IS×仮面ライダー鎧武 紫の世捨て人(完結)   作:神羅の霊廟

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 悪維持さんとのコラボはこれにておしまい。最後までお付き合い宜しくお願いします。




コラボ5 抜錨!Build Up Fleet Girl's (13)

 

 影徳「それじゃ、無事に俺達の鎮守府の防衛任務を完遂出来た事を祝って……乾杯!」

 『乾杯!!』カシャンッ

 

 東都第六鎮守府の食堂。鎮守府防衛作戦をなんとか完遂し、影徳達第六鎮守府の面々と牙也達三人はジュースで乾杯しながらワイワイ騒いでいた。テーブルの上には肉野菜炒めやつみれ汁、魚の塩焼きにサラダ、さらに隅の方にはお菓子やデザートが皿に盛り付けられ、所狭しと置かれている。

 

 牙也「おらー、どんどん食えよー!足りんかったらまた作ってやるからな!」

 

 厨房で料理を作りながら、つまみ食いで腹を満たしているのは牙也だ。皆がワイワイ騒ぐ中、一人で厨房を切り盛りしている。影徳達が手伝いを名乗り出たが、

 

 牙也「良いって良いって。今日の主役はお前さん等なんだからさ、泊めてもらった恩返しだと思ってこれくらいはやらせてくれよ」

 

 との事。とは言え流石に影徳達もお客にそんな事をさせる訳にもいかず、結局配膳は影徳達がやる、という事で話がついた。

 

 夕立「美味しいっぽい!おかわり!」パクパク

 吹雪「もー、夕立ちゃんばっかり食べないでよぉ!皆食べたいんだから!」

 響「最高に嫌いじゃない……!」モグモグ

 暁「響、一人前のレディはガツガツ食べないものよ。こんな風におしとやかに……熱いっ!?」

 電「はわわ、暁ちゃん大丈夫なのですか!?雷ちゃん、何か拭く物を持ってきてほしいのです!」

 雷「分かったわ!ちょっと待ってて!」

 睦月「甘いにゃしい……とろけちゃうにゃあ……」ハニャー

 川内「わー!?睦月ちゃん、戻ってきてー!!」

 

 艦娘達がワイワイ騒ぐ中、影徳と惣輔は窓際で箒と話していた。

 

 影徳「悪いな、防衛任務手伝ってもらったばかりか飯まで作ってくれて」

 箒「私は何もしていない、礼は全部牙也に言ってくれ。しかし、無事に守りきれて本当に良かったな」

 惣輔「箒ちゃんや牙也達の手助けあってこそだ、本当に助かったよ。ところでカンナちゃんは?」

 牙也「力の使い過ぎでダウンしてるよ。今は休んでる」

 

 そこへ、料理作りが一段落した事で厨房から牙也がエプロン姿で現れ話に入る。

 

 影徳「あー、あのフルボトルか。まあ初めてだったし、仕方ないのかな?」

 牙也「まあそう言う事だ。ところであのフルボトル調べてたみたいだが、何か出たか?」

 影徳「いや、さっぱりだ。あんなフルボトル見た事がない。恐らく特殊な方法で作られたフルボトルだな、現状ではそうとしか言えねぇ」

 牙也「そっか……何か出てくると踏んでたんだが……それなら仕方ないな」

 惣輔「悪いな、役に立てなくて」

 牙也「良いって、気にすんなよ。ああそうだ、あのベストシップドライバーだが……」

 影徳「ああ……やるよ、カンナちゃんに」

 箒「む、良いのか?お前達が作った物だろう?」

 惣輔「実際あれは牙也が作った物なんだけどな……まあ悪用しないのなら別に構わないぜ」

 牙也「へぇ……あんだけ嫌々言ってたお前が……」

 惣輔「な、何だよ?」

 牙也「いや……ようやく成長したなぁ……と思い」

 惣輔「てめぇこの野郎!今まで成長してないと思ってたのか!?」

 牙・箒『おう(ああ)』

 惣輔「」orz

 影徳「はっはっは、酷い言われようだな!」

 惣輔「てめぇ……他人事だと思って……!」

 牙也「まあまあ……それよりもさ、パーティー楽しもうぜ!」

 

