機動戦艦ナデシコ コハクのモノガタリ   作:ただの名のないジャンプファン

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第7話

 

 

 

 

 

 

言われなき噂がなんとか鎮静化してコハクは引き篭もりから脱した後、ルリとコハクは食堂で食事を摂っていた。

 

 

~ナデシコ 食堂~

 

「コハク」

 

「ん?なに?ルリさん」

 

食事の最中、徐にルリがコハクに声をかけてきた。

 

「それです」

 

ルリがビシッとした口調でコハクに指摘する。

 

「ん?どれ?」

 

一方、コハクの方はルリが何を指摘しているのか分からずにキョトンとしている。

 

「その『ルリさん』と言う呼び方‥そろそろ変えてもいいんじゃないんですか?」

 

「えっ?」

 

突然のルリの提案に思わず思考が停止するコハク。

 

「コハク?」

 

「あっ、えっと‥‥でも、いきなりどうしてそんな事を?」

 

「一緒の部屋に住んで夜はあれだけ面倒を見ているのですから、私達はもう、かなり親しい間柄だと思いますが?」

 

「えっと‥‥それじゃあ、何て呼べば‥‥」

 

「『ルリ』と呼び捨てで良いですよ」

 

「えっ?」

 

ルリが自分の事を呼び捨てにして呼んでくれと言った瞬間、コハクの脳裏にまた自分が経験した事のない光景が浮かび上がる。

 

 

『…さん、いつまでも「ルリちゃん」は嫌です。子供扱いしないで下さい』

 

『そ、その件につきましては前向きに検討し、努力するよ』

 

『はい、努力してください』

 

 

「‥‥」

 

「コハク?」

 

「っ!?え、えっと‥‥」

 

「大丈夫ですか?顔色が少し悪ですけど‥‥?」

 

「えっ?あっ、うん‥大丈夫だよ‥‥」

 

「それで、私の事を『ルリ』と呼んでくれますね?」

 

「えっ‥でも、ルリさんの方が年上だし‥‥」

 

「年上と言ってもたった1年しか変わりませんし、私はそう言う事は気にしませんから」

 

「で、でも‥‥」

 

「コハク」

 

ルリの有無を言わせない態度に、

 

「‥あっ‥‥う、うん‥‥分かったよ‥‥る‥ルリ‥‥」

 

コハクは脆くも陥落した。

 

「はい」

 

コハクからルリと呼び捨てで呼ばれるとルリは嬉しそうに微笑んだ。

 

 

コハクのあらぬ噂が沈静化し、引き篭もりを脱したコハクは引き篭もり前と同じようにアキトに鍛錬を教授していた。

噂はあくまでも噂であり、事実無根だったことにまずは一安心したユリカであったが、休み時間にアキトに会いに行くと、アキトは料理の勉強をしていたり、ゲキガンガーのビデオを見ていたり、コハクと時間を共にしていることが多く、コハクとアキトの噂がいつか真実になるんじゃないかと不安になるユリカであった。

 

「心配いらないんじゃない?テンカワの奴、以外と朴念仁な所が有るし‥‥」

 

食堂でユリカが偶然その場に居たウリバタケに相談してみた。

しかし、当のウリバタケは今度サツキミドリ2号で搬入されるエステバリスの0G戦フレームの仕様書を見ている。

正直言ってまともにユリカの相談に乗っている様には見えない。

 

「今度乗ってくるパイロット達の機体かい?」

 

其処にコーヒーを持ってきたホウメイがウリバタケに話しかける。

 

「ああ、いいぜ。今度来る0G戦フレームは。仕様書を見るだけで興奮するぜ」

 

ホウメイに仕様書を見せるウリバタケ。

 

「嫌な男連中だといいね。今度来る連中は‥‥」

 

「ん?」

 

「あの~ちょっと‥‥」

 

ユリカはホウメイとウリバタケが自分を余所に会話し始めた事に疎外感を覚え2人に声をかけるが、

 

「嫌な連中だといいよ。戦争で死ぬかもしれない奴はさ」

 

「そうか」

 

「そうだよ」

 

「そうか」

 

ユリカは完全にアウト・オブ・眼中になっていた。

 

「むぅ~艦長命令です。私の話を聞きなさーい!!」

 

2人からアウト・オブ・眼中の扱いを受けたユリカが声をあげると、目の前に空間ウィンドウが開き、

 

『艦長、まもなく隕石コロニー サツキミドリ2号に到着します』

 

メグミがもうすぐ補給予定であるコロニーの到着の旨を伝える。

ユリカがブリッジに入ると、ブリッジ要員は既に所定の配置位置に着いていた。

 

 

~ナデシコ ブリッジ~

 

「あと10分でコロニーを肉眼で確認できます」

 

レーダーで捕らえた距離から視認距離の時間を割り出し報告するルリ。

 

