IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結) 作:神羅の霊廟
影徳「……なんだこりゃ」
惣輔「ああ……本当になんだこりゃだよ」
影徳と惣輔が廃墟に到着した時、廃墟は完全に倒壊して原型を残しておらず、近くには口をあんぐりと開けて放心状態の川内がいた。
影徳「おい川内。大丈夫か?」ツンツン
川内「……はっ!?あ、提督。大丈夫大丈夫……でも廃墟は大丈夫じゃないね」
影徳「何かあったのか?」
川内「う、うん……あの爆発音の後少し経って、スマッシュが二体廃墟の中からぶっ飛んできて、爆発したんだ。でその後、廃墟が倒壊して……」
惣輔「スマッシュが……!?いつの間にここに……」
影徳「だがぶっ飛んできて爆発したって事は、誰かがスマッシュを倒したって事だろうな。川内、夕立、残骸を退かすのを手伝ってくれ。誰か埋まってるかもしれない」
夕立「ぽい!」
川内「後で夜戦させてくれるなら!」
影徳「後でな」
川内「約束だよ!」
川内はそう言って元気良く廃墟の残骸を退かし始めた。影徳達三人もそれに混じって残骸を撤去していく。
影徳「スマッシュが廃墟からぶっ飛んできてすぐに倒壊したって事は、恐らく倒壊前に逃げるのは出来てない筈だ。何処かに埋まってる筈だが」
惣輔「可能性はあるな……けど、果たして生きてんのかな?ボロとは言え家だったものだ、これだけの量の瓦礫に押し潰されたら……」
カンナ「そう簡単にはあのお二人は死には致しません。それくらいの事で死んでしまうほど脆い体は持っておりませんので」
惣輔「そうか、それなら安心ーー」
『いや、君(貴女)は誰(なの)(っぽい)!?』バッ
カンナ「ふえ!?」
いつの間にかそこにいたカンナに驚いて影徳達は思わず後退り、カンナは何故驚かれたのか分からずビクビクしている。
カンナ「あ、あの……どうかなさいましたか?」
『ええ……』
いまいち理解出来てないカンナに影徳達があんぐりしていると、
ガタッ
瓦礫が少しだが動いた。
カンナ「!あそこですね!」
カンナは瓦礫が動いた場所に走り寄り、瓦礫を退かし始めた。
影徳「あの子が誰かは分からないけど……取り敢えずあの子を手伝おう」
影徳の言葉に三人は頷き、カンナを手伝う。瓦や木材、鉄筋コンクリートの残骸を次々と手際よく片付けていくと、
惣輔「……なんだこりゃ?」
何やらドーム状の何かが出てきた。その大きさは半径1mはあり、植物の蔦のようなものでできていた。
カンナ「お二人様、聞こえますか?カンナです」コンコン
カンナがそのドームをノックしながらそう言うと、
シュルシュルシュルシュルーー
『!!』
蔦のようなものはシュルシュルと動いて、地面に潜っていく。その蔦が全て地面に隠れると、
牙也「おお、カンナ。大丈夫だったか?」
箒「良かった、無事だったか。怪我してないか?」
牙也と箒が現れた。
カンナ「お二人様、ご無事で良かったです……私は大丈夫ですので」
牙也「そうか、しかしやり過ぎたな……廃墟をブッ壊しちまった」
影徳「おいあんたら、本当に大丈夫なのか?」
牙也「あんたは?」
カンナ「瓦礫の撤去を手伝ってくれまして……」
箒「そうだったのか……ありがとう、礼を言う」
惣輔「いえいえ、礼には及びませんよ!」
牙也「いや、礼の一つくらいは言わせてくれ。本当にありがとう。それじゃ、俺達はこれでーー」
ジャキッ
去ろうとする牙也に、影徳はあの変わった形の銃を突き付ける。
カンナ「な、何を……!?」
牙也「……何の真似だ?」
影徳「悪いけど、このままみすみす君達を逃がす訳にはいかない。今から言う質問に答えてくれ。場合によっては捕らえるが、何も無ければ解放する」
牙也「なんだ?」
影徳「君達はここに何の目的でいた?」
牙也「目的と言える目的じゃないが……住む場所を探してた。入ってみたら廃墟だったから出ようとしたんだが……」
影徳「スマッシュが襲ってきた、と」
箒「む?あの怪物達はスマッシュと言うのか?」
惣輔「え、お嬢さん達知らなかったの?おかしいな、知らない人なんていない筈なのに……」
夕立「どうやってスマッシュ倒したっぽい?」
牙也「(ぽい?)うーん……どう表現したら良いのやら……」
影徳「じゃあ質問を変えよう。君達は何処から来た?」
箒「それは……」
箒達は口をつぐんだが、