 パーティーは結局、深夜になるまで続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 牙也「ん~……疲れた~」

 

 深夜一時過ぎ。食堂の片付けを終え、牙也は堤防に足を運んでいた。海風が心地よく吹いており、また海面に映る三日月も風流であった。体を大きく伸ばし、牙也は堤防に座り込んだ。

 

 牙也「取り敢えずここでの旅は終わりだと思うが……まだ反応が無いんだよな~」

 

 そうぶつぶつ言いながら、牙也はブルーベリーロックシードをお手玉する。

 

 牙也「この力を手に入れて、もう何年経っただろうな……もうかれこれ八年くらいか……?そんなになるのか」

 ??「ほう、それほどに貴様に馴染んだロックシードなのか」

 牙也「まあな、こいつは俺のーーん?」

 

 聞いた事のない声が聞こえた。

 

 牙也(今の声、確実に男だ。だが氷室や石動じゃない。じゃあ一体ーー)クルッ

 

 

 

 振り向いた瞬間、鳩尾に鈍痛と衝撃が襲った。その誰かによって重く入った一撃は、牙也の鳩尾をいくらか陥没させる程の威力だった。突然の不意討ちに、牙也は一瞬息が詰まる。が、なんとか持ち前のガッツで意識は飛ばさなかった。牙也がその人物を見ると、見た事もないドライバーを腰に巻き、何やら目の部分に瞳が入っているライダーであった。

 

 牙也「て、めぇ……!」

 ??「こいつはいただいていく。俺達の目的の為に必要だからな」

 

 謎のライダーは牙也からブルーベリーロックシードをひったくり、牙也を蹴飛ばしてからドライバーを操作した。

 

 《Travel》

 

 その音声と同時に、そのライダーの後ろにクラックとは別の穴が開いた。

 

 ??「俺の名は、『クロノエグゼイド』……こいつを返してほしければ、俺を追ってこい」

 

 クロノエグゼイドと名乗るライダーは、そう言い残してその穴に飛び込んだ。クロノエグゼイドが飛び込むと、その穴は一瞬にして閉じる。

 

 牙也「待……て……!」

 

 牙也は必死に手を伸ばすが、一足早くクロノエグゼイドを取り逃がしてしまった。鳩尾への一撃による痛みをこらえながら、なんとか鎮守府の建物の壁まで自力で歩いてたどり着き、ずり落ちるように座り込むと、

 

 牙也「っ、くそがっ……!」ガンッ

 

 牙也は忌々しそうに壁を殴り付ける。と、

 

 箒「牙也ー、どこだー?」

 カンナ「牙也様ー、どちらにー?」

 

 帰りが遅いのを心配してか、箒とカンナが探しに来た。

 

 箒「ああ、いたいtーーき、牙也!?」

 カンナ「ど、どうなさったのですか!?」

 

 牙也を見つけた二人はすぐに牙也の異変に気づき、牙也に駆け寄る。

 

 牙也「っつつ……クロノエグゼイドとか言う奴に襲われてな、ロックシードを奪われた……!」

 カンナ「ロックシードが……!?」

 牙也「だが、ブルーベリーだったからまだ良かった……あれはまだ予備含めて二つあるし、何より盗られたのは純化してない物だからな……悪用したら暴走するようになってる……いてて」

 箒「まだ痛むか?」

 牙也「ああ……野郎は相当の手練れだ……箒とカンナじゃ遠く及ばねぇ、俺でも同士討ちになるか否か……ってとこだ」

 カンナ「すぐに追い掛けなくては!」

 牙也「無理だ……奴の移動手段は、俺達の物とは違う、恐らく別世界の力を使ってんだ……その世界に接触出来ない限りは、ロックシードは取り返せない……いてて」

 箒「くっ……旅の道中で、その世界に辿り着く事を祈るしかないのか……!」ガンッ

 

 箒は悔しそうに壁を殴り付ける。

 