「了解。そのまま前進し入港準備。メグミちゃんコロニーと連絡をとってください」

 

「了解」

 

メグミがコロニー管制塔とのチャンネルを開き交信する。

 

「こちらネルガル重工所属、機動戦艦ナデシコ。サツキミドリ2号応答されたし」

 

『こちらサツキミドリ2号。イヤーかわいい声だね~♪』

 

「まもなく入港します。入港指示を御願いします」

 

『OK、OK任せてくれ。入港は第三‥‥(ザザーッ)』

 

入港の為の誘導を開始しようとした矢先にサツキミドリ側の無線が突如乱れた。

 

「どうしました?サツキミドリ2号応答してください」

 

電波障害のない宙域なのに突然コロニーとの交信が途絶えた。

その直後、

 

「サツキミドリ2号方向に爆発を確認。衝撃波来ます!」

 

ルリの報告後、ナデシコを大きな揺れが襲った。

サツキミドリ2号が突如爆発し、ナデシコの左舷フィールド・ジェネレーターに何かが突き刺さった。

 

「左舷フィールド・ジェネレーターに中程度の破損。フィールド展開不能」

 

コハクの緊急報告を受け、

 

「総員、第2級警戒態勢!整備班は直ちにジェネレーターの被害調査と修理を!」

 

キャプテンシートにしがみ付きながらユリカが状況の変化に素早く対応し指示を出す。

 

「さっきまで交信していたのに‥‥さっきまでお喋りしていたのに‥‥」

 

メグミは突然の事態に対応できずに呆けたままだったが、

 

「メグミちゃん、生存者がいるかもしれないから呼び続けて」

 

「は、はい」

 

ユリカの一声で現実へと引き戻され、必死にコロニーの管制塔を呼び続けた。

しかし、コロニーからの応答はなかった‥‥

 

(こんな所をもし、敵に襲われたら‥‥)

 

ユリカの額に汗が滲む。

現在ナデシコはフィールドを展開できない。

そんな所を敵の飽和攻撃や集中攻撃を受ければナデシコと言えど撃沈されるかもしれない。

 

「ルリちゃん、コハクちゃん、周囲の警戒を厳にして!どんな些細な反応も見逃さないように」

 

「「了解」」

 

ルリとコハクは眼を皿の様にしてレーダーとセンサーを見て周囲を警戒する。

 

『艦長、ウリバタケだ。ジェネレーターに突き刺さっていたのは脱出カプセルらしいが中身の方は空だ!』

 

「修理の方は?」

 

『これから開始する。10分程かかる』

 

「5分で御願いします。ゴートさん!艦内に侵入者の恐れあり。武器携帯の上、侵入者を確保してください!」

 

「了解した」

 

 

『乗組員各員に告ぐ、何者かが本艦に侵入した。全員識別コードを送信後、拳銃携帯の上、持ち場にて待機せよ。繰り返す‥‥』

 

艦内に警報が鳴り響き、ブリッジ要員もルリとコハクを除き全員が拳銃を携帯する。

 

「前方に機影を確認。反応は4つ」

 

「スクリーンに映せる?」

 

スクリーンに拡大投影された機影を確認するブリッジ要員。

 

「あれはエステバリスの0G戦フレーム」

 

「味方なら識別信号を送ってくる筈だ」

 

「どうします?攻撃しますか?」

 

識別信号を送ってこない事から、もしかしたら敵にコンピューターを乗っ取られているのかもしれない可能性がある。

 

「まって‥‥アレを!!」

 

エステバリスがコンテナと無人と思しきエステバリスを牽引している。そして牽引しているワイヤーの真ん中には白い布をくくりつけている。

 

「ワイヤーに白い布‥‥牽引する時の基本だが‥‥それは車の話だ」

 

「木星の蜥蜴もアレくらいお茶目ならよかったのにね‥‥」

 

ミナトが笑いを浮かべながら、見たままの事を言う。

その頃、脱出ポッドの侵入者はというとアキトの部屋でスクリーンに映し出されていたゲキガンガーの話に感動して、そのままアキトの部屋でゲキガンガーを視聴し続けていると、トイレから帰ってきたアキトに発見されて無事に保護された。

 

格納庫にエステバリスが着艦すると、ユリカ、プロスペクター、ゴート、保安員2名が格納庫へとやって来た。

エステバリスのコックピットから降りたパイロットがヘルメットを脱ぐと、

 

「「「「女?」」」」

 

男性陣はパイロットが女性だったということが意外だったらしく声を揃えて驚く。

 

「あの~貴女は?」

 

そしてユリカが確認のため、素性を聞く。

 

「人に名前を聞くときにはまずは自分からだろう?」

 

パイロットの女性が言い返してきた。

 

「私はミスマル・ユリカ、この艦の艦長を務めています」

 

そこで、ユリカは女性パイロットに自己紹介をする。

 