牙也「……言っても信じそうにないから、黙秘って事で」
代わりに牙也はそう答えた。だって答えたところで信じない事は分かっているから。「異世界から来た」などと言って、果たして誰が信じるだろうか。普通に考えたら誰も信じないだろう。
影徳「なるほど……それじゃ、君達を拘束するよ」ジャキッ
牙也「そうかい……ま、簡単には捕まらないさ」バッ
牙也が左手を影徳達に向けると、あちこちから蔦が伸び始めて影徳達に襲い掛かってきた。
惣輔「なんだこりゃ!?」
影徳「知るか!」
影徳と惣輔は懐から、バルブの付いた剣を取り出して蔦を斬り捨てる。
影徳「お前達……まさかスマッシュか?」
牙也「は?あんなのと一緒にしないで欲しいな。むしろ、お前達こそスマッシュとやらを率いてるんじゃないのか?」
夕立「てーとくさんを悪く言うなっぽい!」
川内「そうだよ、提督は私達と一緒にスマッシュと戦ってるんだから!夜戦はさせてくれないけど!」
惣輔「川内ちゃん、最後のはいらないよ……」
夕立と川内が進み出て反論し、惣輔が呆れたようにツッコミを入れる。
牙也「ふん、どーだか……」
箒「牙也、あまり煽り過ぎるな。後が面倒だ」
惣輔「エイト、どうする?」
影徳「危険……ではあるな。川内、夕立、下がれ。石動、俺達で相手しよう」
惣輔「致し方ないか」
影徳と惣輔は変わった形の銃を右手に持ち、ポケットから何やらボトルのようなものを取り出して数回振った。そしてボトルの蓋を捻って文字の書かれた方を正面に合わせる。そしてそれを、
《BAT》
《COBRA》
銃の銃口とトリガーの間の装填スロットに差し込んだ。すると、不気味な音声が辺りに響き渡る。二人はボトルを装填した銃を顔の正面に持ってきて、
影・惣『蒸血』
《MIST MATCH……!》
トリガーを引きながら横凪ぎに振るう。すると銃口から黒と灰色の混じった煙が二人の全身を覆い尽くした。紫電の光と赤銅の光が二人を覆う煙の中に見える。
《BAT……BA・BAT……!》
《CO・COBRA……COBRA……!》
また音声が響き渡り、やがて煙が晴れていくと、影徳の全身は異様な姿となった。黒を基調としたアンダースーツの上から銀色のチェストアーマーが装着され、煙突のようなものが両端と両肩から伸びている。胸には山吹に輝く蝙蝠の装飾が施され、頭部は鬼の角のように伸びた煙突や本来の目を隠す蝙蝠の形のバイザーが特徴的な姿であった。
一方惣輔の全身もまた異様な姿となった。ワインレッドを基調としたアンダースーツにその上から銀色のチェストアーマーが装着され、四本のパイプのようなものがそれぞれ二本はアーマーから垂れ下がり、もう二本は首を覆うように巻き付いている。胸には青緑に輝くコブラの装飾が施され、頭部は影徳と同じように伸びた煙突、両端にはアンテナのように伸びた耳がある。目はコブラの形のバイザーで本来の目を隠している。
《FIRE!》
完全に姿が変わったと同時にまた音声が響き渡り、それぞれのアーマーの煙突やパイプから白煙が吹き出し、金や銀、赤や緑の花火が二人の周囲に打ち上がる。そして影徳は右手に銃、左手に剣を構え、惣輔は剣を刀身と柄の二つに分離して、刀身の方を銃口に、柄の部分を銃のハンマー部分に合体させ、それを右肩に担いだ。
影徳「東都第六鎮守府提督、氷室影徳ーーナイトローグ」
惣輔「同じく提督補佐兼技術開発局主任、石動惣輔ーーブラッドスターク」
影・惣『出撃する』
牙也「ライダー……とは違うな。むしろ敵の幹部みたいな感じがある」
箒「どうする?このまま易々と捕まる訳には……」
牙也「決まってるさーー
抗ってやる……!」
箒「ふっ……だと思ったぞ」
《ブルーベリー》
《マスカット》
《ロック・オン》
戦極ドライバーにロックシードをロックし、牙也は左手て、箒は右手を斜め前に突き出し、大きく腕を回転させてから高く空に掲げ、牙也は左手を顔の正面に持ってきて、箒は右手でカッティングブレードを持つ。
牙・箒『変身!』
《ソイヤッ!ブルーベリーアームズ!侵食者・Hell・Stage!》
《ハイー!マスカットアームズ!銃剣・ザン・ガン・バン!》
アームズを被ってアーマードライダーに変身した二人は、それぞれの武器を構える。
牙・箒『行くぜ(ぞ)!』
影・惣『掛かってこい!』
川内と夕立が見守る中、四つの武器がぶつかり合った。
激突ーー。