IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
『異世界旅行編』、始まります。
今回は数話に渡ってふぷっちょさん作『復讐を願った少女』とのコラボを実施します。コラボにご協力して下さったふぷっちょさんに、この場でお礼申し上げます。
いつもより短いですが、お楽しみ下さい!
コラボ4 Avenger's Girl(1)
牙也「よっと」
箒「ほっ」
ヘルヘイムの森に現れた闇を吐き出すクラックを抜け、牙也と箒は何処かの世界に降り立った。その場所はどうやら鬱蒼とした森の中のようで、太陽の光が木々によって遮られて薄暗い。
牙也「カンナ、この世界の今の時間はいつだ?」
カンナ「少しお待ちを。今調べております」
箒「牙也、これからどう動く?」
牙也「そうだな、とりあえずこの森を抜けて広い場所に出よう。動き出すのはそれからでも遅くないさ」
そう言って牙也は左手から蔦を伸ばす。そして蔦の先端をセンサーのようにピコピコと動かして辺りを探る。
牙也「うーん……こっちだな」
牙也達は森の出口を探して歩き出す。
数十分程森の中を歩くと、
箒「?牙也、あそこだけ妙に明るいな」
箒の言う通り、まだ森を抜けていないにも拘わらず、光が多く降り注いでいる場所を見つけた。牙也はその場所に向けて蔦を伸ばす。そして暫くの間その場所を蔦を使って調べていたが、
牙也「どうやらあそこだけは、木々が伐り倒されてるみたいだ。たまたまだろう」
箒「そうか……」
カンナ「もう少しこの辺りを調べてみましょうか」
牙也「ああ。それでカンナ、時間は?」
カンナ「はい、どうやら午後5時過ぎのようです。時期としては恐らく4月か5月くらいでしょうか……」
牙也「ふーん……にしては、ここは随分と暗いな」
箒「確かに……何か空気も澱んできたように思えてきたぞ」
カンナ「ここは危険かもしれません、早く出口を見つけましょう」
牙也「そうだな。よし、手っ取り早く出口を見つけるならーー」
そこまで言って、牙也は蔦を全開に伸ばして森の隅々まで行き渡らせた。
牙也「少し待ってろ。今この森全体に俺の蔦を行き渡らせた。少しでも何かあったら反応するようにしてる、それまで辺りに警戒しててくれ。この状態だと一歩も動けないから」
自身が伸ばす蔦に意識を集中させ、反応を探す牙也。箒も背中から蔦を伸ばして警戒を強める。そのまま十分が経過して、
牙也「見つけた……森の出口だ。ここだけ風が吹き込んでる」
いくつかの反応の中から、風の反応のあった箇所を調べると、ようやく出口を見つけた。
箒「よし、早くここを出よう」
牙也「そうだな。二人共、こっちだ」
牙也の先導の下、二人は牙也の蔦を頼りに出口へと歩き出す。そしてまた数十分程歩いたところで、
牙也「ここが出口だ」
カンナ「なんとか森を抜けられましたね」
箒「一先ず安心、か」
無事に森を抜けた。が、
牙也「うん?おかしいな……この時期ここまで空が暗いなんて」
カンナ「そう言われれば……」
季節は春真っ只中であるにも拘らず、空は何故かあまりにも暗かった。
箒「取り敢えず、何処か泊めてもらう家を探さなければな」
カンナ「そうですね……あれ?お二人様、あちらに……」
カンナが見た方向を二人が見ると、何やら巨大なビルがそこにあった。
牙也「こんな所にビル……相当デカイ企業なんだろうな」
箒「そうだな……果たして泊めてくれる部屋を貸してくれるだろうか?」
カンナ「どうでしょう……」
牙也「とにかく行ってみようぜ」
三人は巨大なビルに向けて歩き出す。
??「……」ムクッ
ビルの一室。先程までベッドに寝転んでいた一人の少女が、何かを察知したのかゆっくりと起き上がる。
??「……この気配。……いや、そんな筈はない……だが、これは……」
少女は顔に少しの焦りを見せながらも、冷静を保つ。そして壁に立て掛けていた刀を手に取り、机に置いた銃をホルスターに入れると、急ぎ部屋を飛び出した。
箒「さて、中に入ったは良いが……」
カンナ「人の姿が見えませんね。見事に、誰一人として」
ビルの中に入った三人は、エントランスをウロウロしていた。現在いるエントランスには、カンナが言う通り誰一人として人がおらず、ましてや人がいる気配もない。
牙也「最近になって潰れた会社なのかな……」
箒「だがそれにしては、エントランスが綺麗過ぎやしないか?」
カンナ「確かにそうですね……誰か住んでいるのでしょうか……?」
牙也「そうである事を信じたいが……っ!二人共、ちょっとこっちに来い」
カンナ「どうかなさいましたか?」
牙也「……誰か来る。二人共、後ろに下がっとけ」
箒「あ、ああ……」サッ
二人が後方に下がったのを確認し、牙也はエントランスの階段に目を向けた。すると、
??「……」コツコツ
黒いフード付きコートが全身を覆う誰かがエントランスからも確認できる二階に現れ、階段を降りてきた。思わず身構える牙也。それに見向きもせず、そのコートの人間はゆっくりと階段を降り、エントランスまで降りてきたところで立ち止まり、三人を見た。
牙也(なんだこいつ……随分と濃密な殺気ぶつけてくるじゃないの)
箒(黒コート……ここの人間か?)