「ふーん、オレはスバル・リョーコ。見たとおり、エステバリスのパイロットだ」

 

すると、相手の女性パイロットもユリカ達に自己紹介をする。

 

「0G戦フレームはコレだけか?」

 

ゴートがリョーコに尋ねる。

 

「いやあと、1つ格納庫にしまったまま。さすがに一度に全部は持ちきれなかったんでな」

 

「あとの2人のパイロットは?」

 

「さあ、生きているんだか死んでいるんだか‥‥」

 

「生きているよ!」

 

格納庫の通路側の扉が開き、アキトと眼鏡をかけパイロットスーツを着た女性が入ってきた。

 

「どうも~私、アマノ・ヒカル。蛇使い座B型の18歳。趣味は同人誌作り。好きなものはしけったお煎餅とピザの端っこの硬い部分で~す。よろしくお願いしマース!!」

 

「まぁ、2人生きていれば上等か‥‥」

 

ヒカルの高テンションにやれやれといった様子で呟くリョーコ。

だが、そこに、

 

『勝手に殺さないで』

 

リョーコのコミュニケから聞き慣れた声が入る。

 

「イズミちゃん!?生きていたの!?今どこにいるの!?」

 

ヒカルが聞くと、

 

『それは‥‥言えない‥‥』

 

「こら、イズミ!!バカ言ってねぇで、さっさと出て来い!!」

 

コミュニケに向って怒鳴るリョーコ。

 

『それより、リョーコ、ツールボックス開けて』

 

「「えっ?」」

 

リョーコがリモコンでサツキミドリ2号から持って来たツールボックスを開けると、

 

「はぁ~空気がおいしいわぁ~」

 

ツールボックスの中から人が出てきた。

 

「テメェ、イズミ!このヤロー!!」

 

リョーコは慌ててツールボックスを閉じようとする。

 

「いや~やめて~しめないで~~サバじゃないんだからさぁ~」

 

謎のギャグ(?)を言った女性は1人笑い悶えていた。

ユリカ達は彼女のギャグについていけずに唖然としている。

 

「コイツは、マキ・イズミ‥‥まぁ、見たとおり変わった奴だけど、悪い奴じゃないから、相手にしなくていい」

 

笑い転げているイズミに代わり、リョーコが唖然としているユリカ達にイズミの名前を教えた。

 

「はぁ~」

 

カオスな空気についていけず生返事しかできないユリカであった。

 

その後、コロニーに残されたフレームの回収と生存者の捜索のため、パイロット3人娘とアキトがコロニーへ向うことになった。

コロニーの格納庫で発見されたエステバリスは、バッタにコンピューターを乗っ取られデビル・エステバリスとして襲い掛かってきたが、あえなく撃墜された。

シミュレーションじゃない本場の宇宙での戦闘であったが、事前に何度もコハクとシミュレーションで戦ったアキトはパイロット3人娘のお荷物にはならずに任務をこなす事が出来た。

実際、デビル・エステバリスに止めをさしたのもアキトだった。

そして生存者の捜索に入ったが、残念ながらコロニー内に生存者は見つからなかった。

パイロット達がコロニー内を捜索し、デビル・エステバリスを発見・交戦している時、ナデシコでは‥‥

 

「メグミさん、顔色が悪いですよ。少し休んでは?」

 

顔を青白くしているメグミに声をかけるコハク。

 

「ごめん、そうさせてもらうね」

 

「お大事に、メグちゃん」

 

ミナトが心配そうにメグミに声をかける。

 

「はい」

 

「‥‥」

 

フラフラとブリッジを後にするメグミ。

その後姿を見ていたコハクはどうするか悩んだ。

 

 

~ナデシコ 展望室~

 

ブリッジを後にしたメグミは自分の部屋ではなく、展望室へと行き1人静かに黄昏ていた。

脳裏に蘇るのはサツキミドリ2号の管制塔との最後の通信。

ついさっきまで通信をしていた人が姿は見えなくても死んだ。

それは例え声だけでも人の死に直面した事になる。

初めて人が死ぬのを間近で体験しメグミは完全に参ってしまっていた。

 

「はぁ~」

 

メグミが溜め息をついた時、

 

「溜め息をつくと、幸せが逃げますよ」

 

「えっ?」

 

メグミが振り返ると、其処には缶ジュースを持ったコハクが立っていた。

 

「コハク‥ちゃん‥‥どうして此処に?」

 

「メグミさん‥元気がなかった様なので、心配で‥‥」

 

「‥‥」

 

メグミは気まずそうに視線を逸らす。

 

「隣、良いですか?」

 

「う、うん‥‥」

 

メグミの返答を聞き、コハクはメグミの隣に腰を下ろす。

 

「どうぞ」

 

そして、手に持っていた温かいレモンティーをメグミに渡す。

 

