叩きつけられた。
一夏「鈴!大丈夫kーーぐうっ!!」
一夏が鈴に駆け寄ろうとすると、赤零はソニックアローから矢を放って、一夏の脇腹を射抜いた。脇腹から出血し、痛みで一夏はその場に倒れ込む。
箒・千・鈴『一夏!!』
三人が叫ぶが、一夏は怪我が大きいのか脇腹を押さえており、また三人もボロボロで動けない。
ゼロ「ふふ、楽しみね。どんな絶望に満ちた顔をするのか……殺りなさい」
その命令と共に、赤零はソニックアローを振り上げたーー
箒「止めろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
と、突然赤零に向かってどこからともなく蔦が伸びてきた。気づいた赤零は回避行動を取るが、蔦はしつこく赤零を追いかけ、次々と赤零を攻撃した。吹き飛ばされた赤零は空中で体勢を整えて着地する。その光景は一夏達だけでなくゼロさえも唖然とさせた。
ゼロ「ば、馬鹿な……!あの蔦、一体どこからーーっっ!?」
あちこちを見回す一夏達やゼロが見たのはーー
箒「アアアアアアアアア…………!!!」
箒の背中から伸びる蔦であった。さらに箒の体は紫電を放っており、目は血走ると同時になぜか濃い緑の光を発していた。そして、全身から放たれている紫電がドライバーにロックされたマスカットロックシードに到達すると、なんとロックシードが変質して、別のロックシードに変化した。
《ロック・オン》
自動的にロックされ、カッティングブレードが降ろされる。
《ハイー!ヨモツヘグリアームズ!冥界・黄泉・黄泉・黄泉……》
箒「うあああああああああ!!!」
全身から紫電を発しながら、箒は叫び声を上げた。
次回、箒が暴走。ゼロを倒す術は果たしてーー。