 牙也「ところで二人はなんでここに……?」

 カンナ「例のクラックが近くに開きました。私達は、すぐに次の世界に向かわなくてはなりません」

 牙也「そうか……氷室達は?」

 箒「もう既に眠ってしまったようだ。部屋の明かりが消えていた」

 カンナ「念のため書き置きを部屋に残しておきました、荷物は持ってきましたのでお早く……」

 牙也「ああ……悪い箒、肩貸してくれ」

 箒「分かった、さあ掴まれ」

 

 牙也は箒の肩を借りて立ち上がり、なんとかクラックまで辿り着いた。

 

 カンナ「ちゃんとしたお別れも言えず、残念でなりませんね……」

 牙也「仕方ないさ、俺達の旅はそう言うもんだからな」

 箒「そうだな……さあ行こう。クラックが閉じてしまう」

 牙・カ『ああ(はい)』

 

 カンナと箒が先にクラックに入る。そして牙也が入った時、牙也は一瞬鎮守府を見た。

 

 牙也「しっかりやりなよ。お前達ならやれるって、俺達は信じてるからよ……」

 

 そう言い残し、牙也達三人は次の世界へと旅立ったーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の朝。

 

 電「司令官さ~ん!大変なのです!」

 影徳「どうした?」

 雷「牙也さん達が部屋にいなくって、それでこれがテーブルの上に……!」

 

 影徳は雷が差し出した手紙を受け取り、読み上げた。

 

 

 

 『まずはこのような手紙で事情を説明する事となった事をお許し下さい。

 私達がこの世界に居を構えられる時間のリミットが来てしまいましたので、突然ではありますが私達はこれにて失礼させていただきます。突然の別れとなってしまった事、残念でなりません。居を構えさせていただいたお礼の一つも出来ず、本当に申し訳ございません。もし今後機会がありましたら、そちらの世界にお邪魔させていただき、何か恩返しをさせていただく所存です。

 今後も苦しい時が何度も訪れるでしょうが、私達は常に皆様の事を応援しております。どうかご武運をーー。それでは失礼致します。

 

 

 

 

            カンナ 』

 

 

 

 

 影徳「そうか……時間切れか。それなら仕方ないな」

 

 影徳は手紙をポケットにしまうと、

 

 影徳「雷、電。食堂に皆を集めてくれ」

 雷「分かったわ!」

 電「はいなのです!」

 

 姉妹が食堂へ走っていくのを見届けると、影徳は近くの窓から空を見上げた。

 

 

 影徳「どうか、あの三人にこれからも武運長久を願ってーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヲ級「ハア……ハア……」

 

 ヲ級はボロボロの体を引き摺りながら海上を必死になって逃げる。

 

 ヲ級「ハア……ハア……コ、ココマデ逃ゲレバーー」

 

 

 

 

 ??「甘いですよ」

 

 

 

 

 突如聞こえた声と共に、ヲ級の体は機械で出来た触手に貫かれた。

 

 ヲ級「ガッ……!?オ、オ前ハーー」

 

 目の前にいた人物に目を見開いて言葉を発するも、言葉は最後まで続かず、ヲ級は爆散して沈んでいった。その人物ーーオールバックの髪型にゴーグルをした男『エンター』はそれを見届けると、

 

 エンター「これで大丈夫でしょうね。では、帰りましょうか」

 

 手に持ったノートパソコンを操作しながら去っていった。

 

 

 

 

 





 クロノエグゼイドは武神鎧武さんからお借りしたキャラクターです。武神鎧武さんの作品においてコラボを予定しておりますので、その伏線として登場させました。

 そして悪維持さん、二度目のコラボありがとうございました。この場にてお礼申し上げます。

 なお次回のコラボは厳正な抽選の結果……





 ZUNEZUNEさんの作品『トリコ 一夏がトリコの世界に行って料理人になって帰ってきたお話』に決定致しました。ZUNEZUNEさん、宜しくお願いします。

 それでは、次は二つのコラボにおいてお会いしましょうーー。


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