「えっ?」

 

「何か話したい事や聞いてもらいたい事があるなら、こんな小娘ですけど、話してください。話すと少しは気分がスッキリするかもしれませんよ」

 

「‥‥」

 

メグミはコハクからレモンティーを受け取り、しばしその缶をジッと見ていたが、徐に口を開いた。

 

「その‥‥コハクちゃんは怖くないの?」

 

「えっ?」

 

「戦艦に乗って‥‥戦って、戦場に居て、人が死んで‥‥」

 

メグミは泣きそうな声呟く。

いや、実際のところ泣いているのかもしれない。

レモンティーの缶を握りしめながら、膝の上に顔を埋めている。

ただ、自分の泣き顔を年下のコハクに見られたくないと言う年上としての矜持なのかもしれない。

 

「勿論、僕にだって恐怖は感じていますよ」

 

「えっ?」

 

コハクの言葉を聞いてメグミは顔を上げる。

 

「これはアキトさんにも言った事なんですが、恐怖は誰もがもつ感情の1つですから‥お恥ずかしながら、僕はどうも夢見が悪くて悪夢に魘され続けています。でも、ルリがいてくれるおかげで、何とかなっています‥‥メグミさん」

 

「ん?なに?」

 

「『死んだ人の事は忘れろ』『ウジウジ悩むな』なんてことは言いません。メグミさんが今、思っている事は人として当然の事なんです。でも、戦艦に乗って、戦っている事から、死ぬ人が出るのは当然の事なのかもしれませんが、大事なのは人の死に慣れない事、死の恐怖に飲まれない事‥‥そして、仲間に頼る事です」

 

「仲間‥‥」

 

「はい。まだ、ナデシコに乗って日が浅いので、お互いにぎこちなさは感じるかもしれませんけど‥‥」

 

「でも、皆冷たすぎるよ‥‥あんなに沢山人が死んだのに‥‥人が死んだのにどうして皆平気でいられるの!?」

 

悲鳴にも近いような声でメグミは叫ぶ。

 

「それは、覚悟して割り切っている為かもしれませんよ」

 

「覚悟?」

 

「はい。戦艦に乗っている以上、向かう先は戦場、そして戦争をしている以上、人が死ぬのは避けられません」

 

「でも…でも!私はそんなに簡単に割り切れないよ!」

 

「メグミさん、割り切る必要はありません。誰かの為、人助けの為に乗っていると思えばいいんです‥生きている人は死んだ人の分までその思いを受け継いで生き残る義務があると思います。サツキミドリの人達だってナデシコが火星に居る人々を助ける事を信じて準備をしていたんですから‥‥その人達の為を思うのであれば、ナデシコを絶対に火星まで持って行かなければなりません。そして火星に居る人々を助けなければなりません。サツキミドリで死んだ大勢の人達の為にも‥‥火星でナデシコを待つ人々の為にも‥‥」

 

コハクはジッとメグミを見つめる。

 

「‥‥そっか‥‥そう‥だよね‥‥私達は生きているんだもんね‥‥うん‥完全に割り切れないかもしれないけど、私も過ぎたことを悩んでばかりいないで、今を‥そしてこれから出来る事を考えてみるね。コロニーで亡くなった人達の分まで‥‥それに私だって火星に居る人達を助けたいもん」

 

「はい」

 

その後、メグミは無事職務に復帰した。

 

隕石コロニーにて、デビル・エステバリスを倒して生存者の捜索を終えたエステバリス隊がナデシコへと戻ってきた。

アキトはまず、自分の戦果をどうしてもコハクに聞いてもらいたかった。

 

「コハクちゃん!!」

 

「あっ、アキトさん。お疲れ様です」

 

「コハクちゃん!!俺、やったよ!!コハクちゃんのおかげだよ!!ありがとう!!」

 

「いえいえ、アキトさんの努力の賜物ですよ。でも、今回の勝利に酔いしれたり、慢心しない様にこれからも精進しないとダメですよ」

 

「ハハ、分かっているよ」

 

互いに笑みを浮かべ、2人で通路を歩く姿を見たユリカは、

 

「‥‥夢‥そう、夢よ‥‥ただの悪い夢よ」

 

と現実逃避していた。

ユリカがコハクとアキトがどのように見えていたのか分からないが、一般的に見れば2人はどう見ても仲の良い兄妹の様に見えた。

 

隕石コロニーの戦いの後、ナデシコは本格的な木星蜥蜴の攻撃もなく、火星に向けての暇な航海を続けている。

 

 

~ナデシコ ブリッジ~

 

「ふぁ~ホント、暇だよね」

 

キャプテンシート上でタレパ○ダのように寝そべりあくびをするユリカ。

その姿はあまりにも艦長らしくない。

そんなだらけきったブリッジに突然緊急アラートが鳴り響きオモイカネが敵の攻撃を知らせる。

 