そう考えながら、二人が一瞬瞬きをした時ーー
牙也「あれ?」
黒コートの人間は消え失せ、
箒「ごばっ!?」
箒の首を掴んで地面に叩きつけていた。
牙・カ『箒(様)!?』
牙也とカンナが気づいて箒を見た時、黒コートの人間は箒の体を馬乗りの状態で動けないように固定し、どこから取り出したのか銃を箒の額に押し付けていた。
??「何故だ……何故お前が、ここにいる……!?」ググッ
箒「なんの…………事だ……っ!」
牙也「くそがっ!」バッ
箒を助けようと、牙也は左手を黒コートに向ける。が、
牙也「な……!?蔦が伸びねぇ、だと……!?」
何故か蔦が左手から伸びてこない。
カンナ「牙也様、ここは私が!」バッ
カンナが何かを唱えると、箒と黒コートを覆うように光が発生した。
??「っ!」バッ
危険と感じたのか、黒コートは一旦箒から離れて三人から距離をとり、再び銃を構えた。カンナが発生させた光は、何も起こる事なくそのまま消え失せていく。
カンナ「目眩ましくらいにはなったでしょうか」
牙也「箒、しっかりしろ!大丈夫か!?」
箒「ゴホッゴホッゴホッ……!な、なんとか大丈夫だ……!」
箒に駆け寄り無事を確認すると、
牙也「良かった……カンナ、箒を頼む。ここは俺がなんとかするぜ」
カンナ「はい!」
牙也は黒コートに向き直り、左手に撃剣ラヴァアークを生成して構えた。
牙也(ラヴァアークは出せるんだな。しかし、蔦が出せないのは痛いな。それにさっき確認したら、戦極ドライバーもロックシードも使えなかった。奴と刃を交えるのは、骨が折れそうだ……)ヤレヤレ
??「貴様……何故あいつと共にいる?あいつという存在は、既に消えた筈だ……」
唐突に黒コートが牙也に問いかけた。
牙也「消えただと?笑わせんな。現に今ああやって存在してんじゃねぇか。ま、お前にはその理由は分からんだろうが……」
??「貴様……ならば聞かせてもらおう。貴様を倒してな!」バッ
黒コートが正面に右手を突き出すと、紅い紫電と靄が発生し、黒コートの右手を覆っていく。そして一瞬の間に、その手には血のように紅い刀身に加えてそれ自体からオーラを放つ異様な刀が握られた。
??「我が名、紅星椿……貴様の名は……?」
牙也「雷牙也だ」
椿「そうか……雷牙也、貴様との真剣勝負を所望する」
牙也「……良いぜ、受けてやるよ。ここについて色々聞きたいし、何より一番の目的があるからな」
椿「……その目的が何かは知らんが、私達の邪魔をするのなら容赦しない……!」
二人はそれぞれの得物を構え、
牙・椿『……参る!!』
今、信念がぶつかり合った。
世界観にズレがあると、どうにも書きづらい……と感じている今日この頃、作者の神羅の霊廟です。活動報告において、引き続きコラボして下さる作者の方を募集しています。我こそは、という方は、是非とも宜しくお願いします。