「敵、攻撃」

 

「ええっ!?どこ!?どこ!?迎撃‥‥‥」

 

「いりません」

 

慌てて迎撃を出そうとする艦長の指示をルリが一蹴する。

 

「ディストーション・フィールド、順調に作動中」

 

飛んできた敵のビーム攻撃は、ナデシコのディストーション・フィールドにあっさりと防がれる。

 

「隕石コロニーでの戦い以来、木星蜥蜴が本格的な攻撃を仕掛けてこないのは、恐らくこの艦の能力を把握するまで――少なくとも制空権の確立した火星まで、攻撃はあいさつ程度のものになると思いますが‥‥‥艦長はどうお考えです?」

 

「貴女、鋭いわね。子供なのに」

 

いつの間にか隣に移動してきたユリカが、感心したようにルリを見つめていた。

ルリの方はというと子供扱いは勘弁して欲しいと思い、

 

「私、少女です」

 

と、一応そう自己主張したが、ユリカはよく分かってない様子。

そこに、再び敵からの攻撃。今度は別の角度から飛んできたが、またもやナデシコのディストーション・フィールドに弾かれていく。

 

「そっか。火星まで私、暇なんだ‥‥‥あ~あ~」

 

ユリカが溜め息を吐きながら、ルリのコンソールの上に座り込んだ。別に作業に支障はなうようだが、ユリカの身体がルリの視界に入る。

流石に鬱陶しいと思ったのか、ルリがユリカに注意した。

 

「艦長邪魔です。自分の席に着いていて下さい」

 

「は~い」

 

投げやりな返事をしながら、自分の席へと戻ろうとするユリカにコハクが尋ねた。

 

「あれ?艦長、いつまでもブリッジに居ていいんですか?」

 

「ふぇ?」

 

コハクの質問に「なんで?」と言わんばかりに頭の上に?マークをとばすユリカ。

 

「昨夜、プロスさんが言っていたじゃありませんか。今日からコロニーで亡くなった人達のお葬式をやるって‥まさか、忘れていたんですか?」

 

「えっ?‥あれ?そうだっけ?」

 

コハクに言われてユリカは昨夜の出来事を思い出す。

確かに言われてみれば昨夜寝る前にプロスペクターから連絡をもらった記憶がぼんやりとあるが、あの時はあまりにも眠くてプロスペクターがなにを言っているのかわからず、とりあえず「わかりました」の一言で終わらせたことを思い出した。

 

「ああっー!そうだった!!」

 

ユリカが声をあげると、空間ウィンドウが開き、

 

『艦長まだそこに居たんですか?艦長が来ないと始められません。急いで、そしてちゃんと着替えてきてください』

 

「は、はい!!」

 

急いで立ち上がり、ブリッジをあとにするユリカ、しかしあまりにも急ぎすぎたため、足がもつれ途中でコケた。

 

「痛ったぁー!!」

 

「やれやれ」

 

「‥バカ」

 

 

~ナデシコ 艦内 葬儀会場~

 

本格的な木星蜥蜴の襲来がない合間を縫って先の隕石コロニーでの死亡者のお葬式がナデシコ艦内で行われたが、全滅に近かったサツキミドリ2号、亡くなった方の身体は宇宙に消え、御遺骨が発見されることも滅多になく、だからこそお葬式の儀式だけでも念入りに行うのが、民間企業たるネルガル重工の方針らしい。

 

ポクポクポク‥‥

 

艦内に響く木魚の音。

そして‥‥

 

「なんまいだ~いちまいだ~にぃまいだ~さんまいだ~はぁ、おしまいだぁ~」

 

木魚を叩きながらお坊さんのカツラと法衣を纏って経文を読み上げるユリカ。

しかし、あまりやる気が感じられない。

死者が成仏できるのか心配だ。

 

「おしまいじゃないよ」

 

「えっ?」

 

やっと終わったと思ったユリカに小坊主の格好したジュンがそう言って次の葬儀会場へとユリカを連れて行く。

 

「早く」

 

「えっと、天にまします我等が父よ」

 

次はキリスト教の葬儀会場でユリカは神父役、ジュンがシスター役をやり、その後はわけの分からない衣装を着て艦内の葬儀会場を駆け巡るユリカ達。

 

「地球は狭いようで広い!様々な宗教や風習があって様々な形式のお葬式があるからね」

 

「あう~ だからって何で私がお葬式やらないといけないの?」

 

衣裳部屋で愚痴るユリカ。

 

「『何で』って?コロニーは全滅しちゃったし、お葬式を上げるのはナデシコの役目だろう?それにお坊さんや神主さん全員揃えていたらクルー全員が聖職者になっちゃうよ。だから艦長がそれを代行しないと」

 

「なにしろ冠婚葬祭はなかなか値切れませんからねぇ」

 

艦長とアオイさんの会話にプロスペクターが電卓をいじりながら詳細を説明する。

ちなみにネルガルは民間企業であり、当然それに所属するナデシコは個人の宗教、思想を尊重し、なるべくお葬式に関しては出来る限り個人の希望に対して、ソレに答えるようにしている。

 

 

~ナデシコ ブリッジ~

 

「ひゃ~疲れたよぉ~」

 

今日の予定分のお葬式を終えたユリカは相当疲れたらしくキャプテンシートでぐったりとしている。

心なしか白っぽく見えるし、頭にはお葬式で使用した変な帽子を被ったままだ。

 

「艦長、頭に変な帽子‥被ったままですよ」

 

ルリが教えるがそれを取る元気もないのか気にせずそのまま変な帽子を被ったままのユリカ。

 

「はぁ~これが艦長」

 

「まだまだお葬式の希望はありますよ」

 

「え?」

 

「オモイカネ、データ表示」

 

ルリの声に連動するかのようにオモイカネがデータを表示する。

 

『俺には葬式も墓もいらねぇ』

 

「よかった」

 

『青い青い海に俺の遺骨を撒いてくれ』

 

「海?海なんてどこにあるの?」

 

『私の願い、私は天の川の星の1つとなって皆の幸せを見つめたいの~』

 

「気持ちは分かるけど‥‥」

 

「お墓‥星の形にしてあげましょうか?」

 

『俺様の夢は地球一の美女に首筋を噛まれ‥‥』

 

「艦長、地球一の美女ですか?」

 

ルリにそう言われ、顔を青くするユリカ。

 

「これもほんの一部です」

 

するとユリカの目の前に沢山の空間ウィンドウが表示される。

 

「こんなにお葬式?」

 

「それだけ前の戦いで沢山の方が亡くなったということですね‥‥」

 

「じゃあ、私に出来るのはお葬式?…お弔い?」

 

涙目になるユリカ。

そこに、

 

「あっ、冠婚葬祭って言うからには結婚式も取り仕切るのかな?」

 

メグミがそう言うと、ユリカはふと、シートに座っているコハクを見る。そして彼女の頭の中に浮かんだのは白いタキシードを着たアキトとウェディングドレスを着たコハクの姿‥‥

 

「うわぁぁぁぁん!アキトのバカ~!!ロリコ~ン!!」

 

突然泣き出しブリッジから走り去って行くユリカ。

しかもこの場に居ないアキトを何故か罵倒している。

 

「ど、どうしたの?艦長?」

 

「さあ?」

 

ユリカの行動に理解できず、首を傾げるメグミとコハクであった。

そんなユリカに対してルリは、

 

「バカ‥‥」

 

呆れる様に一言呟いた。

 

 

~ナデシコ 厨房~

 

ユリカ達、ナデシコの上層部がお葬式で忙しい中、食堂スタッフはそれ以上に忙しかった。

なにしろ通常の営業と共にお葬式後の宴会用の料理とお供え用の料理の調理に追われていたのだ。

 

「さあ、どんどんいくよ!!葬式が終わったら宴会、死んでいった人達に恥はかかせられないよ!!なにせ仏さんにとってこの世で最後の宴会なんだからね!!」

 

ホウメイが檄を飛ばし、ひたすら沢山の料理を作るスタッフ達。

 

「今日の仏さんの再確認、イタリア、アラブにロシアにタイ‥‥テンカワ、トムヤンクンには醤油じゃなくて、ナンプラを使うんだよ!!」

 

厨房にひしめき合う沢山の料理の中で僅かな匂いの中から違いを見極め適切な指示を出すホウメイ。

 

「なんです?ナンプラって?」

 

「魚から作った醤油のことだよ。さあ早く持ってきな。スープが煮立っちまうよ」

 

「は、はい!!」

 

急いで調味料庫にあるナンプラを取りに行くアキト。

そうした日がここ数日続き‥‥

 

 

~ナデシコ ブリッジ~

 

「ひゃ~やっぱり疲れたよぉ~」

 

先日同様、お葬式で使ったとされる変な帽子を被り、キャプテンシートでぐったりしているユリカ。

 

「ルリちゃん、艦長ってなんだろう?」

 

「知りたいですか?」

 

「うん、知りたい」

 

「教えることはできませんがデータなら‥‥オモイカネ、データ表示『最近の艦長についての傾向と分析』」

 

空間ウィンドウが開き『年代は?』と聞いてくるオモイカネ。

 

「いつぐらいの艦長にします?」

 

「あっ、ここ100年間で」

 

検索中‥‥検索中‥‥検索中‥‥検索終了

 

「出ました。第二次世界大戦以降、名鑑長と呼ばれる艦長は出現していない。艦長は乗員の不平・不満・悩みを緩和・吸収することが出来ればよい。当初は冷静沈着を思わせる老人タイプの艦長が主流であったが、ここ近年は若者にヤル気を持たせるため、美少年・美少女艦長も登場している」

 

表示された空間ウィンドウを読み上げるルリ。

表示された艦長の中に、某有名な宇宙戦艦の艦長にそっくりな人物がいたが、それについては誰も触れなかった。

 

「つまり現代の艦長の傾向としては作戦能力や決断力などの本質的な能力を必要としていないようですね」

 

「それってどういうこと?‥‥それって‥‥それって‥‥」

 

「それって早い話、誰でもいいってことですよね?」

 

メグミの一言にユリカは‥‥

 

「うわぁぁぁぁん!」

 

先日同様、ユリカは泣きながら通路を走っていった。

 

「「メグミさん‥‥」」

 

オペレーター娘達はユリカに同情するかのようにメグミの名を呼んだ。

まぁ、確かにメグミの言う事も当たってはいるが‥‥

 

 

~ナデシコ 通路~

 

アキトは悩んでいた。

ある日、仕事が終わり、調味料庫で調味料と睨めっこをしているとホウメイに声をかけえられ、アキトはなぜ戦艦なのにここまで食に関して力をいれるのかホウメイに聞いた。

するとホウメイから昔、従軍コック時代の苦く悔しい思い出話を聞かされ、アキトはもっと経験を積んで立派なコックになろうと決意したが、心のどこかでは未だに正義の味方になることを諦めきれないでいた。

それに周囲もアキトにはコックよりもエステバリスのパイロットになれと遠回しに言われている。

それはコハクとの訓練で体力やエステバリスの操縦技術が各段に上がり始めていたからである。

 

「俺はどうすれば‥‥」

 

トボトボと通路を歩いていると、

 

「何か悩み事ですか?アキトさん」

 

背後から声をかけられた。

 

「うわっ!?‥‥って、コハクちゃん」

 

「どうも」

 

通路でコハクと出会い、アキトは自分が抱えているモヤモヤした気持ちをコハクに打ち明けた。

 

「‥‥そうですね」

 

コハクは顎に手を当てて目を閉じて暫し考える。

 

「‥‥」

 

一方、アキトはコハクがどのような答えを出すのかジッと待っている。

10歳も年下の女の子に人生相談を受けてもらうと言うのは何だが、恥ずかしい気分でもあるが、コハクなら何か自分に対してためになるアドバイスや答えをくれる様に思えていた。

 

「‥‥アキトさん、悩んでください」

 

「えっ?」

 

コハクの意外な答えにキョトンとするアキト。

 

「悩んで悩んで悩み続けた結果、選んだその道は、アキトさんが本当になりたかったモノだと僕はそう思います。それにまだ結論を出すのは早すぎますよ」

 

「そう‥かな?」

 

「そうですよ。それに文武両道と言う言葉や昔のアニメ・漫画にワン〇ースと言う作品があり、劇中の中で戦うコックさんのサ〇ジと言うキャラクターがいました。アレもコレも全部と言う訳にはいきませんが、嗜む程度のモノ‥‥であれば、二足の草鞋でもいいと思います」

 

「そうか‥‥ありがとう。コハクちゃん」

 

「いえいえ」

 

コックになるか?それともエステバリスのパイロットになるか?アキトにはまだまだ時間が残されている。

すぐに結論を出さなくてもいいじゃないか。

コハクに話して少し心の中のモヤモヤが晴れた気分のアキトだった。

それからまた更に数日後‥‥

 

 

~ナデシコ ブリッジ~

 

『Ready…Go!!』

 

『でりゃ』

 

『チェストー』

 

『グフッ』

 

ブリッジの空間ウィンドウで右、左とかかれた文字達が格闘していた。

ブリッジにてルリとコハクはのん気に格闘ゲームをしていたのである。

 

「ねぇ、ルリちゃん、コハクちゃん。艦長、最近見ないね」

 

メグミがここ最近姿を見せないユリカがきになり話しかけてきた。

お葬式で忙しいのもあるが、葬式後ユリカはブリッジに良く来ていたのに、ここ最近はブリッジにも葬式会場にも姿を見せずにジュンが代わりに葬式の取り仕切りを代行していると言う。

 

「メグミさんのこの前の一言がやっぱり決め手になったんじゃないですか?」

 

「気になるので探してみましょう」

 

艦内を検索した結果、ユリカは瞑想ルームに居た。

 

「艦長、どうやらお篭もりのようです。やっぱりメグミさんのあの一言が原因みたいですね」

 

「艦長の気持ちなんだか分かるな‥‥」

 

変な噂を広められ、引き篭もり経験のあるコハクは同情するように言う。

 

 

~ナデシコ 瞑想ルーム~

 

「煩悩‥‥お釈迦様は菩提樹の下で悟りを開いた‥‥私も悟りを開きたい‥‥煩悩?私の煩悩って何?」

 

ユリカの頭の中には今も昔も変わらないアキトが好きだという一途な想いが有ったが、ナデシコでアキトと再開してもアキトは自分に会いに来てくれない。

それどころか自分より10歳も年下のコハクとばかり会っている。

ユリカの脳裏にはアキトにお姫様抱っこされているコハク‥‥先日トレーニングルームで見たコハクを押し倒しているアキトの姿。

そしてメグミに冠婚葬祭の事を言われて意識してしまったタキシード姿のアキトとウェディングドレス姿のコハク。

やがて、2人の唇が互いに接近し、そして‥‥

 

「ダメ、アキト!」

 

ユリカが思わず声をあげると、

 

『雑念は捨てなさい。雑念は捨てなさい。脳波レベル最悪。雑念は捨てなさい』

 

瞑想ルームのロボットに頭をポカポカ叩かれた。

すると突然ユリカの目の前に空間ウィンドウが開く。

 

『艦長、叛乱です。乗員の一部が叛乱を起こしました』

 

ユリカが急いでブリッジへ行くと拳銃を構えたパイロット3人娘とスパナを手に持ったウリバタケがいた。

同じく格納庫でもエステバリスに断固反対のプラカードを掲げ、整備員達がメガホンで騒いでいる。

とりあえずなんでこんなことをしたのかを聞く為に急いでブリッジに上がったユリカ。

 

「色んな葬式をしてくれることは分かった。だが、俺達はそんなこと知らなかった!」

 

「だからそれは契約書に‥‥」

 

「今時、契約書見てサインする奴がいるか?見ろ!!」

 

ウリバタケが掲示したネルガルの契約書は文字がびっしり細かく書かれていた。

しかし、いくら見にくくても契約書はちゃんと見た方が良いと思うぞ‥‥

 

「「私(僕)は読みました」」

 

オペレーター娘の2人は全部読んだようだが、ウリバタケ達はそれを受け流し抗議を続けている。

どうやら社員間の恋愛についての項目が不満のようだった。

 

「え~~‥‥社員間の男女交際は禁止いたしませんが、風紀維持の為、お互いの接触は手を繋ぐ以上の事は禁止‥‥何これ?」

 

ユリカは契約書を見ながらウリバタケ達が抗議している社員間の恋愛についての項目を朗読する。

しかし、朗読したユリカ本人も理解していない様子。

 

「やれやれ‥‥そろそろ火星か‥‥フィールドの出力を上げて、グラビティーブラストのチャージをしておいたほうがいいかな?」

 

恋愛禁止の項目について騒いでいる大人達を尻目に敵の襲来を予期していつでも戦闘できるように準備するコハク。

その間も恋愛禁止反対派の抗議は続いている。

 

「お手々繋いで此処はナデシコ保育園か?いい大人がお手々繋いで済む訳ないだろう!?」

 

ドサクサに紛れてリューコとヒカルの手を握るウリバタケであったが、2人から肘打ちをくらい、うずくまる。

 

「俺はまだ若い!」

 

「若いか?」

 

アキトの問いに即答するウリバタケ。

 

「若いの!若い2人が見つめ合い、見つめ合ったら‥‥」

 

「唇が?」

 

「若い2人の純情は、純なるがゆえ、不純‥‥」

 

「せめて抱きたい、抱かれたい!」

 

ウリバタケの一人芝居(合いの手:アマノ・ヒカル)が始まる。

そこへ、

 

「そのエスカレートが困るんです。はい‥‥」

 

「キサマ――――!!」

 

「やがて2人が結婚すれば、お金、掛かりますよね?更に子供でも生んだら大変です。ナデシコは保育園ではありませんので‥‥」

 

「黙れ!!いいか、宇宙は広い!恋愛も自由だ!それがお手々繋いでだとォ~~、それじゃ女房の尻の下のほうがマシだ!!」

 

「とはいえ、サインした以上‥‥」

 

「うるせぇ~!!これが見えねぇか!」

 

「この契約書も見てください」

 

プロスペクターが登場し交渉となるが両者は平行線を辿り、終にはウリバタケ達が武器を構え一触即発の事態になるかと思った時、

 

≪前方より重力波反応大多数≫

 

オモイカネが多数の重力波を探知した。

 

「っ!?オモイカネ、フィールド出力最大!!」

 

コハクが間一髪でナデシコのフィールドを最大に上げた。

その直後、ナデシコを大きな衝撃が襲う。

 

「な、なんだ?」

 

「ルリちゃん、コハクちゃんフィールドは?」

 

「ちゃんと働いています」

 

「ですが、この衝撃‥‥迎撃が必要かもしれません」

 

こうしてナデシコは火星宙域には入り、本格的に木星蜥蜴との戦闘に突入した。

 

 

 

・・・・続く

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